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せきやま氏のレポート(https://blogs.yahoo.co.jp/bcl_prince/16126490.html)に触発されて、筆者も格安中華ラジオを手に入れてみた。Amazonで送料込み1669円というのはなんとも魅力的である。
最初は大したことないオモチャだろうとタカをくくっていたのだが、ネットでスペックを調べてみると、DSP採用でLW/MW/SW/FM/TVが受信できるという。最も注目したのはFMが50MHzから受信可能という点で、これはPL-310やD-808にも見られない特殊な仕様である。また、日本ではまず聞こえないだろうが、海外のアナログTV音声の周波数である174.25~222.25MHzも受信可能となっている。この価格でどの程度のパフォーマンスを見せてくれるのか、大いに興味を持った。
もっと安い中華ラジオもいっぱいあるのだが、たいていはMWのみかMW/FMの2バンド仕様なので、敢えて買うにはちょっと面白みに欠ける。その点、CS-106はこの価格で5バンドが受信できるというのだから、コスパは圧倒的ではないだろうか。"HAPPY"という取って付けたような軽いネーミングもちょっと気に入った。
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さっそく聴いてみたが、総合評価的にはPL-310と比べてやはり2ランク以上落ちるかな、といった感じである。
まずMWについては、内蔵バーアンテナが小さい割りに感度はまずまずという印象を持った。内蔵バーアンテナが極小のGP-5/SSBよりは感度がいい。AN-100や自作の同調式バーアンテナと組み合わせて、室内(木造2F)で1611kHzのフィリピンが受信できてしまった。とくにAN-100とは、後述する外部アンテナ端子にダイレクトにつないでも比較的相性が良い。残念なのはチューニング・ステップが9kHzの固定で、10kHzへの任意切替えができない(らしい)ことである。
SWについては、感度はとくに良くも悪くもないといった感じで、搭載のロッド・アンテナで受信する分には中波強力局による影響もあまり感じなかった。新設した外部アンテナ端子に高性能アンテナをつなぐと、中波強力局による混変調/相互変調の嵐となり、ATTやHPF、プリセレクタなどが必須である。
FMについては感度は平均レベルの印象だが、帯域幅がPL-310より広く(150kHz以上?)、本格的なDXingには少々使いづらい。それでも、価格を考えれば合格点ではないかと思う。
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中身が気になったので開腹してみると、DSPチップには"AKC6951(55)"という中国製のものが使われている。aitendoのDSPラジオ・キットでお馴染みのやつらしい。バーアンテナは長さが約5cmの小型・板状のものが使われており、長さ約10cmのバーアンテナを搭載しているPL-310と比べると感度がやや落ちる印象である。
このICにもソフト・ミュート機能が実装されているのかどうか判らないが、入力レベルによって段階的に利得制御が行われる独特の信号処理が採用されているようで、弱めの信号だと聴きづらくなることがある。PL-310とはまたちょっと違ったフィーリングだが、やはり不自然で馴染みにくい。
DSPチップが違うので単純比較はできないけれど、基本的な受信性能は同等レベルからやや劣る程度といった感じなのではなかろうか。もちろん、帯域幅の可変や信号強度表示といったBCL向きの機能は搭載されていない。搭載機能が必要最小限という点を我慢すれば、普段の生活で使うならこれで十分なのかもしれない。ただ、操作性にちょっとクセがあり、筆者の印象ではお世辞にも使い易いとは言えない。
まぁ、元の価格を考えれば、細かいことをうだうだと批評するのはほとんど意味がない。価格の割りに結構使えるというのが、筆者の素直な感想である。
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さて、当然ながら外部アンテナ端子などというマニアックな装備は付いていないので、例によって新設してやることにした。ところが、Si473xとは異なり、AKC6955のバーアンテナ入力にはグラウンド側がない。PL-310でやっているような、スイッチ機構付きのステレオ用ミニ・ジャック1個でLW/MW/SW/FM共用のアンテナ端子(チップ側をSW/FM用、リング側をLW/MW用)とする改造は諦めた。やむを得ずLW/MW用とSW/FM用のアンテナ端子を別々に新設したが、いずれもスイッチ機構付きのミニ・ジャックを使い、ミニ・プラグを差し込むと内蔵のバーアンテナやロッド・アンテナが切り離されるようにした。
AKC6955のデータ・シートを見ると、適合するバーアンテナのインダクタンス値は350~450μHのようなので、Si473xシリーズ用のものと共用できそうである。ちなみに内蔵バーアンテナのインダクタンス値を測ってみたところ、530μH程度とかなり高かった。そこで実験的に巻き数を減らして400μH程度に落としてみたが、今のところ問題なく使えている。
できればもう少し大きなバーアンテナを内蔵させてやりたいが、スペース的にあまり余裕がない。
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外部アンテナ端子さえどうにかなれば、チューニング・ステップによる制約を除いて、PL-310やD-808で受信できる局はたいていは受信可能と思われる。同調式バーアンテナやプリセレクタなどのアクセサリーを駆使する楽しみも味わえる。激安ラジオのパフォーマンスを最大限に引き出すと言ったら大袈裟だが、果たしてどこまで使えるか、いろいろ試してみようかと思っている。チープなRTL-SDRと同じように、少ない投資で弄る楽しみが満喫できればそれでいい。
さらにマニアックなプチ改造を施してみようかと、いろいろ画策しているところである。


<追記>
短波帯の受信だが、さらに聴き込んでみたところ、搭載のロッド・アンテナでも受信周波数によっては中波強力局の混変調が無視できないレベルで入ってしまうことが判明した。やはり中波帯以下をカットするHPFを入れてやったほうが良さそうである。外部アンテナ使用時には、さらにプリセレクタを噛ませると効果的である。