寺本益英の日記

 関西学院大学で日本経済史を担当する寺本益英の身辺雑記です。経済、歴史、お茶、フードシステムの話題を中心に、思い立ったことを綴ります。受講生の質問にも答えます。

2007年06月

7月5日の総合コース&講演会の予定

 7月5日のお茶の総合コースはこの4月から宮城大学客員教授になられた高橋正郎先生のご担当です。あらためて述べるまでもありませんが、高橋先生はフードシステム研究の第一人者で、緑茶のフードシステムをめぐる諸問題を講義していただく予定です。みなさんは緑茶のフードシステムというと、どのようなルートを思い浮かべるでしょうか。今回の講義では、生葉生産−荒茶製造−仕上茶製造−卸売商−小売商ー最終消費といルートが提示され、各段階の実態の説明が行われます。生産者から我々の手元に届くまでのお茶のフードシステムが明らかにされるわけで、まとめにふさわしい内容の講義になるはずです。
 4限目は例年通り、高橋先生のミニ講演会を実施します。教室はC号館の304号です。テーマは「農政改革と地域農業−茨城県筑西市を例に−」です。高橋先生が携わってこられた「筑西市農業総合振興計画」を事例に、地域農業の活性化について考えます。ケーススタディは具体的でわかりやすく、お茶であればどうすればよいか検討する際の参考にもなりそうです。せっかくの機会ですから、みなさん是非ご参加ください。

参加者200名を目指したいところです

 シンポジウムがついにあさってに迫りました。もはや秒読み段階です。主催校の責任者として手抜かりのないように準備しなければいけませんが、何となく不安な気持ちで本番を迎えることになります。
 気になるのは天気と参加者数です。FAXとメールを整理してみたら直感よりも多く、170名超える方が申し込んでくださってあります。少数ですが、静岡、愛知、三重、岡山、香川など、かなり遠方から参加予定の方もいらっしゃるのは大変ありがたいことです。もちろん圧倒的に多いのは兵庫県にお住まいの方で全体の約6割を占め、大阪府が2割、京都府が1割という感じです。
 ところで広報ですが、今日の朝日新聞の夕刊にも案内が載りました。朝日新聞を見て来てくださる方も含めると、参加者は200名の大台に乗るのではと、期待しています。
 シンポジウム目的について、配付冊子では次のように述べられています。「日常の中にすっかり根付いているお茶について、より身近に感じ理解を深め、豊かな生活の一助に少しでもお役に立てばと考えてこのシンポジウムを企画いたしました」
 せっかくの休日を返上して参加してくださるみなさんに、喫茶文化の素晴らしさを伝え、普及させ、次世代に受け継いでいってもらうことが、私たち主催者の重要な使命だと考えています。

早くも次の企画が ………

 7月1日のシンポジウムが1日、1日と近づいています。申し込んでくれた人が全部来てくれるのだろうか、準備し忘れたことはないのだろうか、上手に司会ができるのだろうかと色々な不安が頭をよぎり、今週は小心翼翼とした態度で過ごすことになりそうです。それにしても、このプレッシャーは何ともいえませんね。しかしこのようなプレッシャーをかなり軽減してくれる存在が、いち早く運営スタッフに申し出てくれた共通単位講座と聖和大学の学生です。講義でお茶を話題にしているわけではないのに、案内したその場で参加の意思表示をし、手伝うことがあれば何でもと言って、快くスタッフを引き受けてくれました。心強いかぎりです。
 さて7月1日の企画さえうまくできるかどうか心配している段階で、早くも10月14日の表千家との共催プロジェクトの素案が届きました。これは以前ふれたかもしれませんが、関学茶道部の創部60周年記念事業です。「日本人の美意識と感性 −四季の移ろい−」というテーマで計画が進んでおり、冷泉家時雨亭文庫理事長の冷泉為人先生と、末富の山口富蔵先生の対談をコーディネートします。こちらの企画はより広範な文化の知識が求めれ、よほど詳しく勉強しておかないと、スムーズに対談が進められません。3ヶ月以上先といっても、すぐに当日を迎えなければならないことは、これまでの経験で痛いほどわかっています。夏休みが正念場です。

いよいよあと1週間

 7月1日のシンポジウムがいよいよあと1週間後に迫りました。現在参加者名簿を作成中ですが、ここ数日でかなりたくさんの方が申し込んでくれて大感激です。直感ですが、圧倒的多数を占めるのは西宮市と宝塚市の方。その中でも特に多いのは、上ヶ原や仁川にお住まいの方です。ご夫婦や、親しい友人を誘い、1枚のFAXで3〜4名申し込んでくださる場合もあります。大学はやっぱり地域のみなさんを大切にしなければいけないと思いました。
 遠方から参加してくださる方は5月下旬の早い時期から申し込んでいただいてあり、インストラクターや茶業者など、お茶関係の仕事に携わっています。こうしたお茶の専門家にも関心を寄せていただいているのはありがたいことです。
 今日は『読売新聞』に案内を載せてもらいました。最終的に何名の参加者が得られるかわかりませんが、営業活動は前日まで粘り強く展開したいと思っています。
 総合司会とシンポジウムのコーディネーターをお引き受けしたものの、心臓はドキドキし、足もガクガク震えてじっとしていられない状態です。1週間前でもこれほど緊張していますので、当日はしどろもどろの話し方しかできないのは間違いありませんが、どうぞご寛恕ください。
 司会者の力量はさておき、パネリストの先生方は立派な報告要旨を作成してくださってあります。要旨に目を通して感じたのは、お茶の研究視角は歴史、文化、経済、生活、医学、薬学、化学、農学など、実に多岐にわたっていることです。したがってこのシンポジウムの最大のセールスポイントは、総合的な見地からお茶の魅力を追求できることだといえます。そういう意味では、とても有意義な企画になると思います。ご期待ください。

煎茶の世界の奥深さ

 2週間の休講は仕事を進めるにはありがたい休講でしたが、回っているコマの軸をぐっと手で押さえ、無理に回転を止められしまったような気持ちになった期間でもありました。講義再開から3日ほど経過し、徐々にもとの調子を取り戻しつつあるという心境です。
 さて今日のお茶の総合コースは小川後楽先生の文化史でした。3回の予定が2回に減ってしまって残念でしたが、凝縮された内容で、煎茶の世界の奥深さをあらためて認識することのできた素晴らしい講義でした。ごく簡単に流れを振り返っておくと、売茶翁の真摯な人物像を明らかにするところから出発して、彼の生き方、考え方に強い影響力を与えた、中国の陸羽と盧同、日本では栄西と明恵の茶の世界にも迫るというものでした。それは儀礼的ではなく、深い内面性を備えた、脱俗的・隠棲的なお茶、あるいは文雅・清雅といった言葉で表現すべき、高度な精神世界に存在するお茶であるといえます。
 今日の講義をお聞きして感銘を受けたのは、その中身ばかりではなく、上述のお茶の奥深さを原史料を駆使して見事に構成された小川先生の卓抜した構想力です。講義のときもコメントしましたが、史料の活用のしかたが手にとるようにわかり、大いに勉強になりました。
 総合コースを開講して一番変わったことは何かというと、それぞれの分野で心底「スゴイ!」と尊敬できる先生方に出会えたことです。その一方で各先生方の「スゴイ!」講義を熱心にお聞きになり、的確で内容を一段と深める議論に参加してくださる社会人聴講生のみなさんもまた「スゴイ!」というほかありません。野沢久信さん、藤井啓さん、堀口正裕さん、牧瀬高幸さんら超強力社会人メンバーとの交流のおかげで、私の大学生活はどれだけ楽しく充実したものになったかわかりません。 

食MAP&食卓造景学(2)

 一方食品業界のマーケティングデータとしてよく利用されているのはメニュー調査です。メニュー調査は、モニターの家庭が一定期間にどのような材料を使ってどのような献立を作ったかを調べます。しかしこれにも限界があり、例えば食事時に緑茶ドリンクを飲用したというところまでは突き止められますが、その銘柄が伊藤園のお〜いお茶なのか、キリンビバレッジの生茶なのかは不明です。
 ようするにこれまでのマーケット情報は、誰が何を買ったかという情報(POSデータ)と、誰が何を食べたかという情報(メニュー調査)が別々に収集されていました。「食MAP」は次元が異なる双方の情報を統合し、誰が何を買い、それをどのように利用したかを個別ブランドの細部まで踏み込んで通観できる斬新なシステムなのです。
 第二の特徴として重要なのは、同一家庭の食卓情報を365日間連続して収集していることです。データ蓄積の手順は次のとおりです。まずモニター(首都圏30km内在住の主婦360名を選定。選定は2人以上の世帯に対し、二段階無作為抽出法を用いているので、国勢調査に準じた世帯構成となっている。)は毎日買ってきた食品のJAN(Japanese Article Number)コードを備え付けのスキャナーで読み取ります。この結果、各家庭の食品在庫が品目名、ブランド名で明らかになります。次の段階はメニューの入力です。メニューは1000に分類されており、朝食・昼食・夕食・家族の弁当・間食・夜食のメニューとメニューに使われた食材、さらにはメニューに使われた食材のブランドまでがわかる仕組みです。朝食に焼き魚が出たとき、調味料としてキッコーマンの丸大豆醤油が使われたとか、夕食のカレーには、ハウスバーモントカレーの中辛のルウが使われたといった点まではっきりできるのがすごいところです。
 さて今年のテーマ「食卓造景学」はどんな内容になるのでしょうか。斎藤先生が食MAPを駆使し、練りに練ってお考えになった構想を披露していただくことになりそうです。28日の講義を楽しみにしていてください。

NTTデータライフスケープマーケティング

食MAP&食卓造景学(1)

 今日は『日本経済新聞』の夕刊にシンポジウムの案内を掲載していただきました。何よりもお茶研究の第一人者による講演・パネルディスカッションということで、新聞社が次々と取り上げてくださっているのはありがたいことです。
 さて28日の総合コースの予告ですが、NTTデータライフスケープマーケティング社長の斎藤隆先生が「食卓造景学」をテーマに講義してくださいます。
 斎藤先生にはもう何年も講義をお願いしていますが、毎年違った角度から食卓という未知の世界の実態を明快に分析していただいています。その際威力を発揮するのが「食MAP」(Market Analysis & Planning)という先生が開発された画期的なシステムです。「食MAP」をひとことで説明すると、「市場を食卓という消費現場でデザインした世界初のマーケティング情報システム」といえます。斎藤先生がNTTデータ在職時の1994年開発に着手し、1999年1月より商用サービスが開始されました。2006年1月時点で、実に222万食卓、1057万メニュー、2217万食材のデータが蓄積されています。
 ところで「食MAP」は次のような優れた特徴を備えています。まず強調したいのは、購買次元のデータと消費次元のデータがリンクされている点です。従来のPOSデータは誰が何を買ったかという情報は得られますが、買ったものを誰がどのように使ったかまではわかりませんでした。すなわち買った人と食べた人は同じとは限らず、POSデータからは食卓の全体像は明らかにできないわけです。

シンポジウムの申し込みが増えてきました

 はしかの被害がそれほど広がらず、今日から講義再開です。実質的に6月の講義は今日からですが、少しでも遅れを取り戻さなければと思っています。早いもので、事務室からはもう定期テストの作成依頼がきています。今回の休講措置でテスト範囲も大幅に削減せざるをえず、問題を作成する側としても頭を抱えています。
 さて7月1日のシンポジウムの申し込みですが、日ごとに増えてきました。これまでは、お茶の関係機関のホームページや『日本茶業新聞』を見たという「お茶の専門家」の参加が大多数を占めていましたが、徐々に一般の申し込みが増加傾向にあります。先週月曜日に関学のホームページで案内してもらい、16日土曜日の『神戸新聞』夕刊で取り上げていただき、今日は大学周辺の上ヶ原・仁川の『読売新聞』販売店に折込広告を入れてもらいました。不慣れな営業活動がだんだんと実を結び、大学の近くに住む方々からの参加がかなり多くなってきたのは嬉しいことです。
 近いうちに各パネリストの報告要旨が私の手元に届き、パネルディスカッションの構想を練ることになります。保健効果、嗜好の問題、暮らしのお茶、食育など、様々な切り口からお茶の魅力やお茶の果たすべき役割を議論してみたいと思っています。主催者全員、有意義な会にしなければと意気込んでいますので、申し込みがまだの方は、是非FAXかメールでお知らせください。

サイゼリヤの採用活動

 はしかの伝染を防ぐための休講期間も残りわずかになってしまいました。この2週間で破綻寸前のスケジュールを立て直そうと意気込んでいましたが、結局失敗に終わってしまいました。あれもまだ、これもまだと、完成していない仕事が次々と頭に浮かんできます。
 さて先般のフードシステム学会は、このブログを読んでくれている学生に是非伝えておきたいという話題が満載されていました。今日はサイゼリヤの採用活動について述べてみたいと思います。
 サイゼリヤの採用活動は、出会う、知り合う、語り合う、確かめ合うという4段階で成立しています。出会う、知り合うの段階は、マスの学生に対するコミュニケーションで、エントリーし、説明会で企業の概要を聞くという段階までです。しかし語り合う、確かめ合うの段階は、個別の学生に対するコミュニケーションとなり、ここで学生は仕事に対する熱意をアピールし、企業は自社の経営理念や社風にあった人材を発見することになります。
 新卒者が「人財」となるためには、双方が十分に語り合い、確かめ合って強い信頼関係を築くことが大切だと考えます。企業は採用活動で「人財」をとることが、将来の発展に結びつくわけですから、かなり慎重に選別するに違いありません。とりあえず面接を受けに来たという態度なら、すぐに見破られてしまうし、万一チェックを通り抜けて内定をもらったところで、結局仕事に生きがいが見出せず、短期間で退職を余儀なくされることになるでしょう。大学時代何を学び、何を身につけたかをはっきり説明できるとともに、その企業が求めているホスピタリティ力と専門性を磨いておくことが大学4年間における最優先課題ではないでしょうか。

選書アドバイザーの仕事

 休講期間中ということもあり、大学は驚くほどひっそりしています。結局2週間講義が抜けてしまいましたが、スケジュールを2週間分あとへずらして、夏休みを短くするという措置はとらないようです。6月も半ばにさしかかり、あっという間に定期試験、夏休みを迎えることになりそうです。
 さてこの4月から選書アドバイザーの仕事をしています。図書館の一層の充実をはかるため、まだ図書館に備えられていないけれども是非という文献を推薦する役目です。選書アドバイザーは各学部から選出されていますが、私は経済や歴史・文化関係の本を担当しています。
 緊急性の高い仕事の合間をぬって、どういう本がまだ関学の図書館に備えられていないか確かめてみたのですが、一般的な文献で関学にない本はまず見当たりませんね。普通に入手できる文献の整備率は自信を持って100%といえます。他大学では経費削減を余儀なくされ、図書費も削られ、思ったように本を購入できないところも出ているに違いありません。それに比べると関学は本当に恵まれています。勉強する意欲さえあれば、いくらでも勉強できる素晴らしい環境ですから、学生はそのメリットを十分活かしてほしいと思います。
 関学の図書館では、少なくとも私の研究領域の本は、ほとんどすべてカバーされています。ただ、地方の出版社の本や博物館の図録類、経済学の問題集、古書でしか手に入らない文献、特殊な調査報告書などでまだ購入されていないものがいくつか見当たりました。そういったものを推薦し、会議にかけてもらい、できるだけ入れてもらうようお願いしています。
 よい文献をさがし、図書館の充実度をさらに高めるためには、一人でも多くの目があるにこしたことはありません。みんさんもこれはという本に気づけば、是非声をかけ、教えてください。

シンポジウムの案内が関学のホームページに載りました

 休講期間中とはいえ、時間的なパンク寸前の忙しさです。シンポジウムの準備や学会の仕事、学部の委員会の業務を抱えているという事情もありますが、とにかくメールや手紙のやり取り、電話連絡、書類の作成だけで、かなり時間を費やします。
 仕事をこなしながらも、10日のフードシステム学会のセッション「フードシステムをめぐる職業教育と人材育成」を聞いた強烈な印象がまだ頭に残っています。特に「ケースメソッド」の重要性は痛切に感じました。ケースメソッドとは、不確実な状況下で起こりそうな出来事を想定し、実態を正確に分析し、具体的な対策を講じるとともにそれを実行に移す意思決定のプロセスを明らかにし、問題解決に導くという実践性の強い教育手法です。従来の講義は特定のテーマを設定し、学生に正しく理解してもらうことを目標に行っていますが、ケースメソッドの場合はさらに踏み込んで、問題を解決するための方策や手順まで考えるものです。
 経済に即して言うと、モデル分析などを通じ、財政支出拡大に景気刺激効果があるとまで教えるのが普通の講義です。しかしケースメソッドになると、財源をどのようにまかなうかまで考えます。国債発行によるのなら、それに合意を得られるような関係各所の説得方法、事務的な手順、国債発行が経済に与える影響などをあらゆる角度から検討しなければいけないでしょう。増税を行う場合は、何税をどの程度上げるのが景気に与えるマイナス影響を最小限に食い止められるのか(いうまでもありませんが増税のマイナス効果を上回るだけの財政支出拡大効果が得られなければなりません)、増税対象になった部門で反発が起きれば、どのように説明し、納得してもらうかといった感じで、先の先まで考え、様々な可能性を徹底討論するわけです。政策というのは実現の見込みがなければ、どれだけ理想を述べてみても意味がないと思います。つまり「絵に描いた餅」では困るのです。
 経済をめぐる諸問題はケースメソッドに適したものが多いと思います。もちろん数百人の大教室でケースメソッドは教えられませんが、少人数クラスでしっかり身につけておきたいノウハウといえます。
 さて昨日、関学のホームページにもシンポジウムの案内を掲載してもらいました。これから参加者が増えることを期待します。そういえば今回のシンポジウム、聴衆をどのように集めるか、「ケースメソッド」の手法を忘れて企画してしまいました。迂闊だったと反省しています。

お茶と日本人・関学案内

2007年度 フードシステム学会全国大会に出席(2)

 学生時代にはやはりしっかり勉強しておくことが重要で、サトー商会は食品の生産−流通−消費をめぐる諸問題や、旬の食材についての知識、またサイゼリヤの場合は、イタリアの地理・歴史・文化、イタリア料理やワインについてよく知っていないと、務まらないようです。専門知識の習得にはもちろん忍耐力が必要で、そういう訓練を重ねておくと、仕事をこなす際にも大いに役立つというお話でした。
 一方大学側は、企業の求める人材を育成するため、体系的なカリキュラムを組み、様々な取組を行っています。特に西武文理大学では、心のこもったもてなしのできる人材を育てるため、講義を通じ「ホスピタリティ」を徹底教育しています。関学も1回生全員必修でこういう科目を設けると、就職の成績が一段とアップするのではないかと思いました。
 最後にサトー商会の方からお聞きした面白い話をご紹介しておきます。それは「ジンザイ」というのは3タイプに分かれるという見解です。まずは「人財」です。これは一を聞いて十を覚り、会社の中核を担う社員です。2番目は「人在」です。これは文字通りいるだけの社員で、指示をすれば指示されたことだけどうにかこなす人です。3番目は「人罪」です。これは気配りができず、会社の発展に全く貢献しない社員を指します。最近ニュースでよく報道されていますが、会社のイメージダウンにつながるような不祥事を起こす社員ならいない方がマシです。
 関学からはすべての業界に「人財」を送り出したいところです。そのためには、少人数クラスで「ホスピタリティ」について真剣に討論することが大切だと思いました。

2007年度 フードシステム学会全国大会に出席(1)

 連休明けの5月12日から、週末5週間連続で学会がありました。近畿大、同志社大、創価大、学習院大と続き、9・10日は仙台市の宮城大学で開催されたフードシステム学会の全国大会に参加しました。仙台は高等学校の修学旅行で訪れて以来、約20年ぶりの訪問でとてもなつかしく思いました。当時はまだ新幹線が東京始発ではなく、埼玉県の大宮から乗ったのを覚えています。
 学会は例年どおり第1日目が共通論題、2日目がセッションと個別報告という構成ですが、今回一番興味深かったのはセッションのひとつ、「フードシステムをめぐる職業教育と人材育成」でした。報告内容は、フードビジネス業界で活躍できる人材を育成するため、宮城大学と西武文理大学でどのような取組を行っているかという大学の立場からの紹介と、フードビジネス業界はどのような業界で、どういった人材を求めているか、東北が地盤の業務用食品専門商社サトー商会と、イタリアレストランサイゼリヤの方より企業の立場からの説明がありました。
 以下で述べることは、私たち教員も学生もあらためて留意しなければならない重要な点だと思いましたので今日のブログで書きます。
 まず企業はどういう人材を求めているかというと、笑顔が素敵で礼儀正しい人、忍耐強い人、挨拶ができる人、エチケット・マナーをしっかり身につけている人、服装・身だしなみが清潔な人、専門知識とコミュニケーション能力を備えた人だそうです。消費者の立場に立てば当然ですが、私たちが「この企業の商品を買いたい」「このホテルに泊まりたい」と思うのは、上記の条件を備えた社員や店員に接したときですよね。採用担当者はちょっと面接してみると、そういう資質を備えた学生かどうか見抜くことができるそうです。

三重ブランドの振興

 気のせいかも知れませんが、朝日新聞の紙上特別講義で取り上げていただいてから、ホームページへのアクセス数も増えたように感じます。ヒット数はついに3万を超えました。万の位が2から3に変わったのは、ちょっと嬉しいですね。今後ともよろしくお願いします。
 さて今日は三重県大阪事務所の桜井さんが研究室を訪ねてくださいました。桜井さんは私と同じ三重県出身、かつ関学のご出身ということもあって、話がとても盛り上がりました。
 三重県には、松阪牛、真珠、伊勢海老などたくさんの特産品があります。もちろん伊勢茶もとても重要で、三重県は鹿児島に次いで全国第3位の生産県です。桜井さんは先般の「紙上特別講義」をお読みくださり、私のお茶の研究に関心を寄せていただきました。今後伊勢茶のブランド確立と販路拡大に、色々とアイディアを出してゆくことになります。
 また「三重県関西連携交流会議」という三重県にゆかりの深い関西の経済人の組織があって、私もメンバーに加えていただきました。経済界で活躍のみなさんと連携しながら、郷里の活性化プランを練るのも楽しい作業です。
 このところとても忙しく、故郷の伊賀上野へ帰る機会もほとんどありませんでした。関学入学後は、完全に西宮をベースにした生活に変わってしまいましたが、やはり郷里には愛着があり、発展してほしいという気持ちは強く持っています。三重ブランドの振興に関与できるのは本当にありがたいことで、精一杯がんばらなければと思っています。

三重県大阪事務所
三重ブランド

シンポジウム「お茶と日本人」のポスターができました

 先週末も学会出張で、飛行機に乗って東京へ行きました。飛行機に乗る楽しみのひとつは、マイルを貯めること。飛行機は頻繁に利用しているし、ショッピングマイルも加算されているはずなので、ぼつぼつ1万5000マイルに到達し、無料航空券をもらおうかなと思って確かめたら、「前途ほど遠し」の状況でした。(恥ずかしいので何マイル貯まっているかはヒミツです。)航空会社も損をしないよう、よく考えていますね。お金はもちろん、各種のポイント、マイルなど貯まってほしいと思うものは全然貯まりません。代わりに黙っていてもどんどんたまるのが、仕事、原稿、疲れです。ただ昨日から完全な休講になり、講義の時間が浮いてきたので、だいぶ時間のやりくりが楽になりました。2週間のうちに借金を全部返して、18日の講義再開日を迎えたいところです。
 さて静岡県茶業会議所が7月1日のシンポジウム「お茶と日本人」のきれいなポスターを作ってくれました。富士山と茶園という素晴らしいデザインです。下記のリンクをご覧ください。早速学内各学部や、教務課などへ掲示してもらいました。また、日本茶業中央会のホームページ(イベント情報)でもPRしてもらっています。茶学術研究会が関西ではじめて開催するシンポジウムですから、多数の参加をお待ちしています。

静岡県茶業会議所
日本茶業中央会

はしか対策で全面休講

 はしかが関西でもはやり始めているようで、関学も今日から2週間全面休講です。通常通り講義が再開されるのは18日からの予定です。関学生活20年以上になりますが、伝染病の流行で休講措置がとられたのははじめてです。よくわかりませんが、もしかしたら開学以来はじめてかも知れません。
 はしかはものすごく空気感染力が強いらしく、例えば300名以上の大教室に1人でも感染者がいたら、免疫のない人全員に一気に広がるでしょう。したがって休講措置は、感染拡大を防ぐためにやむをえないことです。しかし大学で感染するとは限らないので、極力人ごみの中に出ないことが大切です。どこの大学でも、免疫の有無を調べる抗体検査や予防接種を勧めているようです。
 「危機管理」といえば大げさになるかもしれませんが、予期しない出来事が起こったとき、被害を最小限に食い止めるためにはどうすればよいのか考え込んでしまいます。半期終了科目は全部で10コマあまりしかなく、2回もぬけると試験範囲が作れなくなりそうです。かといって2週間後へずらすと、すでに8月初旬に何か予定を立ててある人には迷惑がかかります。関学も1年を通じ色々な行事をびっしり詰め込んでいて、全くといってよいほど余裕がありません。本当に打つ手なしです。
 それにしてもこれだけ科学技術が発展した今日でさえ、人間はわずか200ナノ・メーター(ナノ・メーターは10億分の1メーター)のはしかウィルスに振り回され、甚大なダメージを受けています。人間の力で克服できないことはまだまだ残っているということを痛切に感じました。
 私はこの2週間を原稿書きに費やして、少しは楽になりたいと思っています。
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