はじめに


僕には、本なら小説でもビジネス書でも学術書でも好き嫌いせずに読みまくる友達がいます。

その人がすすめる本はたいていおもしろいので、信頼しているのですが、そんな彼が「西尾維新はおもしろい!」といってたので、最近読み始めました。

いやぁ、これが見事にハマってしまって。

1ヶ月たらずで、西尾維新が書いている、というものなら、ほぼ読破するくらいのファンになってしまいました。一人の作家の本を全部読もうと思って本当に1ヶ月くらいでほぼ読んじゃったのは村上春樹以来かも。

そこで、西尾維新おもしろいよ!というのを友達に伝えると

「よく名前は聞くけど何から読めばいいかわからないからまだ手を出せていない」
「買ってみたけどよくわからなかった」

という意見が多いことに気づきました。

本、特に小説は人によって好き嫌いが多いです。しかも西尾維新は、ハマる人はハマりまくり、拒絶反応がある人にはとことんだめ、という作家なので、あんまり無邪気に読め、読め、とは言い難いのですが、それでも好きな作家との出会いは、人生にとってとても素敵なことですよね。

そこで、西尾維新に興味がある人が少しでも入りやすいように、おすすめの読む順番などを書いてみたいと思います。

西尾維新プロフィール


まず、wikipediaから。
2002年に『クビキリサイクル』で、第23回メフィスト賞を弱冠20歳で受賞しデビュー。

同作の主人公を語り手とする『戯言シリーズ』で主に若年層に高い人気を博し、『このライトノベルがすごい!2006』において1位、『このライトノベルがすごい!2005』でも2位にランクインした。

というわけで、20歳でデビューしています。ちなみに僕と同じ年、今27歳ですね。20歳デビューということで天才と呼ばれることも多いですが、受賞までの道のりは結構長かったみたいです。

どんな本を書くの?


西尾維新が書くものは、小説です。

西尾維新というと「ライトノベルぽい」「ミステリー?」というように表現されるのですが、そのどちらでもあり、そのどちらでもない気がします。まあ、両方の要素を強くもった作品が多い、とふうにとらえておくといいのではないかと。

個人的に西尾作品で僕が好きな点をあげるとすると

・最後まで展開が読めないほどのどんでんがえし

というのと

・文章表現に癖があって、文体に酔える

の2点ですね。

何の本が有名?


西尾維新で一番有名なのが「戯言シリーズ」と呼ばれるものです。これは以下の9冊を指しています。外伝的なものもありますが、基本的には

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い(2002年2月5日)
クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識(2002年5月8日)
クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子(2002年8月5日)
サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し(2002年11月5日)
サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄(2002年11月5日)
ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹(2003年7月)
ネコソギラジカル(上) 十三階段(2005年2月8日)
ネコソギラジカル(中) 赤き征裁 vs. 橙なる種(2005年6月7日)
ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い(2005年11月8日)

になります。

どんな小説かは後ほど。

何から読むのがいいか?


では西尾維新を読もうと思ったら何から読むのがいいのか?

もちろん「戯言シリーズ」が有名なので、そこから読むというのは一つの手だと思います。僕もそうやって読みました。

しかし、これには少し弊害があります。

一作目である「クビキリサイクル」は20歳のときのデビュー作品ということで、まだ文章表現や雰囲気作りが未完成の感じを受けます。正直、いきなり読むと挫折しがちです。

僕も一作目を読んだときに、前半で、結構かったるくなってしまいました。最後まで読むと結構ハマってきていたのですが、それでも二作目をすぐに読もう、とはならなかったのが実際のところです。

(※ちなみに二作目の「クビシメロマンチスト」は、西尾先生曰く、「戯言シリーズで一番好き」という人も多いらしく、たしかにミステリーとしての完成度も高い気がします。)

というわけで、初心者が読むには

1:すでに完結していて
2:量もそんなに多くなく
3:初心者でも読みやすい

という条件のものがいいと思います。

個人的にオススメしたいのが以下の順番。
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「化物語(上下)」


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ということで一冊目は「化物語」をオススメします。

これは西尾維新本人が「100%趣味で書きました」と自分でいっているように、ノリノリで書いたものらしいのですが、読んでて楽しい気持ちになります。

「怪異」と呼ばれる超常現象を基本に、一話完結、計5つの話が入っています。

雰囲気は明るくカラっとした感じ。

なにより登場人物の絶妙な掛け合いがおもしろい。

ネタバレにならない程度にかくと、主人公の男と、とある後輩の女子との会話。

「それは、偶然だな・・・驚いた」
「ああ。僕もびっくりしたよ。」
「ああ。こんなに驚いたのは、今朝起きたら目覚まし時計が止まっていたとき以来だ。」
「えらく最近だな!しかも大したことねえよ、その驚き!普通過ぎるだろ!」
「ふむ。では訂正しよう。えーっと、こんなに驚いたのはカンブリア大爆発以来だ。」
「今度は昔過ぎるし、そこまではすごくねえよ!小さな町で旧知の人間と再会した程度の偶然に対し、地球史上もっとも偉大な事件を引き合いに出すな!よく考えてみたらあんまり驚くようなことじゃないかったみたいな気分になっちゃったじゃないか!」
「阿良々木先輩の要求はどうにも高いな。(以下略)

みたいな感じ。こんな感じでストーリーがすすんでいきます。

このあたりの掛け合いが、漫画ぽいので、違和感を感じるかもしれませんが、読み進めていくうちに慣れてきます。僕も最初はすごく違和感を感じて、まあ、なんというか、言い方は悪いですがオタクっぽいノリに耐えられませんでしたが読み進めていくうちに見事にハマりました。

「化物語」は、わかりやすい西尾維新作品の魅力が楽しめるので、入門書として適している気がします。

ちなみに他のブロガーさんも導入としての化物語をおすすめしている人も結構います。

講談社BOXにはいろいろ思うところもあるんですが、内容については太鼓判押せます。

まぁ、いまだと文庫版戯言シリーズから入るという手もあるんですがそれはそれ。

あのシリーズはちょっとアニメ化しにくいところもあるんじゃないでしょうか。

西尾維新初心者にもオススメの「化物語」がアニメ化っぽい

ちなみに最初、前提条件が何もないのに、さも当たり前のように書かれているような表現がいくつかあるのですが、これは西尾作品においてはよくあることなので「あれ、前の本読んでいないと楽しめない?」とか不安に思う必要はないです。

化物語はアニメ化が決定しているらしく、今読んでおくと、アニメ化の時の話題にも乗り遅れないというメリットもあります。

追記:アニメサイトきたー!:化物語

「傷物語」


傷物語 (講談社BOX)
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これは化物語の続き、というか前日譚ですね。化物語でおもしろいと思った人は、スムーズに読めると思います。ちなみに西尾作品の中で2008年6月時点で、単行本化されている最新作なので、その意味でもオススメ。

化物語を読んでいなくても違和感なく読めるようにはなっています。

戯言シリーズ


化物語でおもしろい!と感じたら、次は是非とも戯言シリーズを!

代表作だけあって、やはりおもしろいです。これぞ西尾維新!という感じでしょうか。

読み始めるなら是非とも全部読んで欲しいです。

※ちなみに文庫も出ているのでそれから買うのもいいんですが、2008年6月現在、まだ2冊しかでていないのですぐに読みたいならノベルスで買うのをおすすめします。

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
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クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)
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クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子 (講談社ノベルス)
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サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)
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サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄 (講談社ノベルス)
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ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)
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ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)
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続きものになっているので、上から順番に読んでいくのが通常の読み方ですね。

いや、もうキャラが立ちまくっていて、ハマるとめっちゃハマります。ブログでもいろいろ紹介されているので調べてみるといいかも。

零崎一賊の人間シリーズ



ここまで来るとかなりどっぷりと憑かれます。次はやはり戯言シリーズの外伝である人間シリーズを読むべきでしょう。

零崎一賊の人間シリーズとは、以下の作品をさします。

零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)
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零崎軋識の人間ノック (講談社ノベルス)
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零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21)
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零崎人識の人間関係(未発売)

零崎人識の人間関係によって完結するみたいです。戯言シリーズのキャラが多数出てきており、ファンにはうれしい作品ですね。ちなみに戯言シリーズを読んでいないとおもしろさは半減するので、戯言から読むのをおすすめします。

「殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」

続きます


どうやら文字数が多すぎて投稿できないみたいなので、続きます。

西尾維新を読みはじめようとする人のための入門編(下)