今回食改革プロジェクトが採択されたのは、とても喜ばしいことですが、聖和大学人文学部の学生主体のチームが結成されたことにさらなる意味を感じています。聖和大学人文学部はすでに学生の募集を停止しており、企画メンバーは最後から2番目の卒業生になります。現在の2回生が卒業してしまうと、聖和大学人文学部はなくなってしまうのはとても残念です。しかし私は、素晴らしい聖和の校風や聖和精神は永遠に引き継いでゆかなければいけないと、いつも強く感じていました。その思いを企画メンバーたちに託したのがこの企画です。聖和大学人文学部の「有終の美」を飾るとともに、関学と聖和の長所を融合させた新しい提案を行い、学内はもとより広く社会に発信してゆくことを目指します。
 やや前置きが長くなりましたが、6月以降の経過を述べます。まずはじまりは、私が「政治・経済と文化」の講義で、食に関する2つの新聞記事を配付したことです。2つの記事というのは、「大学食育始めました」(『日本経済新聞』2009年1月19日)と京都大学の伏木亨先生のエッセイ「食は社会の縮図」(『日本経済新聞夕刊』2009年12月11日)で、関学の総合コースでも扱ったものです。それを読んで受講生たちは大学生の食生活はかなり偏っていることを認識するとともに、「食は世代を超えて人間関係を紡ぐ」とおっしゃる伏木先生のお考えに深い感銘を受けたようです。ちょうどそのタイミングで、学生企画の募集が始まりました。私は「食」をテーマに何か大きなプロジェクトをやってみようかと受講生たちに提案しました。
 受講生たちは日々の食生活を深く顧みました。現在私たちは、技術と経済の発展により、大変豊かな生活を送ることができるようになっています。手軽な加工食品が開発され、コンビニ、ファミリーレストランの発達により、いつでもどこでも簡単に食事をとることができます。しかしその一方で、栄養バランスの崩れ、不規則な食事、孤食、食料自給率の低下、安全性への不安、伝統的食文化の衰退など、様々な問題が生じていることも事実です。
 数日後、一見豊かに思われる「日本の食」の中に潜む多くの問題点を洗い出し、これをたくさんの人たちに知ってもらい、聖和大学と関西学院大学から改善の方策を発信してゆこうという大まかな方針が出来上がりました。

2009学生提案企画