どんな環境でもできる人はできるのか?

よく、政府が起業を支援、とか、そういうことをいうと「どんな環境でもできるやつはできるから無駄」みたいな意見がでてくるのですね。

起業なんて後押しするものではない、起業したい人はすぐにしているはずだ、という論ですね。

まあ、もちろん、起業したい人は起業しちゃうんですが、普通に考えるとこんな感じかなと。

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どんな環境でも、できるやつはできる、というのはあるんですが、できるやつっていうのがそもそも特異なんですよね。多くの人は環境に依存すると思っています。

僕とか、周りの影響とか、リクルートの影響がないと絶対起業しないと思うんですよね。人前に立つとか、リーダーになるとか、すごい苦手なタイプでしたし、将来の夢に、サラリーマンと書いてあったし、自分は誰かのサポートをする以外の活躍の道はないと思っていましたし。

つまりは、人の成長とか、能力とかほとんど環境に依存するんじゃないかと思うのですよね。もちろん、人が生まれ持っている性質は大きな方針にはなるとは思うんですが。

結構前ですが、こんな記事がありました。

さらに興味深いデータがある。東京大学が在校生の家庭状況を調査した「2010年学生生活実態調査の結果」(2011年12月発行)によれば、世帯年収950万円以上の家庭が51.8%に上った。ちなみに、厚生労働省発表では世帯平均年収は約550万円。東大生の半分が、日本の平均世帯年収の約2倍、もしくはそれ以上を稼ぐ家庭の子どもということになる。

東大生の親の年収 950万円以上が51.8% 教育格差は中学受験から始まる? 〈AERA〉

東大生の親は年収高い人が多いので、子供を塾とか私立にいかせることができるのですね。そういう環境だと子供は勉強ができるようになる、と。

ちなみに、勉強だけでなく、体力にも差がでていると。

子どもの学力にせよ体力にせよ、やはり「おカネ」と関連している側面があります。前者は、通塾や参考書購入の費用を賄えるか、落ち着いて勉強できる環境があるか、というような経路です。後者の体力についても、昔に比べて遊び場が減る中、有償のスポーツクラブ等に通える子が有利になっているとも聞きます。

子どもの学力と体力、富裕度の相関関係 | 舞田敏彦のデータで読み解くDUALな疑問 | 日経DUAL

世知辛いなーと思いつつ、恵まれている人たちは、学力でも体力面でも、結果を出せる状況になっているわけです。逆に考えると、どんな人でも、環境さえ整っていれば、いい結果を出せると思うんですよね。

起業家だとどうか

というわけで個人的には「自分の能力がどう伸ばすのか」と同じくらい「自分の能力をあげる環境をどう作るのか」は重要だと思っています。

特に起業とかだと、みんな同じくらいがんばったりするわけですね。そうすると、努力の総量とかの問題じゃなくなってくるわけです。

弊社のエンジェル投資家の小澤さんがこんなことを言っていました。

 楽天イーグルスの立ち上げでは常軌を逸したような数々の経験があり、小澤さんと一緒にいろいろなことを味わいました。小澤さんは、「楽天イーグルスの創業期は、最初から優秀な仲間が集まっていたのか?それとも経験が僕たちを進化させたのか?」とフェイスブックで問われていましたが、そのあたりについてどうお考えですか。

小澤 結論から言うと、僕たちは進化したんだと思います。確率論的に、そんな優秀な人間ばかりが集まるわけはありませんから。人間は誰でもやればできるというのが、僕の持論です。優秀な人でなければものごとを成し遂げられないということはありません。

 それには明確な理由があります。僕は、楽天を辞めたあとに旧長州藩と薩摩藩の足跡をたどる旅をしました。それで気づいたのですが、高杉晋作と桂小五郎の家は、50メートルと離れていないんです。大久保利通と西郷隆盛の家は300メートルぐらいの距離で、同じ町内です。これは「ライト・タイム、ライト・プレイス」なんですね。いい時期に居合せれば、人間というのは誰でもなんでもできるんだ、と。

「楽天イーグルス」創業という「劇薬」が、僕らを変えた――仲間を巻き込むコミュニケーションとは?元楽天イーグルス創業メンバー対談【小澤隆生×南壮一郎】(その2)

他のイベントでも話していたと思うのですが、要は「人間に生まれついての差はあまりなくて、環境次第で、誰でも素晴らしい偉業を成し遂げられる」ということです。明治維新みたいな、大きなインパクトのあることでも、同じ時代の同じような地域の人たちによって成し遂げられているわけで、たまたま超優秀な人が時代的にも場所的にも集まるなんてことはないわけで、環境の効果って大きいよね、ということです。

ちなみに小澤さんの投資先で、小澤起業家牧場と通称呼ばれているものに、僕らも入っていて交流しています。これは、起業家を成長させる環境作りとして非常にワークしています。

これが2010年の投稿なのですが、その後、4年たった結果としては以下のような形です。すべて小澤さんが個人で投資した会社たちです。

■10億円以上調達

・スターフェスティバル(グロービス、グリーベンチャーズ、ジャフコ)

・クラウドワークス(CA、DG、電通)

■5億円以上調達

・nanapi(グロービス、KDDI)

■1億円以上調達

・カタリズム(グロービス、ジャフコ)

・キラメックス(グロービス)

・TokyoOtakuMode(ITV、YJC、三菱UFJキャピタル、500Startups他)

■500Startups

・AppGrooves

・(TokyoOtakuMode)

■売却

・クロコス(ヤフーが買収)

・kamado(ミクシィが買収)

小澤さん率いるYJキャピタルのポートフォリオと「総研」の高打率|インターネット界隈の事を調べるお

おもしろいのが、元々は何モノでもなく、イケてるかどうかわからないような人たちに出資して、牧場で育てて環境を整えることで、みんないい感じに成長しているという点です。

元々すごい人だったわけじゃなくて、いい環境にいたから、すごくなれるんだなあ、と思うわけです。僕がいうのはなんですが、ここの投資先の人たちも7割くらいが、結構ダメな人なので、環境次第では、全然花開かないと思うんですよね・・・。

というわけで

どれだけいい環境にいることができるか、というのが非常に重要だなあ、と思っています。もちろん生まれなどによって制限があったりもしますが、自分でコントロールできる範囲で、環境を最高によくするという努力をするのがいいんじゃないかなと。