けんさく。
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評論
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2019年11月30日
23:45
カテゴリ
日常
映画
『サタンタンゴ』を見た
7時間半の映画
感想を書きたいけど今はとにかく尻が痛い
2019年10月13日
23:30
カテゴリ
アニメーション
マイリトルポニー最終回 感想 取り急ぎ
本日2019/10/13日、アメリカでMy Little Pony Friendship is Magicが最終回を迎えました。
私は2012年のシーズン3が始まる前にハマったので足掛け7年ハマってたことになります。
当時興奮して、かなり長い連続評論を書いたのも懐かしい思い出です。
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1492286.html
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1497113.html
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1497292.html
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1498711.html
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1498755.html
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1500025.html
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1499801.html
http://blog.livedoor.jp/kensaku_gokuraku/archives/1500094.html
さて、最終回ですが、基本的に上記の評論で書いた神話的な世界観が貫徹されたことも嬉しく感じました。しかし、7年の間に、マイリトルポニーには様々な要素が付け加わりました。その年月にも想いを馳せずに入られません。
当時私が注目したのは、世界各地に伝わる神話の構造やモチーフをこのアニメが見事に拾っていることです。世界各地の神話に同様な構造やモチーフが存在するのは、ある意味ではそれが我々人類にとってわかりやすくて面白いからです。それを有効に活用するのはとてもいいやり方です。
例えばマイリトルポニーにはアースポニー・ペガサス・ユニコーンの三種族が存在しています。アニメ内時代劇においては、それぞれ農民、戦士、天界の運行を司る魔法使いとして描かれていて、これは「主権・戦闘・生産」の三つの区分がインド・ヨーロッパ語族の神話に共通して見られると言うデュメジルの「三機能仮説」に一致します。馬の姉妹というのも、デュメジルがインド・ヨーロッパ神話に共通して見られる「馬の兄弟」のパターンと似ています。それが太陽と月と関連づけられることも、珍しくありません。
また、S1の冒頭を飾るナイトメアムーンとの戦いは、天岩戸の神話と同様に日食を意味する同時に、夏至の祭りに太陽が一度死に再び復活すると言う、新しい季節の一周りを祝う「死と再生の神話」でもあります。
そして、S2の冒頭を飾るディスコードとの戦いは、世界各地の神話に繰り返し語られる、混沌に対する秩序の勝利そのものです。
それらの世界観の裏に「調和」という軸が存在します。三種族が仲違いをした時、その調和が崩れ、恐ろしいウィンディゴが世界を極寒の破滅へと突き落とします。この不調和こそ、エクエストリアにとって、どんな悪役より一番恐ろしいものなのです。
そして、三種族を調和させるものこそ、副題にもある「友情」なのだ、ということがこの物語の大きなテーマなのです。
上記評論を書いたS2までは、そのような神話的世界がマイリトルポニーの大きな魅力でした。しかし、
S3でトワイライトはプリンセスになります。おそらく、当初の予定ではこれくらいで物語を終える予定だったのではないでしょうか。しかし、物語はまだまだ続き、マイリトルポニーにはそれから濁流のような様々な要素を受け入れ続けるのです。
S3の後では、エクエストリアス・ガールズという、「人間化(擬人化という言葉は不正確なので私は使いません)」シリーズが始まります。最初は不安がられましたが、一作目がそこそこ好評で、二作目『レインボーロックス』が作られ、これがものすごい大傑作だったことによって、今でも続くスピンオフシリーズになっています。
トワイライトのロマンスの相手で1作だけの予定だったフランシュセントリー君が、ファンの間でプチ炎上したことにより、その後微妙な変遷を経ることになることはもはや懐かしい思い出です(日本では彼を爆破するMADが流行りました)。
また一作目の敵役サンセット・シマーは二作目以降第二の主人公となり、私の一番好きなマイリトルポニーのキャラの一人にもなりました。
S4では古くからのファンには故郷のように懐かしいあの場所が失われショックを与えられると同時に、ドラゴンボールにも例えられる戦闘シーンが注目を浴びました。実際、予算が上がったのか、背景や動きのクオリティがかなり上がったように思えました。
そして重要なS5。スターライトグリマーの登場です。
彼女はある意味サンセットシマーの鏡のような存在でした。どちらも闇のトワイライトスパークルとしての属性を持っています。しかしサンセットシマーは他人を蹴落とす「行き過ぎた利己主義」の化身として、スターライトグリマーは全ての人間が自己を抑圧する「ゆきすぎた平等主義」の化身として。
共産主義のパロディとも見られたディストピアストーリーはヒューゴー賞の候補にもなりました。
マイリトルポニーが、このような政治的とも見られるテーマを扱うことに驚く声も聞きました。
しかし、これはシーズンが長続きするにあたって、とても自然なことだと今では私は思っています。
マイリトルポニーの面白さは、「友情」を「調和」の源と見なして、神話的に意味づけする一方、「友情のとても身近な問題」にとても細かい目配りをしてくれるところでした。
神話的なファンタジーに見せかけて普段している話は「一緒にオーディションを受けたら友達しか受からなくて、嫉妬してるんだけど応援しなくちゃいけない」「友達の友達がガラが悪くて付き合いにく。この前その子が万引きするところを見てしまった」みたいな、非常に(胃が痛くなるほど)リアルな友情問題なのです。
そして、S4以降、主人公たちがだんだんと大人になっていく、という変化が起こります。彼女たちは、エクエストリアの大人のポニーとしてキャリアアップして、様々な環境の変化を被って行きます。その中で友情問題として、社会の様々なリアルな問題を自然に扱って行きます。
一足とびに政治問題に直結させないところもマイリトルポニーの丁寧さではありますが、そこまでいけば少し足を伸ばせば簡単に政治信条の問題にもなるわけです。
それが、調和を見出すものとしての「行き過ぎた利己主義」と「行き過ぎた平等主義」。
これって、いわゆる「自由」と「平等」という、民主主義の要でありながら相矛盾しかねない二つのものの問題なわけです。そして、どうしてフランス共和国の標語は「自由、平等、友愛」だったのか、という問題にもつながるかもしれません。
それをサンセットシマーとスターライトグリマーという二人の魅力的なキャラに結実させるのは見事というしかありません。
特にスターライトグリマーは、最初仲間になると知った時、サンセットシマーとキャラが被らないかと心配だったんですが、S6以降、mane6とはまた違うトラウマ持ちの大人として見事なキャラ付けをされて、本当に惚れ惚れとしてしまいました。トリクシーとの関係性も、関係性のオタクはぜひ見て欲しい塩梅に仕上がっております。
mane6が大人になっていくことによって、マイリトルポニーは政治的なニュアンスを隠し持つようになります。
つまり、単純な調和の神話ではなく、「民主主義の神話」としての要素を持ち始めたのです。
私は別に民主主義を完璧な政治制度だとは思ってはいません。しかし、マイリトルポニーの歌い上げる「民主主義の神話」にはかなり感動させられたと告白します。
「民主主義の神話」と聞いて怖気付きそうな人には、「そんな怖いものじゃないし、基本的には身近な友情のメンテナンスをひたすらする話だから安心して」とも念のために言っておきます。
友情という身近な問題と、民主主義の問題、そして世界の調和が、なんとなく地続きになってるのが、マイリトルポニーの世界観の魅力だと、最終的には考えています。
その象徴が、トワイライトが作った友情の学校なんだと思います。
友情の学校によって、トワイライトはポニー以外の様々な種族との調和を図ろうとします。
多種族との調和は、初期のシーズンでもバッファロー相手にテーマになったことがありますが、羊は無造作に扱われ、おそらく特にテーマとして考えられてなかったと思われます。
しかしトワイライトがプリンセスになったあたりから、急に裏テーマとして少しずつ導入されました。
それを、学校という場を舞台に様々な種族の6人の生徒を中心に描き始める。
これも、ファンの間では賛否両論あったと記憶します。
6人の生徒の失敗が描かれるわけですが、これはmane6がやっていたことの繰り返しではないか。mane6はそれだけでシリーズ全体を引っ張るように入念に造形されていますが、この新たな6人の生徒はそれと比べるとキャラが弱いのではないか。
全て、一理あると私は思っていました。
しかし、この展開はかなり計算されたものだったと最終回後は思えます。
つまり、友情の神話を民主主義の神話に繰り上げするに当たって、学校という場、そして友情の魔法の伝授が必要とされたのでしょう。
世界を支えるものである以前に、社会を支えるものとしての「友情」と「調和」。そしてそれを次の世代へ引き継ぎ社会を支える施設としての「学校」。
そのために、難しい生徒6人のキャラ作りにあえて挑戦したのでしょう。
そして、これが最終回への大きな伏線になるわけです。
最終回、三種族の不和によるウェンディゴの出現を止めるきっかけになったのは、粗末な箱の上に乗った演説でした。
英語ではsoapboxといえば、演説のための間にあわせの台のことです。on a soapboxで演説をしているという意味になりますし、soapbox自体が演説することを意味する動詞にもなります。
それによって事態が好転することが、民主主義の神話でなくしてなんなのか、と言いたい。
英雄ではなく、異種族が合わさって調和を実現することによって、世界を救う物語が、民主主義の神話でなくしてなんなのか、と言いたい。
そして最終回、全2話で高らかに神話を歌い上げたのにバランスを取るような、いつもの日常回。
ラストバトルの後にmane6が向かったドーナツ屋と同様に、S1のラストを思い起こさせ、ファンへの思いやりを感じます。
ここで友情はもう一度、調和という神話的概念でもなく、民主主義という政治的概念でもなく、いつもどこか調子悪くて、いつもメンテナンスしなくてはいけない、厄介だけど付き合ってはいけない身近な問題に戻ります。
友情は面倒なものです。なのであまり背負いすぎず、上手に荷を下ろして上手く付き合いましょう。そうすれば悪いものではないですよ。といういつもの順当であまり面白くないかもしれないけど、何度確認しても忘れがちな結論に帰ってくるのです。
これぞマイリトルポニー。まさにマイリトルポニー。
いいアニメでした。
タグ :
MLP
海外アニメ
2019年09月30日
23:30
カテゴリ
書評
技術
Land of Lispと実践Common Lispを読み終わった
Land of Lisp [大型本]
M.D. ConradBarski
オライリージャパン
2013-02-23
実践Common Lisp [単行本(ソフトカバー)]
Peter Seibel
オーム社
2008-07-26
Common Lisp本、とりあえず片っ端から読んでいこうかと計画してる。
On Lispは、マクロに関する本だったが、これらはもっと色々な応用例を見せてくれる。
Land of Lispは狂った漫画が一番の特色だが(大好き。こういう漫画描きたい)、プログラミング本の特徴としては、古のBasic本みたいに、簡単なゲームを作りながらCommon Lispに入門できる。
しかし、みんなちゃんと遊べるから偉い。
graphvisを出力にして、超簡易GUIを作るとか、面白いアイディアだと思う。
clispの拡張機能を作るとはいえ、自分でwebサーバーを作っちゃうのも面白い。
ただし、書いてあるコードだとchromeではエラーが出て、firefoxだと単なるテキストになってしまった。なので、簡単なhttpのヘッダーを頭につけてやるとちゃんと動いだ。
この本もOn Lispと一緒で、最終目標はマクロでDSLを作ること。それこそがやはりLispの魂。
この本ではSVGを生成するDSLを作って、それをwebブラウザで表示してゲームを作ってる。
しかし感動したのは、簡単なマクロを使って遅延評価を取り入れ、非常にエレガントにゲームのアルゴリズムを作ってること。
ゲームの木を全て表現するデータ構造を使って、あとは遅延評価を取り入れれば、出来上がり。
もちろんより良いレスポンスを求めたければ木の無駄な枝を刈り取る必要がある。
予想以上に伝統的なAIプログラミングだ。
On Lispには書いてないようなformatやloopの話が載ってるのも面白い。ポール・グレアムはloop嫌いだしね。
loopとformatの黒魔術をガンガン使ったショートコードゲームはめまいがする。
ただし、書いてないことも多い。CLOSについてはコミックに書いてあるだけ。packageには触れもしない。マクロについても最後に重要な役割を果たすけど、ちゃんと書いてあるとは言い難い。
『実践Common Lisp』も実践の名に恥じぬ本。
特にバイナリを色々いじるのが面白かった。他のプログラミング言語の本でも滅多にバイナリを直接いじることはない。
この本ではmp3ファイルのメタデータを取得して、SQLライクなデータベースを自作してる。面白い。
あとWebプログラミングもできる。その際、htmlを吐き出すテンプレート言語を自作する。面白い。
やはりこの本も目標はマクロを使って、バイナリデータを表現するクラス階層表現言語やデータベースへのクエリ言語やhtml生成言語などのDSLを作ること。ここにもLispの魂。
この本もloopとformatについては詳しく書いてある。
さらにpackageについてや、eval-whenなどの高度な機能についても説明してある。
実際に製品を作ろうとすれば必要になる知識だろう(しかし、まだ外部のパッケージ管理等、現代的なエコシステムには必要なものが欠けているが、これはここ数年で進歩した部分なので、書いてないのは当たり前だ)。
しかし、欠点としては、高度が全く関数型的ではないことだ。何でもかんでもとにかくloopで書こうとする。そもそも再帰に関する説明が全くない。
次は『実用Common Lisp』を読むぞ
タグ :
LISP
2019年08月31日
23:30
カテゴリ
書評
技術
On Lispを読み終わった
On Lisp [単行本]
ポール グレアム
オーム社
2007-03-01
面白かった。
途中から「ポール・グレアム頭いいなあ!」と思うだけの本と化している気配はあるが、とにかく流れを追っていくと、ポール・グレアムが頭がいいことがわかる本だ。
Lispのマクロをガンガン書いてくれる本というのがそもそも貴重である。そして、ポール・グレアムがマクロを駆使して、分配束縛、パターンマッチ、非決定計算、擬似prologによる簡易論理プログラミング、ATNによるパーサ、簡易オブジェクト指向、などを短いコードでどんどん実現していく。
これはめくるめく体験と言って良い。
これを読んでLispのマクロが書けるかと言われると微妙である。実際に書こうとするとまた苦労しなくてはいけないだろう。
実際この本はマクロを教えてるというより、ポール・グレアムのマクロカタログ、と言った方がいい感じになっている。あんまり教えてはくれてない。
でも、Lispを問題領域にぴったり寄り添った言語(DSL)に育てていく。そのためのLispの上にLispを置いて、抽象化の層をどんどん追加していく。というLisp独特の考え方は学ぶことができる。
そして何より一番はマクロの力を知ることができる。
自分で素早くマクロを書くことはできなくても、この本を読んでおけば、「これってポール・グレアムが賢く解決してたタイプの問題だよなあ」と気づくことができる。
そうするとマクロを試してみようとするし、そうすればマクロを書く苦労もできるし、マクロを書く能力も上がっていくという寸法だ。
マクロの書き方を教える正しい方法って、もしかしたらまだ開発されてないんじゃないか、って気もする。
ここから、Lisp本をとにかく読んでいって、どこかに書評をまとめよう。
そして、いつか自分でLispの本でも書こう。
タグ :
LISP
2019年06月30日
23:31
カテゴリ
書評
経営者の資本主義とは実は社会主義なのかもしれない
測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? [単行本]
ジェリー・Z・ミュラー
みすず書房
2019-04-27
これは歴史学者が、最近様々なところで猛威を振るう「測定と評価」について書いた本だ。
例えば大学改革で、研究の効果をインパクトファクターとかなんやかんやの指標を測定して評価して、予算を与える。
よく聞く批判では、学者は本当に良い研究ではなく、指標がよくなるようにチューニングされた研究をしようとしてしまうし、指標をあげようと不正をしたり、そもそも数字を改竄してしまったりする。
そしてそもそもそのような「測定と評価」によって研究業績は伸びていないし、下がりさえする。
更に言えば、もともと測らなくてよかった数値を測定するために、研究者たちに追加の雑務が与えられ、研究する時間を削いでしまう。
最後に、研究者はそのような目先の評価を求めて研究しているわけでは必ずしもないので、そのような評価づけは、研究者のモチベーションを下げたり歪めたりする。
etc...
と言う感じだ。そしてこれは著者の実感でもあり、そこで著者は教育・医療・警察、などの公共性が高く、そして同じように近年「測定と評価」の方法論が導入された他のジャンルについても事例を集め、どこでも似たような問題が発生していることを突き止める。
さて、そう言う意味ではこの本はひたすら事例を集めた本だ。私などはこの手の本は少々退屈だったりする。しかし、私がこの本を結構好きな理由は、この本には実に良質なアイロニーが含まれていることだ。それは、これらの「改革」が、市場から離れた分野に対して「経営者の視点」を取り入れようとしていることだ。
市場が導入できるジャンルであれば、市場が勝手に最適化していくので、滅多に間違ったことは起きない。
しかし、これら市場の導入が難しい公共事業では、どうしても無駄が多い。
そこで市場の申し子である「経営者の視点」を導入すれば、無駄が省けるだろう、と言う発想だ。
そして、「経営者の視点」を導入した結果、教師や学者や医者や警察官の行動を監視し、測定し、ランクづけをし、能力給をあげたりペナルティを与えたりする、と言う手法が導入される。
確かに経営者ってこう言うの好きかもね。従業員を監視したがるし、従業員を評価して、ボーナスをあげたりペナルティをあげたりすれば、頑張って働くと思ってる。数人知ってるよ。
しかし著者はこれに、とてもクリティカルな寸評を与える。
「それって社会主義ってやつでは?」
これは一級品のアイロニーだ。憎んだ相手から離れよう離れようとした結果、その憎んだ相手と見分けがつかないくらいそっくりになってしまうとは。
でも、笑ってる場合じゃないかもしれない。
これはこの本に書いてある話じゃなくて、僕が勝手に考えている話だけど、ここには何かもっと普遍的なものがあるかもしれない。
何が言いたいかと言うと、経営者の多くって資本主義の申し子ではあっても、実は資本主義を全く理解しておらず、彼らの考える資本主義って、実はミニ社会主義なのかもしれないってことだ。
資本主義は統計的現象であり、そして統計を理解している人は少ない。
資本主義的に見れば、ある成功した経営者が、成功した理由は偶然と見たほうがいいかもしれない。偶然、と言う言葉の意味は、同じその「成功した経営者」が成功していない可能世界が想像しやすい、と言うことだ。
資本主義にとって、いくつもの経営者がランダムに動いてくれれば、その中から偶然1つが、その状況下で正しい選択肢にたどり着き、生き残ればいい。そうしてある程度無計画に広く問題空間を探索できることが資本主義の強みだ。
この時、たまたま偶然正解にたどり着いた経営者は、自分が成功した理由を理解しているとは限らない(と言うか多分理解していない)。
ところが、当の経営者にとってはこの世界での彼の成功は、必然的で絶対に変えられないものに見えるかもしれない。そして自分が成功した理由を、彼がたまたまその時考えていたことが正しいからだと勘違いするかもしれない。
そんなか彼にとっての資本主義は「俺が様々な情報を評価して、俺の考える通りに進めばうまくいく」である可能性が高い。
そしてそれって社会主義の計画経済だよね、って話になる。
経営者が一見社会主義を嫌うのは、それが国家という「ビジネスのわかってないやつの社会主義」だからであり、そして「わかってないやつ」が彼の邪魔をしようとしてくるからに過ぎない。
「わかってないうえに邪魔してくるやつらの社会主義」は嫌いでも「自分の社会主義」は嫌いじゃないのだ。
これからも、人類はたまたま成功した経営者とかに色々な舵取りを頼み続けるだろう。
その度に、人類は同じ轍を踏む可能性がある、
タグ :
『測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』の書評書いた
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