インターネットビジネスをやるなら


インターネットビジネスは、

- 元手がかからない
- 在庫もかかえない
- 固定費、変動費ともに少ない

という夢のような商売ですが、その分、大量のプレイヤーが参入してくるというジャンルです。

そんなこんなですが、未だにIT業界は盛り上がっているみたいです。ソーシャルゲームという、mixiやモバゲーなどのサイト上で動かせる有料課金つきのゲームが流行っていて、それを求めて起業する人もいるみたいです。

起業が増えるのはとてもいいことだなあ、と思っているのですが、近くでみてて「こうしたほうがいいのにな」と思うことがあるので、紹介します。

社内にあるべきはディレクション能力


ネットサービス(ソーシャルゲーム含む)で起業したいのであれば、「サービスを作れる人」が中にいる必要があります。

サービスが作れるとは何か。それは

- 流行るサイトの仕組みを考えられる
- 儲ける仕組みを考えられる
- それをメンバーに伝えられる
- ワイヤフレームを書いてプログラマー、デザイナーに発注できる
- 進行管理ができる
- サイト内ライティングできる
- 効率がいい運営方針を決められる(仕組み化)
- アクセス解析から適切な分析、改善ができる(SEO含む)

などがあげられます。そして、ここは決して外注できないのです。ここがポイント。

おいらは、これらを総合して、「ディレクション能力」とか勝手に呼んでいます。いわゆる、Webディレクターが持つべき能力、という意味ですね。

プログラマーが社内にいないことよりも、ディレクション能力が社内にないほうが致命的になります。

全部を1人が持っている必要はない


といっても、これらの能力を1人のディレクターが持っている必要はありません。社内のメンバーで持っていれば十分なのです。ビジネスだけを切り分けて考える人がいるケースもあるでしょうし、それはそれで問題ありません。

しかしこれらの一つでも欠けていては、ネットサービスで食べていく会社は難しいでしょう。

よく行われる間違いとして、制作会社にサイトを発注し、ディレクションも任せてしまうことです。しかし、制作会社へのディレクションの依頼は、基本的にはサイトを制作するところまで、となるので、本来の意味でのディレクションにはなりません。儲ける仕組みやら、効率いい運営方針やら、リリース後のアクセス解析からの改善やらは、仕事の範疇外です。

もしディレクションを外注したいのであれば、上記のことができる人をがっつりと抑えて、コンサルティングとして頼むという形になります。

ただし、その際は、あくまでディレクションを全部投げるという覚悟が必要であり、制作に関しては一切ノータッチということになります。大きな企業であれば結構ありな方法ではありますが、スタートアップのベンチャーでしてしまうと、ノウハウが社内に全然なくなってしまい、お金を払い続けないといけなくなるのでおすすめしません。

むしろ力量が足りなくても、本気でその事業に参加し、本気で考える人を社内にいれたほうがうまくいくケースが多い気がします。

優秀なプログラマーとればいいんじゃないの?


こういう話しをすると、「いや、優秀なプログラマーをとるべきだ」ということを言われたりします。でもこれはちょっと違うのですよねえ。

世の中にはすごい人もいて、いわゆる優秀なプログラマー、デザイナーと呼ばれる人はこのディレクション能力も持っているケースが多いのです。優秀なプログラマーがいるから成功できた、というケースが多いのは、だいたいがこのディレクション能力が高いプログラマーなのです。

いいプログラマーを入れれば成功できる!と思ってハイスペックな人をとったけど、何を作らせていいのかわからなくて持て余す・・・ということもよくあるので注意が必要です。いいコードを書くプログラマーと、ディレクション能力があるプログラマーはそもそも役割が違うと思ったほうがいいです。

というわけで


ディレクション能力が社内にないうちに起業しちゃうと、たいてい同じような失敗になります。

- サービスが作れない
- サービスを作ってもひどい出来
- サービス作っても継続できない
- 改善し続けられないからすぐ廃れる

みたいになりがちです。これは外注して運用費払い続けても同じになります。運用費って、運用するだけですし、月に3点改善をしろ、みたいに決めたとしても、長期的な改善はやっぱりしにくいのですね。

とにかく、良質のディレクターを入れるか、自らディレクターの能力を得るか、どちらかしたほうがよいと思うこの頃でした。