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ロシア

アニメ版『不思議惑星キン・ザ・ザ』 完成していたのか……

ずっと前に紹介したロシア製(監督はグルジア人)傑作不思議系SF映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』。
その記事で、制作中のアニメ版にも言及したのだが、それがようやく完成して、今年上映されるらしい。

題名は『クー! キン・ザ・ザ』
公式サイトはこちら
なかなかいい雰囲気じゃん!

監督はゲオルギー・ダネリヤ自身とのこと。

完成おめでとうとか、日本でやるのかということよりも、いいたいことは「題名キン・ザ・ザ・ザじゃなかったのかよ!」ということだ。
伝統あるロシアアニメーションの大躍進を期待しよう!

けんさく。の映画評5 『不思議惑星キン・ザ・ザ』

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出演:スタニスラフ・リュブシン
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皆さんはすでにご存じでしょうが、「砂漠映画」というジャンルがあります。『デューン 砂の惑星』『スターウォーズ』『ファンタスティック・プラネット』『風の谷のナウシカ』『ポピーザぱフォーマー』と正に豪華絢爛たる顔ぶれとしか言いようのないラインナップですね。そしてそれらそうそうたる作品群を抑えて「砂漠映画」のトップを飾るのが今回紹介する『不思議惑星キン・ザ・ザ』なのです!(あくまでも個人の見解です)

まず、言わなくてはいけないことは「砂漠はいい!」ということです。考えても見て下さい。我々のまわりにある日常的なもの、それらのどれじゃ一つを砂漠の中に配置してごらんなさい。あっという間にそれは非日常の奇妙なオブジェと化すでしょう。砂漠の中のコンビニ、砂漠の中のガソリンスタンド、砂漠の中の交番、砂漠の中の自動販売機、砂漠の中の公衆トイレ、砂漠の中の公衆電話、砂漠の中の横断歩道、砂漠の中のデモ行進。砂漠とはどんな文明の成果も空気の温度差が織り上げる幻にしてしまう稀有な舞台装置なのです。そのような舞台装置に見合った物語を提供することができたら、それは傑作間違いなしに当たりきでしょう。
そして『キン・ザ・ザ』ほど、砂漠の異化作用を惜しげもなく繰り広げた映画はないのです。モスクワの街かどで困っていた異星人のテレポーテーション装置によって惑星プリュクに飛ばされたサラリーマンとバイオリン弾きの学生の主人公二人。その前に現れる砂漠の上を飛ぶ巨大な銅鐸みたいな飛行装置。その中から出てくる小汚く陰険な異星の住人。この星ではなぜかマッチが貴重で主人公たちは最初歓迎されるがすぐにマッチが切れて迫害される。砂漠に散在する奇妙な装置群。見知らぬ星をバイオリンと素人の歌の芸をしながら、地球に戻るための長い旅をする主人公たち。星の住人はテレパシーでロシア語が分かるが、彼らの言葉は「キュー(公言可能な罵倒語)」と「クー(それ以外のすべての表現)」のみという有り様。だだっ広い砂漠の馬鹿らしさをことさら強調するための馬鹿らしいアイテムやアイディアの宝庫。あまりに馬鹿馬鹿しくてストーリーなぞ紹介しようものなら、作品の面白さを伝えるという行為に絶望しそうになるので、もうこの際ストーリー紹介なんてしないことに決めました! 社会風刺っぽい要素の解説もなし! 確かにこのソ連崩壊前に作られた作品に描かれた奇妙な階級社会や物資の欠乏は、共産主義の腐敗と惨状と解釈したい欲望を駆り立てますけど、そんなことを語ったってこの映画の面白さは全然説明できないのです。
そんなことより、砂漠に思いを馳せながら、ほっぺたを二回叩いて両手を開き、膝を外側に軽く曲げながら「クー!」と言っていた方がなんぼでも有意義というものでしょう。(これはロシアで相当ヒットした作品なので、このジェスチャーもロシア人にはかなりウケるという噂です)。

しかし、この映画を見て考えてしまうことは、この世界は二つの部分に分けられるという心理です。砂漠か、砂漠でないか。そして砂漠でない場所に住んでいるすべての人間は砂漠に言葉では表現できない憧れ(あくがれ)を感じてしまうものなのです(よく分からん人は安部公房を読もう)。もしかしたら砂漠化の原因はそういう人々の砂漠への無意識の想いが現実化したものなのかもしれません。(あくまでも以下ry

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そう言えばロシアではこれのアニメ版『Кин-дза-дза-дза!』(キン・ザ・ザ・ザだと…? またふざけた名前だな)があるらしいです。wikipediaの日本語ページには、2005年に製作をスタートして2008年に公開予定と書いてあるが、ロシア語ページ(もちろん読めない)を見ると、どうも2011年公開予定(Премьера 2011と書いてある。このキリル文字は「プレミア」と読む)らしい。大丈夫か? 具体的にいつ公開なんだ? ちゃんとした作品になるのか? 日本には入ってくるのか? 心配だなあ。

(追記:2013年1月10日:アニメ版完成した模様
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