No.534 桜紅葉

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今日の俳句

冬来るメタセコイアを尖らせて
枯れ果てて種零しきるねこじゃらし
日暮れけり桜紅葉の降り急ぐ

 

冬来るメタセコイアを尖らせて/古田けいじ
ぴりりっと寒さをメタセコイアの尖りに感じ取った作者の詠みが伝わってきます。好きな句です。(志賀泰次さん)

日暮れけり桜紅葉の降り急ぐ/古田けいじ
冬の日は短い。その日暮れに桜紅葉散つて行く様子をその下に佇み、思いにふける詠者の姿が見えるようです。「日暮れ」と「散り急ぐ」のとり合わせも抜群で、共感の一句です。(宮本和美)

日暮れけり桜紅葉の降り急ぐ/古田けいじ様
 短い冬の日はあわただしく暮れて行く、また桜紅葉も短日にあわすように散り急いでいく。二つの光景の対比が素晴らしいですね。  (小口泰與さん)

No.533 枯れ芦

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今日の俳句

風に立つ枯れても芦はまっすぐに

枯れ芦の刈り残されてまっすぐに

恙無し今年も被る冬帽子

公園の中にある遊水地がきれいに整理され、芦が枯れて残っていた。芽生えのころの芦もきれいだが、こうして枯れて残っているのもまた違った美しさがある。真夏には葦切りが多分、営巣するだろうし、冬は渡ってきた鴨やカイツブリのねぐらを提供している。

 

 

NO.532 零余子(むかご)

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 今日の俳句 

零余子落つ鈍き鋼の色をして

古希も居る友の集いへ零余子飯

 

近くの緑が丘公園へ出かける。大規模な墓地もあり、その周辺にはまだ森が残されている。その森を散策中に自然薯の蔓を見つけ、近寄ってみるとむかごが一つ蔓に残っていた。地面を見るとむかごがこぼれていたので拾ってみる。むかごは漢字では「零余子」と書く。当て字であろうが、絶対に読めない字である。食べたこともないが、御飯に炊き込んだり、バターいためにして食べたりできるのだそうだ。自然薯自身がまだ若く、零余子も小さな粒であるが、その数は100粒以上あった。自然薯は自分自身を栄養にして、年々太くなるが、零余子も地面にこぼれて新しい株を作る。自然薯を食べると精がつくといわれるが、この命の伝承を見るとさもあらんと納得が行く。

NO.531 甘藷干す

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今日の俳句

 

想い出は母の清貧甘藷干す

 

甘藷干す朝日が瑪瑙色にする

 

甘藷干すわが亡き母は背が低き

 

 

近くの青果スーパーででっかいさつまいもを一箱500円で買った。

九州産のべにあずま。1個1個が大きすぎて売れにくいのかと思った

のだがそうではなく収穫してから時間がたっていたのかもしれない。

端っこのほうから少し傷んできていた。

何個かはおに饅頭に使ったがいつまで放っておくわけにも行かず

思いったって芋切り乾しを作ってみた。

お菓子や砂糖など甘いものの乏しかった子ども時代には貴重なお

やつで秋の楽しみだった。

干しあがる前にお袋の目を盗んでかじったものだ。

見つからないように芋を並べ替えたりしたのだが母には見破られ

「また頭の黒いねずみが出た」などと冷やかされたものだ。

NO.530 落ち葉

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今日の俳句

沈黙の歩を追い越してゆく落ち葉かな

隊列を組んで落ち葉の吹かれ行く

一年が短き齢や小鳥来る

くるくると陽の色の帯柿を剥く

 

近くのほら貝池の周りの桜紅葉が殆ど散りつくした。空が広くなった。心に残る重さがあり、ゆっくり歩くと風に吹かれて落ち葉が追い越してゆく。秋は四季の内でも、古より人の心を悲しくさせる時のようだ。昔でいうと古希。70周目に入った。一年が過ぎるのが早く感じられる齢である。

 

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