kerokeronyororoのblog

受信機やら、測定器やら.....

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HF用に設計された高田式ミニ・プリセレクタだが、中波用に改造してみることにした。トランスにはジャンクのトランジスタ・ラジオから取り外した中波用のOSCコイル(赤コア)を2つ使い、複同調式とした。このトランスは、多く巻いてある方(中間タップあり)のインダクタンス値が300~350μH程度あり、今回のミニ・プリセレクタ用としてはちょうどよいと考えた。
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また、携帯用として小型化するため、電源電圧を3Vとし、単4乾電池2本で動かすことにした。オリジナルどおり9Vのままでも良いのだが、極力小型化するには持ちの悪い006Pタイプを使わざるを得ないため、ランニング・コストの改善と軽量化も目論んで思い切って3V仕様にしてみた。中波用としての改造と電源電圧の変更に伴い、回路定数を若干見直したが、中波用なのでゲインは控えめ(最大8dB程度)にしている。
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下図が同調特性だが、同調のシャープさはまずまずで、以前製作したシンプル・プリセレクタよりもずっといい。とくに高い周波数の同調特性がだいぶ改善された。同調範囲は400~1900kHz程度で、低い周波数でややゲインが落ちるものの、中波用としては実用上差し支えない範囲である。
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今回はトランスに中波ラジオ用の小型の既製品を使ってみたが、大型のトロイダル・コアにリッツ線を巻いて作ったほうが、もっと良い特性になるかもしれない。とりあえずこれで使ってみて、必要なら具体的な性能改善策を講じてみたい。

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製作記事には、親切なことに出力をロー・インピーダンス化する改造方法も記されている。要するに、複同調化によってベストなマッチングをとるというものである。
さっそく出力側にもう一段、同調回路を入れてみた。するとどうだろう、大幅なゲイン・アップと同時に大変シャープな同調特性が得られたのである(上図)。出力に以前製作したHF用シンプル・プリセレクタをつないだだけだが、この特性は素晴らしい。ただ、同調点のゲインが20~30dB程度あるので、必要に応じてプリセレの前段に10~30dB程度のアッテネータを入れたほうがいいだろう。
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改造型の一例を回路図に起こしてみたので、製作の参考になるかと思う。市販のアクティブ型のプリセレクタで、ここまで鋭い同調特性を持ったものは、私が知る限りない。トランスにもっと大きなコアを使ってHi-Q化したら、いったいどんな凄い特性になるのか、想像するだけでも楽しくなってくる。複同調式の効果はやっぱり凄いと思う。
そこで結論。さすがは高田式、シンプルながら予想以上の高性能である。

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ミズホ通信創業者の故・高田継男氏が『ラジオの製作』1978年11月号に製作記事を寄せたミニ・プリセレクタを作ってみた。
FET1石を使った短波用のシンプルなアクティブ・プリセレクタだが、高周波のオーソリティが設計したものにちょっと興味をおぼえたのである。ソース接地型のアンプで適度にゲインを稼いでいるが、このへんは以前紹介した筆者自作のプリセレクタと同様の構成となっている。
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製作に当たっては、掲載されている回路図どおりに配線し、できるだけ設計どおりのものを再現した。記事の中ではラグ板の上に組んでいるので、実体配線図を見ながら、同じように配線してみることにした。
ただし、製作記事で使っているFCZ研究所製の7MHz用モノバンド・コイルが手元になかったので、仕方なくネットで仕様を調べて、おおよそのものを製作、採用した。具体的には、手持ちのコア付きベーク製ボビンに0.2mmポリウレタン銅線を1次側5回、2次側14回(7回目タップ)巻いたもので、インダクタンス値は1次側が最大0.7μH程度、2次側が最大5μH程度となっている。オリジナルはシールド・ケース入りだが、今回は裸のままとした。また、FETはオリジナルは2SK19だが、今回は互換品である2SK192Aを使った。バリコンは記事中では「6石スーパー用」というのを使っているが、今回は手持ちの340pF×2の2連ポリ・バリコンをパラ(680pF)で使っている。
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さっそく特性を測ってみた。オリジナルはBCLラジオ用を想定しているので、出力はハイ・インピーダンス(300~800Ω程度?)となっている。入力もソース接地型アンプでハイ・インピーダンス(600~1000Ω程度?)で受けている。これを50Ω系で測定するため、入出力に取り敢えず16:1程度のトランスをつなぎ、TG出力のインピーダンスを持ち上げてDUTに入力し、出力は逆にインピーダンスを下げてスペアナに入力した。
特性は下図のとおりで、ゲインは最大で10dB程度となっている。同調範囲は2.8~17.5MHz程度となっているが、これは入力部のトランスのコアを調整することで、ある程度変化させることができる。今回作ったトランスとバリコンの組合せでは、トランスのコアを調整することにより、下限は2.7MHz程度、上限は25.5MHz程度となった。
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製作記事にも書いてあるが、容量の異なるトランスをいくつか用意し、スイッチで切り替えるようにすれば、中波から短波全域をカバーすることができると思う。
トランスが小型なのであまり高いQは期待しなかったが、まあまあの同調特性が得られており、とくに低い周波数ではなかなかの切れ味である。FCZコイルはかつてのオリジナル品を入手するのは難しいが、正規コピー品なら川崎のサトー電気、互換品(AMZコイル)ならアキバの千石電商で扱っているので入手は可能である。
シンプルな回路で作りやすいので、興味がある人は作ってみてはいかがだろうか。

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