2007年06月21日

爆発と打ち合わせ。

おとといの午後。
制作の花澤、BunkamuraのK氏、S氏の4人で打ち合わせをしていたら、なにやら近所がザワザワと賑やかしくなり、表を、次から次へと消防車が通過してゆく。まるで消防車のカーレースのように、こんなにたくさんの消防車が一体どこから、というぐらいの数だ。

上空から妙なノイズが聞こえるので見上げれば、エッと思うぐらいの数のヘリコプターが旋回している。

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聞けば、近くの温泉が爆発したとか・・・。
打ち合わせを中断し、4人で、普段とはまったく様相を異にした渋谷の街を歩く。
途中、新聞記者らしき人に

「KERAさんですよね」

と呼び止められ、

「爆発は目撃されたんですか」

と、さあメモるぞと言わんばかりにペンとノートを構えながら強い語気で尋ねられたものだから、ここはやはり目撃したということにしておかないとまずいような気がしたものの、偽証罪で捕まりたくないのでやめた。

現場から相当離れた場所にも、爆発時に爆風で飛ばされたとおぼしき建物の破片がそこかしこに落ちている。

我々はしばし呆気にとられた後、Bunkamuraのラウンジで打ち合わせを再開した。

外は大変な騒ぎだ。
タイムリーに例えるなら、23日に世界最速公開されることで話題のダイハード4.0みたいなことになっている。


なのに我々は再来年のスケジュールについて話し合う。


数十メートル先を、レスキュー隊や救護隊員が足早に通り過ぎる。


我々は再来年の話をする。


テレビ局のレポーターがマイクに向かって叫んでいる。
「まだ中に一人いるようです」


俺はK氏に向かって提案する。
「なんか、こう、壮大なんだけどくっだらない芝居を」


「渋谷の一角が地獄と化しております」


「象とかキリンとか出せないスかねえ」


こう書き進めると、まるで俺達が不謹慎極まりない冷酷人間のように思う方もいるかもしれないが、我々としても、打ち合わせをするより他なかった。
気分は憂鬱だったが、世の中こういうものだと思うしかなかった。


それはそうと、事故を機に、いきなり温泉の安全対策について厳しい目が向けられるのは、あたりまえと言えばあたりまえだし、飛行機事故があったあと、ことさら整備に几帳面になるために、しばらくは安心して飛行機に乗れるのと同じで、当面は同様の事故は避けられるに違いない。

だが、一昨日まで、誰が渋谷のど真ん中で温泉が爆発するなんて思っていただろう。
起こる前になんとかしなくては遅いのだ。
次はそば屋が爆発しないとも限らない。

keralino at 05:06