レッスン、教本、セッション、その他もろもろの自分の体験を総合して「アドリブの入り口」をまとめてみました。もっと慣れてからだと、この「出来つつある」発展途上の感覚を忘れてしまいそうなので、今のうちに一度整理して記事にしておきます。
未熟にもほどがあるので偉そうなことを言える立場じゃありませんが、現在進行形の学習者の生の声ってことで、何かの参考になるかもしれません。



私の今の時点でのアドリブの理解は、


・ その時に「使える音」を使って、自分で好きなように楽しんで弾く。

・「使える音」は、ある程度は経験と感覚でわかるけれど、ビシッと決めるためにはやっぱりコードやスケールの知識が必要。

・「基本的な知識」だけによるシンプルな音使いでも、リズムが上手く決まるとカッコいい。

・「高度な知識」があれば、もっと複雑でカッコいいことが出来る。



というものです。基本的にミーハーなのでカッコ良さと楽しさしか考えてません。
最初はあんまり細かいことを言わずに、とにかく遊びながら楽しく始めて、慣れてから色々と知識を得ればいいというスタンス。



私の今のレベルは、「コードが分かる曲なら、簡単なアドリブを弾けるようになってきた」ぐらい。
リードシートから即興演奏で、テーマのフェイク、ブルーススケール、ペンタトニック、コードトーン、アプローチノートなどを使った、シンプルで音の少ないアドリブを弾けます。言ってみれば「アドリブのハイハイ〜ヨチヨチ歩き」ぐらいになったレベルでしょうか。

ピアノの演奏技術の未熟とリズム感の不足で、頭の中で鳴ってる音と実際のヘタな演奏の乖離がすごいんだけど、ブルース好きという自分の個性を生かして楽しんで弾くこと、人の演奏を聴いてそれに合わせて音やリズムをその場でアレンジすることは、多少出来ていると思います(たぶん)。

ゼロからヨチヨチ歩きまでの過程を振り返ると、いろいろ混乱していた部分も多いです。それを整理して、「こういう順番でアドリブに慣れていければ、もっと良かったかなあ」と箇条書きにしてみました。



☆ 順番にやること


1・単音2、3音だけでアドリブしてみる。リズムと休符を重視

2・ブルーススケールで遊んでみる

3・ぺンタトニックで遊んでみる

4・コードトーンだけで遊んでみる

5・4にアプローチノートを足す

6・1〜5までの要素を自由に使って、好きなように弾く

7・スケールを使って選択肢を広げる (私は今ここの途中)

8・好きなように弾く





☆ 最初から最後まで、全ての段階でやること


A・色々なリズムパターンで弾く

B・テーマのリズムを、違う音で真似する

C・テーマをフェイク

D・好きなアドリブのフレーズを歌って覚えて、真似してみる

E・ノリと度胸だけで、完全にデタラメに好きなように弾く

F・好きな音源と一緒に、それっぽく雰囲気だけ合わせて音を弾く



EとFに偏りがちな自分……

全ての段階で、リズムだけは出来る限りカッコよく弾く
音を多くすれば良いというわけではない。休符を重視する。

ここまでで、リズムさえ決まればそれなりにカッコよく出来ると思う。
世の中にはとてもシンプルだけどちゃんとカッコいい例がたくさんあるので研究する。
アドリブしたい曲を、出来る限りいろんな人の演奏で大量に聴く。




☆ 書き譜

楽譜を書いてアドリブする方法(書き譜)もあり、最初はそれでやる場合もあると思います。
私の場合は、レッスンでは「即興演奏」なので、「書き譜」は使いません (録音してメモは取っています)。
自宅で研究する時には、思い付いたフレーズを書き留めたり、コードの構成音だけを書き出してそれを元にフレーズをその場で弾いたり、と、普通に五線譜を使います。ただ、楽譜に頼りきりにならないように、時々意識的に即興を入れています。
将来、長くて複雑な アドリブになってくると構成のメモが必要になる気がするので、自分流の簡単なメモの作り方を研究中。





☆ 教本

アドリブの教本を数冊買ってみたけど、『ジャズ・インプロヴィゼイション・ガイド』が超初心者向けで、とてもわかりやすかった。
これ一冊をやれば、アドリブの最初の入り口には立てると思います。最初は単音から始めてペンタトニックで進めています。2小節はCDのお手本演奏を聴き、次の2小節は自分でアドリブ、みたいな方法。

『ジャズ・インプロヴィゼイション・ガイド』ジョン・ラポータ 著、ATN 刊、2001年

付属のCDの演奏に合わせて、即興で8バース → 4バース → 2バースっぽいことが出来て、これがなかなか楽しい。「今自分が曲のどこにいるか」を把握する訓練にもなります。私は最初、これでさえロストしてましたけどね……
楽譜と音源の対応がやや分かりにくく、慣れるまではちょっと使いにくい本なのが残念。あと、最初はものすご〜く簡単ですが、途中から少し難しくなります。




☆ 色々なスケールをすべて理解してからじゃないと、アドリブは出来ない?

もしかして、教本などに載っているスケールの一覧表を見て、「アイオニアン、ドリアン……とかオルタードとかコンディミとか、すべてを理解してからじゃないと、アドリブ出来ない」と誤解している独学の方もいるんじゃないでしょうか?

私も一時は、そうなのか?と思っていました。
でも実際はそんなことは全然ないので、まずはブルーススケールやペンタトニックで気楽にアドリブ練習してみるといいと思います。

たしかに複雑なスケールを使えば音の幅が広がって、いかにもジャズっぽい響きの「高度なカッコいいアドリブ」になるけれど、ブルーススケールやペンタトニックだけでもテンションなしのコードトーンだけでも、さらに言えば単音でも、リズムさえ良ければ「シンプルでカッコいいアドリブ」は出来ます (あ、今の私が出来るわけじゃなくて、教本や師匠のお手本のことです)。

最初は、あまり考え過ぎずにとにかく音で遊んでみるのがおすすめ。
シンプルなアドリブは、リズムが決まらないと残念な感じになりがちではありますが、逆に言えば、カッコよくするためにはリズム (シンコペーション、特に休符の入れ方) で頑張るしかないので、リズム感が鍛えられるかもしれません。






☆ レッスンでやることと、自分でやること

シンプルなアドリブで遊んでリズムを鍛えながら、同時進行で理論を学び、実践でスケールを覚えてだんだんアドリブの幅を拡げる。レッスンでアドバイスを受ける
……と書くと簡単そうですが、実際に自分がちゃんと出来るようになるのはまだ先の話ですね……


独学の方は、アドリブを始めたら、単発や期間限定でもいいので、レッスンは受けたほうがいいと思います。自分のアドリブを「ジャズに詳しい誰か」に聴いてもらい、アドバイスをもらったほうがいいからです。
知識は独学でも得られますが、アドバイスには他人の力が必要です。


すでにレッスンを受けている方の場合、どこまでを自分でやるか、レッスンに何を求めるのか、超初心者を脱したらそろそろ考えておくほうが良いのかもしれません。

どうやら、クラシックピアノの初級のレッスンとの違いは、ジャズピアノのレッスンは初級であっても、超初心者段階を抜けたら「教えてもらう場」ではなくて「自力で 決めて、それについてのアドバイスをもらう場」になってくることじゃないかと思います。

教えてもらうのは基本的な枠組みの部分。実際のジャズピアノの演奏は、教わって弾くというより、とにかく「自力で決める」部分がすごく大きいです。テーマのフェイクからアドリブに至るまで、自力で決めるわけですから。
ジャズピアノは、コードなどの枠組みが分かったら、その先は弾き方を自分で決める。だから、なかなか教えにくい。それが良いとか悪いとかじゃなくて、そういうものなんだと分かってきました。

考えてみたら、アドリブって「編曲しながら弾いてる」ようなものだもんね (まあ、全部その場でというわけじゃなく事前準備はするわけだけど)。
編曲なら、基本を知ったら、あとは実際に自分で決めて自分でやってみる以外に上達方法はないわけです。

絵画や彫刻に例えれば、基本的な画材の使い方を知ったら、その先は、とにかく自分で作る、良いもの(作品、自然)を見る感じる考える、それ以外には上達する方法はないんですよね。描いてみて、作ってみて、自分で評価し、時には他人にも評価してもらう。



現在の私の場合、レッスンを受ける第一の目的は、自分の音楽的な方向性と自分での学習方法についてのアドバイスを受けることです。次にアドリブと技術的な(指づかいなどの)アドバイス。
レッスンは曲のアナライズとヴォイシング、コンピングなど実践的で、理論の部分は自分で (勝手に) 予習しています。レッスンとの整合性も考えて、やや先取りで予習していますが、間に合わなくて全然出来ないことも……

今は基本的な段階ですが、将来ひと通りのことが身に付いてからどうやって学習していくか、少しずつ計画を考えています。一応20年後まで。目指せ80代のジャズばあさん。





なんか今回も延々と書いてしまいましたが……学習方法については、どうもジャズは絵画や彫刻との共通点がある程度存在するような気がして来ています。この話をいずれまとめることが出来れば良いのですが。


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