*この記事は、キーサイト・テクノロジーの英語ブログに掲載されたものを和訳したものです*

1970年代、私が南フロリダ大学の電子工学科の学生だったとき、好きな講義は、制御システムとアナログ回路の基礎の2つでした。これらの講義が大好きだった理由の1つに、ボード線図を描けるようになったことがあります。わかっています。奇妙に聞こえますね。理論的な極と零を特定したり、ボード線図を緑色のグラフ用紙に手書き(鉛筆と用紙と定規)で作成したりするのが本当に楽しかったのです。ボード教授に感謝です。
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しかし、私が研究所に入所して、回路設計やテストの担当になり、パッシブまたはアクティブフィルターのような回路の周波数応答を検証していた頃は、周波数応答アナライザ(ネットワーク・アナライザと呼ばれることがあります)を目にすることはありませんでした。

当時、ヒューレット・パッカード社(キーサイトの前身)のような計測器メーカーが提供していたネットワーク・アナライザは非常に特殊で高級な複数の測定器から構成されたシステムでした。電子工学科の研究室にある、このような高級な測定器は使用せずに、入力正弦波の周波数をファンクションジェネレーターで変更しながら、オシロスコープで複数のVIN、VOUT、Δtの測定値を取得するのがテストプロセスでした。15~20回の測定を実行した後、信頼できる計算尺を使用して多くの測定データポイントを利得(20LogVOUT/VIN)や位相(Δt/T×360)に変換したものです。その後、以前のように緑色のグラフ用紙に結果をプロットして、理論的なプロットと比較していました。

手書きで理論的な結果をプロットする時代は終わりました。現在、多くの工学部の学生はプロットにMATLAB®を使用しています。そして、研究室でも、オシロスコープとファンクションジェネレーターを使用して個別の周波数を設定しながら複数のVINとVOUTの測定値を取得する時代は終わったに違いありません、そう思われますよね?その後、計測器業界は、現在、利得/位相プロットを自動的に作成できるさまざまな周波数応答アナライザ(FRA)とベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)を提供しています。しかし、あの時代は終わっていないのです!多くの大学の電子工学科の授業用ラボでは周波数応答アナライザを配備していません。ほとんどすべての電子工学科の学生が、私が大昔に使用していたものと同じ、手間のかかる手法で回路の周波数応答をテストしています。なぜでしょうか?

多くの人は今でもFRAとVNAは特殊な測定器だと思っています — 特に大学の環境ではそうなのです。さらに、これらの測定器の価格は最低でも$5,000前後で、この価格からさらに高くなります。テストを短時間で行えるようにするために、このような種類の測定器に頼っているハイテク業界の人々は、それほど高い価格に思われないかもしれませんが、大学の多くは厳しい予算によって運営を行う必要があります。一般的な学生用のラボベンチ(基本的な2チャネルオシロスコープ、ファンクションジェネレーター、デジタル電圧計(DVM)、電源など)は、今日、約$2,000で購入できます。テストステーション当たりさらに$5,000を投入して、学生の授業用ラボ全体にFRAを配備したら、多くの電子工学科のラボの予算が干上がってしまいます。
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しかし、現在は、多くの電子工学科の学生にとって、複数のVINとVOUTをオシロスコープで測定して利得/位相のボード線図をプロットするプロセスの時代は終わろうとしています。少なくとも、キーサイトの新しいオシロスコープをラボに備えている大学生にとっては終わりです。キーサイトは、先日、ファンクションジェネレーターを内蔵した低価格オシロスコープファミリーを発表しました(図2)。最も優れている部分は、内蔵WaveGenファンクションジェネレーターと周波数応答解析を備えたモデル(EDUX1002GおよびDSOX1102G)に別のものを買い足さなくても、オシロスコープで自動周波数応答解析(利得/位相のボード線図)を実行できる点です。この機能(オシロスコープ、ファンクションジェネレーター、周波数応答解析)のすべてを、たった$600前後で入手できるのです。この新しいオシロスコープを使用して測定したパッシブ・バンドパス・フィルターの特性評価の例を見てみましょう。

図3は、テストを行ったRLC回路の回路図です。低周波では、1 μFのキャパシタがこの回路のインピーダンス(XC=1/2πfC)の大部分を占め、VINのほとんどがVOUTになるのをブロックされます。高周波では、10 μHのインダクター(XL=2πfL)によって、入力のほとんどが出力になるのをブロックされます。しかし中間帯域の周波数では、50 Ωの負荷抵抗が支配的になり、多くのVINがVOUT(約0 dB)に出力されます。定義では、これがバンドパスフィルターです。次に、これを、ファンクションジェネレーターと周波数応答解析機能を内蔵した、キーサイトの新しいオシロスコープでテストします。
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最初に、ファンクションジェネレーターの出力をVINに接続し、オシロスコープの1チャネルにVINを、2チャネルにVOUTをプローブ接続します。図4は、周波数応答解析のセットアップメニューです。適切な接続ができるように指示するブロック図が表示されます。これにより、VINをプロービングするチャネル、VOUTをプロービングするチャネル、最小テスト周波数、最大テスト周波数、テスト振幅を定義することもできます。このテストでは、すべてデフォルト設定を使用します。Run Analysisを選択すると、オシロスコープが1回のテストを実行します。これを「掃引」と呼ぶこともあります。

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図5はテスト結果です。青色のトレースが利得(dB)でディスプレイの左側にスケール値が表示されています。オレンジ色のトレースが位相(°)でディスプレイの右側にスケール値が表示されています。ペアのマーカーを使用して、任意の周波数の利得/位相値を測定することもできます。オシロスコープは、自動的に振幅/位相のスケール値を最適化します。しかし、テストを完了した後、ユーザーが独自のスケール値を手動で設定することもできます。おそらく、これが、現在の市場で最も使いやすい周波数応答アナライザです。少なくとも、私の見解ではそうです。EDUX1002GまたはDSOX1102Gを購入すれば、1000 Xシリーズの基本モデル($449)にわずか$200を追加するだけでこのような機能が標準($0)で付属するのですから、最も安いFRAに違いありません。しかも性能も劣りません。革新的な測定アルゴリズムを使用して、この測定器は0 dBm(224 mVrms)の入力で最大80 dBのダイナミックレンジを実現可能です。

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キーサイトのこの新しいオシロスコープ機能を使用して、私の作業時間は大幅に短縮できたことは確かです。同様に、必ず、電子工学科の学生も多くの時間を短縮できますので、ラボで割り当てられた作業を期限内に完了できるでしょう!

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