こんな記事が

こんな記事を書いてもらいました。

nanapi 1億2000万赤字に思う事

まず、言及していただいて、ありがとうございます。いろいろと反論してくださっている方もいるみたいですが、記事の内容をまとめると、基本的には、

  • 日本の起業家は世界を目指さないと小規模なものしか作れない
  • だから世界一を目指さないといけない
  • 成功してから発言しないと業界にとってよくない

ということだと思うのですが、最後の点以外は、基本的に賛成です。

まず、日本だけをターゲットにして成功しようとすると、どうしても小規模になってしまうわけです。よく言われていますが、日本って中途半端に大きい市場なので、その罠に陥りがちなんですよね。たとえば、中国とかは、中国特化でも成り立つ市場規模であり、韓国とかは韓国市場特化だと心もとない規模なわけです。ただ日本は、そこそこいけるので、まず日本からいく、という手段をとらない合理的な理由がないのです。

なので、強い気持ちで世界を目指そうというところが増えないと、縮小し続けてしまうんじゃないか、というのはその通りですね。それに対して結果が出ていないというのも仰るとおりです、もっとがんばります。がんばります・・・。

その上で。

もっと自由に発言してもらいたい

そもそも、nanapiを見ていて考えることが小さすぎるし、最初から日本マーケットありき、という印象を受ける。日本マーケットという参入障壁ということを考えているのかもしれないが、そんな人間がベンチャー界隈で発言力を持つべきではない。

まず、前提からいうとですね、僕が発言力があるかというと、たぶんそんなにないと思うのですね。

取材や講演も、「ベンチャーを立ち上げるとは」みたいなテーマだったり「メディアのあれこれ」「コミュニティのあれこれ」で、自分が持っている知見などを共有できるところにはいきますが、そうでないような、たとえば「ベンチャーで成功するには」みたいなのは、「僕は成功していないんで」と断ったりはしています。僕が語っても参考にならないし。まあ、釣りタイトル的にそういう文言になったりしますが、本質的には、知っていることしか伝えられない、というスタンスです。

なんで一部の人に目がつくのか、というと、はてなブックマークとかを見ている人に対しての文章が他の経営者とくらべて得意なだけ、という感じだと思うんですよね。なので、ネットをよく見ている人にとっては、たまに見る人、というわけだと思うんですが、おそらくそんなもんです。

で、個人的に危機感を覚えるのは、こういう記事を書いたことによって、普通の人が発言できなくなること。個人的にはグローバルでやらないと感強いのですが、日本マーケットしか興味ない人は、発言力をもっちゃいけない、というのは変かなあ、と。

少なくても

  • グローバルを意識している人
  • かつ、成功しているすごい人だけが発言する

という感じになるのはつまらないし、業界にとってよくないんじゃないか、と思うわけです。

たとえば、三木谷さんの講演をこの前聞いたんですが、ぶっちゃけ参考にならなかったんですよね。すごすぎて。三木谷さんが見ている世界って、世界でどう勝つか、という話と、新経団連とかを作って、日本の経済界をどう発展させるか、とかであって、僕らみたいな小さい会社の人たちにとっては、ピンとこない。言っていることはわかるけど、すぐに使えるものではない。

僕は「昨日の生徒が今日の教師」だと思っているので、少し先に始めた人とかの話のほうが参考になると思うのですよ。なので、すごい人だけじゃなくて、はじめたばかりの人の話、1年たって会社をつぶしちゃった人の話、芽がなかなかでないけど5年やっている人の話、とか、いろいろあったほうが業界のためになると思うのです。

ただ、著名な人であったり発言力を持つ人間の言葉が弱すぎやしないかっていう所が私の言いたい所。

Web技術界隈、nanapi赤字問題等、一貫して私の言いたいこと

僕よりも10個くらい下の人たちと話していったのが、堀江さんとライブドア・ショックを高校生くらいの時に見ているせいか、「うまくやろうと思います」という人が多い。ここでいう、うまくやろう、とは、目立たないようにする、ということです。

それによって何が起こるかというと、当然叩かれなくなるわけです。叩かれないから、楽なんですが、ノウハウが広がるということは少なくなっちゃう。

20代の起業家が取材を断りまくったり、ブログも書かなかったり、Twitterを更新したとおもったら「おしっこしたい」とかだったりする現状は、環境が作っちゃっているものだと思うんですよね。そもそも情報を出すメリットなんて、ほとんどないんだから、すごい人じゃないと発言しちゃいけない感が作られちゃうと、それこそ誰も出さなくなっちゃう。

ネットでいろいろな情報を取得できるように

突然ここから自分語りで恐縮なんですが、そもそも僕がなぜ、インターネットでサービスをやっているのかというと、ネット上でしか情報を得れなかったり、コミュニケーションできない人のためのものを作りたい、というのが大きいのですね。

現実世界で友達が多くて、コミュニケーションが上手な人たちの間ではノウハウが流通するけど、それに入れない人たちは情報を得れない、という状態は平等じゃない気がしちゃうんですよね。

イベント等で壇上に上がるならグローバルで一定の成功してから上がれと私は思うんですね。そういう人間がビジョン語らないと日本が本当にだめになる。見た人があの程度でいいって思っちゃうじゃないの、っていうのが私の言いたいこと。

nanapi赤字の件の問題の本質と追記

ここでいっているように、一定の成功をした人しか発言できないのであれば、そこで起こるのは

  • すごくて参考にならない人の意見や情報しか入らない
  • それ以外の情報が手にはいらない

になってしまうと思うのですね。少なくても、こういう記事を見る度に、若い起業家は「自分は目立たないようにしよう」「発言を控えよう」となってしまうわけで、それは業界にとって損失だと思います。

それこそ、極論、情報を得るには、直接知り合って聞かないといけなくなってしまう。日本だと、東京にいて、業界に入って、うまくやっている人のみがインサイダーとして得をして、その輪に入れない人は、情報が得られない、とかになっちゃうわけです。

さいごに

最後に、ちょっと気になったこととしては、

見た人があの程度でいいって思っちゃうじゃないの、っていうのが私の言いたいこと。

に関しては、聞いている人を馬鹿にしすぎだとは思います。ブログを読んだり、イベントに出席しようとする人は、自分で情報の取捨選択や、情報を解釈して参考にできることだけを取り入れたりできますよ。もっとみんなしっかりしていると思うけどなあ、、と。

※ちなみに、個人的には、この方のいう「発言力」ってすごい狭いというか、ぶっちゃけid:naoyaさんも、dankogaiさんも、僕も、はてブでたまに記事があがってくるだけの人、くらいだと思うんですが、どうなんですかねえ・・・。大変失礼だと思うんですがこの人たちによって、ベンチャー業界やWeb業界の流れが変わった、というのを一つも思い浮かばないんですよね。