けんさく。

けんさく。が、いろいろ趣味のことをやるページです。

メタル

白と黒

またonline etymology dictionaryで面白いものを見つけた。
同じ語源のものが「黒」と「白」に分かれてしまっているのだ。
「black」という言葉の語源はゲルマン祖語の「*blakaz」=「燃えた、焦げた」であり、これはさらにさかのぼるとインドヨーロッパ祖語の「*bhleg-」=「燃やす、輝く、光る」から来ている。
そして同様にここから来ている言葉が、「bleach」 =「漂白する」なのだ。
同じ語源の言葉がほぼ真逆のものを示すようになるのは、いくつ見つけても面白い。
その他の同じ語源の言葉としては、黒系の意味では「blind」=「盲」、濁らせるという意味から「blend」=「混ぜられた」、その同じ言葉から「blond」=「金髪」。白系では「blank」=「空白」、「bald」=「はげ頭の」、さらに「blue」=「青」もここから来ている。たぶん「bright」=「輝く」も同語源だと思われる。炎系ならラテン語の「flamma」を通して英語の「flame」=「炎」、ドイツ語の「
blitzkrieg」=「電撃戦」などである。
online etymology dictionaryにはほかにもいくつかの例が載っているので、興味があればみるとよい。 

というわけで、最後にやはり同じ語源の「燃やす」を意味するギリシャ語「phlegein」を名前に持つ夜の国フィンランドのブラックメタルの曲を貼って終わりにしよう。
Phlegein『Invisible in the Shadows』
 

寒い日はメタルに限るので、ここは「人間椅子」で決めよう

スウェーデンはブラックメタルの本場だし、フィンランドではメタルが老若男女が聴く国民的音楽になっているし、カナダにはメタル界最速のドラマーを擁するCryptopsyがいる。
やはりメタルは寒い国の方が盛んなのだ! やはりこの手のバンドは、開放的な屋外よりも、閉鎖的で陰湿な狭い地下室の方が似合うしな(独断)! 熱いところのノーテンキな人間がコアでドゥームなメタルなんてやるわけないし(ただの偏見)。

というわけで、日本有数のメタルバンド「人間椅子」が青森から生まれたの論理的必然であったことが分かるというものだ(白目)。

『人間椅子倶楽部』

というわけで人間椅子倶楽部にようこそ!

『踊る一寸法師』

ドゥームメタルのゆっくりと重く低い唸るような魔術的な音楽に、津軽弁の訛りと日本民謡のような発声法が土俗的で物凄くあっている。
和嶋慎治のギターにはときどき津軽三味線のフレーズが混じったり、和音階が絡められたりしていて、これも東北の風土がしみ込んでいる感じがする。それが、ただごとではない深みを出している。
元ネタはBlack Sabbathの『黒い安息日』

ちなみに人間椅子はマンガ『無限の住人』のイメージアルバム『無限の住人』を出しているが、このマンガにはその名も「黒井鯖人」という笑うしかない名前の変態侍が登場する(その他にも司戸菱安とかも。初期の方が馬鹿馬鹿しくて好きだった)。
無限の住人無限の住人
アーティスト:イメージ・アルバム
販売元:ポニーキャニオン
(2008-09-17)
販売元:Amazon.co.jp


『幸福のねじ』

なおギターの輪嶋慎治は12月25日生まれなので、キリストで間違いない。
多分、大阪の螺子屋で神の国が近いことを告げていたおやじに洗礼を受けたのだろう(適当)。

『針の山』

元ネタはBudgieの『Breadfan』

最後のは意図的なのかどうなのか良く分からない例だが。

『人面瘡』

見事な作詞。見事な世界観。ヘヴィメタルに見事に日本のどろどろした土俗を上乗せしている。
地方の祭りの囃子詞がこれほどハードロックに合うとは思わなかった。

『芋虫』

18禁ゲーム『鬼作』のエンディングテーマ。

デビュー直後の『陰獣』

若いね。
ベースの鈴木研一はこのころは、シーツを加工して作った服でネズミ男と化している。
ちなみに彼らの全国デビューである、イカ天出場バージョン。

「たま」もこの番組で有名になった。
ギターはともかく、まだ歌には稚拙な感じが残っていて、逆に趣がある映像。何と言うか、可愛げがある。
しかし、見てまず思うのが、他の出場者との空気の違い。なんで周りが笑ってるのかよく分からないが、非常に浮いている感じがして、少々痛々しい。
しかしこの映像では鈴木の格好は本当に完全なネズミ男である。本人はピーター・ガブリエルの影響だというのだが……

これも初期の映像
『賽の川原』

いかにもドゥームな前半とリズムチェンジしてハードロックになる典型的な人間椅子的曲調に、おどろおどろしい民間仏教的なモチーフの人間椅子歌詞を載せた、いかにも人間椅子な一曲。

さて、すでにお気づきだろうが、彼らの曲の多くは、江戸川乱歩の作品名から来ている。
もちろんバンド名自体がそうだ。
実は彼らはもともと「死ねしね団」という、私がカラオケでテーマ曲をよく歌う、『レインボーマン』の敵組織の名前で活動していたのだが、同じ名前のバンドが他に存在することに気付いてこの名に変えたという。
特に和嶋慎治は明治大正の小説が好きなので、その他にも、谷崎潤一郎や芥川龍之介、太宰治、坂口安吾、稲垣足穂、横溝正史、小栗虫太郎、国外からはフリードリヒ・ニーチェやフリードリヒ・ヘルダーリン、H・P・ラヴクラフトなど多岐に渡る作家を歌詞内で言及している。
特にラブクラフトの世界観の影響は、歌詞の端々に窺われる。
それに対して鈴木研一の歌詞は、よりストレートに怪異やグロテスクな物、淫靡な物を表現するが、そこに独特で奇妙なナンセンス・ユーモアが混じるのが面白い。

ほぼ完璧なカヴァー『21世紀の精神異常者』

お見事!
youtubeでも人気の動画。世界で通用するテクニックを持つ彼らを日本が持て余しているなか、一足とびで世界が評価してくらないものか。

そしてこちらも完璧な『ゲゲゲの鬼太郎』

いくらなんでもその目玉おやじは……
それに対して鈴木はいつもの鈴木。正確には初期の鈴木か?

MADも一つ紹介
『肥満天使(メタボリック・エンジェル)』×パンティ&ストッキング

肥満天使ストッキングちゃん可愛い!

さあ、寒い日は一人で部屋に籠って人間椅子を聴こう!
人間椅子傑作選人間椅子傑作選
アーティスト:人間椅子
販売元:徳間ジャパンコミュニケーションズ
(2009-01-21)
販売元:Amazon.co.jp
頽廃芸術展頽廃芸術展
アーティスト:人間椅子
販売元:テイチクエンタテインメント
(2003-01-22)
販売元:Amazon.co.jp
怪人二十面相怪人二十面相
アーティスト:人間椅子
販売元:トライエム
(2000-06-21)
販売元:Amazon.co.jp
黄金の夜明け黄金の夜明け
アーティスト:人間椅子
販売元:トライエム
(1998-07-23)
販売元:Amazon.co.jp

今日は疲れたのでお勧めのCDを紹介して終わりです。






プリンセス・ジブリプリンセス・ジブリ
アーティスト:オムニバス
販売元:Independent Label Council Japan(IND/DAS)(M)
(2011-04-13)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

火を噴くRAMMSTEIN特集

ライブが燃えるバンドと言ったら誰が何と言おうがRAMMSTEINである。
メタル、インダストリアル、テクノを融合した「tanz-metal」というスタイル(英訳するとdance metalなのか?)で近親相姦やらカニバリズムやらアメリカ批判やらヤバ気なテーマについて重く歌い上げる彼らだが、その一番の特徴は全員高身長なこと、一人のガリガリ除いてマッチョなこと、そしていつも燃えていることだ!
そもそもバンドの平均身長が191.5という化け物じみたもので、それだけでもうかっこいい! 画面映えするのである。とにかく彼らのライブを見てみよう(ニコニコは消されたので、youtubeにあるのは復帰させますが、念のためfullはここです)。
『Feuer Frei!」

燃えてるねえ。

というわけでメンバー紹介
ヴォーカル:ティル・リンデマン 1963年生まれ、190センチ、デブマッチョ。ライプツィヒ生まれ、元水泳選手、モスクワオリンピックのとき、控え選手として東ドイツ代表に選ばれ、ポルノ雑誌を買うために宿舎から勝手に抜け出して選手権はく奪。ソウルオリンピックの代表にもなっている。パイロ技師(火を使う技師)の資格を持っている。
リード・ギター:リヒャルト・Z・クルスペ 1967年生まれ、187センチ、イケメンマッチョ。シュヴェリーン生まれ、元レスリング選手。バンドの事実上の創始者、ティルの2人目の妻の娘の父親はこの人。
リズム・ギター:パウル・ランダース 1964年生まれ、178センチ、普通マッチョ。ベルリン・バオムシューレンヴェーク地区生まれ。一番背が低い。元ボイラーマン。
ベース:オリバー・リーデル 1971年生まれ、203センチ、巨大マッチョ。シェヴェリーン生まれ。
ドラム:クリストフ・シュナイダー 1966年生まれ、193センチ、マッチョ。
キーボード:ドクトル・クリスティアン・ローレンツ 通称フラケ 1966年生まれ、198センチ、ガリガリ。ベルリン生まれ。「ドクトル」というあだ名は医者志望だったから。
メンバー全員離婚歴あり。あと、メンバー全員東ドイツ生まれの東ドイツ育ち。

まあ、そんなことはどうでも良くて火! 炎! 燃えろ燃えろ! である。
『Reise,Reise』このライブの一曲目。

ティルがフランケンシュタインの怪物にしか見えない。しかもナチス的歩き方。かっこよすぎるぞ。ちなみに彼らは実際にネオナチと罵られたことがある。そのアンサーソングが次の『Links 2 3 4』(2はzwei"ツヴァイ"ではなくzwo"ツヴォー"と読んでる。東ドイツの方言?)

自分たちは右翼じゃなくて(ネオナチなんかじゃなくて)むしろ左翼(心臓が左側)というのを歌で歌うわけだが、それを軍隊の行進の合図で歌うというのが皮肉が効いている。登場も軍隊風だし。曲もいい。

『Asche zu Asche』

マイク熱いだろ。
この単純で力強いリフとそれに合わせて歌われる低く重厚な歌がRAMMSTEINの音楽的特徴である。そこに奇妙に爽やかな電子音や捩じれたノイズを被せてくるセンスが素晴らしい。

『RAMMSTEIN』

火炎放射重そうである。あと戻っていくときまだ少し火が出てるのが気になる。
ちなみにRAMMSTEINというバンド名の由来は1988年に航空ショーで事故が起きた村「Ramstein-Miesenbach」かもしくは「Ramme(激突する)+Stein(石)=破城槌」という意味ではないかと言われているが、メンバーいわく「響きがカッコイイから」だそうな。

『Morgenstern』

最高のラブソング

『Du Hast」

おい、客に撃ったぞ。

『Du Riechst So Gut』

最初に持ってた弓はなんなんだ。しかし全員『北斗の拳』とかにいてもおかしくない感じだな。「汚物は消毒だ」的な意味で。

『Mein Teil』

フラケが楽しそうでなによりです。しかしすごい演出だな。
ちなみに「Mein Teil」とは「俺の一部」という意味で、まあ局部を意味する言葉と思って間違いない。これには「アルミン・マイヴェス事件」という元ネタがある。これは食べられたい人をインターネットで募集したら本当に応募者が現れて、その男、本当は直接陰茎を噛みちぎって欲しかったらしいが、さすがにそれは無理なので、失敗しながら陰茎を切り取って料理して2人で食べたらしい。マイヴェスはその一部始終を映像に撮って残しており、それを見た者はこの食べられている方の男(被害者と呼んでいいものか?)自分の一部を食べながら明らかに出血多量で死にそうになっていた模様。その後マイヴェスは、同意の下にこの男を殺し、保存して数カ月にわたって食い続けたらしい。その後、次の獲物を募集して事件が発覚した。撮られた映像は警察が押収、見た者はセラピーが必要だったとか。ゲオルグ・カール・グロスマンや「ハノーファーの屠殺人」フリッツ・ハールマンに並ぶドイツの偉大な食人鬼である。この男、なんとRAMMSTEINを名誉棄損で獄中から告訴している。えー?

『Amerika』

セグウェイ!
東ドイツ出身の人間がドイツ語英語交りでこんな歌を歌うメッセージ性はかなり強そうだ。「Coca-Cola, somtimes war.」の歌詞は辛辣だね。
ちなみにこのパフォーマンス中にフラケがティルを引いて来日がキャンセルになったことがある。それ以来来日はしていない。

違うライブからの映像やpvも
ベルリンでの『Bück Dich』

ヨーロッパや日本ではおとがめなしのこのパフォーマンス、アメリカでやったらティルとフラケが逮捕されました。しかしフラケは虐められている時が一番輝いているなあ。あとティルの腰を落とした状態でのヘッドバンギングはいつ見てもカッコイイ!

『Weißes Fleisch』

いきなり火花に包まれての登場! ティルのヘドバンカッコイイ! フラケの謎ダンスカッコイイ! 長い手足をジタバタさせてキモいのがいい。そしてなんか指に付けてると思ったらやっぱ花火か。
歌詞は幼児の性的虐待の連鎖について歌ってるみたいね(ドイツ語分からないので)。

『Du Hast』のpv


『Keine Lust』のpv


『Ich Will』のpv

始まったかと思ったら死んでるフラケ△。

『Benzin』のpv

こいつらが消防隊って時点で嫌な予感しかしない。そして安心のオチ要員フラケさん乙であります!

『Mann gegen Mann』のpv

変態だー!!

『Amerika』のpv

グローバリゼーション賛成派の私でもこのpvは好きです。

『Sonne』のpv

こいつらが小人の役をやるというのが面白い。どう見たって白雪姫がさらに巨大なようにしか見えないが。

『Haifisch』のpv

確かにマリリン・マンソンがいる。あと今までのpvの総集編みたいで面白い。

『Ich Tu Dir Weh』のpv

頬に穴開けて口の中に電球仕込んでんのか!

『Rosenrot』のpv

珍しくフラケではなくティルがやられ役。

『Pussy』のpv

やっぱりフラケはヤラれるほうなのか。これのボカシてないバージョンはポルノサイトに行かないと見えません。逆に言うとポルノサイトに行けば見られます。

ベルリンでの『Asche zu Asche』も良い。


日本での『Mein Teil』

客層が……

最後に有名なMADを一つ。『Engel』のエヴァMAD。

スリップストリーム音楽 Waltari

基本的に僕は混ざったもの、不純なものが好きなんだ。
バフチンにしてみたらそれこそ小説の本質だと言うところだろうけど、
小説の言葉 (平凡社ライブラリー (153))小説の言葉 (平凡社ライブラリー (153))
著者:ミハイル・バフチン
販売元:平凡社
(1996-06)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
 小説に限らず、ジャンルの混交がもたらす面白さは普遍的に存在する。
例えばAphex Twinみたいな天才は「ジャンルに捕われてたら面白い音楽は作れない」みたいなことを平気で言うけれど、それは彼が天才、つまりそいつが歩いた後にジャンルが出来ていくような人間だから。天才でない人間はむしろジャンルに敏感にならなければいけない。
天才でない人間が面白いものを作るためには積極的にジャンルを使い、ただしジャンルをそのまま使うのではなく、ジャンルを測量のための三角点として使い自らの位置を確かめる必要がある。そうでもしないと迷子になっちゃう。そのためには一つのジャンルだけではダメで、いくつものジャンルを見比べて、どのジャンルからも距離を保ちながら、いろんなジャンルが混じった、一つ一つはどこかで見たことがあるかもしれないけど、全体としては新しい面白さを持ったようなものを作る必要がある。
それこそジャンル混交の面白さだ。メインストリーム(主流)ではないスリップストリーム(傍流)の面白さ。
そのためには逆にジャンルにこだわる思考が必要とされるのだ。

と言うわけでフィンランドの変態メタルバンドWaltariを紹介しよう。
 
軽いキーボードの音に乗ったラップで始まったかと思うと、ツインバスの唸りやギターソロはゴリゴリのメタル、そして最後にポップソングの極みのようなキャッチーなサビ。暴力的な重い音と享楽的な軽い音とを纏め上げる構成力と演奏力に脱帽。見た目の妖しさもよい。


テクノダンスミュージックを基調に民族音楽をサンプリングして、時々メタルが混ざる。どういう風にノればいいのかよくわからなくなるがとにかくかっこいい!

あのBeatlesの名曲『HELP』を彼らがカヴァーするとこうなる。

メタルだなあ。デス声と普通の歌声の切り替えもすごい。

正体不明な彼らの正体はこれだ。場所はフィンランド国立オペラ劇場。さすがメタルミュージックに国民的人気がある変なお国柄、

ちなみに女性ボーカルは元Nightwishのターヤ・トゥルネン 。ガチガチのデスメタルももちろんこなします。あの「デス声」と言うのには民族音楽的な起源があるとか無いとか言う話を聞いたことがあるな。

一方


もはやメタルでもなんでもない、ただのダンスミュージック。
引き出し多いなあ。

ちなみにこの人たちのpvにはお金掛かってない感が滲み出てていいですよ。
一番お金があったころ


お金がなくなってから


同じ頃の別の曲のpv

使い回しじゃねえか!

最後に普通の曲を。ま、実際には普通の曲の方が多いんですけどね。

誰がドナルドだ。

Blood SampleBlood Sample
アーティスト:Waltari
販売元:Locomotive Spain
(2007-06-26)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
Space AvenueSpace Avenue
アーティスト:Waltari
販売元:EMI
(2009-03-23)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
Leaves of Words
記事検索
最新コメント
月別アーカイブ
プロフィール

けんさく。

QRコード
QRコード
タグクラウド
  • ライブドアブログ