ファーストシーン。池でストリートチルドレンが服を脱ぎ水浴びを始める。劇映画と思わせるようなゆったりとしたカメラと音声。。。「チョコラ」というドキュメンタリー映画をご存知でしょうか?今日福山市松永町での上映会に行きました。小林茂監督のドキュメンタリー作品。アフリカ、ケニアのストリートチルドレンを題材にしています。
黎明の町で小学校中学年くらいの子供たちがプラスチックや金属の容器を拾って歩く。拾って業者に換金すれば、喰うに困らないほどのお金がもらえる。夜になると子供たちはキャンプのように自炊し、喧嘩しながらも,無邪気に過ごします。その中でシンナーを覚え、タバコも覚える。勿論ケニアは日本などの先進国に比べ豊かな国ではありませんが、観光収入にも恵まれ、大きな内戦もないので安定しています。じゃなぜストリートチルドレンなのか?この作品は劇場用映画のように、フィクションな臨場感で少年の家庭環境にカメラを持ち込んで行きます。親の暴力?貧困?日本からNGOの活動で赴かれている松下照美さんが親と子供と相談します。涙ぐんで子供に問い聞かせる父親。無反応な態度で反抗する少年。簡単には答えがみつかりません。。。HIVに犯された26歳の女性と子供の姿。自分の子供をたらいの水で綺麗に洗ってやります。喧噪に満ちた長屋の暗闇で、親子が眠って静かになるまでカメラがストーカーのように追いかけます。日常の普通の生活、違うのは外国から来たカメラクルーたち。この親子の将来はどうなるのでしょうか?日本にも貧困に喘ぐ派遣社員やフリーターがいます。大麻を吸う若者もいます。地域や民族の違いを超えて、共通するものは、夢や憧れ、そして大人になって始めて知る挫折という洗礼。ケニアの子供たちを都会の繁華街に、自由に駆り立てるものはなんなのか?豊かさ、希望、そして幸せとはなんなのか?地方から東京目指した日本の若者たちの姿にも重なる。チョコラとはスワヒリ語で「拾う」という意味でストリートチルドレンへの蔑称として用いられる。そういえば、60年前の日本の少年たちは米軍に「ギブミーチョコラ」と言っていなかったか?

と、自分勝手な解釈。