けんさく。

けんさく。が、いろいろ趣味のことをやるページです。

英国面

コラムの楽しみ

このブログで書評なんかをするときは、その本から読みとれる情報を徹底的に詰め込むのが基本方針になっている。
ちょっと詰め込み過ぎか、といつも思うぐらい。
でも、とにかく中身がつまっていれば面白いはずだ、という思いもある。
しかし、それとは全然違う文章作法ももちろんある。
例えば、吉田健一とか内田百閒の随筆は情報量が多いわけではない。読み終わったとき、何が書いてあったかなんて、いまいち思い出せない。
金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)
著者:吉田 健一
販売元:講談社
(1990-11-05)
販売元:Amazon.co.jp
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百鬼園先生言行録―内田百けん集成〈7〉   ちくま文庫百鬼園先生言行録―内田百けん集成〈7〉 ちくま文庫
著者:内田 百けん
販売元:筑摩書房
(2003-04)
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しかし、面白かったことだけは確かに覚えている。
書評や随筆やエッセイなんかを書くにあたって、大した内容はないのに、文体の力でそれを引き延ばして、しかも面白くすることができる人がいるのである。
そう言うスタイルの本場として、イギリスがあるのではなかろうか、と思う(吉田健一も英文学者だ)。
あの国は、上流であることにインテリであることが必要ではない、むしろインテリはアッパーミドルっぽくてダメだ、と思いかねない不思議な国で、だから内容がつまった「頭の良い文章」よりも、内容がなくてもしゃれっ気がある文章の方がたっとばれるような気がする(個人的見解)。
だからこそ、ジェローム・K・ジェロームやイーヴリン・ウォーのようなユーモア作家が生まれるのではなかろうか。
ボートの三人男 (中公文庫)ボートの三人男 (中公文庫)
著者:ジェローム・K. ジェローム
販売元:中央公論新社
(2010-03-25)
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大転落 (岩波文庫)大転落 (岩波文庫)
著者:イーヴリン・ウォー
販売元:岩波書店
(1991-06-17)
販売元:Amazon.co.jp
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そういう伝統が、新聞や雑誌にコラムを産みだしたのではなかろうか。
たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)
販売元:岩波書店
(2009-04-16)
販売元:Amazon.co.jp
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この本に書いてあるのは、本当に大した問題ではなく、日常のこまごまとした、ちょっとした問題である。しかし、こういうものにこだわることにこそ、なんだか「英国性」という奴が潜んでいるような気がする。
国際問題とかに偉そうに発現するのはイケ好かないアッパーミドルで、本物の上流は、今年の天候が悪いから庭木の成長が悪いこととかを気にする、みたいな感じ。

そう言う、内容は対してないが、面白い英国的文章の使い手が、topgearの司会などで有名な自動車評論家のジェレミー・クラークソンだ。
私は車にそれほど興味はないが、この人の文章は好きなのでときどき読んでいるのだ。
ニコニコに日本語訳を載せてくれる殊勝な人がいるので、それを紹介して、今回は終わりにしよう。

まずは車と関係ないコラム。
辛いもの好きの方々はご存じであろう、Dave'sGourmet社製激辛ソース「insanity」の限定版についてのどうでもいい話だ。

いつの間にか、盛大な話になっているのが笑える。一体どんな辛さなことやら。

ひねくれ加減が良く分かる「スズキ スウィフトスポーツ」のレビュー

イギリス人らしい、自虐と矜持である。

こちらは新型の「スズキ スウィフト」

イギリスと言ったら、クラブ文化である。『バジルの優雅な生活』や『ジーヴスシリーズ』を思い出す。
車のオーナーズクラブもそんなクラブの一つと言える。

ジェレミーの車愛が良く分かるレビュー

涙なしには語れない

「日産 GT-R」のレビュー


進化したその新型のレビュー。

幾つかの保留付きとはいえ、べた褒めに近い
こういうのを読むと、自分のレビューの対象、つまり車とは何か、ということを、彼は真剣に、深く考えていることが分かる。

「ブリストル ブレニム」。ブリストルとは、同名の飛行機メーカーが第二次世界大戦が終わって、余った人員を使うために作った自動車メーカーで、ブレニムはもともとはブリストルの戦闘機の名前。ニコニコ大百科を引用すると、「25年前のようなデザインで、60年代のような内装のを、2000万円以上の高額で販売するという、日本人には理解できない商売をしている」とのこと。少量生産の高級車であるにもかかわらず別に質は高くないという、いかにもイギリスらしい、気の狂った会社である。数少ない純イギリス資本の車メーカー。



最後にジェレミーの環境問題に関する文章を。
賛同するかどうかはともかく、彼らしい意見で、とてもいい。


いつか、こういうのらりくらりと脱線ばかりで何の話してんのか分からないけど、さりげなくチクリと本質を突くようなスタイルで、書評なんかを書いてみたいものだ。

おまけ
イギリスの、クイズ番組と見せかけてただ単に時事ネタでおしゃべりするだけの馬鹿番組のジェレミーが司会の回。


なにやら日本の恥が映されてますね。お隣の恥と一緒になので我慢しましょう。

ケイト・ブッシュの官能の世界にようこそ!

ケイト・ブッシュは19歳でデビューしたイギリスの女性歌手であるが、普通と逆の言い方だが、その若さを全く感じさせない高い歌唱力(というか容姿から言っても一体何歳なのかよく分からない。この辺はビョークと似てるかも)と、多様な音楽性、ダンスやパントマイムをとりいれた圧倒的なパフォーマンスで世界的に影響を与えた女性アーティストと言える。わたしの好きな日本の女性歌手で言えば、戸川純とか谷山浩子なんかは多分影響を受けていると思う。

私が最初にみたのはこれ。
『嵐が丘』

Hiethcliff, its me, Cathy come home
内容は皆さんご存じの『嵐が丘』ですね。
嵐が丘〈上〉 (光文社古典新訳文庫)嵐が丘〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
著者:E・ブロンテ
販売元:光文社
(2010-01-13)
販売元:Amazon.co.jp
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キャサリンとヒースクリフの壮絶な恋愛も軽く超自然ですが、この歌は曲も歌詞も映像もすべて幽玄で素晴らしい。これが19歳のデビュー作とはとても思えない(作詞作曲共にケイト本人)。ただのアイドルではないことが一目了然である。
独特の動きは、舞台上でのシャイさを克服するために開発したと言われているが、「舞台の魔術師」リンゼイ・ケンプに弟子入りして学んだパントマイムの技術は本物である。幽霊となったキャシー(キャサリンのニックネーム。そう言えばケイトも本名はキャサリンだ)が窓から屋敷に入ろうとしたり、ヒースクリフの魂を奪い取ろうとするところが特に素晴らしい。
そのパントマイムを堪能したいなら、こちらのpvもよい。

踊ってるだけでpvが出来るってのもすげえな。

もう1ヴァージョン。こっちはよりゴシックに幽霊屋敷である。


ここからケイトの快進撃が始まる。
最初は歌もラブソングが多く、扱いもアイドルっぽかったが、しかし歌唱力は飛びぬけていた。
『The Kick Inside』

いわゆる「禁断の愛」について歌った作品。なんか「ラファエル前派」と言う言葉を思い出すpv。

『Man with the child in his eyes』


唯一の来日時の映像(東京音楽祭)。噂によると飛行機の長旅が怖くてこれないらしい。
『嘆きの天使』。原題は『Moving』。邦題は今では『天使と小悪魔』になぜか変わっている。

このときまだ19歳である。異様な色気。

デビューアルバム
天使と小悪魔天使と小悪魔
アーティスト:ケイト・ブッシュ
販売元:EMIミュージック・ジャパン
(1995-05-31)
販売元:Amazon.co.jp
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続いて1979年のクリスマス特番からいくつか。。
主な演目は前年のデビュー年にすぐに出したセカンドアルバムと、次の年に出るサードアルバムから。
ここら辺から、衣装も動きも世界観も急速に奇抜になっていくが、確かな技術がそれを支えているのである。
1stアルバムより『ローリング・ザ・ボール』


3rd アルバムより『バイオリン』

繰り返し言うが、まだ21歳ですよこの姉さん。すでに妖精だと言われても疑問に思わない妖艶さを持っておられる。ゴキブリか何かか。

2ndアルバムから、『ブルーのシンフォニー』

結構歌詞が面白い。最初にバイオリン男が少し見えるのが笑える。

3rdアルバムより『ウェディング・リスト』

ころころ変わる声。豊かな表現力
3rdアルバムあたりからケイト・ブッシュの歌は、単に歌と言うだけでなく、物語となっていることが多くなる(谷山浩子の物語歌なんかと近いかもしれない。サウンド・ホライズンとかの先祖と考えると面白いかも)。

一曲がまるで短編小説のようになっている歌といえばこれ。(クリスマスライブシリーズは上でとりあえず終わりです)
『バブーシュカ(Babooshka)』

変奏して夫を試そうとする妻、その女にかつての妻の面影を見る夫。
奇妙なことに2人とも、相手の愛がすでに冷めていると考えており、その愛が冷める前の2人を取り戻したいと考えていた。
江戸川乱歩に似たようなのが有ったような気がする。ちなみに「babooshka」と言うのは、ロシア語の「老婆」を意味する言葉で、ケネディ大統領暗殺時に、近くでフィルム撮影していたとされる謎の女性「Babushka Lady(バブーシュカという名前のスカーフのかぶり方をしていたから)」と何か関係があるのかもしれない。
しかし22歳でよくこんな歌を歌うと感心する。それにしてもすごい衣装だね。

『夢見る兵士(Army Dreamer)』

愛する息子が戦地から、死んで帰ってくる話。これも一つの物語になっている。
これの舞台版も良い。

ケイトこのときまだ24歳(live時)ですよ。本当に年が分からない人だ。

2ndアルバム『ライオンハート』
LionheartLionheart
アーティスト:Kate Bush
販売元:Capitol
(1991-08-05)
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ちなみにタイトル曲はこれ
『Oh England My Lionheart』

ここから題名をとってきた小説がこれね。
ライオンハート (新潮文庫)ライオンハート (新潮文庫)
著者:恩田 陸
販売元:新潮社
(2004-01)
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3rdアルバム『魔物語』
Never ForeverNever Forever
アーティスト:Kate Bush
販売元:Capitol
(1991-08-05)
販売元:Amazon.co.jp
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この3rdアルバムからは物語傾向だけでなく、異国趣味が咥えられている(上のバブーシュカだってそうだ)。次の曲もまともにそうだ。

『エジプト』


そのエクゾチズムが4thアルバムの『ドリーミング』になると爆発している。
ドリーミングドリーミング
アーティスト:ケイト・ブッシュ
販売元:EMIミュージックジャパン
(2011-07-20)
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『ドリーミング』

題名は、多分アボリジニの「ドリーミング」のことだと思う。

『サット・イン・ユア・ラップ』

天才としか言いようがない。
ZABADAKに影響を与えたと言うのも実に納得のできる話である。

『ガッファにて』

可愛らしい曲に見えて、歌詞を見ると、妙な焦燥感と奇妙な感動に襲われる。やはりこの感じは谷山浩子に似ていると思う。

これも4thアルバムからの一曲
『10ポンド紙幣が一枚』

見事なパフォーマンス。その一語に尽きる。

まあ、こんな感じにこの時期のケイト・ブッシュは「このままどこに行くのだろう」という危惧を感じるくらいとんがってたわけだけど。彼女はそんな心配もなんのその。別にどこへも行かずちゃんとこの世に踏みとどまって、新しい境地を見せ続けてくれるところはすごい。やはり心がタフじゃなきゃ、やっていけませんからね。

『Running up that hill』

ダンスに見とれるしかない。

『Hounds of Love』

これくらいにやっと年相応に見えるようになったような気がする。

『Experiment Ⅳ』

音楽を軍事兵器として使う実験について歌った異色SFホラーソング。B級映画な感じがとても良い。

『The Woman's Work』

妻が出産するのを待つ男の不安な気持ちを歌いあげた傑作。

『センシュアル・ワールド』

ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』(20世紀最重要小説!)に触発されたという作品。Yes。30超えたケイトも実に色気たっぷりで良い。Yes。

『Deeper understand』

コンピュータのソフトしか心を許せる相手のいない寂しい男の物語。

ピーター・ガブリエルとのデュエット
『Don't give up』


さて、実はケイト・ブッシュの曲の中で一番好きな物を残してあるのだが、それは話すと長くなるので、また次回にします。

追記(5月29日)
大好きな映画のこの歌が、ケイト・ブッシュが歌っていたと最近知ったので追加しておきます。


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史上最高のコメディ番組 『空飛ぶモンティ・パイソン』

世界のコメディの歴史をねじ曲げた記念碑的作品が『Monty Python's Flying Circus』邦題『空飛ぶモンティ・パイソン』(1969~)だ。もちろんそれ以前にスパイク・ジョーンズなどの先駆的業績はあったものの、やはりこれ以前とこれ以降では全てが変わってしまった。
まずは第一シーズンの代表作を。


コント集番組(英語ではsketch)はもちろんこれ以前からあったけど、スケッチとスケッチの間には司会が出てきてコメントや次のスケッチの紹介をしていた。つまり小劇場などと同じ形式をとっていたわけだ。それを彼らはテレビ番組ではそんなことする必要がないじゃないかと気付き、さらにスケッチとスケッチの間の切れ目を見えにくくして有機的に繋いでしまおうとしたのだ。そうすることにより趣向の違うギャグがマシンガンのように飛び出す画期的番組が生まれたのだ。
この回だけでも、抽象的な社会学に対する皮肉り、意味不明なアニメ、道路マニア、ヒットラーやナチズムなどの歴史ジョーク、ドイツ訛りギャグ、街頭インタビューに対する皮肉り、使えない警察官への皮肉り、アメリカの大統領への皮肉り、上流階級のアホへの怒りに満ちた皮肉り、フェミニズムへの皮肉り、階級社会への皮肉り、政見放送への皮肉り、と盛りだくさん。ちなみに上流階級のアホが夜中に車の音で付近住民に迷惑をかけることには元になった実話があるんだとか。
すごいのは、政治・哲学・社会などの高尚なネタと時事・芸能・エロなどの下品なネタをあえて整理せずにごった煮の状態で視聴者に届ける、ということ。これがそもそも前代未聞であり、後々もなかなかまねできないことだ。知能的なギャグばかり語られることが多いけれど、良く見てみれば下らないギャグも多い。もちろん知識(歴史やイギリス社会の)があればより楽しめるけど。

それではパイソンズのメンバーを紹介しよう。ちなみにイギリスのコメディの伝統としてこの人たちは自分で脚本を書いて自分で演じている。女役だろうがなんでもやる。無駄に高学歴なのと吹き替え声優の豪華さにも注目。
ジョン・クリーズ
ジョン・クリーズ(吹き替え:納屋悟朗) ケンブリッジ大学法学部卒。大学のコメディ・グループ(ケンブリッジ・フットライツ・レヴュー)で頭角を現す。弁護士を経てコメディ会へ。身長191センチの体格を生かしたダイナミックな演技が特徴。嫌味な権力者(軍人や上司、そして検察や弁護士)を演じさせたら右に出る者はいない。あとドイツ語訛りやフランス語訛り、スペイン語訛りなどの発音ギャグも得意。バカ歩き(Silly Walk)はOEDに乗るくらい有名。情報数学の学会のレジュメでcoalgebraic walk(行き先が収束して行かない移動方法のこと)の例として上げられていたのは笑った。パイソン後も様々なコメディ映画を自作自演するとともに007やハリー・ポッターなどの映画に出演している。ねちねちと論理で相手を追いこんでいくようなギャグを得意としている。『死んだオウム』コントが特に有名。

グレアム・チャップマン 
グレアム・チャップマン(吹き替え:山田康雄) ケンブリッジ大学医学部卒。医師免許持ち。大学時代ジョン・クリーズと出会い、脚本も共同が多いが実際には書いてたのはクリーズで、チャップマンは寝転がりながらときどきアイディアを言うだけだったらしい。189センチの長身を生かした凶暴な演技が得意。居丈高な権力者を演じさせたら絶品(軍人、警察官、そしてもちろん医者)。映画では主人公を演じていた。あと同性愛ネタ(同性愛を異常に嫌うネタも含めて)が妙に多いのはこの人が同性愛者だから。1972年には『Gay News』というゲイの新聞のサポーターとなり寄付や投書をした。番組中のスワッピング(夫婦交換)ネタのときには、他のメンバーの奥さんは全て交換されたのに、チャップマンとその恋人のデイビッド・シャーロックは交換されずにくっついたまんまだった。
あとアル中だったせいでパイソンズ後の仕事は生彩を欠いていた。1989年モンティ・パイソン放送20年記念日の前日にガン(勘違いする人もいるがエイズではない)で死去。唯一の故人。

エリック・アイドル
エリック・アイドル(吹き替え:広川太一郎) ケンブリッジ大学英文学部卒。スケッチ内の音楽などを担当することも多く、後にビートルズのパロディバンド「ラットルズ」を結成、ビートルズの曲だと言われれば信じてしまいそうな曲を作ったりしている。単純に一番イケメンなのでイケメンの役を良くするほか、女装で女役をやっても一番違和感がなかった。あと軽薄な役(女たらし、テレビの司会者)をやらすと異様に上手い。言葉に異様な執着を見せる男で、切れ目なく喋りつづける男とか意味のないことを喋りつづける男とか、単語をバラバラにして発音する男とか、偏執狂の域である。

テリー・ジョーンズ
テリー・ジョーンズ(吹き替え:飯塚昭三) オックスフォード大学卒。英語学や歴史学を学んだ。ジェフリー・チョーサーの研究では学術分野でも評価され、大学の講義に使用する教科書も執筆した。パイソンズ映画第二作『ホーリー・グレイル』の中世歴史考証が無駄に正確だったのはこいつのせい。おばさん(ペパーポットと呼ばれる)の役をやらせたら右に出る者はいない。あとウェールズ人の役を良くするのはウェールズ人だから。虐められる普通の人の役をやっていることも多い。オックスフォード大学派のギャグはどちらかと言うと、反射神経を使った視覚的ギャグなので、論理や言葉を重んじるケンブリッジ大学派と衝突することも多かったとか。特にテリー・ジョーンズは短気ったので、クリーズにタイプライターを投げたこともあるらしく、クリーズが第4シーズンに抜けた理由の一つと勘ぐる向きもある。パイソン後はジョージ・ルーカス監修ジム・ヘンソン監督(セサミストリートの人ね)デヴィッド・ボウイ出演の『ラビリンス/魔王の迷宮』の脚本を書いたり、自分で書いた絵本の映画化『エリック・ザ・バイキング』の脚本・監督・出演をしたりしている(この映画にはモンティ・パイソンの大ファン関根勤が日本語を喚きながら奴隷に鞭を打つ役で出ているぞ。なんでも自分のギャグのビデオを送りつけたんだとか)。

マイケル・ペイリン
マイケル・ペイリン(吹き替え:青野武) オックスフォード大学卒。歴史学専攻。普通の人の役を良くやるほか、普通に見えて残酷なことをやる人の役とか、ものすごくバカな人の役などをやる。一番演技は上手い。あと性格も良かったらしく、この人がいなければもっと早く空中分解していた、という話も。パイソンズ後もそれぞれのメンバーの作品によく顔を出すのは、演技だけでなく人格への信頼もあるのでは。イギリスでは旅行番組で有名で日本にも何回も来ている。

テリー・ギリアム
テリー・ギリアム(吹き替え:古川登志夫) 唯一のアメリカ生まれ。1968年にイギリス国籍を取得し2006年にアメリカ国籍を放棄しているので今はただのイギリス人。繋ぎ(リンキング)のアニメーションを担当。その意味不明な世界観失くしてモンティ・パイソンはない。ときどきどうでもいい役で出てくることもあるが主に変顔と裸担当(ジョーンズも良く裸になる。テリーは裸担当と覚えるといいぞ)。アニメ作るのに忙しくて、他のメンバーがなにしてるのかよく分かってなかったらしいが、他のメンバーもギリアムがなにしてるのかよく分かってなかったとか。その後有名な映画監督になる。代表作は『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』。一部に熱狂的な人気はあるのだが、なぜか経済的成功にはつながらない。

それでは彼らとともにあらゆる権威を笑いのめしてしまいましょう。

第1シーズン

現代人の基礎教養『死んだオウム』!
冒頭に出てくるのは「イッツマン」。「イッツ!」というだけの簡単なお仕事です。


『木こりの歌』は傑作。
ときどき出てくる頭にハンカチ被せたおっさんは「ガンビー」。あれは日光を避けるためにおっさんがやるダサいファッションなんだとか。元ネタは子どものころペイリンの近所にいた少し頭のおかしいおっさん。










第2シーズン

身を隠す方法を学んでおくと何かと役に立ちますよ!


英国王室はオチ要員なわけです。

その他の重要スケッチ

スパムメールの名前の元ネタ。SPAMとはspice hamの短縮でアメリカの商品名。塩っ辛いハムで、第二次大戦中食料に困ったイギリスやロシアに大量に輸出された。これがなければソ連軍は生き残れなかったかも、という話も。あまりパンには合わないのでヨーロッパ人はこれにあまり良い印象を持っていないんだと思う。ご飯には合うので、戦後アメリカから大量に持ち込まれた沖縄などでは普通に食べてる。今では、本土でも輸入食品店とかで手に入る。その他コンピュータ系の言葉だとプログラミング言語「Python」はこの番組の名前から。ハッカーにはパイソンファンが多いので、知ってると会話が弾む。


『魚のダンス』。ペイリンのお気に入り。言葉ではなく絵で見せようと言うのはいかにもペイリンらしいスケッチ。


『バカ司教』。個人的にはかなりのお気に入り。ペイリンのはっちゃけぶりが良い。キャロル・クリ―ブランド(女優)は人間が出来過ぎ。


クリーズのブチギレ演技は神がかっていると言わざるを得ない。


『デジャブー』。見てるこっちが病気になるわ!


ペイリンはこういう笑顔でひどいことする役も得意。


『ガンビー脳手術』。ガンビー物では一番好き。いつ見ても腹を抱えて笑える稀有なコメディである。


伝説のコント『馬鹿歩き省』。もうなにも言うことはない。


民俗学的考察でもしたくなるような佳品。


イギリス人はフリーメイソンネタも大好き。


クリーズはこういうことさせたら天才だな。


これもクリーズらしい役。被害者がチャップマンなのが珍しい。


これはドイツ版から。人気が出てイギリスで制作したものをドイツで放送するだけじゃなく、ドイツで制作したりしていたのだ。吹き替えでなく実際にドイツ語で演じたスケッチもあったりする。


この手の討論番組を馬鹿にするのは大の得意である。


死後の世界について訊くなら死後の人たち、って言う発想は悪くないね。問題はどうやって聞くかだが。


『殺人ジョーク』。ドイツ人にジョークのセンスがない、と言うのは定番ネタ。




「Nobody expects the spanish inquisition! チャラーン!」の流れだけで笑える。このセリフも「And now for something conmpletely different」と共にパイソンファンの間で語り継がれている。

その他

2002年のジョージ・ハリソン追悼式におけるパフォーマンス。


グレアム・チャップマンの追悼式において。最後に歌ってる歌は『Always look on the bright side of the life』。最後の歌『ライフ・オブ・ブライアン』のエンディングテーマ。いい歌だ。


パイソン30周年にチャップマン(故人)がまさかの出演。元ネタはやっぱりモンティ・パイソン中のスケッチの一つ。途中で灰壺を蹴っちゃうだけでなく掃除機で吸うわ、舌で舐めるわ……


日本語吹き替え版もいくつか。
第3シーズンから一本









ブラックジョークの極み。こんなものをよくBBCで放送したものだ。ちなみにNHKもBSで放送したことがありますが、まずい部分はかなり削りました。チキンめ。


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長らく封印状態だった日本語吹き替えを収録したボックス。

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こちらは40周年ボックス。日本語吹き替えは収録してないが、未発表の封印シーンが収録されている。なんでそう言う面倒くさいことするのかな……
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出演:グレアム・チャップマン
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(2011-08-24)
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聖杯伝説をネタにした映画。

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出演:テリー・ジョーンズ
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キリスト生誕をネタにした映画。映画は全部で四本あり、一本目はテレビのリメイクだが、残り三本は外れなしの大傑作だ。

世界最高の車番組 『Top Gear』

車はそんなに好きじゃないはずなんだけど『Top Gear』は欠かさずに見てしまう。
『Top Gear』はイギリスのBBCで放送されている破天荒かつ面白くってためになる車番組で、主な内容はスピードと破壊と爆発。あと卑猥な言葉。あと他国(ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、日本、メキシコ、韓国)などを自国と一緒に馬鹿にすること。あと……いろいろだ!

とにかく見てみよう。





良くここまでやるよな! 階級差別ネタもよっぽどだが、本物の線路使って、本物の鉄道関係者を読んで。あほらしいことは、「台本があるんだろうな」とは思えるんだが、ときどきどこまで作ってんのか分からなくなってあせるわ。

と言うところでキャラ紹介。
詳しいところはニコニコ大百科に任せてしまいます。最近なまけ癖が付いてきたな。
ジェレミー・クラークソン
あだ名は「ジェザ」。パワーが全ての人。全ての物はハンマーで作れ、そして直せると思っている。背がデカイ。奥さん恐い。嫌いな車は燃やす、爆破する、叩きつぶす。髪を「陰毛みたい」と良く馬鹿にされる。永遠の5歳児。
リチャード・ハモンド
あだ名は「ハムスター」。背が小さいと馬鹿にされるが、実は170ある。一度番組中の事故で死に掛けてそれ以来脳障害で怒りっぽくなる。バーミンガム生まれなので田舎者ネタでもよく馬鹿にされる。顔は司会者陣で一番良い部類なので「歯を漂白した」などとよく馬鹿にされていた。あと雑誌の「セクシーな男」に選ばれた時も「冷蔵庫に付ける磁石みたいな男」と言われていた。永遠の12歳。ヒーロー的なものに憧れているふしがある。
ジェイムズ・メイ
あだ名は「キャプテン・スロー」「キャプテン・方向音痴」。丁寧な運転と持ち前の方向感覚で目的地に着く前に日を暮れさせる。技術マニア。工具はまず並べて整理する。ミグ戦闘機について熱く語っているのを見た時は感動してしまった。彼の講釈は大概カットされ、「翌日」とか「三週間後」とかのテロップが表示される。三人の中で一人だけの非婚者。ホモ疑惑あり。服装のセンスを良く馬鹿にされる。
Stig
備品。車を運転する。様々な謎に包まれている。

『Top Gear』の特徴はその視聴者に要求する知的水準の高さである。例えばトヨタのプリウス(この番組ではゴミとほぼ同義)を馬鹿にするために、燃費の悪いアメ者とレース場で走らせて燃費対決をさせたりする。プリウスが燃費がいいのは走ったり止まったりを繰り返す、街の中での状況なので、もちろんプリウスが負ける。そしてこの番組は燃費が気になるなら、アメリカのマッスルカーを買おう、という話になるのだ。もちろんこれは冗談だ。しかしこれを笑うためにはプリウスの特性を理解していないといけないし、それにこれには「環境に良いからと言って、猫も杓子も同じ車を買うのではなく、目的に応じた車を買うべきなのだ」という教訓もついてくる。
また三菱のGT-Rについて「コンピュータ制御をフルに使った凄い車だが、興奮はない」、という話をするためにした喩え話。「こっちはイギリス製のアンプ、このつまみを回すだけで最高の音が出る。こっちが日本製のアンプ、この10以上ものつまみをいろいろと弄りまわす事によって、こっちのイギリス製と同じ音が出せる。どっちが優秀だろうか?」と来ておいて、「もちろん日本製だ! つまみが多い方がいいに決まってるじゃないか!」と落とすのだ。もちろんこれは「ほんとは私がどう言いたいのか、分かるよな」と言う意味だ。日本のテレビがこういうことが出来ないのは、視聴者のレベルを読むことが出来ないからだ。BBCにはそれが出来る。視聴者の知能レベルへの信頼があるから、どんな無茶なことだってできるのだ。
羨ましい。

その他の神回
除雪車を作ろう





キャンピングカーを作ろう





電気自動車を作ろう





パトカーを作ろう





そのほかも無茶苦茶面白いから見ようよ。BSフジでもやってるよ!
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