27年度3回目のよみきかせ。小学校へ出かけ
授業開始前の10分強の短時間で読み聞かせをしている。

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今回読んだ本は、イタリアのジャンニ・ロダーリという作家の
キンコンカン戦争

戦争が長引き、相対する二つの国共に資材不足となる。。
そこで国中の時計塔や教会や学校にある鐘と言う鐘をすべて集め
ドデカ大砲を作り、お互いに敵を月にまでぶっ飛ばす一発勝負に出る。

兵隊たちは爆音で鼓膜が破れないように耳栓をして待ち構える。
ボンボーネ・バクレツォーネ・フニャラロッシーと言う大将の命令で
大砲の発射ボタンを押す。突然不思議な音が響きだした。
キン!コン!カン!

ドデカ大砲は鳴り響いて谷から山へ、山から谷へ国中へ鳴り響いていった。
ボンボーネ・バクレツォーネ・フニャラロッシー大将は「何をやっとるんだ!」と腹を立てる。
おかげで少なかった髪の毛がすっかりなくなり坊主になる。

ドデカ大砲がいったん静かになったと思ったら、まるで返事をするように
前線の向こうから、これまた、明るい、楽しげな音色が流れてきた。
敵の軍部のトップ、バンバーネ・ヘキラツァーネ・ホニャロラッソーも
同じ方法でドデカ大砲を作ったようだ。
こっちの、大砲が「キン!コン!」と鳴れば
向こうの大砲が「カン!」と応えて、にぎにぎしく響き合う。

兵隊たちは武器を捨て、走り出し、踊りだし、前線を超えて声を掛け合う。
「鐘が鳴るぞ!」、「お祭りだ」、「平和の始まりだ」、「平和勃発のお祭りだ」

これを見た二人の大将は自分専用の高級車に乗ってフルスピードで逃げ出す。
どこまで逃げても、ガソリン切れてしまっても
「キン!コン!カン!」はずっと追いかけていったのだ。
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4年生が対象だったが、結構おもしろかったみたいで、
大勢が手を挙げて感想を言ってくれた。

戦争と言っても子どもたちに経験があるわけでなく
漠然とした知識しかまだないだろう。

最後の子が、「ドデカ大砲が、爆弾でなく、キン!コン!カン!と
鳴ったところがよかったと言ってくれた。

これで朝早くから出かけた甲斐があった。