はじめに
【仕事における80:20の法則】個人・企業のパフォーマンスを最大限に高める方法 | [b] bizMode|世界のデジタルトレンドを読む
というブログの中で
nanapiというレシピサイトがありますが、c/o時は全然機能がなく、レシピを探せませんでした。果たして、カットオーバー時点において、レシピ検索機能は備え付けておく必要があったのでしょうか?また、個人ページにも全く機能性はありませんでしたが、今はどうでしょう?十分パワーアップしています。
そこに、多くの問題が発生したでしょうか?していません。
少しの問題は発生していましたが、プロダクト価値を脅かすものではありません。
徹底的に80%にこだわり、重要なポイントは、十分に抑えられていたと思います。
こんな記事で紹介してもらったので、ちょっと書いてみます。記事内では、最初は検索結果に対しての工数をさかずにあとで回した、というニュアンスですが、ちょっとだけ違うのですね。
というわけで説明説明。
検索窓がなかったnanapi
検索窓がなかったのはnanapiというサービスです。最近リニューアルしたのですが、それでようやく、ヘッダーに検索窓がつくようになりました。
nanapi
nanapiとは、いわゆる生活のレシピを投稿・共有するというサービスで、ノウハウを集めたサイトなのですね。
当然、探したいものがある場合は、ユーザーは検索をしたいわけです。しかしnanapiは半年間、ほとんど検索をさせませんでした。
結果、ユーザーからは「探せない!」というクレームがありました。しかしそれを受けてもひたすら検索はつけなかったわけです。
それはリリースした当初から決めていたことでした。設計上、そうなっていたのです。
結果数が多ければいいわけじゃない
なぜそんな制限をつけたのでしょうか?
話しは、僕がドコイク?というサービスをやっていたときに遡ります。
ドコイク?とはいわゆるローカルサーチサイト。つまり地域のお店を検索できるサイトであり、データ数は600万件以上ありました。
グルメだけでも全国で80万件あります。グルメ検索サイトのHotpepperが2万件強、ぐるなびが8万件〜10万件くらい?ということを考えると、かなりの件数がありますね。
しかし、このサイトをいろいろなユーザーに使ってもらうと、一番多く言われたのが
「情報が少ない」
だったのです。もっというと「Hotpepperくらい情報があればいいのに」といわれちゃいました。
40倍もあるのにおかしいですよね。しかしこれはたしかにそうなのです。
ドコイク?は当時、地域と、フリーのワードで入力させる仕組みでした。つまり
「新宿 オムライス」などで検索するのです。しかし、新宿、オムライスでヒットするお店というのは非常に出しづらいのですね。そこまで検索させるなら、80万件のお店のメニュー情報をデータとして持っていないといけないからです。
一方で、ぐるなびの探し方はどうでしょうか?
たとえば「合コンにぴったりなお店」「ニューオープンのお店接待」「会食におすすめのお店」などでクリックをさせる設計になっています。
つまり、サイト側の意図通りの動きをすると、必ずいい検索結果がでるという形になっているのです。
要はこの違いなんですね。「ユーザーの期待値に沿っていないかったから、悪い評価をされてしまった」のが問題なのです。
ユーザーの期待値調整
サイトを最初に作る時に一番大事なのは、ユーザーの期待値からいかにずらさないか、です。
nanapiの記事数が100件くらいのときに、たとえば「掃除」と入れてみましょう。そこで0件だったらどう思いますか?
「ああ、掃除の情報はないんだな」と思うわけです。もっというと「生活のレシピサイトといっても、全然情報ないじゃん」「使えない」と思ってしまうわけですね。
なので、最初は徹底的におせるボタンを減らしました。カテゴリを7つに絞ったのはそのためです。
nanapiリリース時のキャプチャ(by nanapiのデザインプロセス(その1))
投稿が100件しかなくても、7つのうちどれを押しても、10件以上は記事がある状態なわけです。これであれば「記事がなかった」というがっかり感を感じさせません。
「おもしろい記事がある、でも探せない」という状況をつくり続けてたのはそのためなのです。決してユーザーに検索結果が0のページを見せたくなかったのですね。
いい記事があるけど、ちょっと探しづらいサイトはまた見に来ますが、コンテツがないサイトは見に来てくれません。
完璧を作るな、最善を尽くせ
というわけで、nanapiのような投稿サービスでは、検索に対するユーザー期待値に沿ったものが出せないうちは、検索窓はないほうがいいと思ったのでつけなかったわけです。
ユーザーに100%満足してもらうサイトを最初から用意するのは非常に難しいです。やれないこともないですが、リスクが高すぎてバカバカしいのです。最初からコンテンツ10000個集めて、完璧な検索エンジンを作って、、、ってやってたらいくらかかって、いつリリースできるんですかと、となってしまいます。
そんなものを作って、もし「記事数は関係なかった、コメント数が大事だった」とリリース後に気づいても、使ってしまったコストは戻せないわけです。
完璧を作ろうとするより、その段階で最善のものを出して、あとからどうするかを考える、というのがWebサービスを作る時に有効な手立てなのかもしれません。
というわけで
nanapiは少しづつステップで進化させていっています。
次はたぶん、トップから7つのカテゴリが消えます。そして、ライフレシピ一覧のところが、今みたいに最新順が並ぶのではなくなっていきます。
スペシャルレシピの見せ方も変わりますし、ランキングももっとダイナミックになります。
ブックオフオンラインの使い方 - nanapi × BOOKOFF Online コラボレシピ -
みたいなのも増やしていきたいと思っています。
いやあ、楽しみですねえ。
nanapi