純粋な疑問
nanapiというHowtoサイトをやっています。
最初に始めたときには「Wikipediaがあるなら、WikipediaのHowto版があったら便利じゃん!○○のやり方、というのはまとまっていなくて不便だしね!」くらいに思っていました。むしろ「こんなの2000年くらいでもできたのに何で誰もやらなかったんだろう」と思っていました。
というわけで、nanapiというサイトを作ったのですが、Howtoを集めて整理して一つのサイトとするのは、非常に難易度が高いのですね。
Wikipediaはキュレーション
Wikipediaというのは、現実の世界では「百科事典」というものがあるので、それを元にすればいいのです。そして「名詞であれば一つの記事になる」「客観性があればいい」というルールがあるのも記事を作りやすくしています。むしろ名詞がでてくれば自動的にページを生成することもできちゃいます。
Wikipediaユーザーというのは実は多くありません。周りで「Wikipediaを毎日チェックして投稿しまくってる」という人を見たことがある人は、そんなに多くないんじゃないかと思います。
なぜWikipediaが成り立つかというと、「そのことについて詳しい人が書かなくてもいい」という点があります。客観的であるソースを?であるソースを出さないといけない、というのは一方で、客観的であるソースがあれば記事を追加したり修正できることになります。つまりは、僕が詳しくない哲学についての項目を追加することも可能なのです。
ごく少数の人が、客観的情報を集めながら投稿できるので、貢献度の高いユーザーを捕まえてしまえば、サービスとして必要な情報の量を用意することができるのです。
図にするとこんな感じです。

Wikipediaは「キュレーション(情報を集めてきて編集すること)でできたサイト」といっていいでしょう。
Howtoは主観の上に成り立つ
一方で、Howtoはどうでしょうか。
Howtoというのは客観的なことを書きづらいというものがあります。たとえば、「ハンバーグのレシピ」一つとってみてみましょう。ユーザー投稿型の料理サイトであるCookpadさんですと14000件以上あります。
ハンバーグのレシピ 14247品
乱暴な言い方をしてしまうと、14000通りの方法があるということです。おいしいハンバーグを作る時の塩の量一つとっても主観が入ってきます。
nanapiもWikipediaのように修正する機能を作りましたが、うまくいかなかった原因がここにあります。

人は人の主観を編集できない、編集するとしても、それがよくなかったかの判断が誰もつかない、というものがあり、なかなかうまくいきませんでした。
そこでできたのが「nanapiワークス」です。
nanapiワークスの仕組み
nanapiワークスは、記事を書いてお金を払うというシンプルな投稿サイトでした。
1記事で完結するHowto記事を書いてもらう、というところで量で幅をカバーしようと思っていました。
しかし、これもなかなかうまくいきません。というのも、Howto記事に必要なものは2つあるからです。
1:記事が一定の客観性を持って「正しい」と言えるかどうか
2:記事が一定の客観性を持って「おもしろい」と言えるかどうか
すごいわかりやすいハンバーグの作り方を書いていても、100人中99人がまずいとおもったらHowto記事とは言えません。一方で、すごいおいしい作り方でも、写真などがなかったりすると内容がおもしろくなくなってしまい、やりたいと思ってもらえない記事になります。
これを両方とも書くには「文章が書ける」人であり、かつ「自分でやっているHowtoを投稿する or 取材して専門家から聴いた内容をまとめる」という手段になってしまいます。
これだと、全然Howto記事の本数を稼げない、ということになってしまいます。Howtoが何でも集まったサイトを目指すのであれば、ちょっと辛いのですね。
というわけで
主観がまじりまくる一方で、客観的にまとめなければいけない、というので難しいという結論に達しました。考えてみれば、Howtoの辞書って書籍でも辞書でもなかったりして、あるとしたら、著者の主観ベースで書かれた書籍だったりするんですよね。
要は客観的なHowtoをどう集めるか、というところが難しいんだなあ、と思っていたりします。考え方のベースを辞書から「発展した説明書」にするといいんじゃないかなあ、と思っていろいろ考え中です。
ちなみにnanapiではUIとかをがんばるエンジニアさんやWebデザイナーさんを募集していたりします。
Webアプリケーションエンジニア募集 | 株式会社ロケットスタート
Webデザイナー / UI / ユーザーエクスペリエンス募集 | 株式会社ロケットスタート
いろいろ最先端なことをやっていったりしているので、きっと成長できる楽しい職場かなあ、と思うので、興味ある方はぜひ!