去年2010年、一番イケてた日本アニメは断トツで『Panty & Stocking with Garterbelt』であった。
見たことのない人には説明しても何の事だかよく分からないだろうから、とりあえずこれを見てくれ。第一話のうんこを撒き散らす「うんこゴースト」を主人公二人が倒す場面から。
本職の特撮スタッフを雇って撮った爆発がすばらしい。
ちなみに主人公のうち、金髪の方が姉の「アナーキー・パンティ」。穿いてるパンティを脱いで銃「バックレース」に変化させて戦う。地上の男千人切りを目指す真正の「ビッチ(英語ではなくネットスラングの意味での)」だ。第一話から牛乳配達員をベッドに引きずり込んだ状態で登場したのが新鮮でした。
そして構造のよく分からない髪の方が、妹の「アナーキー・ストッキング」。ストッキングを脱いで刀「ストライプⅠ,Ⅱ」に変化させて戦う。甘い物には目がない「スイーツ(笑)」女である。ゴスというよりゴスロリな衣装に身を包み、一時期ぶよぶよのMオヤジを飼っていた時期もあるようだが、実は本人も少しマゾっけがあり、きつく縛ると喜ぶ。駄目男にひたすら貢いで駆け落ちしようとしたこともあるなど、姉と違い恋愛脳の持ち主であるようだ。
その二人があられもない格好で「ファック!」だの「シット!」だの言いながら、ゴーストやデーモンと戦うのが大雑把なこのアニメの筋書きだ。
まず、設定のがいい。GAINAXの『グレンラガン』スタッフの力を結集してひたすら下らないことをやるという意思を感じる。さらに、アニメのネタをアニメで消費する、という最近のアニメの流れに逆らって、『デスレース2000』とか『昭和残侠伝』などの何十年も前の映画ネタを平気に使うのも良かった。そして、個人的にはアメリカンカートゥーンに日本アニメがオマージュをささげたのが何よりうれしい。絵柄は『パワーパフガールズ』だし、話の下らなさは『ビリー&マンディ』だし、残酷シーンは『サウスパーク』や『Happy Tree Fiends』だし、下ネタは『Drawn Together』だ。こういうの好きな人が日本アニメ界にもちゃんといたんだということが分かった。アニメの絵柄としては、常時大雑把に言って四種類の絵柄を使い分けているのも面白いし、話数によってはさらに変種の絵柄がある。『天使が水着に着替えたら』では、『ハイ!ハイ!パフィー・アミユミ』みたいな手抜きモブを背景に、これもカートゥーンによくあるフラッシュ調でリップシンクロに気うを使った演出が見られた。『インナー・ブリーフ』では全盛期の『デクスターズ・ラボ』を彷彿とさせる下らなさの沸点を越えてしまったような話を、『フォスターズ・ホーム』も真っ青のキュビズムデフォルメのもと動かしまくった怪作だ。立体を疑似立体として書くのではなく、無理やり平面にしてしまう技術は、美術やデザインなどではあるが、それをアニメ―ションにするなんて頭が下がる。
ああ、実際見てない人に説明しても、言葉の無力さを思い知るばかりなので、ここまでにしておく。そもそも今回の話題はアニメーションの技術のことではなく、音楽のことだったんだ(いま思い出した)。
上の動画で見ても分かるだろうが、このアニメは音楽のできが相当いい。
音楽を担当しているのは、m-floの☆Taku Takahashi、浜崎あゆみや宇多田ヒカルとも仕事をしている人だが、トレッキーでありガノタである。多分アニメの仕事はこれが初めてだが、彼が上の動画の『Fly away』のremixを手掛けたteddyloid(若干21歳)等を連れてきてくれたのだろう。その結果このアニメの音楽は、普通のアニメ音楽と出自の違う、ディスコミュージックを母体としたダンサブルでノれるものに仕上がっている。
オリジナルサウンドトラックも無茶苦茶売れた。アマゾンのランキングで一時期東方神起より上にいったし、オリコンのウィークリー十位に食い込んだりした。お勧めなので買うとよい。
Panty&Stocking withGarterbelt The Original Soundtrack
アーティスト:TCY FORCE produced by ☆Taku Takahashi
フライングドッグ(2010-12-29)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
さてようやく本題だ。さる2月26日の深夜から27日の早朝にかけて、秋葉原はMograにおいて、パンストの音楽のオールナイトイベント「No Pan Night」が行われていたのだ。正直いって出たかった。でも諸般の事情で無理だった。そこで私は深夜Ustreamの中継で見ていたのだが、さっそくその映像の一部がyoutubeに出ていた。(追記:3月2日、瞬殺確認。涙)
なんて楽しそうなんだ!
最初の方は、普通のテクノミュージックのremixばかりで、また更衣室の関係でコスプレしている人もおらず、こういう音楽は嫌いじゃないけど、あまりパンストと関係ないなと思っていたら、途中から『らんま1/2』『スプーンおばさん』『ラピュタ』さらには夭折した「imoutoid」などカオスな選曲が出始め、フロアではレベルの高いコスプレイヤー達が踊り狂い始め、一番盛り上がったところにteddyloid、さらにはシークレットDJの☆Taku Takahashiまで現れて興奮の絶頂に達したのが大体上の辺り。ちなみにこのときUstreamの回線がものすごく不安定で私はパソコンをぼんぼん叩いていました。ああ、現場にいて踊りたかった。でも泣かない。大人だから。
劇中一番格好良かったシーン
この作品は今まで下手なのが多かった日本アニメにおけるCGの使い方の新時代の始まりとなる作品である。アニメが好きなら「サンジゲン」という名前を覚えていて損はない。そしてやはり音楽がいい。
劇中のmusic video
洋楽ネタ、いくつ分かるかな? 鳥取(笑)
劇中音楽のremix
(追記:3月2日、新作来ていたので追加)
No Pan Nightの様子(teddyloid登場から☆Taku Takahashi乱入あたりまで)(追記:3月2日、これもまるごと消されていた。涙)
この繋ぎで回線がストップしたのもいい思い出である。
このときは音は聞こえてたけど、画面は動かなかった。そして、この「動け! 動けったら!」である。そしてその直後、私が見ていた画面(これとは違うチャンネルで見ていた)の回線が一度遮断されたのである。神タイミングと言うべきであろう。
Panty&Stocking with Garterbelt 特装版 第1巻 [Blu-ray]
出演:小笠原亜里沙
角川映画(2010-12-24)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
Panty&Stocking with Garterbelt 特装版 第2巻 [Blu-ray]
出演:小笠原亜里沙
角川映画(2011-01-28)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
ちなみにtagroによるコミカライズはヤング・エースで連載中だ。都庁みたいなアジトに住んでて勃起で障子紙を破って攻撃してくるゴーストが、性表現を規制しようとするのでやっつける話とかすごいぞ。「season of sunshine」で「パーフェクトプレイ」なんだぞ。
見たことのない人には説明しても何の事だかよく分からないだろうから、とりあえずこれを見てくれ。第一話のうんこを撒き散らす「うんこゴースト」を主人公二人が倒す場面から。
本職の特撮スタッフを雇って撮った爆発がすばらしい。
ちなみに主人公のうち、金髪の方が姉の「アナーキー・パンティ」。穿いてるパンティを脱いで銃「バックレース」に変化させて戦う。地上の男千人切りを目指す真正の「ビッチ(英語ではなくネットスラングの意味での)」だ。第一話から牛乳配達員をベッドに引きずり込んだ状態で登場したのが新鮮でした。
そして構造のよく分からない髪の方が、妹の「アナーキー・ストッキング」。ストッキングを脱いで刀「ストライプⅠ,Ⅱ」に変化させて戦う。甘い物には目がない「スイーツ(笑)」女である。ゴスというよりゴスロリな衣装に身を包み、一時期ぶよぶよのMオヤジを飼っていた時期もあるようだが、実は本人も少しマゾっけがあり、きつく縛ると喜ぶ。駄目男にひたすら貢いで駆け落ちしようとしたこともあるなど、姉と違い恋愛脳の持ち主であるようだ。
その二人があられもない格好で「ファック!」だの「シット!」だの言いながら、ゴーストやデーモンと戦うのが大雑把なこのアニメの筋書きだ。
まず、設定のがいい。GAINAXの『グレンラガン』スタッフの力を結集してひたすら下らないことをやるという意思を感じる。さらに、アニメのネタをアニメで消費する、という最近のアニメの流れに逆らって、『デスレース2000』とか『昭和残侠伝』などの何十年も前の映画ネタを平気に使うのも良かった。そして、個人的にはアメリカンカートゥーンに日本アニメがオマージュをささげたのが何よりうれしい。絵柄は『パワーパフガールズ』だし、話の下らなさは『ビリー&マンディ』だし、残酷シーンは『サウスパーク』や『Happy Tree Fiends』だし、下ネタは『Drawn Together』だ。こういうの好きな人が日本アニメ界にもちゃんといたんだということが分かった。アニメの絵柄としては、常時大雑把に言って四種類の絵柄を使い分けているのも面白いし、話数によってはさらに変種の絵柄がある。『天使が水着に着替えたら』では、『ハイ!ハイ!パフィー・アミユミ』みたいな手抜きモブを背景に、これもカートゥーンによくあるフラッシュ調でリップシンクロに気うを使った演出が見られた。『インナー・ブリーフ』では全盛期の『デクスターズ・ラボ』を彷彿とさせる下らなさの沸点を越えてしまったような話を、『フォスターズ・ホーム』も真っ青のキュビズムデフォルメのもと動かしまくった怪作だ。立体を疑似立体として書くのではなく、無理やり平面にしてしまう技術は、美術やデザインなどではあるが、それをアニメ―ションにするなんて頭が下がる。
ああ、実際見てない人に説明しても、言葉の無力さを思い知るばかりなので、ここまでにしておく。そもそも今回の話題はアニメーションの技術のことではなく、音楽のことだったんだ(いま思い出した)。
上の動画で見ても分かるだろうが、このアニメは音楽のできが相当いい。
音楽を担当しているのは、m-floの☆Taku Takahashi、浜崎あゆみや宇多田ヒカルとも仕事をしている人だが、トレッキーでありガノタである。多分アニメの仕事はこれが初めてだが、彼が上の動画の『Fly away』のremixを手掛けたteddyloid(若干21歳)等を連れてきてくれたのだろう。その結果このアニメの音楽は、普通のアニメ音楽と出自の違う、ディスコミュージックを母体としたダンサブルでノれるものに仕上がっている。
オリジナルサウンドトラックも無茶苦茶売れた。アマゾンのランキングで一時期東方神起より上にいったし、オリコンのウィークリー十位に食い込んだりした。お勧めなので買うとよい。

アーティスト:TCY FORCE produced by ☆Taku Takahashi
フライングドッグ(2010-12-29)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
さてようやく本題だ。さる2月26日の深夜から27日の早朝にかけて、秋葉原はMograにおいて、パンストの音楽のオールナイトイベント「No Pan Night」が行われていたのだ。正直いって出たかった。でも諸般の事情で無理だった。そこで私は深夜Ustreamの中継で見ていたのだが、さっそくその映像の一部がyoutubeに出ていた。(追記:3月2日、瞬殺確認。涙)
なんて楽しそうなんだ!
最初の方は、普通のテクノミュージックのremixばかりで、また更衣室の関係でコスプレしている人もおらず、こういう音楽は嫌いじゃないけど、あまりパンストと関係ないなと思っていたら、途中から『らんま1/2』『スプーンおばさん』『ラピュタ』さらには夭折した「imoutoid」などカオスな選曲が出始め、フロアではレベルの高いコスプレイヤー達が踊り狂い始め、一番盛り上がったところにteddyloid、さらにはシークレットDJの☆Taku Takahashiまで現れて興奮の絶頂に達したのが大体上の辺り。ちなみにこのときUstreamの回線がものすごく不安定で私はパソコンをぼんぼん叩いていました。ああ、現場にいて踊りたかった。でも泣かない。大人だから。
劇中一番格好良かったシーン
この作品は今まで下手なのが多かった日本アニメにおけるCGの使い方の新時代の始まりとなる作品である。アニメが好きなら「サンジゲン」という名前を覚えていて損はない。そしてやはり音楽がいい。
劇中のmusic video
洋楽ネタ、いくつ分かるかな? 鳥取(笑)
劇中音楽のremix
(追記:3月2日、新作来ていたので追加)
No Pan Nightの様子(teddyloid登場から☆Taku Takahashi乱入あたりまで)(追記:3月2日、これもまるごと消されていた。涙)
この繋ぎで回線がストップしたのもいい思い出である。
このときは音は聞こえてたけど、画面は動かなかった。そして、この「動け! 動けったら!」である。そしてその直後、私が見ていた画面(これとは違うチャンネルで見ていた)の回線が一度遮断されたのである。神タイミングと言うべきであろう。
![Panty&Stocking with Garterbelt 特装版 第1巻 [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51HIooNfZCL._SL160_.jpg)
出演:小笠原亜里沙
角川映画(2010-12-24)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
![Panty&Stocking with Garterbelt 特装版 第2巻 [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61OBMDx5BdL._SL160_.jpg)
出演:小笠原亜里沙
角川映画(2011-01-28)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
ちなみにtagroによるコミカライズはヤング・エースで連載中だ。都庁みたいなアジトに住んでて勃起で障子紙を破って攻撃してくるゴーストが、性表現を規制しようとするのでやっつける話とかすごいぞ。「season of sunshine」で「パーフェクトプレイ」なんだぞ。