ふと推理小説論を書きたくなった。というのも推理小説とは何なのかが急に分かってしまったのだ。ところが推理小説なんてほとんど読んでいないのだ。だから推理小説を読まなくてはいけない。たとえ推理小説とは何なのかが分かってしまっていても、推理小説を全く読まずに推理小説論を書くのはさすがに気が引ける。それくらいの常識は私にだってある。
というわけで何から読もうか。
というわけで何から読もうか。
けんさく。が、いろいろ趣味のことをやるページです。
簡単なあらすじってな感じに話は進む。
三上重四郎は学生時代に『化石素堆積説(ペトリン・セオリー)」なるものを発表した気鋭の医学者である。「化石素(ペトリン)」とは、植物において一つの種類が絶滅に近づくと組織中に現れるもので、これにより植物は化石として残るのだという。そして彼は動物の血中においてもペトリンが存在することを発見し、アルゼンチンにおいて移民であり多くは混血であるアルゼンチン人と滅び行く原住民であるパタゴニア人の血中のペトリンを比べて、アルゼンチン人のほうがペトリンが多いことを発見した。つまり滅び行く種族はアルゼンチン人であるのだ。なのにパタゴニア人が減少しているのは、冷酷なアルゼンチン政府の政策によるに違いないことが、これにより証明された。そこで彼はパタゴニア人保護区を政府に作らせるための運動を指揮するのだが、運動が盛り上がったところで彼は行方不明になってしまう。一体彼はどこに消えたのか? そんなある日、流れ者の一人が秘境「蕨の切り株(トッコ・ダ・フェート)」 の奥で出会ったと語る、沼の底から立ち上がった『水棲人(インコラ・パルストリス)』の身体的特徴が三上と一致したのは偶然なのか?
けんさく。