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というわけで

なんと明日から実家を出るのである。

東方の三博士(11)

去年の続き

「いつまでも迷っていても仕方ないじゃないか」
地団駄で自分の背丈ほども掘り抜いてしまった穴から懸命に背伸びして頭を出して、バダダハリダが言いました。
「真っ直ぐ進めばいいのだ。木があろうが、川があろうが、崖があろうが気にせず。そうしたらいつかこの森から出られるはず」
「この森が永遠に続いていたらどうするんだ。この世界が全てこの森で覆われていたら?」
バルタザールは起き上がって心配そうに言いました。起き上がる勢いが良くて今度は俯けに倒れます。
「そんなはずはない。だったらどうやってこの森に入ったんだ」
バダダハリダの反論にもっともだと頷きながら、ホルミスダスが
胡座と腕を解きます。解きすぎて腕を足が逆に捻れてしまっています。
「確かに。だが、空間が曲がっている可能性は考慮に入れるべきだろう。真っ直ぐ進んだはずが、元の場所に戻ってくることはあり得るはずだ」
なぜわかってくれないんだとバダダハリダは地団駄を続けます。穴はますます深くなって、もう彼の頭も見えません。
「とにかく真っ直ぐ進めばいいんだ。真っ直ぐに」
その声がだんだん遠くなります。
捻れた腕と脚を元に戻して立ち上がりながら、ホルミスダスは思案げに空を見ます。
「そうか、真っ直ぐか。森の中で真っ直ぐ歩くのは難しい。障害物が多いし、空間が曲がっているかもしれないしな。だが、真上に進めば可能かもしれない。障害物もないし、見晴らしもいいからな」
「しかし、我々は鳥じゃないし、鳥だって真上には飛べない」
勢いがさらに余って逆立ちに立ち上がったバルタザールが指摘します。
「ここは少し逆さまに考えたらどうだろう?」
二人は顔を見合わせます。逆立ちした人と顔を見合わせるのも、逆立ちしたまま顔を見合わせるのも初めての経験でした。
「「そうか!そういうことか。やはり君は正しかったよ。バダダハリダ!」」
二人はそう叫んで同時に、バダダハリダの穴の中に飛び込みます。
はてさて、星を追いかけて旅に出たはずの三人なのに、穴に飛び込んでどうするつもりなのでしょうか?

(来年のクリスマスに続く)
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