メディアに逃げるとは?


Webサービスを作る上で、重要なことは「運用」です。

実はリリースは簡単です。そして、リリースしたときに、バーンとプレスリリースによって広まったりするのは、ある程度できます。人気のブロガーさんとかに書いてもらったりしてもいいでしょうし、それこそお金を払ってGIGAZINEさんとかライフハッカーさんとかにPR記事を書いてもらってもいいわけです。非常に素晴らしい記事を書いてくれます。

しかし、そのWebサービスを継続的に流行らせる、これはなかなか難しいです。多くのサービスが継続できずに潰れています。

そして、最近気づいたのですが、行き詰まったWebサービス企業がやりがちなことの一つに「メディアを作る」ことだったりします。

※というか、個人的に僕が一番やりがちな失敗だったなあ、と最近思い出してきたので書いていきたいと思います。

メディアを作るとは?


いわゆる、Wordpressなどを使って、記事コンテンツを中心としたメディアをつくることです。

これのいいところは、サービスが流行っていなくてもPVを稼ぐことが可能だからです。おもしろいコンテンツを作って、はてなブックマークやTwitterではやれば、とりあえずPVを稼げます。

サービスが全然流行っていなくても、コンテンツでPVが集まれば、数値はかなりよく見えます。がんばって毎日更新していれば、数十万PVとか簡単にいってしまうからです。

会社のメンバー的にも、見た目のトラフィックなどが増えたり、ユーザーから「あの記事読んだよ。おもしろかったね!」と言われるので、非常に嬉しい気持ちになったりしてしまい、ズルズルとメディアを運営してしまったりするのですね。

本当に費用対効果いい?


しかし、一般的にWebサービスの初期の頃は、とにかくリソースが足りません。

リソースとは、お金や労働時間だけではなくて、使う脳の話でもあります。経験上、お金や時間はなんとかなっても、脳のリソースだけはなんともなりません。

本来であれば、本サービスのほうの問題を徹底的に改善し、伸ばしていき、ユーザー価値を高めるべきです。メディアなんて作っている暇はない。

にも関わらず、担当者がいて、記事を更新してしまったり、はてブで受けそうなタイトルの付け方や中身を研究してしまったり、より集客するためにニュースサイトに配信を初めてしまったりする、、ということがよくあります。

と、そんな感じでメディアに逃げる、ということを今まで散々繰り返してきた僕ですが、その結果、サービスが流行るなんてことはないですし、何か事態が好転することはありませんでした。それなりにメディアのPVがあがったあとに、サービスがダメで閉鎖するか、メディアにたいして手が回らなくなって終わるのがオチです。

うまくいかなかったなあ・・・。

淡々とやるべきことをやる


うまくいっているサービスがメディアをやる(ニコニコニュースとか)などであれば、サービスの拡大として機能するため、とてもいいと思います。採用のように目的がしっかりしていているものに関しても(ウノウラボとか、NHNディレクターブログとか)とても効果的です。もちろん、メディアをやろうと思ってメディアをやっている場合(ロケットニュース24とか)も問題ないです。

しかし、解決すべき問題が他にあるにも関わらず、うまくいっていないことにたいしての打開策としての施策としては危ういのがメディア立ち上げです。

新規でつくるコストが安く、しかも短期的に効果がでやすいので手が出しやすい分、陥りがちな失敗といえるでしょう。しかもあまりにわかりやすいため、ダメなことにも気づき辛い。自分がプレイヤーだったら上司とかも騙しやすいですし、経営者だったらうまくいっている感を感じれるので、気持ちが楽になっちゃうのです。

言い訳しやすいのも問題です。「ユーザーが求めている情報だから出すんだ!」とか「本サービスのほうに人を流せるからいいよね」とか「はてなブックマーク数を集めることで被リンクが増えてSEOになるからいいよね」のようなことをいって自分や周りを納得させちゃうのですね。「人の工数でいうと週に2回くらい担当者がやっているくらいなので、たいした手間じゃないし、コストかかっていないからいいじゃん」とか思っているなら、さらに事態は深刻です。

そんなことをやる暇があったら、徹底的にサービスを磨くために、全リソースを割くべきです。一つのサービスにたいして、一つの目標を設定して、それをやり切る、くらいの覚悟でないと、とうていサービスは立ち上がりません。貴重な資源を限界まで無駄にしないという心持ちじゃないともはやWebサービスは戦えないと思うんですよね。

というわけで、非常に陥りがちな罠について説明してみました。みなさんも是非気をつけてください。。