敵意のある世界から情報を勝ち取る

世界に積極的な敵意があると証拠を挙げて主張することはできませんが、スプリアス測定やそれに関連する測定を実行しているとき、そんな風に感じることがあります。情報理論の観点からいえば、これは理にかなっています。S/N比が制限されていて、かつ、広いスパンが要求されるということは、実効データレートが低い状態で多くの情報を収集しているということになります。スプリアス測定およびスプリアス・エミッション・マスク(SEM)測定は、期待よりも測定が遅くなったり困難になります。

このような状況では、生産性全体を向上するチャンスが非常に大きくなるので、できる範囲でこのような測定を改善することは損ではありません。この投稿では、このような場合に役立つ最新の開発機能について整理し、いつの時代も変わらないベストな事例を含むリソースを示そうと思います。

最初に、スプリアスとスプリアスエミッションの重要性と、私たちが逆境に遭い続ける理由についておさらいしましょう。実用的なスペクトラムの共有には帯域外信号の厳密な制御が必要なので、測定によって問題を検出して規格に適合させる必要があります。測定は広いスパンに渡って実行する必要があり、その幅は、多くの場合、出力周波数の10倍の広さです。しかし、必要な感度を実現するために、分解能帯域幅(RBW)は、通常、狭くします。掃引時間はRBWの2乗に反比例して長くなるので、感度を良くすると測定時間が苦痛を感じるほど長くなることがあります。

結果として、このような古くからの測定はデジタル復調などの測定と比較すると基本的なものですが、RFテストに必要なすべての時間のかなりの部分を消費する可能性があります。

ここで、耳よりな情報です。シグナルプロセッサとADCの進歩により、性能を劣化させずに測定時間を大幅に向上することができます。デジタルRBWフィルターを内蔵したシグナル・アナライザは、アナログフィルター内蔵のものよりも掃引を大幅に高速に設定でき、アナライザは高い精度で高速掃引の動的な効果を補正できます。何年も前、低周波に初めて使用されたとき、このようなオーバースイープ処理によって約4倍、速度が向上しました。最近のRF測定では、その拡張バージョンが高速掃引と呼ばれていますが、速度は50倍も高速になっています。

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26.5 GHzスパンに相当する測定では、Xシリーズ シグナル・アナライザの高速掃引機能により、掃引時間が35.5 sから717 msに短縮され、約50倍も高速になりました。

DSP/フィルターテクノロジーが次々と進化を続けていることを報告できるのは喜ばしいことです。オーバースイープから高速掃引への進化は、最も困難な測定や最も狭いRBWの設定などに応用されています。4.7 kHz以下の帯域幅の場合、Keysight Xシリーズ シグナル・アナライザの新たに拡張された高速掃引では、速度が元の掃引速度より、さらに8倍も向上します。このような高速化は、生産性の低下が著しくなるいくつかの測定に有用です。

当然のことながら、スプリアス測定の永続的な課題を解決するには、さまざまなソリューションが必要で、それらのすべてが新製品とは限りません。実証済みのKeysight PowerSuite測定アプリケーションは柔軟性の高いスプリアス・エミッション・テストが可能で、長い間、すべてのXシリーズ シグナル・アナライザの標準機能として使用されているものです。

シグナル・アナライザの測定アプリケーションにはスプリアス測定に関する多くの利点があり、例えば、リミットラインによる合否テスト、スプリアスの自動検出、結果テーブルの作成が可能です。

PowerSuite測定アプリケーションには、結果のリスト表示が可能なスペクトラム・エミッション・マスクなどの自動スプリアスエミッション測定が含まれています。複数の周波数レンジに対して、個別に分解能、ビデオ帯域幅、ディテクター、テストリミットを設定できます。

PowerSuiteによって、テストに情報を追加してスプリアス測定を改善でき、必要な周波数だけを測定できます。情報を追加して時間を節約するもう1つの方法は、規格準拠の測定アプリケーションに内蔵されているスプリアステストとスペクトラム・エミッション・テストをカスタマイズしたものを使用することです。

新しいアプリケーションノート、『新しいIFチャープ掃引を使った高速掃引によるスプリアス測定の高速化』に詳細な説明、手法、リソースが記載されています。キーサイトの信号解析の基礎のページに追加されているコレクションでご覧いただけます。