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トリビア/豆知識

白と黒

またonline etymology dictionaryで面白いものを見つけた。
同じ語源のものが「黒」と「白」に分かれてしまっているのだ。
「black」という言葉の語源はゲルマン祖語の「*blakaz」=「燃えた、焦げた」であり、これはさらにさかのぼるとインドヨーロッパ祖語の「*bhleg-」=「燃やす、輝く、光る」から来ている。
そして同様にここから来ている言葉が、「bleach」 =「漂白する」なのだ。
同じ語源の言葉がほぼ真逆のものを示すようになるのは、いくつ見つけても面白い。
その他の同じ語源の言葉としては、黒系の意味では「blind」=「盲」、濁らせるという意味から「blend」=「混ぜられた」、その同じ言葉から「blond」=「金髪」。白系では「blank」=「空白」、「bald」=「はげ頭の」、さらに「blue」=「青」もここから来ている。たぶん「bright」=「輝く」も同語源だと思われる。炎系ならラテン語の「flamma」を通して英語の「flame」=「炎」、ドイツ語の「
blitzkrieg」=「電撃戦」などである。
online etymology dictionaryにはほかにもいくつかの例が載っているので、興味があればみるとよい。 

というわけで、最後にやはり同じ語源の「燃やす」を意味するギリシャ語「phlegein」を名前に持つ夜の国フィンランドのブラックメタルの曲を貼って終わりにしよう。
Phlegein『Invisible in the Shadows』
 

コピー用紙や感熱紙には、でんぷんが含まれている

ヨウ素とでんぷんを混ぜると、紫に発色する「ヨウ素でんぷん反応」は有名な実験ですが、コピー用紙(PPC用紙)や、ファックスやレシートに使われる感熱紙にヨウ素液を付けても、同様に発色することはあまり知られてはいません。
実は、高級な和紙に使われる三椏、楮、雁皮、のような繊維の長い樹皮を使わない洋紙では、繊維が短くても強度が強くなるように、でんぷんを糊として入れることがあるのです。
それによって、「ヨウ素でんぷん反応」を起こすのですね。
お手元にうがい用のヨードチンキがあれば、一度試してみると面白いですよ。綿棒に付けて塗れば、絵が書けます。
一度紫に発色したところに、CCレモンなど、ビタミンCを多く含んだ液体を塗ると、酸化還元反応を起こして、色が消えるのも観察できます。

うがい薬でビタミンCが検出できるぞ!

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うがい薬のあの赤茶色は、ヨウ素の色。
ヨウ素はでんぷんと反応して紫色になるのが有名だけど、それ以外にも手軽にできる色の変わる実験ができる(ちなみにこのヨウ素でんぷん反応は、化学反応というより、分子間力で分子同士が緩く結合する「超分子反応」であり、でんぷんの種類によって色が変わったりと、これもなかなか奥が深い)。
それはビタミンCの検出。ヨウ素はビタミンCと混ぜると色が消えるのだ。
お茶程度の色まで薄めたヨウ素液に削ったビタミンC錠やCCレモンなどを入れて混ぜると途端に色が消えるのが観察できる。



ヨウ素は、周期表だと塩素の下のハロゲン族に含まれる。これらの原子は水素と結びつきやすいので(自分が還元しやすいので)、他のものを酸化させる力を持つ。
酸化ってのは、物が燃えたり、金属がさびたり、老化の原因になったり、切った林檎などの色を変えてしまったり、物質を壊すことが多い。もちろん微生物は死んでしまう。(だから大昔の原核生物にとって、酸素は猛毒だった。今の生物にとっても活性酸素はかなり危険だ)
だからオキシドールも塩素も酸化させる力があるものは消毒剤に使え、当然ヨウ素もそう使われている。うがい薬に入っているヨードチンキだ。

逆にビタミンCは、酸素と物凄く結び付きやすいので(自分が酸化しやすいので)、他のものを還元させる力を持つ。
だから、体の中で発生した活性酸素など、強い酸化力を持っている「フリーラジカル」と反応し(いわば身代わりになって)、体が酸化するのから守ってくれる。(なおビタミンCは水溶性なので、脂の中には入っていけないが、ビタミンCは脂の中でフリーラジカルを消してくれるビタミンEを再生する作用がある)
緑茶や紅茶などに、酸化防止剤としてビタミンCが入っているのもこういう理由だ。酸化で色が変わったり、味が悪くなったりするのを防いでくれるのである。

ここまでくれば、ビタミンCとヨウ素液が反応することが理解してくれるだろう。
この二つを混ぜると、ヨウ素が還元されて、ヨウ化水素になって、無色透明になる。
「お茶を水に変える」などと、マジックのネタにしてもいいが、様々なジュースや野菜果物の汁を使って、ビタミンCが多いのはどれかを、一滴ずつ垂らして、何滴目で色が消えるかで、判定するのも、「試薬による定量分析」を子どもに教えるのに実にいい。
すると、緑茶の方が紅茶よりずっとビタミンCが多いことを確認できたり、レモンがそれほどビタミンCが多い訳ではないことがわかって「レモン~個分のビタミンC」という宣伝の欺瞞を明らかにしたりできるぞ。

トリビアの語源

トリビアというと、テレビの影響で豆知識のような意味になってしまったが、もともとは英語の「trivia」=「ありふれた、下らない、どうでもよい、興味のわかない」である。
そして、これは「tri」=「三つ」と「via」=「道」と、ラテン語に分解でき、「三叉路」を意味する。
「三叉路」なんかどこにだってあるから、「ありふれた」という意味ができた、というのが表の説明。

しかし中世ラテン語の「trivium」には、中世のヨーロッパの7つの「リベラル・アーツ」(=「教養課程」)のうちの三つ、言語に関わる文法・修辞学・弁証法の意味もあった(残りの4つは数学に関わる算術・幾何・天文・音楽であり、「quadrivium」と呼ばれた)。
この7つが「liveral arts」と呼ばれたのはこれらを学ぶことによって、「自由人」つまり、「奴隷でない人間」になれると考えられたからであり、これに対していたのが「手仕事」=「機械的技芸」(=「artes mechanicae」)であり、これらは奴隷の技術と考えられていた。
詳しくは、山本義隆の『一六世紀文化革命』を読むとよい。
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ちなみに「藝術」という言葉は、もともとは西周(にし あまね)によって「liveral arts」の訳語として考えられた。

そして「trivium」というのが、「下らない」という意味を持ったのには、なんとなくこの、建前上は人を自由にすると言われていたこの学問を学生たちが退屈で不自由と考えていた影響があるんじゃないか、という気がしてならない。あまり優秀ではない学生の自然で健康なユーモアが感じられる。
実際に、その後の文化を発展させ人間を自由にさせたのは、当時の学者が蔑んでいた「手を動かす仕事」であったわけで、liveral artsを極めて、誰よりも自由になっていたはずのスコラ学者たちの、
「魚はアダムによって名づけられたのか、それとも彼の子孫によって名づけられたのか?」
などの聖書に縛られた不自由な学問は、今ではトリビアのネタにしかならなくなってしまった。
(こういうときに定番として用いられる「針の上で天使は何人踊れるか?」は、批判の文脈以外で使われたことがほとんどなく、使われたとしてもディベートの練習問題であり、真面目な問いではなかった可能性がある、というのももちろんトリビアである)

大学の教養課程は果たして人を自由にする役割を果たしているのだろうか?

丸輪太郎という名前だったのか……

最近の健康診断の検尿は紙コップに出さずに直接入れれる容器があるんだな、と思って、検便やギョウ虫検査について調べていたら、ギョウ虫検査のセロハンの使用方法についてるキューピーもどきの名前が分かったから、書く。
その名も「丸輪太郎」である。

vlippan209907

ちなみに、ギョウ虫は人間にはたいした悪さをしないが、チンパンジーに寄生すると、死に至る症状を起こすらしい。
本来の宿主と違う生物に寄生すると、大変なことになるのは、細菌やウィルスなどと同じか。
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