けんさく。

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論理学者の神話 ――酔人篇――

 定義:神とは、もしそれが良いならば、全てが良いような存在である。
 事実:何かは存在する。
 結論:神は存在する。
 推論1:全てが良いか、良くない存在があるかのどちらかである。
 推論2:全てが良いとする。すると全ての存在が神である。
 推論3:良くない存在があるとする。するとその良くない存在が神である。∵もしその存在が良いとすると、この仮定は偽であり、仮定が偽であるとき、含意はいつでも真である。すなわち、もしそれが良いならば全てが良い、という命題は真であり、よってこの存在は神の定義を満たす。
 推論4:∴どちらにしろ神は存在する■
 注記1:そして、おそらく神は良くない存在であり;
 注記2:また、これを読むあなた自身が神である可能性もかなり高い。
 注記3:このような汎神論及び多神教を退け、あくまで一神教を主張したいなら、一つの存在以外は良くて、その存在のみが良くない世界を考えればよい。その良くない存在が唯一の神である。 
 Q.E.F.

論理学者の神話 ――排中篇――

 ∵まず神は∃と∄とについて推論された。∀は形なく∨むなしく→神は半径∞の円周上を廻り∧遍在する中心に偏在する¬の何も映さぬ鏡のような面を覗き込んでおられた。
 神は「無が有る」と仮定された。矛盾である。∴「無は無い」と神は推論された■ すると無は無かった。神はその無の無を見て、良しとされた。第0日である。
 神はまた仮定された。「有が無い」。矛盾である。∴「有は無くは無い」と神は推論された■ すると有は無くは無かった。しかし神はその有の無の無を見て良しとされなかった。そして有の無の無から有を導こうとした。第1日である。
 神は今も推論しておられる。無くは無い有は生み∧増え∧地に満ち、家族を作り、町を作り、国を作り栄えしが、これら真に有るものかどうか、未だ結論出ず。
 これがΩ日間にわたる創造の由来である。

論理学者の神話 ――矛盾篇――

 そのとき、全ての始まりの始まり未だ始まらざるとき、全ての終わりの終わり未だ終わらざるとき、無なかりき、有もなかりき、地と天互いに不分明にて名付けるべきものとてなく、名付けるべき名すらなく、時流れず、空広がらず、ただただ茫洋なる否定のみがゆらぎしとき、楚人に盾と矛とを鬻ぐ者あり。これを誉めて曰く「吾が盾の堅きこと、能く陥すものなきなり。」と。またその矛を誉めて曰く「吾が矛の利きこと、物において陥さざるなきなり。」と。ある人曰く「その矛を以て、その盾を陥さばいかん。」と。物売り、自らの矛持ちて、自らの盾を陥さんとす。すると、無有り、而して有も有り、宇宙、万物、有りと有らゆるもの有り。矛盾に導かれざるもの、有り得べからざればなり。盾と矛持ちし人、如何なること起こりしか分からず、ただ立ちすくむのみ。彼を唆し、図らずか図ったか造物主とせし人、何も言わず立ち去り、その行方杳として知れず。
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