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科学実験

科学とは見えないものを見る力 「クラドニ図形」

洗面桶にポリ袋をテープで張るだけで、簡単な太鼓が出来る。
その上に、塩を一様に振りかけて、その上で思い切り声を出すと、模様が出来る。
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息を吹きかけてしまうと、塩が飛んでしまうので、上手くいかないときは、口との間に紙を一枚挟めばいい。音波が届けばいいのだ。これはいわゆる定常波というやつで、物理の時間によく習うのは1次元のものだが、これはその2次元版である。
声を出すと、振動の腹の部分から塩が飛ばされ、振動の節の部分に溜まっていくのが分かる。綺麗な模様を作るためには、多少高さを調節したほうがいいかもしれない。
上手いこと固有振動(この場合は弦の固有振動の2次元版である)の基準モードと合った高さの声が出せれば、美しい声の形が見えるだろう。
ちなみに写真は小さい男の子に限界まで高い声を出してもらった。

「大切なものは目に見えないが、出来れば見えるようにしたいので科学がある」というと、子どもたちはよく分からなさそうな顔で聞いている。
 
動画も撮ったのだが、綺麗に出来なかったので、より専門的な人のやった動画をいくつか載せる。

いかにも科学実験という感じ。

こちらは周波数まで表示していい感じである。
でも音楽よりも音を聞かせて欲しいんだけど。

で綺麗なので、この技術を先鋭化させていくと、単なる科学実験なだけではなくアートになってしまう。
 

 

ブラックバーン振り子によるリサジュー図形描画

先日Y字振り子(別名ブラックバーン振り子、Blackburn Pendulum)で綺麗なリサジュー図形(Lissajous figure、リサジュー曲線とも)が描けたので、一番かっこよかったものの写真を貼ります。
Y字振り子ってのは、こんな感じのです。
blackburn
 











振り子の周期は糸の長さで決まりますが、この振り子は上の横棒と平行に振れるときはY字の合流点から、垂直に振れるときはY字の一番上から振れるので、縦と横で別々の周期を持つことになります。
なので、合流点の高さを変えることにより、錘はさまざまな軌道を描き、砂時計用の砂などで、その動きを記録するととても綺麗です。
それが、これです。
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見せた子どもに感想を聞いたところ、「宇宙みたい」と答えました。
なんとなく分かりますね。 

バブを使って、シャボン玉を浮遊させる実験 二酸化炭素の四方山話



水槽の中に深さ4センチくらい水を入れ、トンカチで砕いたバブを二つほど入れて、上部を覆うような大きな紙でふたをして数分待つ。中の空気をかき乱さないように、水平に紙をずらして、中に火の付いたマッチか首長ライターを入れて、火が消えたら準備完了。
そこに、ライチ以上握り拳以下くらいのサイズのシャボン玉をゆっくり落とせば、ふわふわとシャボン玉が浮く。これは、二酸化炭素が空気より重いので、水槽の中にたまって、その中に空気の入ったシャボン玉を入れれば、シャボン玉の方が二酸化炭素より軽いから。シャボン玉の膜は多少空気を通すので、シャボン玉は、ふわふわと上下しながら、ゆっくりと落ちていく。このとき、よく見ると、シャボン玉がだんだん大きくなっていくのが観察できる。
さて、この実験を子どもたちの前でやってみて驚いたのが、二酸化炭素が結構たまること。水槽に首長ライターを入れた途端に火が消える。
ここに顔突っ込んだら、意識一瞬で失うんじゃね?
人間は、高濃度の二酸化炭素を吸うと、一瞬で意識を失うことがあるらしく、液体の使いにくい場所(電子機器がある場所や紙類のたくさんある場所)で使われている二酸化炭素の消化器を浴びて、 意識を失うこともあるようだ。
1986年には、カメルーンのニオス湖という火山湖で、火山性の湖水爆発が起こり、大量の二酸化炭素が発生(このような、二酸化炭素が飽和している湖は、カメルーンに2つ、ルワンダに1つの三つしか世界にない)、空気よりも思い二酸化炭素が、付近の村を襲い、家畜3500頭、住民1800人が犠牲になる、という惨事も起こっている。今では人工的なガス抜きが試みられている。、
ちなみに犬猫の殺処分なんかでも、二酸化炭素が使われることがあるが、人間と違って二酸化炭素への耐性が強いらしく、一瞬で意識を失うことはなく、苦しんで死んでいくらしい。ここに動画があるので、寝覚めのいいものではないが、興味のある方は見てみてもいいかもしれない。見たくない現実があることを知るのも、民主主義政権下の民の務めだ。ちなみに、猫は犬よりもさらに耐性が強く、特に子猫は、規定のガス噴射時間が過ぎても生きていて、生きたまま焼却炉送りになることもあるという。

というわけでバブだが、実験をしながら、「これで殺人事件が起こせるのではないか」なんてことを、私は考えていたのだった。
湯船のふたを閉めてバブ大量投入。聞くところによると、死亡した人物は、最近不可思議な健康法に傾倒していた模様、みたいな。そんな死に方したら、確実に2chで人気者になれるな。

コピー用紙や感熱紙には、でんぷんが含まれている

ヨウ素とでんぷんを混ぜると、紫に発色する「ヨウ素でんぷん反応」は有名な実験ですが、コピー用紙(PPC用紙)や、ファックスやレシートに使われる感熱紙にヨウ素液を付けても、同様に発色することはあまり知られてはいません。
実は、高級な和紙に使われる三椏、楮、雁皮、のような繊維の長い樹皮を使わない洋紙では、繊維が短くても強度が強くなるように、でんぷんを糊として入れることがあるのです。
それによって、「ヨウ素でんぷん反応」を起こすのですね。
お手元にうがい用のヨードチンキがあれば、一度試してみると面白いですよ。綿棒に付けて塗れば、絵が書けます。
一度紫に発色したところに、CCレモンなど、ビタミンCを多く含んだ液体を塗ると、酸化還元反応を起こして、色が消えるのも観察できます。

うがい薬でビタミンCが検出できるぞ!

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うがい薬のあの赤茶色は、ヨウ素の色。
ヨウ素はでんぷんと反応して紫色になるのが有名だけど、それ以外にも手軽にできる色の変わる実験ができる(ちなみにこのヨウ素でんぷん反応は、化学反応というより、分子間力で分子同士が緩く結合する「超分子反応」であり、でんぷんの種類によって色が変わったりと、これもなかなか奥が深い)。
それはビタミンCの検出。ヨウ素はビタミンCと混ぜると色が消えるのだ。
お茶程度の色まで薄めたヨウ素液に削ったビタミンC錠やCCレモンなどを入れて混ぜると途端に色が消えるのが観察できる。



ヨウ素は、周期表だと塩素の下のハロゲン族に含まれる。これらの原子は水素と結びつきやすいので(自分が還元しやすいので)、他のものを酸化させる力を持つ。
酸化ってのは、物が燃えたり、金属がさびたり、老化の原因になったり、切った林檎などの色を変えてしまったり、物質を壊すことが多い。もちろん微生物は死んでしまう。(だから大昔の原核生物にとって、酸素は猛毒だった。今の生物にとっても活性酸素はかなり危険だ)
だからオキシドールも塩素も酸化させる力があるものは消毒剤に使え、当然ヨウ素もそう使われている。うがい薬に入っているヨードチンキだ。

逆にビタミンCは、酸素と物凄く結び付きやすいので(自分が酸化しやすいので)、他のものを還元させる力を持つ。
だから、体の中で発生した活性酸素など、強い酸化力を持っている「フリーラジカル」と反応し(いわば身代わりになって)、体が酸化するのから守ってくれる。(なおビタミンCは水溶性なので、脂の中には入っていけないが、ビタミンCは脂の中でフリーラジカルを消してくれるビタミンEを再生する作用がある)
緑茶や紅茶などに、酸化防止剤としてビタミンCが入っているのもこういう理由だ。酸化で色が変わったり、味が悪くなったりするのを防いでくれるのである。

ここまでくれば、ビタミンCとヨウ素液が反応することが理解してくれるだろう。
この二つを混ぜると、ヨウ素が還元されて、ヨウ化水素になって、無色透明になる。
「お茶を水に変える」などと、マジックのネタにしてもいいが、様々なジュースや野菜果物の汁を使って、ビタミンCが多いのはどれかを、一滴ずつ垂らして、何滴目で色が消えるかで、判定するのも、「試薬による定量分析」を子どもに教えるのに実にいい。
すると、緑茶の方が紅茶よりずっとビタミンCが多いことを確認できたり、レモンがそれほどビタミンCが多い訳ではないことがわかって「レモン~個分のビタミンC」という宣伝の欺瞞を明らかにしたりできるぞ。
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