July 02, 2009
パンズ・ラビリンス (2006)

(写真はgoo映画のフォトギャラリーから直引き。問題あれば削除します。)
映画鑑賞も復帰して暫く。
本格的な映画を見る準備ができてきた、と思ったところにまさにうってつけの映画。
パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]
スペイン=メキシコ映画で、全編スペイン語、スペイン内戦を時代背景とした映画です。
監督は、ヘルボーイのギレルモ・デル・トロ。
クリーチャー造型に秀でる彼ならではの作品世界に期待しながら。
あらすじは、、、
スペイン内戦下のスペイン。身重の女性カルメンと少女オフェリアは、山道を抜けレジスタンス制圧を目指す駐屯地へと車で向かった。カルメンの再婚相手で、駐屯地の指揮官ビダルが臨月にある妻を呼び寄せたのだった。しかし、カルメンは長旅により体調を崩し、オフェリアは彼女を疎ましく思う義父を前に成す術が無いのだった。そんな折、オフェリアの前に妖精が現れ、森の中の迷宮に彼女を誘うのだった。。。
と、言うのが触り。
アリス的導入という見方もできますが、そんな生ぬるいものではありません。
姉たちのおしゃべり、どころか、目の前に広がる圧倒的な現実から目を逸らそうと、いや、目を逸らさねばならなかったのです。
愛する父親を失い、縋ることができる唯一の家族 母は体調が優れない。
母の再婚相手は、自分に対して(どころか母にさえ)冷酷で、苛烈。
そして、内戦という過酷な世相。
しかも、身を置くのはその最前線である駐屯地。
冷徹な再婚相手は、この地において類まれなる残虐性を発揮する。
まさに生き地獄。
蜘蛛の糸に見えたメルセデスも、実はレジスタンスのスパイであり、頼る先を失いつつあったオフェリアは、この秘密を共有する重荷までをも背負い込む。
少女であるオフェリアが自らを守るべく向かった先は空想の世界。
外で戦えない彼女は、そこで必死に望むものを勝ち取ろうと、夢の世界にも拘らず試練を思い描き、それを克服していく。自己防衛と自己実現の複雑に混ざり合った世界観。
そんな必死な子供の心を打ち砕く、母親の一言。
魔法は存在しないのだ、誰のもとにも。
ここで、行き着く先は暗示されてしまったといって過言ではないだろう。
最後は儚くも美しい。
全く予想し得ない展開で、結論を迎えたわけだが、少女の解放が豪奢に描かれる。
彼女の闘争が、現世の重荷(映画が進むにつれて増していく重荷)からの開放として実現した瞬間の描写に、賛美を送るべきか。否、少女をこう描くしかなかったその苛烈な事態を嘆き悲しむべきか。
強烈な足跡を残して、我々の胸元をぐっと締め付けて、映画は終幕を迎える。
絶妙なストーリー、構成に歓声を挙げたい気持ち。
圧倒的な存在感を示したビダル役セルジ・ロペスの怪演も暫く頭を離れなそうです。この演技があってこそ、オフェリアの逃避行が説得力を持って正当化されていると思います。
そして、最後に触れなくてはならないのは、やはりクリーチャー達の作り出す幻想世界の圧倒的存在感。
あたかも、一つの世界として、そこに存在するかのような描写。
生々しく、独特の雰囲気を称えたクリーチャー達は、なぜか妙な説得力をもって画面に存在していました。個人的にはヘルボーイよりもコチラの造型のほうが好みですね。
いやぁ、凄い映画でした。
2度目を見るには、すこし勇気が必要になりそうです。
最近見た映画はこちら。
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2009年11月29日 ヘルボーイ (2004)
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