ジブリ的なものが嫌いなのです。

ジブリが嫌いなわけじゃないのです。
「ジブリ的なもの」が嫌なのです。


……それが何かは説明しにくいのですが、
まぁ、いわゆる『世間的に認められてるもの』の匂い。
森がどうこう、エコだのなんだのを『語って下さい!』
『現代文明を批判して下さい!』的な匂い。
自分の親戚が自分に求めるようなモノの匂い。

その匂いを嗅いだ瞬間に
テーブルひっくり返したくなるアレ。


で、言語化できないので、つい
「ジブリ的なもの」といっちゃうのです。
例えば、最近の宮崎駿が教育を語るとき、
最近の押井守が政治を語るとき、
同じような匂いを感じて、もうダメなんです。

押井守も宮崎駿も大好きですが、
今も昔も「超」がつくほど好きなんですが、
これだけはダメなんです。
二人とも言葉を飾ってるわけでもなく、
遠慮無しに本音を語ってるだけだと分かります。
分かってはいるんですが、
「やめてくれー!」という気になってしまう。
昔NEWS23に押井守がでたときは、超ファンがゆえに割腹しそうになりました。

なんだろーなー、その匂いがするんですよ。
世間様が求める『クリエイター様的なご意見』
『社会を斜めに切ってくださいよ』的な期待。
それに応える老カリスマ監督。
キー!!

ああ、そうだ。
村上隆的なモノというと、伝わりやすい?


で、その『ジブリ的なもの』の代表が
鈴木敏夫プロデューサーなのです。

──いや、「なのでした」と、過去形にしていただきたい。


ちゃうねん。
誤解だったねん。


そりゃ、ワタクシも小汚い臭いマニア様でありますゆえ、
『鈴木が宮さんをダメにした』ぐらいのことは思ってましたよ。
『カリ城以降は見る価値はないね』ですよ。

ちゃうねん。
誤解やねん。
あのオッサンはそういうんじゃないねん。

そう私を覚醒させてくれたのがこのポッドキャスト
『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』

『──日曜日の夜
 ジブリの森を探す旅人は、
 一軒の家にたどりつきます

 ジブリの森のラジオの川のほとり
 そこに立つレンガの家は
 スタジオジブリ鈴木敏夫さんの隠れ家です』

                   (番組OPより)


静かな音楽と虫の鳴き声に包まれ
ゆったりと始まるこのラジオ番組は
ジブリファン達の心癒やす日曜の夜のひととき……


なんて番組じゃ全然ねー!!

つうか、この放送どんな層がきいているんでしょうか?
あまりにもアナーキー、あまりにも言いっぱなし。

鈴木が高畑監督がいかに仕事をしなかったかをバラし、
『アメリ』を買った伝説のプロデューサーが本音を暴露し(この内容がまたひどすぎる(笑))
宮さんが女好きなのに女にまったくモテず、それをアニメにぶつけてたとか
しまいにゃ一般人である高校の同級生をスタジオに呼び、
自分がいかにズルして慶應義塾大学文学部に入学したかを暴露(笑)

どう考えても誰が喜ぶのかビミョーなお話を
虫の音と女声の静かなナレーションで
『ジブリもの』としてパッケージングし
堂々と東京FMで放送されている事実。
お尻から出てくるアレを高島屋の包装紙に包むがごとき所行!

しかし、面白い
掛け値無しに面白い。


鈴木敏夫って名前だけで、回避してた俺バカバカ!
なんてかぐわしいの! この人達のお尻から出てくるアレ!
素敵すぐる!


そこで、自分は気がつくわけですよ。
この人は、「自分が面白いと思ったもの」を、
万人に受けるようパッケージングをしてるだけなのだと。
もっというと、詐欺なんですよ。
このひと、詐欺師なんです。

で、自分はその「詐欺の匂い」に反応してたんだなあ。


そしてありとあらゆる『うまくってる詐欺師』が魅力的なように、
この鈴木プロデューサーもまた魅力的なのです。

ポッドキャストの中で村上隆(←あ!)との対談で



鈴木「宮さんが歳とって作る映画が見たいんですよね。
   フェリーニとか晩年ひどかったじゃないですか。
   年取るとあんなに凄かった人がこんな変なモノ撮っちゃうんだって。」

村上「いやいや、ポニョも相当変だったですけど(笑)」

鈴木「あの程度じゃない。もっともっと変なモノを撮る宮さんが見たいのです。」



ポニョが変なことは全く否定せず、
もっともっと変な宮崎アニメが見たいとのたまうこの人

惚れる!


まぁ、よく考えたらあの『イノセンス』を、そこら辺にいる人に見せようとしてたんだから
詐欺師以外の何者でもないんだよな、この人。……素敵だ!