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UFO

本日6月24日は全世界的にUFOの日だ

ケネス・アーノルド事件
各自、輪になって「ベントラーベントラースペースピープル」と唱えること。もし「リンゴ送れ、C」のメッセージを受け取った場合は、事前に伝えた場所に集合。
合言葉の代わりにクラシック三大事件について入念に予習しておくこと。
UFO学入門―伝説と真相
皆神 龍太郎
楽工社
2008-03

トンデモUFO入門
山本 弘
洋泉社
2005-07





イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)
秋山 瑞人
アスキー・メディアワークス
2001-10

 

アメリカが目撃したUFO UFOが目撃したアメリカ 『なぜ人類はUFOと遭遇するのか』

私は、「ロズウェル事件の宇宙人解剖フィルム流出か?」という、今のところUFO事件史最後の騒ぎのときに、多感な時期を過ごした人間である。
あのころは、年末などになると超常現象スペシャルなどがあったりして、UFOだけでなく、超能力や予言、未確認動物や心霊現象などの特集がテレビを騒がしていた。心霊写真特集も、デジカメの普及に消し飛ばされる前は、夏の定番番組だった筈だ。
さらに少し遅れてグラハム・ハンコックの『神々の指紋』による超古代文明ブームも沸き起こった。私はというと、丸善で「グラハム・ハンコックに先駆けて、超古代文明ブームを起こした男」というポップとともに特集コーナーに平積みにされていた、エーリッヒ・フォン・デニケン(スイスにあったデニケン・ランド、閉まる前に行きたかったんだけどなあ)に見事にはまってしまっていた。あのころの丸善はまだ元気で、粋なことをしてくれたもんだ。
神々の指紋 (上) (小学館文庫)神々の指紋 (上) (小学館文庫) [文庫]
著者:グラハム・ハンコック
出版: 小学館
(1999-04)
未来の記憶未来の記憶 [単行本]
著者:エーリッヒ・フォン・デニケン
出版: 角川書店
(1997-02)
ちなみに、その手の知識に最初に触れたのは小学校高学年で、オカルト雑誌『ムー』の出版元である学研の今は亡き名雑誌『科学』の古代文明特集で、「モヘンジョ・ダロの遺跡には核爆発の痕跡がある」とか「ナスカの地上絵には宇宙からではないと見えない地上絵があり、古代の宇宙船発着場だ」とか書いてあった記事である。あの雑誌にもときどき変な記事があって、嫌な小学生だった私はそっちに影響を受けてしまったのだ。『ムー』はオウム真理教ブーム牽引の責任をすっかり忘れてしまっているが、もう少し反省しろ。
さて、そうやってすっかりオカルト科学にハマってしまっていた私は、何とトンデモさんの話を直接聞きに言ったことまである。
学校施設を開放し、市民が講師となっていくつもの講座を持つ、というイベントがあって、意識が変な方向に高かった中学生であった私は、「環境問題」とか「コンクリート化された川をもう一度自然化する」などの講座に参加していた(嫌な中学生だ)。そんな中に、「日本のピラミッド」についての講座があった。
数人しか聴衆がいない中の一人がまだ私で、その人は、「どこそこの山はあまりにも形が整っているのでピラミッドでしかありえず、その中には古代の超技術が眠っている」「それはきっと役に立つものに違いないから、太陽の光と空気と水から食べ物を作る装置に違いない」などという話をし始めた(ドラえもんだね)。そして、「なぜ掘らないのか?」という質問に対して「自衛隊が邪魔をするからだ」と答えていた。
今考えるととんでもない話だが、中高生ばかりだったその数少ない聴衆たちは、割と真剣に受け止めていたように思いだされる。私はと言えば、その講師が理解していなかった、地球の自転がだんだん遅くなり、反作用で月の公転が早くなって月が離れていく現象をどうにか説明しようとしていた。私も、決定的な疑いはまだ持てないでいたのだ。
人が言っていることや本に書いてあることにどう疑いを持つのかは、誰も教えてくれなかったので自分で学んでいくしかなかった。
結局、真面目に考え真面目に調べ続けていくと、オカルト科学を信じつづけることのほうが辛くなりはじめる。おかしな点がいくつもではじめるし、全てを説明しようとする馬鹿らしさも分かってくる。
矛盾だらけの方法で、全てを説明しようとするくらいなら、一つ一つを個別に説明しながら、分からないことは保留し、自分がどれだけのことができ、どこからがまだ無理なのかを把握しながら、それでも大きな夢を持つ方がどれだけ現実に役に立ち、ロマンチックな生き方であろうか。
私はオカルトを信じる人間がロマンチックだとは全く思わない。
高校生に入ったくらいの、そう言う疑いを抱いた時期に『トンデモ本シリーズ』や『おかしな論理』などに出会って、健康な懐疑主義のあり方を教えてもらえたのも大きいであろう。
トンデモ本の世界 (宝島社文庫) [文庫]
出版: 宝島社
(1999-01)
奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 (ハヤカワ文庫NF)奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 (ハヤカワ文庫NF) [文庫]
著者:マーティン ガードナー
出版: 早川書房
(2003-01)

丁度その頃、オカルト特集番組がだんだんマンネリに陥って、つまらなくなっていった時期でもあった。毎年毎年同じことばかり放送し、番組中で行われる議論でも、頭に血が昇りやすいビリーバーと、頭から全てを否定する懐疑派の、議論でもなんでもない喧嘩を映しているだけで、それを見ているゲストの芸能人も馬鹿にしたような顔で喧嘩を眺めているだけで、不愉快この上ないものになっていた。
そもそも懐疑派の代表が、海外ではユーフォロジストに一人に数えあげられたりもする大槻義彦なのも、納得が言っていなかった。あれほど非科学的な言説を垂れ流す御仁もいないのに。
今思えば幸運なことに私には、オカルトにハマるというよりも、オカルトを笑うことが好きな友人がそれなりにいた。私は彼らと一緒に、全てを宇宙人や心霊で片付けようとするビリーバーを笑い、全てをプラズマで片付けようとする大槻教授を笑った。オウム真理教も私たちの茶化しの対象で、駅前で配っていたチラシを皆で笑いながら回覧したり、学園祭の劇の出し物で、尊師の歌の替え歌を歌ったりしたものだ。
私はそれらの「全てを一つのお題目で片付けようとする議論」を「この紋所理論」と名づけ、例えば二人で「心霊」と「プラズマ」に分かれ、色々なものをそれぞれの手札で説明して遊んだものだ(嫌な高校生だ)。
私が発明した「全てを忍者で説明する」技術は、短い間ではあったが、我々の間でブームになった。
心霊写真は移動中に写ってしまった忍者だし、火の玉は忍者の火遁の術だし、ミステリーサークルは忍者の暗号だし、ポルターガイストも忍者が起こしているし、UFOは忍者の乗り物か、それとも忍者自体なのだ。
超常現象忍者説を文章としてまとめたのは大学に入ってからだが、大学に入って驚いたのが、割とオープンな大学だったせいか、一般向けの講習になると必ず出現してテーマと関係ないのにUFOについて質問する名物おじさんとか、大学構内で学生を捕まえて「お前は物質とは何か分かっているのか」「社会とは何か分かっているのか」と聞いたかと思うと、「ものには形があるはずだから、形のない水はものではなく状態だ」とか「動く物とは動いて見えるものだから月は自転をしていない」とか、不思議な高説を垂れ流して、「お前の意見など聞いてない」「お前は馬鹿だ。学者どもは基地外だ」と、暴言を吐いて終わるこれまた名物のおっさん(身なりがいいので、一見教授か何かだと勘違いしてしまうらしい。学会などにも平気で潜入してくる)など、怪しい人がたくさんいることだった。しかし、すっかり嫌な大学生になっていた私は、何故か彼らに話しかけられることはなかった。

思い出話が長くなってしまった。
かくの如く、私は宇宙人が地球に来ているなど全く信じていないのだが、UFOは大好きだったのだ。
そのUFOの目撃史、受容史、研究史、そして人々の妄想史について徹底的に書いたのが、次の本である。
人類はなぜUFOと遭遇するのか (文春文庫)人類はなぜUFOと遭遇するのか (文春文庫) [文庫]
著者:カーティス・ピーブルズ
出版: 文藝春秋
(2002-07)

素晴らしい本だ。UFOは基本的には、1947年6月24日(全世界的に、UFOの日だ)のケネス・アーノルド事件から始まるのだが、その前史、幽霊飛行船目撃事件や、幽霊ロケット目撃事件、フーファイター目撃事件からあつかっている。
その頃から、墜落した円盤や死んだ乗組員、見たことのない金属など、その後のUFO事件の道具立ては、この時点で全てそろっていたりする。
それらの話は上記の本の訳者である皆神龍太郎の次の本が良いだろう。
UFO学入門―伝説と真相UFO学入門―伝説と真相 [単行本]
著者:皆神 龍太郎
出版: 楽工社
(2008-03)
いや、それどころか、空に何か不思議なものを見てしまうことは、中世からいくつも報告されている。
それらを徹底的に調べ上げて描かれた次の小説が詳しい。
神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫)神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫) [文庫]
著者:山本 弘
出版: 角川書店
(2006-11)
神は沈黙せず〈下〉 (角川文庫)神は沈黙せず〈下〉 (角川文庫) [文庫]
著者:山本 弘
出版: 角川書店
(2006-11)
しかし、やはり近代のUFO神話はケネス・アーノルド事件に始まる。これが報道されることにより、UFO目撃は急激に増えた。
そしてUFO目撃をメジャーにした「UFO目撃三大クラシック」にも多くのページが割かれている。UFOが好きとか言いながら、三大クラシックも知らない若いのが増えて全く困る。
特撮映画好きなら、『空の大怪獣ラドン』、さらには『ウルトラQ』のケムール人が登場する「2020年の挑戦」の冒頭や『ウルトラマン』の第一話の冒頭に影響を与えた「マンテル大尉事件」は覚えておいて損はない。

この本は、UFO前史から、ケネス・アーノルド事件、三大クラシック、空軍によるUFO研究「プロジェクト・ブルーブック」、アダムスキーなどのコンタクティたち、ヒル夫妻事件に始まるアブダクション事件(筋肉少女帯好きなら、
「レティクル座」という言葉を聞いたことがあるだろう)、キャトル・ミューティレーション事件、UFO墜落騒動、とUFOに関わる伝説を網羅的に記してある。
特に面白かったのが、CIAがUFO目撃に興味を持っていたという事実である。彼らは別に宇宙人に興味があったわけではなく、民衆の集団幻覚を見やすい気質が、ソ連の情報戦に利用されたり、先制攻撃に反応するのに遅れを生じさせないか危惧していたのだ。
しかし、それが陰謀論者達に「政府が何かを隠している」をいう疑いを抱かせ、疑いを抱かせないために情報を隠すとさらに疑いが高じ、本当に何もないことをちゃんと情報を開示して示しても「何か開示してないものがあるはず」とさらに疑いを生じさせ、「なにもないなにもない」と言えば言うだけ、それがパラノイア達には何かある証拠とみなされていく歴史は、業の深さに、哀れさと滑稽さが漂っている。

大半がアメリカの事例からとられているこの「UFO遭遇史」は、アメリカのパラノイアの一大クロニクルである。
アメリカ人ほど陰謀が好きな人たちはいないが、その妄想の細部はその時代時代で、なにがアメリカ人の恐怖の対象だったかを如実に表している。
ケネス・アーノルド事件や、その後の三大クラシック、そして空軍が本当に何かが飛んでいるのかを調べはじめた40年代終わりから50年代は、共産主義への恐怖に彩られた時代だった。赤狩りという、集団ヒステリーでしかない魔女狩りが行われた時代だ。
空軍は最初、ソ連の秘密兵器がアメリカ上空を飛んでいるのではないかと調べはじめたのだ。その後、もしかしたら宇宙人の乗り物かも、と少し考えて、結局ほとんど見間違いで、見間違いだと判定できない者はデータが足りなすぎて何とも判断がつかないものだと考えるようになっていった。
その後も、UFOの諸相は、アメリカの世相とともにある。
コンタクティは広く影響を与えた映画『地球の静止する日』に強く表れている宗教色の強い救世主願望に彩られており、陰謀論はベトナム戦争で民衆が合衆国への信用を失ったころに流行りはじめ、ケネディ暗殺とともに炸裂する。アブダクションには個人主義の時代の「心の奥の隠された真実」という神話が刻まれている。

読みながら呆れた。これは「アメリカ史」そのものだ。

ニ十世紀後半の世界史は、ほとんどアメリカ史である。アメリカとは何であったかを考えることが、ニ十世紀とは何であったかを考えることの半分になってしまう。(ちなみにニ十世紀前半は「ヨーロッパとは何だったのか」であり、「ソ連とは何だったのか」はアメリカのコインの裏側である)
そして、アメリカについて考えるというのは、不思議な行為で、例えばアメリカンコミックの傑作であり、映画にもなった『ウォッチメン』を読んで驚くことは、ヒーローについて考えることで、アメリカについて考えることが可能であることだ。
WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books) [単行本]
著者:アラン・ムーア
出版: 小学館集英社プロダクション
(2009-02-28)
ウォッチメン BDコレクターズ・バージョン [Blu-ray]ウォッチメン BDコレクターズ・バージョン [Blu-ray] [Blu-ray]
出演:マリン・アッカーマン
出版: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
(2011-02-25)
特に映画版のオープニングのボブ・ディランをバックに流れる、改変アメリカ史は圧巻だ。
「ああ、アメリカについての映画だ」
と思うと涙が出る。
日本人は日本についての作品が果たして作れるのだろうか?
そもそも「ヨーロッパとは何だったのか?」「アメリカとは何だったのか?」「ソ連とは何だったのか?」は大きな問題になりうるが、「日本とは何だったのか?」がそれほど大きな問題になりうるのか?
トマス・ピンチョンの『V.』や『重力の虹』、リチャード・パワーズの『舞踏会に向かう三人の農夫』など見事な作品を読みながら、ときどき考える。
V.〈上〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)V.〈上〉 (Thomas Pynchon Complete Collection) [単行本]
著者:トマス ピンチョン
出版: 新潮社
(2011-03)





重力の虹〈1〉 (文学の冒険シリーズ) [単行本]
著者:トマス ピンチョン
出版: 国書刊行会
(1993-03)

舞踏会へ向かう三人の農夫舞踏会へ向かう三人の農夫 [単行本]
著者:リチャード パワーズ
出版: みすず書房
(2000-04)
閑話休題。
「アメリカを語る方法は驚くほどたくさんある」。このことを思い知らされた別の作品は、例えばスティーブン・キングの息子で、こっちの方が実力は上だと思っているジョー・ヒルの『20世紀の幽霊たち』だ。
20世紀の幽霊たち (小学館文庫)20世紀の幽霊たち (小学館文庫) [文庫]
著者:ジョー ヒル
出版: 小学館
(2008-09-05)
これは映画について語ることで、ニ十世紀後半のアメリカ史について語ることの代わりとしている。
その時代時代の重要な映画について語れば、その時代のアメリカがどんな不安と希望を抱えていたかが分かるのだ。
フィルムに刻まれたアメリカの神話たちの「幽霊」の題名の連なりもまた、見ているだけで私に涙を誘わせる作品だ。
そしてこれは、『人類はなぜUFOを目撃するのか』を呼んでいるときに感じた感覚と似ている。もちろん、『20世紀の幽霊たち』は良質なエンターテイメントで、『人類はなぜUFOを目撃するのか』の冷徹な筆致はエンターテイメントからは程遠い。
しかしどちらも、アメリカについて語っている。
アメリカとは何と言う国だろうか。UFOに関して、人々が国家と宇宙人についてどんなパラノイアックな妄想を抱いていたかに関して語ることが、そのままアメリカについて語ることになるのだ。

これがこの記事の題名の理由だ。
この本は、アメリカがどうUFOを目撃したかに関する本だが、UFOがどうアメリカを目撃したかの本でもある。
アメリカの神話の本であり、アメリカという神話の本でもある。

レティクル座の神さま

年の瀬も近づき、慌ただしくなる浮世に鬱鬱まっさかりな人もいるのではと思うが、そんな人に『レティクル座妄想』は文句なしに元気が出るアルバムでお勧めである。
レティクル座妄想レティクル座妄想
アーティスト:筋肉少女帯
販売元:MCAビクター
(1994-04-21)
販売元:Amazon.co.jp
無駄な曲がなく、アルバムが一本の見事なコンセプトで貫かれている。
ブックレットも素晴らしい。
大槻ケンヂはUFOマニアとしても高名だが、レティクル座とは有名な「ヒル夫妻誘拐事件」で、単なるランダムな点の集まりにしか見えない星図から読み取られ、UFOがそこから来たといわれる星座である。そこからこの事件は別名「ゼータ・レティクル事件」ともいわれる。
この世から逃げ出したい、という幼稚で切実な「彼岸妄想」を「UFO妄想」と関連付けている。
自らの幼稚な部分をさらけ出しながら、自虐と切実さを極限まで磨き上げて、極北の幼稚さが武器になる極致を見せている。
その後、精神に不調をきたした大槻ケンヂは、医者から「UFO禁止」を言い渡されたりしている。

『レティクル座超特急』

いきなりこれだよ。
ジム・モリソンというのが恥ずかしくて良い。
最後のオチに、大槻ケンヂのひねくれた自意識が見えて面白い。
落とすのも落とされるのも大槻ケンジなのだ。

『蜘蛛の糸』
(このアルバムに収録されたのは第一章。第二章は『BEST&CULT』に収録)

第一章は怖ろしいことに進研ゼミのCMソングだった(最後の「だいじょぶ」を連呼するところと「わらってろみてろよ、気のせいさ眠れよ」の部分だけだけどね)。
第二章が蛇足かどうかは意見が分かれそうである。

『ハッピーアイスクリーム』

殺した少女の幻に悩まされる男。他の曲のモチーフが顔を出す。
ちなみにハッピーアイスクリームとはこれのにあるように、二人の人物が同時に同じことを言ってしまう現象のことである。70年代から80年代に子どもたちで流行って、先に言い終わった人が勝ちというルールもあり、勝てばアイスクリームをおごってもらえるとか。
アメリカン・カートゥーンを見てると、向こうではその現象を「ジンクス」と呼んでいて、ティーン以下の世代で現役の習俗のようだ。

『香奈、あたまをよくしてあげよう』

一抹の清涼剤。
女の子にカルト映画(多分『ファントム・オブ・パラダイス』とか『逆噴射家族』とかだろう。『フリークス』&『ピンク・フラミンゴ』二本立てではないと信じたい)を見させようとしたり、泣ける本(きっと『タイタンの妖女』とかなんだろうな)を読ませようとする、男のずれた行為とおかしな上から目線が泣き笑いを誘う。香奈は男が思うほど馬鹿じゃないような気がしてくる。

『ノゾミ・カナエ・タマエ』
(アルバム収録は『ノゾミ・カナエ・タマエ』。『望み叶え給え』はシングル盤『香奈、頭をよくしてあげよう』のカップリング曲。『望み有るとしても』は『リルカの葬列』のカップリングで『BEST&CULT』に収録)

少女視点、男視点、そしてレティクルの神さま視点の三部作。
ぬるま湯のように心地よい救いのなさである。
いつまでも浸かっていると風邪をひきそうだ。
「5100度の炎」というフレーズは『武装錬金』というマンガに引用される。

『愛のためいき』

ちなみに元ネタはこれ
『時をかける少女』

ひでえ改変だなあ

『ワダチ』

引用されているのは、上官が起こした捕虜虐待の罪で戦犯としてシンガポールで処刑された木村久夫陸軍上等兵の遺書である。

『ノゾミのなくならない世界』

「若気のいたり」を解剖させて大槻ケンヂの右に出る者はいない。

『レティクル座の花園』

「救いのなさ」を好むのも、結局は若い自意識でしかないのだが、それを戯画化して綱渡り的に作品を救っている。
大槻ケンヂの声の妙な間抜けさが、作品に救いを与えている。
別の曲ではこの上手いとはとても言えない歌声が、作品に迫力を与えているのだから不思議だ。

『飼い犬が手を噛むので』

そしてこの感動のグランド・フィナーレである。
無駄に肥大した自尊心が墜落するカタルシス。
一曲目と見事な対を成していると言えよう。

素敵な審査員の皆さん
ルイス・キャロル:本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン。どもりの数学者。『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の作者として有名。初期の少女ヌード写真家としても一部で有名な偉大なロリコン。

アリス・リデル:アリスのモデル。ドジソンが彼女にしたおとぎ話がかの有名な作品になる。

フーディーニ:ハリー・フーディーニ。マジック史上に輝く偉大なマジシャン。「脱出王」。俳優として初期の映画史にも名前を残しており、映画史上初めて登場したロボットとも戦った。芸名のファミリーネームの由来は、フランスの歴史的手品師ロベール・ウーダンから。最初のトリック映画を撮ったジョルジュ・メリエスはそのキャリアをロベール・ウーダン劇場から始めており、映画の出自が分かるエピソードである。喜劇王バスター・キートンの名付け親でもあるという(ほんとかどうかは知らん)。
一回、心霊術にハマりかけるが、すぐにマジシャンとしての眼力からインチキだと見破り、サイキックバスターとなる。アメリカの科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』の超能力調査にも学者に交って委員に名を連ねる。ジェイムズ・ランディらの知的祖先に当たる。

バーニー・ヒル:最初に説明した「エイリアンアブダクション」の元祖の当事者。当時としては珍しい、黒人と白人の夫婦。2人とも人権活動かであり、ユニテリアンでもあった。

トーマス・F・マンテル:UFOクラシック三大事件の一つ、「マンテル大尉事件」の当事者。ゴドマン市民とケンタッキー州警察からの未確認飛行物体目撃の情報に、空軍ゴドマン基地から四機で発信し、他の三機が追跡を諦めた後も追い続け、結局墜落し死亡した。
UFO事件での最初の死者。
多分、気球の見間違えだったと思われる。
『空の大怪獣ラドン』の空中戦や『ウルトラQ』の第19話「2020年の挑戦」の冒頭、『ウルトラマン』第1話の冒頭など、様々なSFに強い影響を与える。
なお、クラシック三大事件、残りの二つは「イースタン航空事件」と「ゴーマン少尉機空中戦事件」である。
テストに出るので覚えておくように。

ライヒ:ヴィルヘルム・ライヒ。フロイトの弟子。性の抑圧がファシズムを産んだという説を戦前から主張していた。初期の本は、信用は出来ないが、まあ面白く読める。性的エネルギー「オルゴン」が全てを司っていると言いはじめてからは完全にキ印である。
オルゴンを使って雲を消す「クラウドバスター」という機械を使って、UFOに乗っている侵略者の宇宙人を撃墜しようとしていた。
オルゴンを使った健康器具「オルゴンボックス」は未だに売っている。
ケイト・ブッシュの記事にも少し書いた。

ケネス・アーノルド:1947年6月24日に自家用機で、「投げた円盤が水面を跳ねるように飛ぶ」三日月状の飛行物体を目撃。それが新聞に取り上げられ、飛ぶ様子を表現するための言葉を間違えて「空飛ぶ円盤」と書かれたために、その後「空飛ぶ円盤ブーム」が起こる。本当にこの新聞記事から急激に空飛ぶ円盤の目撃例が増えるのである。しかしなぜか、「三日月状の飛行物体」の目撃はされない。
「空飛ぶ円盤」という言葉はその後SFや映画に数多く登場し、この最初の目撃を記念して、「6月24日は、全世界的に、UFOの日だ」(水前寺邦博談)とされている。

フェデリコ・フェリーニ:イタリアの映画監督。後半のシンボリックで、夢と現実が混ざった作品が好き。『甘い生活』とか『8 1/2』とか。「人生は祭りだ、一緒に楽しもう」

マリリン・モンロー:説明不要。謎めいた自殺に陰謀説が囁かれている。

マーク・ボラン:イギリスのロックバンド「T.Rex」のヴォーカル。『20th Century Boy』があまりにも有名。オカルトに凝っていて、魔女と同棲していたとか。「僕は30歳まで生きられないだろう」だなんてうそぶいていたら、30歳の誕生日の二週間前に交通事故で死んでしまっていた。事故自体はどうってことなかったらしいが、体が薬物でボロボロになっていて、体力的に手術に耐えられなかったという。

ジム・モリソン:「Doors」のヴォーカル。27歳で死んだ人の一人。一部のファンは、世から隠れるための偽の死だと信じているとか。

カスパー・ハウザー:19世紀ドイツにひょこんと現れた正体不明の少年。どこかの地下の牢獄に長いこと閉じ込められていたらしいが、本人に聞いてもよく分からない。一説によると、取り替えられ隠された王位後継者だが、他の説によると単なる詐欺師である。
正体不明のまま暗殺されてしまった。

江戸川乱歩:大槻ケンヂの大好きな探偵小説家。ただ欧米の影響の強い、いかにも、という本格派探偵小説は初期だけで、作品のほとんどはエログロ怪奇物。評論など、小説以外の文筆活動の方がその後への影響が強いのかも。

エルビス・プレスリー:偉大なロックスターだが、死後何年たっても目撃証言のある、偉大な未確認生物でもある。

ザッパ:フランク・ザッパ。ロックでもジャズでもクラシックでもない、ジャンル分け不能の音楽をたくさん生みだした。

ツタンカーメン:若くして死んだエジプトの王。若くして死ぬと、何故か皆がロマンチックに思ってくれる。ロマンが足りないと呪いまで捏造するから怖いね。

コナン・ドイル:探偵小説化の元祖であり、初期のSF小説の書き手でもあるが、弟が死んでからは、交霊術にハマって、死後の世界との交信法を探していた。フーディーニとも一時期文通していて、フーディーニに「騙されやすい人」と言われている。

芥川龍之介:超有名な自殺者の一人。今は当時よりはいいお薬があるので、死ななくて済んだかもね。

そして風船おじさん:本名鈴木嘉和。ヘリウム風船を多数つけたゴンドラ「ファンタジー号」で太平洋横断の冒険に出かけ、そのまま消息を絶つ。多分、今もジェット気流に乗ってどこかを飛んでいるのであろう。

以上、順不同、敬称略

金を払って損はないアルバムだから、買うように。
元気が出るぞ!

円盤は高い

日本でDVDを買うとどうしてこんなに高いのだろうか、と考えていたとき、ふと日本ではピザもアメリカやヨーロッパに比べて高いことを思い出した。
共通するのは「円盤」?
もしや、これは謎の円盤UFOの仕業か?
すわ、SHADOの出動だ!
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