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近所のホームセンターで1700円ほどで手に入れた。AM/FMの2バンド機だが、アナログ・チューニングで受信周波数がデジタル表示、ワイドFM対応というマニアックな仕様なので、激安の誘惑に負けて思わず買ってしまった。
おおよその大きさは幅120mm x 高さ75mm x 奥行35mm、重さが約152gとそれほどコンパクトではないが、かえって改造がやり易そうなところがいい。
さっそく聴いてみたところ、FMはなかなかな高感度で合格点なのだが、いかんせんAMの感度が悪すぎる。ひと昔前のポケッタブルの6石スーパーのレベルである。バリコン式のアナログ・チューニングでせっかく1kHz直読なのに、これはなんとも残念である。
発売元は日本のオーム電機だが、中身は中華ラジオだろうから、ひょっとして最初から調整がズレているんじゃないかと思い、中を開けて調整を試みた。調整ポイントが少ないので作業自体はラクだが、残念ながら感度は改善されなかった。使われているバーアンテナが長さ4cm程度の板状タイプで貧弱だから、仕方がないのかもしれない。
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このまま使ってもあまり面白くないので、いろいろとマニアックなプチ改造を施してやることにした。
基板を見ると、ラッキーなことにAM IFにはCF=455kHzの、FM IFにはCF=10.7MHzのセラミック・フィルタが使われていたので、これを狭帯域のものに交換してみることにした。具体的には、AM用のムラタ製SFU455B(BW=30kHz)をNTK製のLF-B4(BW=4kHz)に、FM用のメーカー/型番不明(BW=230kHz以上?)をムラタ製SFE10.7MT(BW=80kHz)にそれぞれ換装した。入出力のインピーダンスは無視しているが、この程度のラジオならまったく問題ないだろう。
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次に、このモデルに使われているラジオ用IC "CD1691CB"に実装されているチューニング・インジケータ機能を活かし、同調時に光るLEDインジケータを付加した。ICの19番ピンから出力を取り出して、小型のLEDに接続している。アナログ・チューニングの場合、これがあるとないとでは、チューニングのし易さは段違いである。
さらに、AMの感度改善策として、内蔵バーアンテナに誘導結合用のコイル(5回巻き程度)を巻くやり方で外部アンテナ端子を新設した。ここにはM.C.L式簡単チューナー等を直に接続できるほか、適当な外部アンテナを接続して手軽に感度アップを図ることができる。当初は内蔵バーアンテナをもっと大きいものに換装しようかと思ったのだが、スペース的に余裕がなく断念した。
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M.C.L式簡単チューナーを接続すると、いままでラジオ単体では苦しかった遠方局の入感がかなり改善した。背が低く奥行が35mmもあるので、簡単チューナーを装着した状態でも割りと安定していて使い易い。例の電子同調式ループ・アンテナなど外部アンテナを接続すると、受信状況は劇的に改善するが、過入力に注意しないと簡単に飽和してしまう。
一方FMについては、フィルター換装の効果は抜群で、強力な隣接局によるカブリもあまり気にならなくなった。FMの受信感度は元々それほど悪くないので、搭載されているロッド・アンテナだけでも遠距離受信を意外とこなしてくれるんじゃないかと思う。