けんさく。

けんさく。が、いろいろ趣味のことをやるページです。

ショートコント

ツッコミマシーン

爆笑問題の田中さんがNHKの「爆問学問」っていう番組で、ツッコミが客の常識というか、笑いの基準をつくるみたいなことを言っていて、なるほどな~と思いました。

*以下の作品の中の「人間か」っていうせりふは「欧米か」みたいなノリでお願いします。


「ツッコミマシーン」

(男がひとりケータイ電話で通話中)

ヒロポン: 「いや、俺もね。できれば、お前といっしょにやっていきたいと思ってたよ。
うん、うん、あのね。うん、実はさ、もう新しい相手もいるんだわ。
え?あぁ、だからね。前から思ってたんだけどさ、お前とはなんかこうタイミングが合わないんだよね、本番のときとか。
こう、俺がいくってときにさ、お前ぜんぜん感じてないでしょ。もっと感じてよ。
じゃないと、ツッコミづらいっていうかさ。
やりにくいんだよね、お前のボケ。
あぁ、・・・まあ、もっと勉強してよ。M-1とか見て。
あ、新しい相方?気になる?すごいよ。
まじ、俺、お笑い界に革命起こすわ。
すごい人。いや人じゃないけど・・・
まあね。確実にウケルから。だって、ロボットだよ。
うん、うん、だからロボット。相方。次の。え?何?」

(ケータイを置いて)

ヒロポン: 「切れちゃったよ。そりゃま、びびるわな。
ロボットと漫才って。・・・ふふ。俺、天才だわ。誰も考えないよね。
お、そろそろ届くころだな」

(ピンポーンとインターホンが鳴る。外から「宅急便でーす。ロボットをお届けにあがりました」)

ヒロポン: 「はーい。 来たね来たね」

(ドアを開けると男が一人立っている)

ヒロポン: 「あれ、ロボットは?あ、まだ車?」

ロビン: 「いえ、私がロボットです。ロビンといいます」

ヒロポン: 「いや、あなた人間じゃないですか」

ロビン: 「いえ、ロボットです。もし、あれでしたら、証拠をごらんになりますか?」

ヒロポン: 「証拠?じゃ、まあ見せてよ」

ロビン: 「では、この近所に若い女性はいませんか?」

ヒロポン: 「え?まあ、いるけど、なんで?」

ロビン: 「私は、人間の男性に非常に精巧に似せて造られたロボットです。従って、外見からは私がロボットであるかどうか判断することができません。
それどころか、若い女性の裸を見ると、普通の男性並みに興奮し、性的な行動にでる恐れさえあります。
しかし、ロボットである私が人間を傷つけることがあってはいけません。
そこで、私には抑制装置が取り付けられました。もし、私が裸の女性を見ると装置が働き始め、まず、腰に備え付けた安全エアバックが一気に膨らみ危険を回避。
次に、頭に内蔵されたスピーカーが轟音を鳴らし、周囲に危険を知らせ、
最後に、体中の穴という穴からひどい悪臭を漂わせ、被害女性が自発的に現場から遠ざかるように促します。
私が、ロボットであることを示す唯一の方法でしょう。あっ、若い女性が角を曲がって・・・こっちに!すいま・・・」

ヒロポン: 「分かった!分かったから!信じるよ。   まず、ドアを閉めようか・・・」

(ヒロポン、あわててロビンを部屋の中に引っ張りいれる)

ヒロポン: 「しかし、お前、本当にうまくできてるな。人間そのものじゃないか。
だけど、困ったな。お前さ、自分がどういう目的でここに来たか分かってる?」

ロビン: 「はい。漫才の相方をするようにという注文をうかがっていますが」

ヒロポン: 「そう。でも俺はさ。もっとロボットっぽいのを期待してたのよ。
じゃないと分からないじゃん。お客さん。まるきし人間じゃ、普通の漫才だよ」

ロビン: 「そうでしたか。あ、でしたら、若い女性のはだ・・・」

ヒロポン: 「ダメなの!それは。  電波に乗せられないでしょ。
でも、まあ、お前こうして話してると確かにロボットっぽいところもあるし、
漫才の台本も実はもう考えてあるから、とりあえずあわせてみるか」

(ヒロポン、台本を取り出す)

ヒロポン: 「じゃあ、台本ここにあるから。覚えちゃってよ」

ロビン: 「え?こんなに?すぐには覚えられません」

ヒロポン: 「人間か。ロボットらしくないだろ」

ロビン: 「すいません。ただ、精巧に人間を模して造られていますので」

ヒロポン: 「またそれか。じゃ、台本見ながらでいいよ」

(二人、漫才をするときのように並んで立つ)

ヒロポン: 「じゃ、俺が会社の上司で、お前が新入社員、山田太郎。最初、俺が話しかけるから、お前が自己紹介するくだり」

上司(ヒロポン): 「あー、君が新入社員か」

山田(ロビン): 「はい、山田太郎です・・・」

ヒロポン: 「人間か。  あの、もうちょっとさ、ロボットっぽく言ってくれないと。『ハイ ヤマダタロウデス』みたいな。
じゃないと、これ全然面白くないからね。はい、もっかい」

上司(ヒロポン): 「あー、君が新入社員か」

山田(ロビン): 「ハイ ヤマダタロウデス トクギハ・・・」

ロビン: 「あの、トランペットを取り出して演奏するって書いてあるんですけど」

ヒロポン: 「あ、それあるつもりで。『何で持ってきてんだよ!』って俺のツッコミがはいるから。ふふ。面白いだろ?ここで、一気に客が盛り上がる。はいっ」

上司(ヒロポン): 「あー、君が新入社員か」

山田(ロビン): 「ハイ ヤマダタロウデス トクギハ トランペットノ エンソウ デス」

(ロビン、トランペットを取り出す動作)

上司(ヒロポン): 「何で持ってきてんだよ!」

ロビン: 「あの、私、トランペットの演奏できないんですが」

ヒロポン: 「いや、意味わかんない。ロボットっていったらトランペットでしょ?アシモに負けてんじゃん」

ロビン: 「すいません。ただ、平均的な男性はトランペットの演奏ができないので。私は、精巧に・・・」

ヒロポン: 「またそれか。ったく、ぜんぜんダメじゃん、お前」

ロビン: 「それに、私にはこの台本の面白さというものが、よく分からなくて」

ヒロポン: 「うるさいよ」

ロビン: 「あの、分からないのは、おそらく私に感情というものが無いためだと思います」

ヒロポン: 「いや、意味わからない」

ロビン: 「あ、それは、私の行動や言動はすべて私の設計者の作ったプログラムによって制御されているので。
ですから、あたかも本当に心を持っているかのように振舞うことはできるんです。
でも、本当の感情というものがどういうものか、私には分かりません。私にはそのことが本当に残念で・・・」

ヒロポン: 「残念って、それ、感情あるじゃん!意味わかんないし」

ロビン: 「ですから、これもあたかも感情を持っているかのような・・・」

ヒロポン: 「あー分かった、分かった。次いこ、次。山田がトランペットの演奏を終えて上司が話しかけるくだり」

上司(ヒロポン): 「トランペットが吹けるのは良く分かった。ありがとう。もう十分だ。とりあえず、君はねえ、お茶くみでもしていてくれたまえ。それならできるだろ?」

山田(ロビン): 「モチロンデス」

(ロビン、てきぱきとお茶を入れる動作をする)

ヒロポン: 「あーダメダメダメ。そこはもっとロボットっぽくやってくれないと。急須を持つところからぎこちなくさ。
できるか?できるか?っていうハラハラ感を出さないと。あのな、『緊張は笑いを誘発する起爆剤』って聞いたことないか?
これ常識ね、芸人の。はい、もっかい」

(ロビン、急須を持つ動作をしようとして)

ロビン: 「あの、すいません。なんか疲れてしまって。ちょっと休憩にしませんか?」

ヒロポン: 「人間か。ロボットらしくないだろ」

ロビン: 「すいません。ただ、いろいろと新しいことがあって、緊張してしまったんだと思います」

ヒロポン: 「緊張って、それ、感情あるじゃん」

ロビン: 「いえ、そうではなく。実際に心で感じているわけではないのですが、プログラムが緊張状態にあることを判断して、体や行動にそのような影響がでるんです」

ヒロポン: 「いや、意味わからない」

ロビン: 「すいません、ちょっとめまいがするので、横になってもいいですか?」

ヒロポン: 「人間か。ったく、ぜんぜんダメじゃんお前」

(ロビン、横になって力なく尋ねる)

ロビン: 「私は人間がうらやましくなることがあります。感情があるって、どんな感じなんですか?」

ヒロポン: 「いや、意味わからない。ってか、うらやましいって、それ、感情あるじゃん」

ロビン: 「今日、ここに来るとき、空を眺めてみました。真っ青な空に、大きな入道雲が見えて、日差しが強かったです。」

ヒロポン:「人間か」

ロビン: 「本当に、人間かって感じですよね・・・。でも、風は涼しかったです。セミが鳴いていて、時間がゆっくりと流れているような。
ふと、足元を見るとミミズがアスファルトの上で死んでいました。いや、生きていたのかも。そこに、アリがたかっているのが見えて。少し、かわいそうですね」

ヒロポン: 「かわいそうって、それ、感情あるじゃん」

ロビン: 「でも、そういうのが全部、美しいと思いました」

ヒロポン: 「いや、意味わからない」

ロビン: 「そうですよね。私には、感情がありませんから。この世界の美しさなんて本当には分からないんだと思います。
でも、私が普通の人間と同じように、心を持っていたら、本当の意味で、空の入道雲や、アスファルトのミミズに美しさを感じられたんだと思います。
あ、でもお笑いの面白さについては、なんか少しずつ分かってきましたよ。ヒロポンさんほどではないかも知れませんけど、ツッコミもできる気がします。
そうだ、私がこれから言うことに対して、ヒロポンさんちょっとツッコミを入れてくれませんか?」

(ヒロポン、あきれた顔。ロビン、ちょっと間をおいて)

ロビン: 「今日はたくさん練習したなー。あ、なんだかお腹すきません?食べに行きましょっか」

ヒロポン: 「人間か」

ロビン: 「ロボットか」

ヒロポン&ロビン: 「ありがとーございましたー」

おしまい 

根性主義の道案内

(警察官の格好をした人物Bが立っているところに、不安な顔できょろきょろ周りを見回しながら人物Aが近寄ってきて、話しかける)

人物A: すみません、コンサートホールにはどうしたら行けますか?

人物B: う―ーん、それは練習あるのみだな。

人物A: はあ?

人物B: まずは座学からだ。地図を徹底的に読み込む。知識なくしては何もできない。

(と言って、人物Bポケットから地図を取り出し広げる)

人物A: あ、地図があるんじゃないですか。

(と、その地図を覗きこもうとする。その瞬間、人物B腕を振り上げ地図を振り回す)

人物B: だが知識だけでは何もできない! 体力づくりのためにランニングだ!

(人物A、驚いて思わず尻もちをつく)

人物A: ふぇー!? 一体何を言ってるんですかあんたは?

人物B: 何だと? ちゃんと話を聞いていなかったのか? 人の話を聞くのは人間としての基本だろうが! ペナルティとして腕立て伏せ50回も追加だ!

人物A: ちょちょちょっと待って下さい。私はただコンサートホールに行きたいだけでして……

人物B: コンサートホールを舐めるな!

(人物B、警棒を振り上げ人物Aをぶったたく)

人物A: なな何をするんですか?

人物B: そうやって借り物の、自分の物じゃない知識に頼るから最近の若者はなってないのだ。知識と言うのは苦労して手に入れてこそ、血となり肉となる。それを何だ、訳のわからんナビなんぞに頼りおって。まったくなっとらんわ。

人物A: わわわ分かりました、もういいです。他人には頼りませんから自分で行きますから、もういいです。

(人物A、そう言って人物Bから離れていこうとする。しかし人物B、人物Aの肩をがっちと掴む)

人物B: ちょっと待ちなさい、若いの。

人物A: ええ? まだ何かあるんですかぁ?

人物B: 私にも若いときがあったからな。功を焦るあまり無謀な賭けに出ることもあった。だから今のお前を見ていると懐かしい気もするが、それでもやっぱり若者が無茶をしようとしているときに止めるのは年寄りの義務だ。

人物A: は、はぁ。

人物B: コンサートホールへの道を侮ってはいかん。何人もの未来ある若人たちが、道の途上で散っていくのを見てきた。だから悪いことは言わない。しばらく私の下で修業していかないか。コンサートホールへと行くのなら、最低でも10回はコンサートホールとこことの間を往復できるようにしておかないといけない。

人物A: なんか、順序が逆じゃないすか、それ。

人物B: それにここら辺一帯の地理に精通しておかなくてはいかん。

人物A: いや、重ね重ね申し上げるのですが、ただコンサートホールに行きたいだけなので、コンサートホールへの行き方だけで結構なんですが……

人物B: もしそれで道に迷ったらどうする? そういう見せかけの知識は実戦には使えんのだ。知識とは本来有機的なもので、様々な他の知識とネットワークをなして初めて使い物になるのだ。覚えておけ。

人物A: はあ。

人物B: 返事はハイだあ!!

人物A: は、ハイィ!!

人物B: さっさとさっきの言葉をノートに取らんかぁ!!

人物A: ほうぇぇぇぇ!?

人物B: たるんどる!! けしからん!! 打擲!! 打擲!!

(人物B、警棒で人物Aを何度も何度も叩き続ける)

Leaves of Words
記事検索
最新コメント
月別アーカイブ
プロフィール

けんさく。

QRコード
QRコード
タグクラウド
  • ライブドアブログ