寺本益英の日記

 関西学院大学で日本経済史を担当する寺本益英の身辺雑記です。経済、歴史、お茶、フードシステムの話題を中心に、思い立ったことを綴ります。受講生の質問にも答えます。

2014年08月

社会再生学会第12回研究会を行いました (3)

 今回の研究会の3人目の報告者は西村正美さんで、「東日本大震災が及ぼした原発事故と将来への原発のあり方について  廚搬蠅靴届誕蠶鷆,靴討い燭世ました。西村さんは、経済学部生の長澤公大君とともに、「社会再生学会のブログ」へ頻繁に記事を投稿し、活動を支えてくださっています。西村さんの記事は、政治・経済・外交にまつわるものが主流で、現在は特に「株高」に隠されて私たちが見過ごしがちな問題を取り上げ、証拠となる事実を丁寧に積み重ねながら、説得的な見解を述べられるところに特徴があります。一方の長澤君も、入会以来精力的に投稿し、ブログを盛り上げるのに大貢献してくれています。長澤君の記事は、身近な出来事とスポーツが中心で、今の大学生の生活や、考えていることがよくわかり、興味深いです。特別勉強会が終わると、すぐにレポート記事を書いてくれるのも嬉しいことです。ある日の記事に、「新聞をガンガン読み倒す」という部分があったのですが、「無制限一本勝負」の過酷な勉強会の雰囲気を伝えるのにぴったりで、感心しました。誰かに私のゼミでやっていることを話さなければいけないシーンでは、毎回拝借させてもらい、「大げさ表現」による爆笑を100%の確率で誘発しています。
 なお「社会再生学会のブログ」へは、左欄のリンク集からすぐに移っていただくことができます。私も含め、社会再生学会で活発に活動しているメンバーの意見交換や近況報告の場となっていますので、いつもこの「日記」へ訪問してくださっている方には、合わせてお目通しいただけましたらありがたいです。
 

社会再生学会第12回研究会を行いました (2)

 堤さんのもうひとつの話題提供のテーマは、「“後近代”の持続可能な社会を構築できるかが問われている〜日本」でした。こちらのご報告は、100年程度の長期的視点から、日本社会の大胆なモデルチェンジが必要という内容でした。その前提として、政府は何よりも財政健全化、超高齢化社会の解消、福島第一原発の事故処理に全力を注ぐべきことや、現状の化石燃料依存型から自然エネルギー中心型経済への転換を急ぐべきことを述べられました。
 さらにこのところ国際社会において日本の存在感が小さくなってきているけれども、将来輝きを取り戻せるよう努めなければならないと主張されました。「存在感」を何で示すかは難しい問題ですが、私はマイケル・ポーターの学説が思い浮かびました。彼は国の競争力を企業活動・戦略、ビジネス環境、需要者と供給者の質などにまつわる種々の指標で評価し、(古い資料しか持ち合わせていなく申し訳ありませんが)2005年における日本の順位は世界第8位になっています。(マイケル・ポーター『国の競争力』ファーストプレス,2006年をご参照ください。)ここから一層順位を上げるにはどのような取組が必要か、私たちの学会でも追求したいところです。
 堤さんの後の第2報告は、学生会員の山本幸和君がしてくれました。6月1日の会合に出席できなかったため、今日から学会デビューです。山本君は「無制限一本勝負」の特別勉強会に参加している熱心な学生です。一時理系を目指した時期もありましたが、色々考えた結果、経済学部を選んだそうです。もともと数学と歴史が好きだったところに、経済の知識も加わり、充実した大学生活を送っています。言うまでもなく私は経済史を究めてもらいたのですが、様々な可能性の中から、自分に最も適したテーマを見つけ、経済学部での学びを深めてほしいと願っています。

社会再生学会第12回研究会を行いました (1)

 本日、社会再生学会第12回研究会を行いました。2012年7月8日のスタートから早くも3年目の活動を始めることになりました。これまでほぼ2ヶ月に1回のペースで研究会を継続できたのは、会員のみなさんのねばり強いご協力のおかげで、大変嬉しく思っております。
 今日の研究会の第一報告者は堤正克さん、「超高齢社会の人口減対策を探る」、「“後近代”の持続可能な社会を構築できるかが問われている〜日本」の2テーマで話題提供してくださいました。まず人口減対策に関しては、出生率を引き上げるため、若者が働きやすい環境を作ること、定年制の廃止、外国人労働者の受け入れ増加といった方策を訴えられました。
 参加者の多くは、若者の雇用環境の不安定さが彼らに結婚を躊躇させ、少子化につながっている点を最も深刻に受け止めているように感じられました。ついこの間まで、長期化するデフレの中で、企業はこぞって正社員のウエイトを下げ、若いアルバイトやパートを増やしてゆきました。その際経営者たちは、立場の弱い彼らに過酷な時間外労働を強制し、賃金の不払いなども平気で行ってきました。一方景気低迷の中で、アルバイトやパートの従業員たちは、他の働き口を見つけることができず、理不尽な雇用に耐えてきたのだと思います。このところ大きく報道されている「すき家」問題の表面化は、景気に少し明るい兆しが見えて人手不足が起こり、辞めても別の就職先があるのを見極めた弱い立場の人たちによる反乱と考えられます。
 話が雇用問題にそれてしまいましたが、最も有効な少子化対策は、非正規雇用の正規雇用への切り替え、賃金アップなど、若者の労働条件を改善することだと思いました。
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