パーマリンクは限界だと思う


パーマリンク(Permalink)というものがあります。これが最近、限界に来ていると思っているのですね。

日本語に直すと固定リンクという意味です。つまり、変わらないURLのことですね。ブログブームの時に一般的に拡大しました。

何かというと、ニュースサイトとか、ブログなどで、このURLに行けばいつも同じ情報が見れるよね、という感じです。

検索エンジンやSNSが普及したことで、人を呼ぶにはパーマリンクで常に固定のURLにしておくほうがいいよね、というのが今では一般的です。

それまでも、個人ニュースサイトではトップページがメインで、そこにどんどん情報が追加されてきて、そこから消えていくという形はよくあったのですが、Googleが出てきて、SEOが重要になり、MovableTypeとかのPermalinkが標準のブログツールが流行し、はてなブックマークやTwitterなどのソーシャルメディアをみんなが使うようになり、「一つの情報には一つのURLが」というのが主流になったという印象があります。

しかし、インターネットが出てそれなりの時間が経ったことで、このパーマリンクの弊害が出てきています。

【社会】検索すると自分の犯罪歴が表示→ヤフー「名誉毀損でない」 : ナニコレまとめ

まあ、こういう系ですね・・・。Yahoo!JAPANさんが名誉毀損で訴えられてしまっています。

このような形で、犯罪をして、罪を償ったあとも常に犯罪履歴が見えてしまうなどの問題が出ています。
最近では「忘れられる権利」という新しい権利の提唱もよくされていますが、似た問題ですね。

ネットにあふれる個人情報 「忘れられる権利」はなぜ必要か?|弁護士ドットコムトピックス

やはり、会社で面接する時って、名前を検索しちゃったりするのですよね。そこから、FacebookからTwitter、大学のサークルの時の活動とかまでわかってしまうわけで、そこで若気の至りで変なことをしている写真とかがあると、就職に響いたりするわけです。

パーマリンクへのニーズが減っている


一方で、スマホアプリが基本となっていた今、パーマリンクの存在があやふやになっています。

PC時代のインターネットというのは、基本的にブラウザ文化です。ブラウザというソフトウェアの中で表示する情報を出すという形でした。

しかし、スマホアプリでは、いわゆるブラウザ部分からサービスを創ることが一般的になります。(もちろんPCでもインターネット前提のソフトウェアはそうだったのですが、数があまりなかった)

そうすると、URLというものがユーザーの目に届きづらくなります。外でシェアするときくらいにしか意識しなくなります。

リンクを使うのはシェアされたときの一瞬だけ、それ以外はアクセスされないのでパーママント(永続的)である必要がない、という風になってきます。

また、スマートフォンにおいては、Stock型、つまり溜まっていくタイプのコンテンツよりも、Flow型、今その瞬間に流れていくコンテンツのほうが主流です。Now型といってもいいかもしれません。

そもそものちのちにリンクを辿らなくなっていくので、パーマリンクに対してのニーズが少なくなってきているといえるでしょう。

あとに残さない形のサービス


パーマリンクがあることによる問題がどんどんと大きくなっていく中で、インターネット上へ情報を提供することに対しての抵抗感もあり、最近では、パーマリンクを生成しない、ユーザーに意識させないサービスが増えてきている気がします。

なぜティーンはSnapchatを使うのか―短期消滅型メッセージ・サービスが必要とされる理由 | TechCrunch Japan

最近、Snapchatとかも有名ですね。これは送った写真が一定時間で消えてしまうというサービスです。

SmartNewsなども今この瞬間のニュースだけが読めて、過去にはあまり辿らないようになっています。フリマアプリのメルカリなどもそうですね。

まあ、いってしまえばFacebookやTwitterとかも、あまり過去の発言を掘り返したりしないサービスですし、これからどんどんそういう流れになるんじゃないかなあ、と思っています。

となると、今までのサービスの考え方を改める必要があります。クックパッドやアットコスメのようなCGMサービスの基本は

- ユーザー投稿によりコンテンツが大量に集まる
- そのコンテンツがSEOで集客してくれる
- さらにサービスが拡大される

という流れだったわけですが、今後、スマホなどで同じようなアプリを創るとすると、また戦い方が変わってきそうです。

これから、ガンガンとスマホシフトしていく中で、新しいサービスが既存のサービスに勝てるチャンスがやってきています。その中で、どうエコシステムを創るかというのが重要になってきます。

たとえば、SnapDishさん。

広告もプロモも、PCサイトもなし。なのに、40万PV、写真投稿3000枚を集めるキャンペーン??【事例】 | 料理カメラ「SnapDish」のキッチン

ちょっとソースが見つからなかったのでアレですが、レシピ写真投稿サイトのSnapDishさんはすでにクックパッドさんの1日の投稿数を超えているという話を聞いた記憶があります。投稿の気軽さなどが違うとはいえ、強烈に強いライバルがいる中で、かなり奮闘しているサービスです。超イケてる。

ただ、このサービスがクックパッドに勝てるかというと、今のところなかなかむずかしそうです。少なくてもPVという面ではまだまだです。

Snapdish.co - Website Traffic - by SimilarWeb

PC版がでたのが最近というのもありますが、戦い方は今までとは全然違いそうですね。

こういうサービスが今後、どうやって戦っていくのが非常に注目したいところです。

というわけで


既存のルールなどが通用しなくなっている今、次世代のサービスとはどういうものなのか、非常に気になるところです!

おもしろい時代ですねえ・・・、と。