解雇規制で失敗できない?


失敗できない日本 - Zopeジャンキー日記

こんな日記がありました。

すごくざっくりというと

- 日本では解雇規制があるから、いったん正社員を採用すれば、会社側から解雇することはほぼできない
- よって、採用に失敗できない会社は人をとるのに慎重になる
- お荷物社員がいるから新しく採用できない
- それが日本の様々な問題生んでいる
- 新卒で失敗できない、という新卒史上主義の原因もそれ

という感じです。たぶん。

割となるほどなあ、という気はする論調です。たしかに採用に関するリスクが高すぎるので、僕の会社でもなかなかその意思決定はできません。

一方で、この仕組によって「失敗しやすくなる」面もあるのではないかなーと思うこの頃です。

(追記:「論点が違う」という人がいますが、そもそも、別に反論でもなんでもないので、論点あわせていないです、念のため)

実は失敗できる仕組み


アメリカとかでは、仕事で失敗したら結構な割合で解雇されるとか聞きます。

一方で日本ではちょっとやそっとでは解雇されません。解雇規制があるからです。

で、その仕組だと、仕事で思いっきり失敗できるのは日本です。すごく大きな失敗をしても、それが全力を出しきってやっている限り、解雇されないので、思いっきりできます。

しかも、日本の企業では

「大きな失敗を経験した=成長した」

とみなされて評価の対象にすらなったりします。商社とかでは、大きな額で失敗した人は、出世すると聞いたことがあります。出世しなかったとしても、解雇されたりすることは、正当に全力を出して挑戦している限り少ないでしょう。

僕のいたリクルートでは、若いうち(1年目)とかから、大きな額で仕事をぶん投げられます。もちろん能力も経験もないので必死にやります。サポートも多大に受けれるので、なんとか動かすことができます。しかし、やはり失敗してしまうことも多くあるのですが、それについては特に何もいわれません。(もちろんビジネスとしての振り返りや問題点、今後どうするべきか、というのは問われますが)

クビになりにくいので新規事業にチャレンジしやすい、というのは結構なメリットじゃないかなあ、と。

僕もそうとうお金をとかしましたし、6,7つくらいの新規事業で失敗して、それでもチャンスを与え続けられたので、新卒で会社入ってよかったなあと思っています。

部署異動システム


解雇されない=部署が異動になりやすい、というメリットもあります。ボスとあわないからといって解雇にはならないので、部署を異動するという形になります。となると、ノーリスクで様々な経験をつむことができます。

しかも給料はたいていの場合据え置きです。経験値ゼロの仕事をやるのに、給料が下がりません。新しいことにチャレンジしやすくなります。

なので、営業から開発に異動になったり、マーケティングから経理に異動になったり、みたいなことが平気でできるわけです。

というわけで、今までの給料もらいながら新しいことに挑戦できるという仕組みはメリットじゃないかなあ、と。

挑戦に対してのハードルは高い


もちろん、日本は挑戦にたいしてのハードルは高いと思います。新しいことに挑戦するにはロジックが必要ですし、社内政治も必要です。海外の例は知りませんが、少なくても新しいことへ挑戦するという意思決定に対してのハードルは高めじゃないかと。

その代わり、一度走ってしまえば、失敗が許される仕組みです。「失敗が許されるから無能が居続けるんだ」という意見もありますが、失敗が許されないから誰も挑戦しない、というよりかは、思いっきり失敗できるほうがいいかなあ、という気がします。

問題の雇えない問題


というわけで、「一度雇われてしまったらすごくお得な仕組み」が新卒なんじゃないかと。ブラック企業という言葉が流行っていますが、まともな会社に入ってしまえば、こんなに失敗できる環境はないと思うんですよねえ。

なので、「会社に入ってから起業するか、いきなり起業するか」と迷っている学生がいたら、「とりあえず会社入って失敗しまくったらどうかなあ」とアドバイスをしたりします。

営業で失敗したり、ビジネスで失敗したり、いろいろな失敗をしてもリスクが0だからです。むしろ失敗をホメられたりして、給料高くもらったりできるので、いうことなしです。これが自分で立ち上げたものだったら、リカバリーに時間がかかりますが、会社に所属していれば、そのリカバリーはみんなで背負ってくれたりします。

もちろん、新卒入社というレールから離れた人はどうするんだ、というのは大きな問題ではありますが、解雇しやすくなったら、社内で失敗できる可能性が減って、チャレンジする人が減る気もしているこのごろです。

失敗をしない人ばかりの社会より、失敗をしまくっても挑戦する人が多い社会のほうが素敵だなあ、と個人的には思っています。