2007年03月

2007年03月28日

どうしてこんなになるまで放っておいたんですか!?

というのが歯医者の野郎の城東区、いや常套句だ。
なぜそんなことが聞きたいのだろう。どうして放っておいたのかには人それぞれ、様々な理由があろう。

「実は、母方の祖父が亡くなりまして、いろいろとゴタゴタしてしまいまして・・・なぜ6年間も実家に戻らなかったんだ、と親戚じゅうから叩かれまして、それというのも・・・・」

「ずっと南米のボリビアに、森林保護のボランティアで行っておりまして、ボリビアでは歯医者はおろか、近所には内科医院もない有様でして、車で2時間ほど行ったところに、なんだかよくわからない医者が一人住んでいたんですけど、この人、自分では医者だと言い張るんですが、どう見ても医者というよりは呪術師でして、診てもらったが最期・・・ 」

そんな打ち明け話を聞きたいのだろうか、歯医者は。

なにしろこっちは金を払っているのだ。どうして金払って怒られなきゃならないのか、かねがね疑問なのだった。

「叱られるのが嫌で、なかなか来る気になれず、結果、こうなるまで放っておくことになってしまったのです。つまり、すべてはあなたの責任です」

そう言ってやろうと何度思ったことか。

まあ、俺が歯医者に行けない理由は、叱られるのが嫌だからではなく、映画を撮ってるからなのだけれどな。

「絶対怒らない歯医者」
を看板ででも謳えば、患者が殺到すること間違いないと思うのだが、いかがだろうか、歯医者。

「当医院は、どんなになるまで放っておいても、満面の笑顔で治療致します!」

「こんなになるまで放っておいてくださり、誠に有難うございます!」

「おやおや、こんな程度の放っとき加減でご利用戴けるなんて!もっともっと放っておいてもよかったんですよ」

「放っておけば放っておいただけ安くなるのが当医院の自慢です」

「歯なんていらない!いらっしゃいませ!」

歯医者が繁盛するためには、まだまだ工夫が必要だ。


本日「15ELEPHANTS」発売。
買ってくれ。

グミチョコ、撮影もいよいよ佳境。2b34ba62.jpg
写真は森岡龍(カワボン)、金井勇太(タクオ)、そして石田卓也(ケンゾー)。


そして、撮影中にメールで植木等さんの訃報を知り、ショックを受けた。

グミチョコで、原作にはまったくないシーンだが、教室でボール遊びをやっている奴らのボールが、ケンゾーの足元に転がってくる場面を書いた。
「ワリィ、取ってくれる?」
と言われたケンゾーは、無言でボールを拾いあげると、窓の外に投げ捨てる。

これは、「ニッポン無責任野郎」で植木さんがやったことだ。
いわゆるオマージュのつもりだった。
まさか撮影中に亡くなるとは思わなかった。
合掌。


keralino at 03:21 

2007年03月23日

何日か前に、グミチョコの撮影が早く終わったので、シアター・コクーンに駆け込み、「橋を渡ったら泣け」を観た。

日本で演劇を観るのは昨年12月に「ロープ」に行って以来だから、実に4ヵ月振りであり、こんなに芝居を観ずに過ごしたのも何年振りかのことで、では、こんなに芝居を観なかったことで、なにか支障があったかというと何もないのだった。

強いて言えば、せっかくわざわざ案内をくれた知人や友人や劇団員に申し訳ないということぐらいだ。

芝居を観なくても、人は困らない。

つまり、人が、さして必要としていないモノをつくることを生業にしているわけだ、俺は。
だとすれば、それは、とてもよい仕事だと思う。

さて、「橋を渡ったら泣け」。

観に行ったのはよいが、疲れていたせいもあり、少しボンヤリしてしまった。

それでいて、終演後、楽屋に行けば、豆をツマミにビールをごちそうになりながら、こんな写真やeceddd96.jpg
こんな写真や
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こんな写真を撮りまくるのだから、

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1:六角精児さん(右は俺)。

2:奥菜恵、八嶋智人、小松和重、(偶然同じ日に観に来てた)犬山イヌコ。

3:大倉孝二。

も迷惑な話だろう。

しかし、久しぶりに演劇の現場に触れると、もんのすごく安心する。

俺はもはや演劇に関しては何もかもを知り尽くしており、知らないことは何一つない。
なんだかよくわからない専門用語が飛び交う映画の現場よりずっとリラックスできるのは当たり前である。
演劇万歳だ。


keralino at 01:27 

2007年03月20日

さて、明日21日には、いよいよ2枚の有頂天のメジャー・ベスト盤が、来週28日には、ついこの間まで死にそうになりながらレコーディングを続けていた、ケラ&ザ・シンセサイザーズの初フル・アルバム
「15ELEPHANTS」
がリリースされる。

後者については、発売当日とか前日とかに書いた方がよいかとは思うものの、まず間違いなくその時期はグミチョコの撮影真っ最中なので、というか、今も真っ只中なのだが、さらに切羽詰まっているに決まっているので、今のうちに解説を記し、宣伝になればと思う。

まず、ジャケット。0bd13406.jpg
わかり易く、象である。

「3月28日に発売されるショッキング・ピンク地に黄色い象が左を向いているジャケットのCD」はおそらく「15ELEPHANTS」だけだろうから、間違ってチャット・モンチーのアルバムを買ってしまう心配はなかろう。

全15曲。
半分以上の曲に「象」が出てくる。
そして、フリークス、つまり奇形のイメージ。
それから、神の存在や、実存的存在論。

などと書くと、頭でっかちなアルバムに思われてしまうだろうが、頭でっかちなアルバムです。
サウンド的には、俺にはもはやよくわからない。
有頂天でいうと、「BECAUSE」とか、あの頃に近いかも。
売れようとか新しいことをやろうとかはまったく考えずに作った。

ではひとつづつ。

1:TOO LATE JONEE
時間がない中で歌詞を書き、時間がない中で歌を歌った今回のアルバムのオーブニングは、時間がないことを歌った歌。
リズムは性急なスカ。
ジョニーのスペルがJONNYではなくJONEEなのは、ディーボの「カム・バック・ジョニー」のジョニーがJONEEだったから。

2:LIVES
ある時期のXTCの、ギターを歪ませれば「フランツ・フェルディナンド」になるとすれば、この曲はシンセ版フランツ・フェルディナンドといった趣だが、サビのコードとメロは奥田民夫節なのだった。
とても信頼できる人が、出来上がったこの曲を聴いて泣いてくれたので、きっとよい出来なのだ。

3:フリークスも人間も  〜点子ちゃんの人間賛歌〜
20代の頃、有頂天のツアー先では、当時ヘアーメイクをやってくれていた犬山イヌコと、楽屋でメイク中にテキトーに鼻歌を歌いながら歌を共作するのが日課だった。
ほとんどの曲は忘れ去られたが、何曲かは後にレコーディングされ、世に出ることになった。
この曲もそうして作られた曲。つまり、20年以上前に出来た曲だ。
回転数を変えて「帰ってきたヨッパライ」のような高いトーンになっているメイン・ボーカルをはじめ、様々な声が聞こえるが、すべて俺の声である。

4:新しい椅子
仮題では「ビートルズ」とされていた通り、中期ビートルズをイメージして作曲したのだが、どうも違ってしまったようだ。

5:DRIVE TO TOKIO
80年代のテクノ歌謡をイメージし、テクノポリス、トーキョーへの憧憬を、立花ハジメ風ボーカル・スタイルで歌った曲。
間奏のシンセ・ソロがハルメンズっぽいというか上野耕二っぽくて懐かしい。

6:ELEPHANT LAKE
P.I.Lを彷彿とさせるインスト。

7:贅沢な骨
M−1と並ぶスカの曲。
途中、前作「隣の女」収録のDreamsComeTrueのカバーで開発した、森繁久弥唱法が再度顔を出す。

8:猫と和尚さんと象
7拍子、3拍子、4拍子が入り乱れる、久々の変病死、いや、変拍子ナンバー。
ハッカイの弾く二胡が入っているのはこの曲。


と、これで半分ちょい。後半はまたいずれ。

グミチョコ撮影は、快調というには暗いミーティングが数日に一度繰り返されている金銭事情はあるが、撮影そのものはすこぶる楽しい。
石田卓也、金井勇太、森岡龍、柄本祐、黒川芽衣、松田まどか、小林きな子、富川一人、らの若者達に加え、
大森南朋、マギー、甲本雅裕、山崎一、高橋ひとみ、犬山イヌコ、山西敦、中越典子、みのすけ、峯村リエ、浅野和之、松永玲子、竹中直人、内田春菊、長田奈麻、林和義、村岡希美、ピエール瀧、小村裕次郎、水野あきこ
ら、ちょっとやそっとでは集まらないメンツで、着々と撮影は進行しているのだった。

keralino at 02:20 

2007年03月16日

熱は、計ってないからわからないけど、下がり、まず確実に下がり、計ってないからわからないけど、すっかり平熱なので、快適なクランクインの朝だ。
ただ、昨晩は5月のナイロン公演の美術打ち合わせがあり、その後、岸田國士の戯曲を読んでいたら瞬く間に今になったので、一睡もしてないため、なんか調子わりい。

つまり、快適とはまったくの嘘であり、昨日も、メイキングの撮影をプロデューサーがやるとか抜かすから、プロデューサーなんだからカメラなんかやってないでプロデュースをしなさいと言っているのにトンチンカンなリアクションしか返してこないY氏の相手とのやりとりで心の底から疲れ切ったのだったが、まあ、頑張ってみるよ。
行ってきます。

keralino at 06:41 

2007年03月14日

10日の夜中からやや体調不良だなあと思っていたら、11日からガタガタっときて、12日はロケハンと衣装合わせを休ませてもらい、医者に行き、こんなことじゃいかんと、13日は無理してリハーサルと劇中演奏のレコーディングに参加したら、また熱がドッと上がった。

まいった・・・・。

気合いで乗り切れる年齢ではなくなった。

昔、20代半ばだったか、恵比寿にあった「ファクトリー」という、でかいライヴハウスのような、ちっこいコンサートホールのような会場で、有頂天の2DAYSライヴをやったことがある。
12月の24日と25日。
つまりクリスマス・ライヴだ。
1日め、俺は風邪で、楽屋で計った熱は39度5分あった。

朦朧としながらフラフラとステージへ出て行き、2時間飛んだり跳ねたり歌ったりして、何リットルかの汗をかいたら、すっかり治っていた。

2日め、25日はなんの問題もなく、元気にメリークリスマスできた。

では、もし今、クリスマス2DAYSライヴをやれば、すっかり元気になるのだろうか。
定かではないが、一つだけ言えるのは、アンコール前に、確実に死ぬということだ。
そして、この時期にクリスマスライヴをやっても、あまり歓迎されないのではないか。

やるつもりもないクセにこんなこと書くのはもうやめるとして、クランク・インは16日だ。
え?何月の16日?
今月だよバカ。
あさってじゃん。



keralino at 01:29 

2007年03月10日

昨日から、映画「グミ・チョコレート・パイン」撮影前のリハーサルが始まった。

80年代半ばの青春を描く映画だから、出演者の多くの年齢は、俺の半分以下であり、つまりは「違う生物」だ。

彼らも俺が「違う生物」に見えているのではないか。

だが、違う生物同士でも共同作業は可能だ。言ってみれば、日中合作映画みたいなものだろうか。日本人と中国人は違う生物ではないけど。

撮影と違って時間に追い立てられることのない現場は、とても楽しく、和やかで、建設的だ。
これが、撮影になると、とたんにせわしくなるのがやり切れない。
昔、子役(2歳)がどうしても泣かないので、お母さんの目を盗み、思い切り、小さく強くつねって泣かしたことがある。
しばらく俺の爪痕が残っていてドキドキしたのを思い出す。

故・今村昌平監督は、「楢山節考」の撮影で、森の中を飛び回っていてほしいカラスが、何度やっても木にとまってしまうので、カラス達の足を切り落としたという。

明らかに虐待行為だが、幸い、今回のキャスト陣は2歳よりはだいぶ老けているし、木にとまる心配もさほどないので、足を切り落とす必要はなさそうだ。
第一、森を飛び回るようなシーンはない。
彼らにしてみると、ほんと、ラッキーとしか言いようのない仕事なのだった。




keralino at 22:28 

2007年03月09日

映画「グミ・チョコレート・パイン」準備の日々が続く。

本日もロケハン、そして最近恒例になりつつあるシビアな打ち合わせ。

物作りにはシビアな局面がツキモノだ。
なにをやるにも予算というものがある。

演劇の公演にだって、CDのレコーディングにだって、予算は限られているのだった。

グミ・チョコの製作予算(宣伝費除く)は、、詳しい金額を言うことは控えるが、大体、ナイロンの公演の三分の二ぐらいであり、コクーンでなどでやらせて貰っている公演の四分の一ぐらいだ。

それで一本の映画を作る為には、それはもう大変なシビアさが必要なのであり、

「あそこをこうしてください、そうすればお金がかかりません」

と言われて、

「はい、わっかりましたー」

と明るく返事が出来る物分かりのよさを持ち合わせていればよいのだが、なかなかそうもいかないのは、演劇の世界でも音楽の世界でも、ほとんど人からそんなことを言われずにヌクヌクと我が儘放題言ってきたからであり、どうやらそれは映画の世界では通用しないことは、4年前に「1980」を監督した時に思い知ったし、周りの監督たちもヒーヒー言っているのをさんざん見てきたのだけれど、「おいしい殺し方」や「時効警察」といった、本来なら映画の世界より締め付けが厳しいハズのテレビの仕事が、わりと脚本のことはなんにも言われずにスーイスイこなせてしまったものだから、今回もなーんとなくスーイスイいくものだと思い込んでいたら、スーイスイどころか、七転八倒なのだった。

とはいえ、脚本の内容については何も言われなかったそれらの仕事にだって、シビアな局面がなかったわけではない。

いろいろあったのだ。
そして、それを乗り越えた。

だから、きっと今回も乗り越えられるに違いない。

今日の打ち合わせはシビアではあったけど、にべもないものではなかった。

スタッフ皆で力を合わせ、

「では他にどんなやり方ができるのか」

を考えた。

なんか、疲れたけど建設的だった。

こうしたシビアさならば、あとで思い返した時、大変だったけどあの場をもててよかったと思えるものだ。

「気持ちはわかりますが、金がないからカットしてください」

だの

「あの役なくしてください」

だの言われると、なんだかヤクザのような気持ちになるが、

「こうすれば、さほど金もかからないし、その上、なにより面白くなるのでは?」

と皆がウンウン唸りながら考えてくれているのを前にすると、子ウサギのような気持ちになる。

実際には、ヤクザの気持ちも子ウサギの気持ちもよくわからないのだが。

それにしても、こうしたシビアな打ち合わせは客観的に見ると相当面白いのではないか。
録音しておいて、台詞に起こしたくなる。

落ち込んだり、激昂したりしている自分も、距離をおいてみるとかなり面白いハズだ。

タイトルは忘れたが、「リンダ・リンダ・リンダ」「松金乱射事件」の山下敦弘監督が、ENBUゼミの生徒を使って撮ったインディーズムービーに、
自主映画を撮る人々を描いた作品があって、
「憧れの男優の言いなりになる女性監督が、スタッフ全員に罵られる1カットの長いシーン」

が抜群にリアルで面白い。

これは映画業界の人が観ると、ホント生々しさに感激するはずだ。
俺は、少なくとも目の前では罵られてはいないが。



keralino at 00:10 

2007年03月07日

久しぶりに眼科に行った。

結果、緑内障に関しては、視野検査やらなんたら検査やら、むつかしい検査をたくさんしないと、進行具合の仔細はわからないとのことで、ただ、
「今すぐ治療が必要というわけではない」
とのこと。

そんなことより、昨日も書いた通り、視力検査の最中も眼圧検査の最中も、歯が痛くて歯が痛くて、まったく検査に集中できず、歯さえ痛くなければ、視力だってあと0.2は確実に稼げたはずだ。

さしあたり、大事には至っておりません。
心配をおかけしました。

今はロケハン移動中。

keralino at 12:16 

2007年03月06日

一昨年行った人間ドックで、左の目に緑内障の気があると言われたまま、多忙にかまけてほっといたら、昨年秋ぐらいから、明らかに視力の低下とかすみ、そして、なんだか知らないけど、真っ直ぐな横線が右上がりに見え、縦書きの文字を読んでいると、同じ行を何度も読んでしまうという、おいソレちょっとヤベーんじゃないみたいな状態で暮らしていたのだが、かすみ方が尋常ではなくなってきた為、昨日、眼科の診療を予約し、これから行くのだが、今朝起きたら奥歯が猛烈に痛み出した。
こんなに歯が痛いというのに、どうして眼医者に行くのだ俺は。
それにも増して、こんなに歯が痛いのに、なぜblogなんか書いてる。
とりあえず行ってくる、眼医者。

keralino at 09:25 

2007年03月04日

レコーディング最終日ということもあり、みんなでコーラスをダビングしたり、「象のサッカー」という曲ではメンバーがパートごとに歌おうということになったので、ホンッットに久しぶりに、ケラ&ザ・シンセサイザーズが全員集まった。fa0c6709.jpg
左からドラムのCHACO、バンマス三浦、キーボードの杉山、ギターのアサウチ、ベースのFIRE、で俺。

たった6人なのに、皆多忙で、ライヴですら揃うことが少ない。
今夜は奇跡の一夜だった。
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で、その奇跡の前には、旧友のドラマー、ハッチャキに、娘さんのめありちゃん9歳を連れて来てもらい、「神様とその他の変種」の冒頭のリードボーカルをお願いした。

写真は、娘の傍で熱い歌唱指導をする父。

ありがとう、柏木父娘。


そして、深夜レコーディングから帰ると、昼までにグミチョコの最終稿を入稿せねばならない俺様なのだった。

こうして、風呂につかりながらblogを書いている時が唯一無責任なキモチになれる。

原稿を印刷所に入れたら、夕方からは、またレコーディングスタジオへ行き、トラックダウンのチェックだ。

翌5日にはマスタリングがあるが、基本的にはこのTDチェックでレコーディング作業はすべて終了。
今月28日の発売を待つばかりとなる。
(発売、いつの間にか、当初の21日から一週間延びてました。)

買ってくれ。
一日2000人が読んでいるこのblogだ。
一週間で14000人だ。
もし一週間分の人が買いに行ってくれたら、申し訳ないけど12000人ぐらいの人は買えないハズだ。
プレス枚数はたしか1500とか2000だから。
ワリイねえ、売り切れで。
なんてことには、まずならない。

keralino at 05:22