2010年04月

2010年04月30日

日々は慌ただしく過ぎてゆく。

23日は三日ぶりに劇場へ行き、二幕の後半から観劇。

よい意味で力が抜けてきていて、池谷が楽しそうだったのが嬉しかった。

堤真一、森山未来、先日ご近所であることが発覚したreset-Nの夏井くん、金崎よしえら、来場。

堤真一はいつもまっさらな観客として芝居を観てくれるから感想を聞くのが楽しい。6月開幕のシス・カンパニー公演ではエドワード・オルビーの、難易度高い戯曲に挑む。台本を読ませてもらったがこりゃむつかしい。ナイロンとほぼ同時期の上演期間であるが、なんとか脱け出して観に行くつもり。

舞台版のカフカの「変身」を終えた超新婚の未来くんには、観に行けなかったことを詫び、(舞台を、である。新婚をではない。つーか、もうほとんどヒトの舞台は観に行けてないのだ)タバコを吸いながらカフカの孤独について話した。

皆、次から次へと新しい挑戦をしている。演劇バカどもだ。

俺も疲れがとれないだの抜かしてる場合ではない。ナイロンの6月7月公演「2番目、或いは3番目」の執筆に力を注ごうじゃないか。ええ注ぎますともさ。と思った。思ったからと言って即、書けるわけではない。

24日はINUーKERA、ゲストは入江雅人氏。

ウッチャンナンチャンや出川座長ら旗揚げメンバーと共に、12年ぶりの劇団SHA・LA・LA公演を控えるイリポン。ルースターズの話や、映画学校時代に我々が教わっていた淀川長治氏の、大きな声ではとても言えぬ逸話(ちなみにSHA・LA・LAのメンバーは映画学校で出会い、俺は彼らの一期上にあたる)なんぞが、どれだけの観客に伝わったかわからないけれど、酒を飲みながらの放談を公開するのが主旨だ、伝わらないなら伝わらないでよい。楽しかったのだから。

終演後、しきりにイリポンが「こういうのいいなあ、俺もやりたいなあ」と言って、店長にスケジュールの空きを相談してくれてたのがとても嬉しかった。彼も楽しんでくれた証拠だ。秋口にはイリポン主宰のトークライブが見れるかもしれない。

そして次回のINUーKERAは2周年なんだが、隔月のイベントで年に1回祝うとなると6回に1回祝うことになるわけで、まあそんなにしょっちゅう「めでたいめでたい」とはしゃぐこともなかろうと思い、次回は特別騒がずいつものようにやろうと思う。祝うのは1周年、3周年、5周年、10周年、30周年、50周年、100周年、500周年、みたいなことでよいのではないか。

25日は劇場でマチネを久々に通して観劇。
夜は新作の構想を悶々と練る。練ってたら瞬く間に朝になり、ほとんど眠らずに26日は犬山や小出くんと取材を3本。ヘトヘトになって帰宅、新居に新しいベッドがきたので帰りたいがホテルで缶詰。泥のように眠って目覚めたのは27日の夕方。ボォッとしてるうちに28日になる。またしても意味なく徹夜。

そんな時に限って28日は朝から劇作家協会で集まりがあり、高円寺へ。坂手さん、平田さん、横内さん、渡辺えりさん、鈴木聡さん、マキノノゾミさん、永井愛さん、篠原さん、はせさん、それから久々にお会いした別役さんや、初めて会合に来た圭史。劇作家協会の会合なのだから劇作家が集まるのはあたりまえなのだが、他所でこんな顔ぶれが揃う機会はなかなかない。
そんな方々数人からの「昼飯でも食いながら演劇を語りますかい」というお誘いを泣く泣く断って目黒へ移動し、ナイロンのパンフレット編集会議。話が充分にまとまらぬうちに五反田のスタジオへ移動。「神様とその他の変種」DVDコメンタリー収録。犬山イヌコ、峯村リエ、客演の山内圭哉と4人で3時間強。手前みそではありますが、喋りながら、一年前に書いた自作のあまりの面白さに驚く。なんて面白いのだろう。シリアスとオモシロがミックスされた芝居はたくさんあるけど、こんな肌合いで混ぜ合わせた作品はこれまでなかったのではないか。ここまで慌ただしいスイッチチェンジを自然な流れの中で演じるキャストも素晴らしければ、舞台装置もカッコイイし、映像はミラクルですらある。収録中に幾度となくブラボー!と叫びたくなったが、作・演出家がブラボー!と叫び続けるようなコメンタリーほどむかつくコメンタリーはないのでグッとこらえる。

ひたすら疲労困憊するが、パンフの編集会議にしろDVDのコメンタリーにしろ、俺がやりたくて段取ってもらったことだ。パンフレットやDVDを、公演のつまらぬ副産物にしたくない。そんな思いに賛同&協力してもらえること、お金を出してもらえることに感謝せねばならない。
とは言え、眠らずに働いて疲れぬほど若い俺ではない。よろめきながら劇場へ行き、三幕のみを観、観に来てくれた坂井真紀に「結婚生活はどうですか」と聞かれ、お互いの結婚生活を語り合う、2分ぐらい。

この日は緒川さんの荷物を新居に移動させる、つまりは引っ越し作業を、緒川さんひとりでやってもらっていて(もちろん引っ越し屋さんは頼んだけれど)、「死にそう〜」というメールがきていたので、死なれるのは困ると思い、終演後、ホテルへ戻る前に新居へ。が、俺も眠くて死にそうで、何もしてやれることもなく、死にそうな夫婦はただ段ボールに囲まれて茫然とする。

朝方ホテルに戻って眠り、昼から劇場。岡本健一来場。チェーホフの「かもめ」を演じた時の話を聞く。

17時に劇場を出て、ホテルまでの道のりにあった山田デンキで引っ越しにあたり新しく購入しようと思っているテレビを物色。アクオスの「LED液晶カラーテレビ52型」というのがよいかなと思ったが、「液晶カラーテレビ」って、「液晶」はよいとして、今更わざわざ「カラーテレビ」と表記する必要があるのだろうか。「液晶テレビ」でよくはないか。
「あの、このテレビ、白黒ですか?」と聞いてくる客がいるのだろうか。

ホテルに戻り、ノートとにらめっこ。何十パターンもの人物相関図&メモの山と格闘するも、なかなか書き出すに到らない。
なんとかそろそろ書き出さないと、来月頭の一週間は8日のライブのリハーサルが連日入っており、(それだけ入念なライブである。8日はぜひ新宿ロフトに来るがいい)なかなか執筆に専念できない。今月はもう終わりじゃん。
稽古は12日から。

今年も例年通り、ゴールデン・ウィークどころじゃないのだった。ところで「ゴールデン・ウィーク」の「ゴールデン」っていちいち必要なのだろうか。「ウィーク」でよくはないか。よくねえよ。




keralino at 04:01コメント(10) 

2010年04月23日

17日に開幕した「2人の夫とわたしの事情」は無事着々と上演中。

肩の凝らないコメディーである。

「感動がない」とか「泣けない」とか言われても困る。原作者が「そんなものはいらない」と思って書いているのだから。


好評なようでなによりだ。
ナイロン100℃などでやる自作の上演と比べると、なんともわかりやすい芝居に仕上がったのがその理由か。
俺個人はわかりやすい芝居が悪いともわかりにくい芝居が悪いとも思わない。わかりやすかろうがわかりにくかろうが、いいものはいい、悪いものは悪い。

もちろん、俺がいいと思うものを観客全員にいいと思ってもらえるわけではない。そして大抵の場合、わかりやすい作品の方が、「今回はいいね」と言ってくれる観客の人数が多い。

俺はそうした傾向をつまらないとかもったいないと感じるけれど、たしかにわかりにくいものの中にはわかりにくいだけのものもあるし、俺がバカなだけかもしれないが、結局言えることは、くどいようだが、いいものはいい、悪いものは悪い。そして、いいものも悪いものも、人それぞれ。

そう言えば、昔、演劇ぶっくの連載で、西村雅彦氏が、知人に薦められて観たというアキ・カウリスマキ監督の「マッチ工場の少女」についてクソミソに書いていた。
そのこと自体はよいとして、おやおやと思ったのは、せっかくよかれと薦めてくれた知人のことまでもボロクソに言っていたことだ。どうやら心底腹をたてていたようで、なんというか、ユーモアなんて不必要と言わんばかりのストレートなクレーマーのような文体で、半ば知人を人格否定するような罵りようだった。

その客観性のなさはちょっと怖いぐらいだったから、いかがなものかとは思いながらも口をつぐんでいたのだ。
俺はその何年か前に西村氏を劇団の客演に呼んでいたから、連絡しようと思えばできなくはなかったのだが、うっかり何か言ったりしたら、次号で今度は俺が人格否定されてはたまらないと思ったのではないか。

なんの話がしたかったのかよくわからなくなったのでこの話はもうやめる。blogの文章なぞ散漫でよいのだ。

「2人の夫〜」は、頭3ステージを客席で観て、ダメ出しを3回したところで、失礼ながら一旦現場を離れ、一昨日はシンセサイザーズのリハ、昨日はソロのリハでスタジオに入ったり、ナイロンの新作「2番目、或いは3番目」の構想を練ったりで数日を過ごす。

来月8日のライブでのソロ・ユニットは、あのロフトの狭いステージに最高10人が上がる大所帯だ。リハーサルも賑やかでよろしい。

昔、有頂天のあとに組んだロング・バケーションというユニットのライブは、よく12名とか13名編成でやっていた。
コーラスやらホーン・セクションやらを増やしていくと、いつの間にやら10名を越えてしまうのだ。

たまには大編成も楽しい。

散漫にもほどがあるが、雑煮が食べたい。

明日はINUーKERAだ。
ロフトプラスワンでは、前回、俺が好物だということで伊達巻を当日限定メニューに加えていたが、今は雑煮が食いたいです。雑煮を出してはくれまいか。俺が食いたいから。
別に正月好きなわけではないのだけれど。




keralino at 07:37コメント(17) 

2010年04月11日

おいおい気がつけば「2人の夫とわたしの事情」の劇場入り前日じゃないかおい。

稽古初日に台本があろうがなかろうが、他人の戯曲だろうが自作の戯曲だろうが、結局いつもギリッギリになってしまうのはなぜですか?
それはね、少しでも納得のいく仕上がりにしようとね、スタッフキャスト一同ね、時間が許す限りもがいているからです。

今回も大森博史さんの体調不良による降板をはじめ、イロイロある中、花見もせずに頑張っているのだった。まあ、暇でも花見はしねえけど。

主演の松たか子は一言で言って、うまい。
身も蓋も無いことを言うようだけど、どんな役者が好きかって、うまい役者が好きだ。

うまい役者のすべてが良い役者だとは思わないし、ヘタな役者の中にも良い役者はいるが、総じてうまい役者の中に良い役者が多い、というのが、経験則から培われた俺の審美眼である。

うまい役者をつまらながり、ヘタな役者を面白がる演出家がなぜか世の中には結構存在するが、本当にうまい役者はそうした「ヘタ派」の演出家にも思わず評価させてしまうだけの「うまさ」があるもので、それはつまり、うまさによってうまさを感じさせぬようにするほどのうまさだ。

松さんとは今回が初めての共同作業だが、なるほど、彼女がスペシャルなポジションにいることに、すっかり納得がいったよ。

なんというか、ダメ出しひとつに対する跳躍力がすごい。「ならばこれでは?」とやってみてくれる芝居は俺のイメージを見事に具現化してくれるばかりか、しばしば、予想もしなかったプラスアルファを加えて見せてくる。
素晴らしいとしか言いようがないじゃないか。

そんな俺と松たか子の稽古場に、って他の人ももちろんいるけど、稽古場に、鳩山首相がやって来たのは昨日のことだ。

我々は廃校になった小学校の体育館で稽古をしていたのだが、廃校の利用法の現状を視察しに来たそうで、鉄製のドアを開けて一行が入場する際、皆川猿時が「ヨッ!」とか「オッ!」とか叫び、ただ一人盛大に拍手をし、許可もなくケータイで写真を撮りまくっていたのはご愛嬌として、実物の鳩山さんはテレビのニュースで見る鳩山さんと違い、笑ったり冗談を言ったりもする、ちゃんとある程度の表情はある、声の小さな紳士だった。

ニュース番組で、無表情で駄目な発言をしてる地球外生物のような佇まいばかり切り取られているのは、ある種の情報操作と言えるのではないか。

繰り返すが、実際の鳩山首相は目の焦点もそれなりに合っていたし、自信も感じさせたし、なにより、地球の人だという気配を漂わせていた。「野田秀樹さんとは寿司屋友達」とすら言っていた。ニュースで「野田秀樹さんとは寿司屋友達」と言って笑う鳩山首相を見た人がいるだろうか?

げにマス・メディアというのは恐ろしいものである。

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たかちゃんが「今風のピースがある」と言うが、それがどういうピースなのかは知らないとのことなので、「ではせめて今風に」とポーズをとってみたものの、今ひとつよくわからず、誰かがマネをした岡本太郎みたいになった。



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左から渡辺徹氏、段田安則氏、松たか子氏、鳩山首相、北村明子プロデューサー、俺。
なんとなくつまらなそうな表情に見えるかもしれない俺だが、それは光の加減かなにかでそう見えるだけである。

keralino at 23:23コメント(20) 

2010年04月04日

続々・ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワーの詳細は以下の通り。チケット発売後の告知になってしまい、まことに申し訳ない。

●日時
2010年5月8日(土)
OPEN 17:30
START 18:30

●料金
ADV ¥3800+DRINK
DOOR ¥4300+DRINK

●出演
ケラ&ザ・シンセサイザーズ
KERA SOLO UNIT
ジューシィ・ハーフ
水中、それは苦しい

●チケット取扱
ローソンチケット(Lコード:79270)
イープラス
ロフト店頭

4月3日より発売中。


新ドラマー加入後一発めのライブとなる「シンセサイザーズ」、

おそらく今年唯一のステージとなる「俺ソロ」、

ずっと共演したかった、ジョニー大蔵大臣率いる「水中、それは苦しい」(なんというナゴム臭漂うネーミングよ!)、

そして、俺が高二の時に聴いてぴょんぴょん跳びはねてた、あの「ジェニーはご機嫌ななめ」の大ヒットで知られる、なんていちいち書くのも恥ずかしいが、ジューシィ・フルーツのイリア嬢先輩のカムバック、オリジナルメンバー半分、新メンバー半分の「ジューシィ・ハーフ」。もちろんジューシィ・フルーツ・ナンバーのオンパレード。

いかがなもんだろう。

昨年10月、今年3月と、調子に乗って続けてきたミューヂック・アワーも、ひとまず今回で一区切り。

ぜひお越しを。

keralino at 02:52コメント(7) 

2010年04月03日

本日4月3日、5月8日に新宿ロフトにて開催する「続々・ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー」のチケットが発売されるが、以前掲載した情報に一部間違いがあった。

チケット取扱は、ローソンチケットとイープラスとロフト店頭のみ。
チケットぴあでの取扱はないとのこと。取り急ぎ、お詫びして訂正する。


ロフトプラスワンが開店15周年を記念して製作するオムニバスCDにINUーKERAで参加させてもらうことになり、稽古休みを利用してレコーディング・スタジオに入り、二曲を新録してきた。

レコーディングメンバーは俺と犬山に加え、

中村哲夫(ベース/ギター)、

小橋めぐみ(ピアノ/キーボード)、

安澤千草(コーラス/三線)、

福原正博(エンジニア/口笛/コンポーズ)。

イタリアの古典的な楽曲「フニクリ・フニクラ」のカバー「INUーKERA・INUーKERA」と、犬山作詞作曲のバカ演歌「DONGA」。
犬山は当日スタジオに入ってから作詞と作曲をこなした。すごい。

このCDには我々以外に、大槻ケンヂとか、あとはなんか俺の知らない様々な方々が参加。どうやら大槻は新録ではなくアリモノの楽曲を提供したらしい。その点我々はやる気が違うのだった。こんな馬鹿げたもんにやる気出してどうすんだという気もするが、出てしまったんだからしかたない。馬鹿げたもんは精神を豊かにする。しねえか。

発売は6月を目標にしているという噂だが、ロフトプラスワンに来ないと買えないという噂。限定2000枚という噂だ。

久々のレコーディングは楽しかったという噂。
シンセサイザーズの新譜も年内には発表したいものだという噂だよ。


数日前、稽古が早めに終わったのでたまには他人の芝居でも観に行こうと思いたち、行きたかった舞台をリストアップしたが、ことごとく休演日で、唯一、新国立劇場で上演中の「象」を観劇。

奥菜メグゾウや山西淳さんは久しぶりというほどではなかったけれど、稲垣の吾郎くんに会うのは数年ぶりで、元気そうで嬉しかった。草なぎくんも見に来ていて、彼と会うのも例の一件後初めてだったが、やはりとても元気そうでよかった。

「象」は別役さんが二十代前半に書いた作品で、随分昔に、ウチの劇団の松永や今江や、池田成志や大高洋夫さんが出た同作を、やはり新国立劇場の小ホールで観た。
あの時も思ったことだが、80年代の出鱈目な別役実を愛する俺としては、ヘヴィー過ぎて受け止め切れない戯曲ではある。

昨日はスズナリで緒川さんとペンギン・プルペイルパイルズの10周年記念公演「謝罪の罪」を観劇。力をもらう。池谷のぶえも稽古場でしきりに言っているが、劇団というもんは素敵なもんだ。

keralino at 06:35コメント(7)