萌え度:★★
物語度:★★
エロ度:★
海野蛍さんの最新巻。
この人もなかなかにオリジナルな漫画を描くひとですね。
素人のぼくが読んでも非常に特徴的、実験的なコマ割をする人で、そこらへんのすごさなどを分析したサイトもあるようですが、ぼくにとっては、やはり、「SFの人」という印象があります。
最近はそうでもないのかもしれませんが、かれの作品のタイトルの大半はSFから採られているのです。
初単行本からしてアーシェラ・K・ル・グィンの短編集の引用ですからね。よほどのSFファンなのでしょう。
で、描くものは正統派ロリータ(というか貧乳)少女もの。すばらしい。
この人の描く女の子は、「女の子」というより「少女」という言葉の方がふさわしいように思えます。
折れそうなほど華奢で、アンバランスで、儚く、どこか淡い印象の少女たち。何ともいえない魅力に満ちたキャラクターたちです。
海野さんは、とにかく、大人のキャラクターを描かないひとで、それだけ少女にこだわりをもっているということなのでしょう。ないちち萌えのひとにとってはこれ以上ない作家といえるかもしれません。
この人の描く少女たちのからだの線の綺麗さは無二のものがあります。「少女」という幻想に深い思い入れを持っている人にとって、理想の描き手とすらいっていいかも。
ただ、ぼくはこの人の漫画にあまりエロスを感じません。非常に淡白な作風で、エロ漫画、という言葉から連想されるどぎついイメージとはかけ離れた世界を持った作家さんだと思います。
ただ、エロ度が低いからといって評価も低いかというとそんなこともない。
「エロ漫画は抜けるかどうかがすべて」といっている作家さんもいますが、そしてそれはある意味で潔いプロの態度だと思いますが、しかし、ぼくはその言葉に賛成することはできない。
べつにエロ漫画とはオナニーのためだけに読むものではないと思うのですよ。オナニーのオカズにはなりえなくても、何となくエロティックな気分になれるだけで満足できることもある。
そういう目的で消費されるエロ漫画もたくさんあるはず。
ひとの性は複雑怪奇な迷宮そのもの、そう単純に割り切れるものじゃない。
この『アンバランスな制服たち』には、いつもの海野さんの奇妙な世界が収録されています。
さきほどエロスは感じない、といいましたが、見方を変えてみると、やはり淡いエロスこそがこの作家の最大の魅力だといえると思います。
オナニーに「使う」には淡々しすぎるかもしれないけれど、でも、どこかからだの芯をほんのりあたたかくさせるようなエロス――。
ロリータ趣味の作家は他にもいますが、そういった作家が持っている暴力性、背徳感が海野さんにはありません。どこまでもさわやかで、清潔なのです。
それがいい、という人も、そこが好きになれない、という人もいるいることでしょう。そして、ぼくは好きだからこそ買っているわけです。
こういうエロ漫画もあっていいよね。
このサイト、アフィリエイトはAmazonにするか、DMMにするか迷ったのだけれど、一応、アダルトブログだし、Amazonでは一部のエロ漫画の取扱いが中止しているし、ということで、DMMにしました。
DMMの利用者は相対的に少ないだろうから儲けにはならないような気もするけれど。アフィリエイトでウハウハは遠い夢だよなあ。
「Something Orange」は相当大きくなったので、ぼくがアフィリエイトで儲けていると思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、じっさいには全然儲かっていません。
いや、儲けたいのは山々なのだけれど、現実に儲からない。少なくとも、本を買ったり映画を見たりするのについやしている金額には全然及ばない。ほんと、儲けたくてたまらないんですけれど。
わざわざぼくのサイトを通して買い物をしてくれる方々にはいつも感謝しております。気が向きましたら、このサイトでもお買い物してくださると、大変嬉しいです。
ぼくはアフィリエイトで金儲けすることが拝金主義的で恥ずかしいことだとは全然思わない。だれも損をしていないのだから、いくら儲けてもかまわないはず。いや、儲からないんですけどね。
まあ、画像を使えるだけでもよしとしておこう。
萌え度:★★
物語度:★★★
エロ度:★★★
世の中には、ロリータコンプレックス、ロリコン、と呼ばれるひとたちがいて、世間の憎悪やら偏見やらを一身に集めていたりするわけですが、ぼくにはそういう性癖はありません……ほとんど。
いや、ちっちゃな女の子が受けの漫画って、どうも痛々しくて受け付けないんですよね。
倒錯とか頽廃とかいう言葉が好きな性分なので、幼児性愛の反倫理性には惹かれるんだけれど、じゃ、お前、ロリコンなのかといわれると、「違うよ〜。ただのオタクだよ〜」と答える。
真性のロリコンのひとって大変だよなあ、と同情はしますけれど、「ぼくは違うよなあ」と思っていたんです。この漫画を読むまでは。
いや、やばいです、これは。特にそっち系のひとというわけではないはずのぼくでも、ひきずりこまれそうになります。
タイトルからわかる通り、巻頭作は現代を舞台にしたファンタジーもの。「邪霊」と呼ばれる悪霊みたいなものを退治してまわる魔法使いを主人公にした物語です。
主人公は一○○年に一人の魔法の天才なのですが、相棒の少女咲耶が五○○年に一人の天才(笑)で日々、彼女にふりまわされています。
この咲耶がもろにロリータ系のキャラクターなんですよねえ。いや、もう、可愛い。可愛い。
萌えとエロは必ずしもたやすく並立できるものではなく、萌えがきわまるとエロを感じなくなったりすることは男性諸氏ならご存知のことと思いますが、このキャラクターは両者を兼ねそなえています。萌える萌える。エロいエロい。
やっぱり日本の誇る文化であるロリエロ漫画を規制させたりしちゃいけないな、と思います。いや、まったく。
あと、エロ漫画ってセールス的にそんなに手間かけていたらペイしないものではないかと思うのだけれど(偏見かな)、この漫画はよく描きこまれています。
さすがに『BASTARD!!』とか『ネギま!』とか、そのレベルには達しないけれど、エロ漫画としては十分以上の描きこみなのではないでしょうか。
話も普通におもしろいです。エロ漫画としては物語やキャラクターを重視している方だと思う。以前にも書いたとおり、ぼくは物語がある方がより萌える、楽しめるというタイプなので、それは大歓迎。
逆にいうと、「エロさえあればいいんだ、エロさえ」という方にはオススメできない作品かもしれません。
いつも思うのですが、万人向けのエロ漫画というものはないものですねえ。ただ、この作品は物語、エロ、萌えという要素が、相当にハイレベルで並立していると思います。
最近のエロ漫画はレベルが高いなあ。もっとも一定以上巧くなってしまうと、一般漫画の世界に行ってしまうひとが多いことも事実なんだけれど。
とにかく、エロ漫画に物語を求めるひと、あとロリータ系の漫画好きのひとにはオススメの作品です。
逆に、そういうものはどうにも受け付けないというひとはそのままおとなしく正常な世界の住人でいましょう。
神よ、ロリコンを救いたまえ。アーメン。
萌え度:★
物語度:★
エロ度:★★★
エロ漫画の表紙には色々なタイプがあります。
前回取り上げた『Brownie chocolate』の表紙などはどこにもエロ漫画らしさを感じさせない、ふつうに可愛いイラストですが、この『ラッキーな日』はその正反対。どこからどう見てもエロ漫画の表紙です。
水着を上だけ外して、可愛いおっぱいを丸出しにした女の子。そうそう、おっぱいはこのくらいのサイズが適当だよね、とぼくは思います。
大きければ大きいほどいいってものじゃないぞ! まあ、リアルに考えればこれでも十分相当の巨乳の域に達しているだろうとは思うけれど。
何の話だ……。そう、表紙の話。こういう作品はどうしても買いづらいものですが、それでもやっぱり買ってしまうのが男の子の性。
じっさいのところ、どうなんでしょうね。この種の表紙はセールスを伸ばすものなのでしょうか。ま、インターネットで買ったらどんな恥ずかしい表紙も関係ありませんが。
この犬さん(と、書くとマルチみたいだ)という作家さんは、『初犬』という初めての単行本でなかなかインパクトのあるデビューを飾ったひとです。
そうなると、初の読みきり短編集にはそれなりの注目が集まるわけですが、それに見合ったクオリティを維持していると思います。
話は特におもしろくはないのだけれど、やはり、絵がエロい。意外にわりと骨格を意識した絵を描くひとだと思うんだけれど、それが何ともいえないエロティシズムにつながっています。
収録作のなかで印象にのこるのは異色作「てんとうむしはお好き?」。
なぜかてんとう虫が大好きな男の子と付き合うことになった女の子が、自分は本当に好かれているのだろうか、と悩むお話。
で、さいごにてんとう虫型のドームのなかでのエッチシーンがあるのですが、どこからこういう発想がわいてきたのか見当が付きません。
エロ漫画も色々なシチュエーションが考えられてきましたが、これは前代未聞、空前絶後でしょう。まあ、オリジナルならそれでいいというものでもありませんが、ちょっと「奇妙な味」風味で、ぼくはわりと好きな作品です。
もうひとつ、変わった作品としては、海賊コスチュームでのエッチを描く「船長とオレ」があります。海賊か。世の中、色々な趣味、性癖のひとがいるけれど、海賊萌えvvのひともちゃんといるんですかね。よくわからない世界です。
とにかくこの本にかんしては、表紙の女の子のおっぱいが気に入ったひとなら気に入るはず、というだけで十分なアドバイスになる気がします。
表紙が気に入ったひとは買いましょう! あと、変わったシチュが見たいというひともそれなりに満足できるかも。
ただ、先述したように漫画的には特筆するべきものがないので、オススメ☆というほどではないかも。このひとの漫画を読みたいひとは、素直に『初犬』から入った方がいいように思います。
あれは、なかなかおもしろかった。色々な意味で。
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