けんさく。

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2012年09月

「Pendulum」の「Knife Party」への脱皮を言祝ぐ

90年代中盤、「The Prodigy」が非常に高いレベルでテクノ系ダンスミュージックとロックを融合させた(しかもCDとliveの両方で)ことにより、そのスタイルを受け継ごうというバンドがたくさん現れた。
そんな中でも特に、熱かったのが2002年にデビューしたオーストラリアのバンド「Pendulum」だった。
彼らの出すバキバキした感触の音で繰り出される高速どらムンベースと高速ブレイクビーツは21世紀のテクノのメルクマールになってるし、勢いよくはじけるヴォーカルは会場をロックコンサートの興奮に巻き込んでいる。
ライブで、ターンテーブルやラップトップを駆使する傍らでギターが生演奏しているスタイルは、やはり「The Prodigy」を思い出させる。『Voodoo People』のremixも有名である。
とりあえず彼らの曲を聴いてみよう。

『Showdown』

キャットファイト好き大歓喜pv。

『Slam』

半裸で踊り続けるデブのおっさんが有名なpv。金が掛かってなくていいね!

『Voodoo People(Pendulum Remix)』

pvに出てるのはThe Prodigyの面々ですが。

『Watercolour』

出てくる黒い液体は磁性流体ですね

『Crush』

破滅的なストーリーを伺わせるpv

The Prodigy同様、このバンドはライブがいい。

2010年サマーソニックで来日の時の映像
『The Vulture』『Voodoo People』

MCがいると曲がさらに栄える。

2009年イギリスのGlustonburryでの『Shouwdown』


同じライブの『Granite』


ちょっと変わり種。Metalicaの『Master of Puppets』カヴァーからの『Slam』


で、ここまで書いといてなんだけど、実はこのバンド、最初聞いたときこそ「むちゃくちゃかっこいいじゃないか」と思ったものの、わりと早く飽きたのである。
なんか、なにを聞いてもおんなじに聞こえるような気がしはじめて。
音作りもリズムもそんなに手数がないように思えたのだ。

だから、、ヴォーカルのRob SwireとベースのGareth McGrillenがダブステップのユニット「Knife Party」を結成して、Pendulumとしての活動を無期限停止したときは、驚いたし、彼らの次にステップにわくわくしたのだ。
とりあえずスタートにおいては「Knife Party」は「Pendulum」よりも進化している。音がさらに凶暴に進化しているのだ。個人的にはずっと好きだ。
次はいったい何をするのか、楽しみである。

『Internet Friends』

「You blocked me on facebook, and you're going to die」
変な女につきまとわれる恐怖を描いた歌だが、途中の着信音はモノホン過ぎて少し慌てる。

『Centipede』

「centipede」というのは「centi」=「百」、「pede」=「足」という名のとおり「百足」を意味する。
害虫駆除というのは、どうしてもバロウズを思い出させる。

『Destroy Them With Lasers』

「奴らをレーザーで殺せ!」

『Rage Valley』


『Fire Hive』


『Bonfire』

「bonfire」とは、ワルプリュギスの夜とかに行われるかがり火の総称で、動物の骨を投げ入れたことから「bone」+「fire」でできた言葉。
ちなみに英語版wikipediaを見ると、五山の送り火がbonfireの一種に数えられているが、もちろん「お盆」とは何の関係もない言葉である。

Knife Partyの曲はすべてディジタル・ダウンロードによって販売されている。
買いたい人は公式ページかitunesににいくといいよ。

『天才てれびくん』黄金期の思い出

今、『恐竜惑星』と『ジーンダイバー』のDVDを手に入れて、少しずつ見ている。
恐竜惑星 DVD-BOX恐竜惑星 DVD-BOX
出演:柴田由美子
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今見ても、見事なSF設定だと感心するしかない。さすが金子隆一!
当時最先端の恐竜知識(今見ると、古くなってしまった部分もあるが)や、量子コンピューティング、タイムブースターなど様々なSFガジェットなど、見ていて非常に楽しい。前半に謎や伏線をちりばめて少しずつ解決していく、脚本力の高さもすばらしい!
リアルタイムでは見ていなかったのだが、『ナノセイバー』も見たくなってしまった。
救命戦士ナノセイバー DVD-BOX救命戦士ナノセイバー DVD-BOX
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でも、まだ『アリス探偵局』や『ミステリートラベラー』や『転校生マオ』などDVD化して欲しい作品がたくさんあるんだよなあ。

うがい薬でビタミンCが検出できるぞ!

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うがい薬のあの赤茶色は、ヨウ素の色。
ヨウ素はでんぷんと反応して紫色になるのが有名だけど、それ以外にも手軽にできる色の変わる実験ができる(ちなみにこのヨウ素でんぷん反応は、化学反応というより、分子間力で分子同士が緩く結合する「超分子反応」であり、でんぷんの種類によって色が変わったりと、これもなかなか奥が深い)。
それはビタミンCの検出。ヨウ素はビタミンCと混ぜると色が消えるのだ。
お茶程度の色まで薄めたヨウ素液に削ったビタミンC錠やCCレモンなどを入れて混ぜると途端に色が消えるのが観察できる。



ヨウ素は、周期表だと塩素の下のハロゲン族に含まれる。これらの原子は水素と結びつきやすいので(自分が還元しやすいので)、他のものを酸化させる力を持つ。
酸化ってのは、物が燃えたり、金属がさびたり、老化の原因になったり、切った林檎などの色を変えてしまったり、物質を壊すことが多い。もちろん微生物は死んでしまう。(だから大昔の原核生物にとって、酸素は猛毒だった。今の生物にとっても活性酸素はかなり危険だ)
だからオキシドールも塩素も酸化させる力があるものは消毒剤に使え、当然ヨウ素もそう使われている。うがい薬に入っているヨードチンキだ。

逆にビタミンCは、酸素と物凄く結び付きやすいので(自分が酸化しやすいので)、他のものを還元させる力を持つ。
だから、体の中で発生した活性酸素など、強い酸化力を持っている「フリーラジカル」と反応し(いわば身代わりになって)、体が酸化するのから守ってくれる。(なおビタミンCは水溶性なので、脂の中には入っていけないが、ビタミンCは脂の中でフリーラジカルを消してくれるビタミンEを再生する作用がある)
緑茶や紅茶などに、酸化防止剤としてビタミンCが入っているのもこういう理由だ。酸化で色が変わったり、味が悪くなったりするのを防いでくれるのである。

ここまでくれば、ビタミンCとヨウ素液が反応することが理解してくれるだろう。
この二つを混ぜると、ヨウ素が還元されて、ヨウ化水素になって、無色透明になる。
「お茶を水に変える」などと、マジックのネタにしてもいいが、様々なジュースや野菜果物の汁を使って、ビタミンCが多いのはどれかを、一滴ずつ垂らして、何滴目で色が消えるかで、判定するのも、「試薬による定量分析」を子どもに教えるのに実にいい。
すると、緑茶の方が紅茶よりずっとビタミンCが多いことを確認できたり、レモンがそれほどビタミンCが多い訳ではないことがわかって「レモン~個分のビタミンC」という宣伝の欺瞞を明らかにしたりできるぞ。

「文学」の残党

ぼうっと雑誌読んでたら、冲方丁と林真理子の対談が載っていた。ウェブでも読める
びっくりした。次の会話だ。

林:ビックリだな。冲方さんって、『天地明察』で突然あらわれたスター作家みたいに思われているけど、文学青年としてちゃんと修業を積んでいるんですね。

冲方:ジミ~に10年やっていました。(笑)
ハアッ!?
そんな風に思っている人が一体何人いるというんだ?
『マルドゥック・スクランブル』シリーズのSF大賞受賞は、一体全体どこに行ってしまったんだ?
アニメやマンガやゲームにわたるメディアミックス作品は、どこに消えたんだ?
ハイハイ、そうですか? SFなんていうものはデビューには入らない、単なる修行時代、という認識ですか?
それなら別にいいんです。あなたの世界ではそういうことになってるんですね。
逆にそんな世界がまだ生き残っていたことに、感心してしまいましたよ、わたしは。
どうせ消えていくしかない世界なので、せいぜい長生きして、後の人々のためにたくさん痕跡を残して下さいな。
きっとあとでたくさんの学者が、あなた方の存在について理解に苦しむでしょうから。

The Prodigy 変わり続けること。

個人的な趣味の問題にすぎないのだが、『勝手に改造』は好きだが、『絶望先生』は好きではない。
どうも、作風が固定されてしまっているような気がする。いつも同じことをしているように見えるのだ。
『勝手に改造』のときは、作風が変化し続けていた。作者が、「どんなことが面白いのか」について悩み、悩んで悩みぬき、いろいろな実験をして、失敗をしては次の実験にうつり、その中から、確かに面白いと思えるものを掴んでいく様がまじまじと見えるのだ。『南国アイスホッケー部』からだと、完全に別人だが、『勝手に改造』の最初と最後でも、相当違うマンガになっている。
しかし、『絶望先生』では、あまり変化を感じない。一度、手に入れた面白さを手放したくないのだろう。それはもちろんわかる。いしかわじゅんが言うように、ギャグマンガは自分を狭いところへ狭いところへ押し込めて、最後には精神か体を壊すか失踪するしかなくなってしまうものだ。だからそれを非難するのはやめておこう。
ただ、それでも私は変わり続けていくものが、新しい面白さを求め続けている人が好きだ。
最初と最後では別のアーティストになってしまっている表現者の、作品歴を追いかけて、なぜそういう変化がひつようだったかを考えるのが好きなのだ。
ジェイムズ・ジョイス、藤枝静男、パブロ・ピカソ、フランシス・ピカビア、etc。
(もちろんジャクソン・ポロックのように一度完成させた手法を捨て、次を目指したことを非難されてしまった人物もいた。彼はその次が何なのか示す前に死んでしまった)
そして音楽で、変わり続けることを選んだ者達の中に、今回紹介しようと思う「The Prodigy」がいる。

もともと彼らは、80年代後期のレイヴカルチャーから現れた。
レイヴとはその頃イギリスで流行りはじめた、倉庫や廃屋などで行われる無料のパーティである。それまでディスコやクラブで行われていたダンス・パーティを、自分たちで非商業的に行おうという発想だ。
それらは既存のメディアや企業の力を借りずに、口コミで広がっていき、次第に世界的ムーブメントになった。
権力や商業から離れた場所での、刹那的享楽性や連帯感が、若者に受けたのだ。もちろんそれはドラッグ文化とも強い繋がりを持った。(私は種村季弘が『悪魔礼拝』で書くような中世のサバトを強く思い出す。あれも権力の及ばない場所で、ドラッグを交えて行われる、非日常的で非生産的な享楽的乱痴気騒ぎだ)
これを1960年代のヒッピー文化の隆盛「サマー・オブ・ラブ」になぞらえて「セカンド・サマー・オブ・ラブ」と呼ぶ。
そしてその多くのレイヴパーティでアンセムとして流されたのが、The Prodigyの曲だった。

『Charly』


『Everybody in the place』


ジャンル名で言うなら、「ハードコア・テクノ」、日本でもバブル経済の象徴、ジュリアナ東京でよく掛けられていたと聞く。当時のコンピアルバムにも入っている。
安っぽさ、跳ねるようなリズム、甲高いけたたましさ、女性ヴォーカルのサンプリングなどが特徴で、まさに享楽的に踊るための音楽だといえよう。

『Out Of Space』

ヴォーカルのサンプリングはレゲエ・アーティスト「Max Romeo」の『Chase the Devil』から。


『WInd It Up』


この時期に出た1stアルバムにリミックスヴァージョンを付け加えたもの。
Experience ExpandedExperience Expanded
アーティスト:Prodigy
販売元:Xl Recordings
(2009-11-02)
販売元:Amazon.co.jp
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このころは、やはりレイヴの享楽性を強く感じさせ、皆明るい感じがする。唯一の黒人メンバー「マキシム」は明るい好青年という感じだし、長髪の「キース」の垢抜けなさ(というかダサさ)も好ましい(これがのちに、あんなことになるとは)。手足の長いリロイの独特のゆらゆらダンスも、まさにレイヴ、という感じだ。演奏係なせいで、ライブでは踊らないリアムのダンスが見られるのも、この時期のpvの特徴であろう。

しかし、愛の夏は長くは続かない。ドラッグの蔓延や、深夜のパーティによる治安悪化を危険視した警察らによる圧力が強まるとともに、レイヴの巨大化、商業化の動きが重なる。
結果として、レイヴは手作りの物ではなく、資本が動いて大きな利益を生み出すものとなっていき、アンダーグラウンド文化ではなくなっていき、初期の一体感をなくしていった(この辺りの流れは、これを直接扱った本ではないが、ジャック・アタリの『ノイズ──音楽・貨幣・雑音』を読むとよく分かるようになると思う)。
レイヴは、人気DJやダンス系バンドを集めて行われる商業イベントとなり、非商業的なDJは再びクラブに潜っていった。

The Prodigyはどうしたか。すでに表の世界で名声を手に入れていた彼らは再び地下に潜ることはしなかった。代わりに、その頃から彼らの音楽やファッションは、攻撃性をしたがうようになる。
まず彼らは2ndアルバム『Music For Jilted Generation』で、やはり反商業の音楽としてスタートして結局は商業に見事に取り込まれてしまったオルタナティブ・ロックの音を取り込んでいく。
Music for the Jilted GenerationMusic for the Jilted Generation
アーティスト:Prodigy
販売元:Xl Recordi
(2000-01-01)
販売元:Amazon.co.jp
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『Voodoo People』

暴力的なベース音とドラムビーツに彩られたドラムンベースを時代に先駆けて実践している。

『Poison』

この時期はキースがまだまともな格好してますね。

そしてこの勢いもそのままに、クラブ界三大アンセム『Firestarter』『Breathe』『Smack My Biych Up』をシングルで繰り出していく。
そしてこの時期キースはいきなりカルトファッションスターになってしまう(何回も雑誌の表紙を飾った)。

『Firestarter』

『Breathe』

『Smack My Bitch Up』

なんかキース、ゴブリンみたいである。

こ れらを収録した3rdアルバム『The Fat of the Land』は、ロックとテクノの垣根を吹き飛ばし、世界中で1000万枚以上売れて、世界で一番売れたダンス・ミュージックの記念碑的アルバムとなった。内容も高速ドラム ンベースとブレイクビーツを土台に、ロックっぽいものから、初期のレイブっぽいもの、さらにはヒップホップぽいものまで勢ぞろい。
The Fat of the LandThe Fat of the Land
アーティスト:Prodigy
販売元:Xl
(2000-01-01)
販売元:Amazon.co.jp
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この時期、彼らは世界中を回っている。次はおそらくその一つ。
『Voodoo People』
nnは

このワールドツアーが2年も続いて、疲れきったメンバーは休止期に入り、存在意義を失っていたリロイが脱退、他のメンバーもソロ活動に入りながら、次のステップを探していた。
その後、シングルを出しヒットはするものの、3rdアルバムの焼き直しと酷評を受けて、4thアルバムのための曲をすべて破棄したり、いつも新しい方向性を模索しながら、2004年に7年ぶりのアルバム『Always Outnumbered, Never Outgunned』を出し、2009年に5thアルバム『Invader Must Die』を発表する。
一見凶暴そうな彼らは、初期の映像を見ても分かるように、普段は非常に真摯で物静かな人物だという。そしてなにより、音楽を作ることが好きで好きでたまらないのだそうだ。
そんな彼らだからこそ、同じスタイルにとどまることはできないのであろう。

日本での2008年のライブ。
『Breathe』『Spitfire』

キースが一周回って、無茶苦茶カッコよくなってる。マキシムは相変わらずだが。そしてリアムは目立たない。リーダーTシャツが笑える。

『Voodoo People』


『World's on Fire』(当時未発表曲)

歌詞はThe Breedersの『I Just Get Wanna Along』の引用。
If you're so special why aren't you dead.
他にもThe Prodigyはこのバンドのギターなどをサンプリングしている。

『Firestarter』『Smack My Bitch Up』

盛り上がってるねえ。

イギリスでの2009年のライブ
『Invader Must Die』


『Warriors Dance』

この曲では、今まで封印してきたレイブの頃のスタイル(チープな女声サンプリング)を復活させ、今の音(暴力的なベース音)に見事に調和させた作品。
The Prodigyは止まらない。失踪せずに疾走し続けることは決して簡単ではないが、彼らならどこまでも遠くへと連れて行ってくれそうである。
インヴェイダーズ・マスト・ダイ(DVD付)インヴェイダーズ・マスト・ダイ(DVD付)
アーティスト:ザ・プロディジー
販売元:ビクターエンタテインメント
(2009-02-18)
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