平成３０年度英語教育実施状況調査

中３全国１位　さいたま市　英検３級程度　７５％　全国平均は４３％
高３全国１位　福井県　英検準２程度　５６％　全国平均は４０％
文科省は２０２２年までに５割超えを目指す。

さいたま市は平成28年度に小１からの英語活動を始めたことが圧倒的に差をつけたと総括している。小３からではなく小１というのも驚きだが、平成２８年というのは２０２０年要領の試行が始まった２０１８年のさらに２年前で先行したことも勝因だろう。確かに平成２８年に小１だった小学生は２０１９年の４月でもまだ小５であってまだ効果は測定されていないが、小１までが英語を勉強している現実は高学年には強い危機感を与えるのではないかと推測される。
ダントツ１位のさいたま市の勝因が早期教育とすると、１５ポイント離されているとはいえ堂々２位の福井県（中３．高３では１位）は中学高校ともにコミュニケーション主体の授業に取り組んでいる点が特色だという。なお、朝日新聞では評価が恣意的ではないかという記事が掲載されているが、定量的に英語力が評価できたとしても定性的には波があるのがコミュニケーションの特性であることは英会話を学習したことのあるものであれば経験的に知っている。なので、今後もこのような批判はなくならないであろうがやむを得ない。
この辺りは今後の方向性を示すものになろう。

２０１７年度の英検受験生は３６０万人、小学生以下が４０万人。８人に１人が小学生。
小学生が英検を受けるのは今では珍しくない。英語の検定教科書を勉強する来年小5は2022年には中1になるし高校入試で導入されるスピーキングテストもあるので（大阪府は２０１７年度に導入済、東京都は２０２２年度に導入予定。）、全国的に中学生英検3級合格5割は可能性としては高いだろう。
問題は小５から英語を始めて高３時点での到達度がどうかであるが、英検自体の基準では高校卒業程度は英検２級なので、本来であれば高３なら英検２級程度が到達目標になるのが正しい。
なので２０２２年に準２で５割超えが達成されたうえで、２０２７年には来年小５が高３になることからこの年に５割超が英検２級に合格になれば政策としては大成功だ。
２０２１年にはぜひ小６の到達度（検定教科書を２年勉強して英検３級に合格する割合）をぜひ調べてほしい。２０２２年に中３が５割超えを目指すので小６でその半分くらいが英検３級が妥当か。

ちなみに中学校での新要領実施は２０２１年であった。この年から英語で授業が完全実施だが２０１８年度の調査では発話の過半数が英語なのは７５％前後で中１が最も高いという結果で準備は着々に進んでる印象だ。引き続き頑張ってもらおう。