インターネットのコンテンツに興味をもって、早いもので、15年以上たっていました。インターネットはいろいろな情報があって本当に楽しいですよね
一方で、はじめてインターネットに触った16歳くらいのとき(だいたい98年くらい?)は「本とか雑誌には載っていない、こんなすごい情報が載っていて、インターネットは革命的だ!」と感動した覚えがあるんですが、2014年になってみて、インターネットコンテンツを見ていると、なんか似たようなコンテンツが多くなってきているのでは・・・という気がしてきました。
たとえば、
- ニュース
- キュレーション
- ハウツー
- エッセイ・コラム
あたりは、おもしろいものも多く、参考になったりするのですが、これらの特徴としては
- PVが稼ぎやすい
- 作成コストが安い
の組み合わせか、
- お金を稼がなくてもいい個人や少人数のサークルがやっている
- 趣味で書きやすいジャンルのもの
- とても強い個人の想いがあるもの
のどちらかが多い感じで、逆にこれ以外のものだと、多様性が実は少ないのではないかという気がしてきています。
インターネットのコンテンツ
インターネットのコンテンツは、このようにどうしても偏りが出てしまうのですね。
その理由としては
- 無料でオープンである
- 広告がビジネスモデル
であるからなのではないかと。
簡単にいうと、インターネットのメディアでビジネスをやろうとすると
- 多くのPVが稼げる
- かつコストが低い
という形なのがベストになりがちなんです。
なぜかというと、1pvあたり、せいぜい0.5円くらいが関の山であり、2万PV稼げたら、そこそこのヒットという状態なので、1記事にあてられるコストは、1万円を切ってしまう、という環境だからです。
2chまとめ系サイトや、外部で拾った情報で作るバイラルメディアが大流行したのはこのためです。PV稼ぎやすいネタかつコストが低い。
その結果、過当競争になります。2chまとめも、誰が作ってもそこそこの範囲までいけるため、乱立します。乱立の結果、どんなにいいものを作ったとしても、PVを稼ぐという面では、さほどおいしくなくなってきてしまうのです。2chまとめはアレほど流行ったのに、100人の会社とかが出てくるわけではなく、サイトが乱立する方向になりました。
その結果、「PVを稼げるネタだけを安いコストでやる」が合理的になっていくため、PVが稼げないネタが軽視されて、投稿されなくなっていく・・・、という形になっていきます。
これをお金の流れで整理してみると、
- お金を使ってコンテンツを作る
- 見てくれる人が増える
- 見てくれる人が多いから広告費が支払われる
という流れになります。
戦いづらい戦いは避ける
個人的には、この流れだから、きつい戦いになっているのではないか?と思っています。
そもそもインターネットコンテンツは、1記事1記事あたりに勝負になりがちで、個人ブログから大手新聞社のサイトまで、1記事のライバルが大量にいるという状況に陥ります。nanapiというハウツーサイトでいうと、ライオンなどの大企業がオウンドメディアをやったり、Yahoo!知恵袋のほうなCGMサイトだったり、個人サイトのハウツーコンテンツまですべてライバルになるので、大変です。
では、どうするか?というのを考えていたのですが、お金の流れが上記のようだと、普通にやってしまうと、上記のように
- 無料&オープン&広告費ビジネスは、「PVとコスト」の問題がある
- よってコンテンツが均一になる
- コンテンツが均一になると、ライバルが常に無数にいる形になる
- どんなにがんばっても拡大することが困難になる
というスパイラルに陥ってしまいます。
なので、この流れとは違うところでやる必要があるのではないかと思いました。
これからのネットメディア案
じゃあ、これからどういうメディアを作るべきか?というと
- ファンが増えていく
- そのファンがお金を払う
- そのお金を使ってコンテンツを作るから多様性が生まれる
というお金の流れのものがいいのかなあ、と。
こうしないと、この記事の前半で書いたような、負のスパイラルに陥ってしまうのではないかと。いくら、コストをクラウドソーシングで安くしたり、CGM化しても、結局はコストを下げたというだけの話になってしまうので、お金の流れ自体を変える必要があるのではないかと。
この形を具体的に考えると、いくつか出てきます。
■有料メディア型
- 有料で、クローズドにしてお金を払ってくれる人だけにする
- そのファンたちに向けてコンテンツを多様につくっていく
月1000円払ってくれる人が1万人いて、1000万円集めてコンテンツを作る。みたいな感じです。
日経新聞のような形や、Cakesのようなパターンです。有料メルマガもそうですね。最近だとNewspicksさんとかもそういう取り組みをしています。
■グッズ販売型
とにかくサイトのファンを増やしたあとに物販をしていくパターンです。
糸井重里さんのほぼ日などがそうですね。また、海外でもGitHubや、Evernoteなどは、ファン向けのECが結構うまくいっているという噂です。
Evernoteが文房具を販売する理由:売上げ1,200万ドルを超える ≪ WIRED.jp
GitHubとかもグッズで売り上げているという話をしてたときがあります。2012年の記事ですが。
これはちょっと奇妙なことに聞こえるかもしれないけれども、どれくらいのファンがいるかを図る重要なメトリクスとして、「どれくらいの人がGithubのTシャツを買うか」という指標がある(訳注:Github:shopというところでGithubはグッズを販売している)。本当に好きなブランドじゃなければTシャツは買わないから、これはしっかりとしたブランドの指標になるんだ。またここから地理的に世界のどこでGithubのブランドが受け入れられているかということも知ることが出来る。おどろくべきことに実はグッズから$100,000くらいの売上があるんだ。CEOが自ら語った「イノベーションを起こすためのGithubの哲学」 | freshtrax | btrax スタッフブログ
■クラウドファンディング
有意義な記事を書くからクラウドファンディングとかでお金を集めたりしよう、という形もある思います。先にお金を集めてしまうのですね。
最近だと、PLANETSという超イケてる雑誌がクラウドファンディングでお金を集めていました。ここで集まると、値下げができるので、より多くの人に広がるという形です。
日本のこれからが見える…宇野常寛・編集長のPLANETS次号とは? - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
というわけで
いろいろな形がありそうですが、お金の流れを逆にしていく形で作っていくと、いろいろ可能性があるんじゃないかなと思っているこの頃です。
もうすでにあるじゃん、とも思ったのですが、スマートフォンが進化することで、長いものが読めるようになった、支払いが簡単になった、とかの要素が強くあります。このあたりは、アイデアよりも、時代がどうかというところに強く依存するので、花開いていくのは今後かなあ、と思っています。