けんさく。

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小説 「神話(1)」

短い小説を書いてみました。
改行があまりないので、ブログで読みやすいスタイルではありませんが
どうかお付き合いください。
少々意味不明なところがあるかと存じ上げますが、
神話や昔話の不条理で理不尽なところを表現してみたかったのです。

神話(1)

むかし、いづれのみかどの御代であったろうか、あるところに、生来淫乱なる女がいた。その女、添い遂げるべき夫があったにもかかわらず、幾人もの男と交わり、ときには下男などの身分の低いもの、果ては僧や童まであさる有様。ついには、夫に露見し、嫉妬の刃の露となり果てた。それを神々は見ていて、彼の女を天に上げ、神となした。淫乱なる女は淫乱なる神となり、天に混乱をもたらし、地に災厄を降り注いだ。ここに至りて、さる男、質実剛健にして、その剣裁きは海を割り、その手力は山を裂く、この乱神をいかなる手段を用いても除かねばならぬと思い立ち、天によじ登った。そして、女神にたぶらかされ、その愛人となった。が、この男、真面目さのみが取り柄にて、面白みに欠けており、すぐに飽きられ、捨てられてしまった。男は怒り狂い、女神は生涯二度目の嫉妬の凶刃に倒れることと相成る。神々は寄り合い、神を殺した罪人の処罰を決めた。地獄の底で岩に縛りつけられ、体中に苦痛の種を植えつけられた。苦痛の種は血液中から養分を吸い上げ、すぐに発芽し、皮膚を食い破り芽を出し、肉を引き裂き根をのばした。そして、その根が心の臓に届くまでの何億年の間、その宿主を苦痛に苛み続けるのだ。この男は鎖に四肢の自由を奪われたまま悶え苦しみ、喉も潰れんばかりに、哀訴の、もしくは呪詛の声を上げた。その岩はたまたま通商路の近くにあり、その声は多くの旅人達の心を動かし、涙を流さしめた。しかし、その時のこの男が発した言葉は今に残っていない。おそらくは、真面目さだけが取り柄のこの男のこと、あまり面白いことは言えなかったのであろう。それでも人というのはその声に宿る悲痛な思いに感動し、涙まで流すが、その手の感動は後に何も残さないものだ。
数年ほど前、この男はとうとう、苦痛の根が心の臓に到達する数日前に、腎不全で命を落とした。すでに彼を罰した神々は死に絶えていた。彼の肉体はほとんど木の養分として吸い取られた後で、死体はそのまま木の幹に変じた。それは我が家の近所の猪子氏の家の軒先についこの間まで生えていたが、夜中にうめくというので、切られてしまって、そこには今はアパートが建っている。

神話(2)
神話(3)
神話(4)
神話(5)
神話(6)

きっかけ

今日、こんなことがありました。
地元の駅前を歩いていると、
男の人が自販機の前で考え事をしていて、
それを見たとたん面白い話が頭に浮かびました。
等など、思いついたことをブログに書いていこう。
そういう考えが頭に浮かんだんです。

そういうわけで、さっそく書いています。
私が自販機の前で出会った男の人が出てくる物語です。
彼は私にこういいました。
「私の名前はけんさくです。
私は今、あることで悩んでいるのです。」
「何ですか?私でよければ相談にのりますよ。」
「私は今、面白い話を思いついたんです。
ところが、恥ずかしながら、私には自分の話を聞いてくれる友達がいないんです。でも、これは本当に面白い話だから・・・」
「ぜひ大勢の人に聞いてもらいたい?」
「そうなんです。何かいい方法は無いでしょうか?」
「それならちょうどいい方法がありますよ。
でも、その前にあなたのお話というのは・・・?」
「友達のいない男の話です。
彼は、いつも自分の話を聞いてくれる人を探していました。」
「それで、その男はどうしたんですか?」
「ブログをはじめたんです。」
「ブログ?」
「ええ。そこに毎日自分の話を書き綴ったんです。
彼はもう孤独ではないのです。」
「なるほど、でも彼はどうやってその方法に気が付いたんですか?」
「人に聞いたんです。
彼が、地元の駅前の自販機の前で考え事をしていたときです。
突然面白い話を思いついたという人が現れたんです。」
彼の話は実際のところそれほど面白いものとは思われなかった。
あの程度の話ならば、自分でも考えることができるのではなかろうか?
そう考えると、自分も今日からさっそくブログをはじめてみようという気になっていた。
それで、午後の紅茶を飲もうか、おーいお茶を飲もうかという問題はどうでもよくなって、一目散にうちに帰ったのだった。

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