2007年05月31日

今すぐ鬱をぶっとばせ。

劇団の公演が千秋楽まであとわずかになり(と言ってもまだ6ステ、1500名以上の方がこれからご覧になるのであるが)、
映画の編集がビミョーに滞り、
なんだかめんどくさいメールがいくつか舞い込み、
なんとなく鬱々とした気分だったから、久しぶりに終演後、役者達と飲みに行った。

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暗いところで撮ったので妙な色だが、陰山泰さんと松尾・キッチュ・貴さん。
007の話でプチ盛り上がった。

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指を怪我してギプスをはめているというのに、これ以上ないという程の笑顔でなにか食い物に向かう名女優、池谷のぶえ。

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これは先日撮ったものだが、久々に会った篠原ともえと。
初めてひっそりと仕事を共にしてから、もう12年ぐらいになろうか。


飲みに行くと必ずいるナイロンの役者は廣川三憲と新谷真弓。
二人共大人だから別に今更文句はないが、疲れやしないのだろうか。
廣川さんは俺と同い年だから、つまりは老体だし、
新谷は昼間は「東京タワー」の稽古やら「たまひよ」のCM撮りやらを兼ねている。

演劇人の多くは、酒を飲むことで鋭気を養えるようで、なんだか羨ましい。


それにしても鬱々する。

ZARDの坂井泉水という人と、俺はまったく面識がなかったが、テレビに出ないとか、インタビュー取材を受けない姿勢には、なんとなく好感をもっていた。
90年代の初めに、とあるレコーディングスタジオで見掛けた時も、はしゃぐミュージシャン達の中で、ひとり穏やかに微笑む姿が、やはりなんとなく好印象を残した。

いや、別に、坂井さんが亡くなったことが、鬱々としている原因ではない。
まったく痛ましい死だったし、彼女の急逝に戸惑い悲しむファンの姿に言葉をなくしもする。
しかしながら、彼らに割り込むほどの強い悲しみは、今の俺にはない。

もっと漠然とした鬱々だ。たいしたことないといえばまったくたいしたことないのだ。

そういえば、萩原聖人が、劇場入りしたばかりのある日、マッサージセットを買ってきた。
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品のよい木製ケースに入れられたこの4点のマッサージ器具を嬉しそうに抱えて楽屋に入室した聖人は、

「買ってきちゃいました」

と言った。

「買ってきました」

ではなく

「買ってきちゃいました」

なのは、このセットの価格が、240000円だからだ。

にまんよんせんえん
ではない。
にじゅうよんまんえん
だ。

たった今、行き着けのマッサージショップで買ってきたのだという。

楽屋の人々は、その価格を聞いて、全員が数秒の間静止した後、各々異なる思いを頭に過ぎらせたことだろう。

さすが、芸能人は稼いでるんだなあ・・・

あるいは

こいつ、麻雀で勝ったな。

あるいは

馬鹿なんじゃないだろうか。

などなど。

そこまでは、まだよいのだ。
悲劇は、数分後に訪れた。

その数字は、半ば呆れ果てた状態で植本潤が眺めていた
「取り扱い説明書」の末尾にポツリと記されていた。

売価 32000円。

さんじゅうにまんえん
ではない。
さんまんにせんえん
だ。

誰もが聖人を愛おしむような眼差しで見た。
聖人は「別に平気ですよ」みたいな態度で苦笑していたが、その瞬間の彼のショックを思えば、今日の俺の鬱などあっという間に吹っ飛ぶというものだ。

頑張れ聖人。
ホンッットに可愛い。


keralino at 04:38