ベンチャーを立ち上げる前の人へ


こんにちは!僕はnanapiというサービスをやっているベンチャー企業の代表をやっているのですが、ベンチャー立ち上げ経験者ということで、「ベンチャーを立ちあげたいよ!」という人たちの講演会などにたまに呼ばれてお話させていただいていたりします。

僕の話をしてもどうか、という気持ちはあるものの「今日の最良の教師は、昨日の生徒だ」みたいな格言が好きで、すでに成功してしまった人より、一歩だけ前にいる人が話すほうが参考になるだろうということで、僭越ながら話させていただいていたりします。

というわけで、この前、またそういうところでお話させていただいたのですが、「今、どの事業が白地ですか?」という質問を聞かれたので、それについてまとめてみようと思います。

よくやりがちな考え方


事業をやる上で最初に考えることの1つとして「どういう事業をやろうか」というところがあると思います。僕はインターネット業界しか知らないので、もうちょっと具体的に「インターネット事業をやるとして、どういう事業をやろうか」という前提で考えてみます。

僕が問題だなあ、と思っているところの1つを説明します。それは、事業の分野を決める時に、経営やベンチャーにたいして勉強している人ほど、「競合がいないところをしよう」「自分が勝てるところをやろう」みたいなのをベースにして考えちゃうことです。

それをもっとも表しているのが「白地を狙ってやろう」みたいな発言だったりするのですね。

そもそも、白地とは何でしょうか?簡単にいうと、競合がいない分野ということです。「ここの部分は競合がいない!だからブルーオーシャンだ!」的な話です。ブルーオーシャン戦略という本が流行ったりして、一時期よく言われていましたね。

また、ビジネス書ではよく「ニッチを狙え、ニッチな分野で一番になるんだ。オンリーワン戦略だ。」みたいなものもあります。

僕も、会社員だったときに「この分野は白地です!だからやるべきです」みたいな事業プランをよく見ていました。新規事業のプランには必ずといっていいほど入っていました。リクルートというそれなりに大きな会社ですら、気になってしまうところなのですね。

いわゆる「勝てるかどうか」ベースで考えちゃって分野を決めるというのは、新規事業をやる際にはとても起こりがちなのです。

白地があるからやる、は危ない


しかし、白地だからやるっていうのは違うんじゃないかと思っていたりします。。もちろん競合調査などは必要ですし、強い競合がいるからやめておく、というのはわかるのですが、競合がいるかいないかの優先順位が高すぎるのは問題かなあ、と思っていたりします。

そもそも、ニッチを狙って1番を狙うというのは、考えるべき戦略の中でも割と後のほうだと思っていて、どの分野の事業をやるか?という大きな視点の話のときに入れてしまうと、判断がにぶるんじゃないかと思っています。

いや、何度もいいますが、競合の有無や、調査は非常に大事ですよ。大事なんですが、それにとらわれてしまって、変なことになっている事業プランをよく見るので注意が必要ということです。

よくある失敗例としては「競合がいなくてナンバーワンになろう」みたいなのを真に受けすぎて、変なものを作ってしまうということです。

たとえば「ポエムを投稿するプラットフォームとしてはナンバーワンです」みたいなものを作っちゃうのです。ちなみにナンバーワンのサイトは僕が作りました。ナンバーワンだし、競合にも勝っていますが、じゃあビジネスとしてどうなのか・・・?といわれると、あまり規模は大きくならないのです。

それと同じようなことが結構起こりがちだったりします。1位だけどさあ・・・みたいな。

最優先で考えるべきこと


では、最優先で考えるべきは何か?ということですが、それは

ユーザーのニーズがとにかく高いものをつくる

だと思います。当たり前ですね。至極当たり前です。

その次は「市場が大きい」とかでしょうか。

ユーザーニーズが高くて市場が大きかったら、たとえシェア1番にならなくても収益が高かったりします。ライフネット生命とかそうですよね。競合が多いから、、とかでやらない人が多かったのですが、シェア1%でもとればすごく大きな利益になったりするわけです。ポエム市場で9割のシェアをとってもたいして収益にならないのです。

さて、このふたつは、めちゃくちゃシンプルかつ当たり前です。しかし結構忘れてしまいがちなのですね。競合とかを意識すると、「ニーズ高いけど競合強いからやめておこう」となってしまう罠があります。

重要なところなはずなのに、競合を考えて「ここに勝てるロジックが見つからない、よしそこでの勝負を避けよう」となってしまって無意識に逃げちゃってたりすることがあるのです。

難易度を考えてみよう


というわけで、ユーザーのニーズがあるというのは大前提として、その場合、どういう選択肢があって、どういう難易度なのか、をちょっとまとめてみました。

1:ニーズが高く、市場も大きい、そして競合が強い
2:ニーズが高く、市場も大きい、そして競合がいない
3:ニーズが高く、市場がまだない、そして競合もいない


1に関しては、ライフネット生命とかですね。すでに強い競合が多いので、超大変です。ただし、ルールが決まっているので、戦略の隙をついたり、時代の流れ(ネット化、スマホ化など)にうまくのることで勝つことはできます。

2に関しては、「できればすごいけど、めちゃくちゃ実現が大変」なものですね。成功すればすごいことになるのだけど、どんな人も成功していないので、実現が難しいものです。

たとえば、世界最大のハウツーデーターベースを作ろうといっているnanapiは、正直、すごい大変です。そりゃできたら便利だろうけど、、みたいな感じです。ただし、ハウツーに関してはすでに市場があります。たとえば出版や講演などの販売から、ネット広告の市場などです。なので、実現してしまえば、市場はあるという感じですね。

3に関しては、ニーズは高いけど完全な新規事業です。市場から作っていく必要があります。ビジネスプランから考える必要があります。夢はありますが、とても難易度が高いです。

結論


というわけで結論ですが、

・白地があるからという理由で事業を決めるのはオススメしない
・となると、どの事業をやっても大変

ということです。

超当たり前ですが、新規事業が簡単だったり、すぐにうまくいくなんてことはないわけですね・・・。

ただ、思うところとしたら、やる前から競合なんて見ていてもしょうがないわけです。見るべきことは、ニーズが満たされていないユーザーなのです。差別化なんて、極論をいうとどうでもよく、今あるニーズを満たすことだけに集中したほうがいいと思うのですね。

世の中にある「こうだったらいいなあ」みたいなものを解決しにいく、それこそが新規事業だと思うのですよ。

よくいう「こんなのあったらいいのに、というものを作ったら大ヒットした」というのは、そういうことだと思うのですよね。この場合は、「ユーザー=自分」なのでよりわかりやすいんですが、ユーザーだけを見て作っているからこそヒットするわけです。

というわけで、これからインターネットで新規事業をやろうと思っている人は、ユーザーのニーズを満たすということだけを考えたらいいんじゃないかなーというお話でした。