北朝鮮の脅威が高まっています。いつ核実験や弾道ミサイル発射を行うかわからず、大変心配な毎日が続いています。この問題に日米はどう対応しようとしているのか、18日に行われた安倍晋三首相とペンス米副大統領との会談から読み取ることができます。両首脳の一致した認識は、北朝鮮は新たな段階の脅威」であり、圧力を強めて対応する必要があるというものです。ペンス氏はさらに、日本など同盟国との連携に加え、北朝鮮に影響力を持つ中国と共に外交と経済の両面で北朝鮮に圧力をかける姿勢を強調しています。
 一方安倍首相の考え方は、平和的解決を望むが、対話のための対話になっては意味がなく、圧力をかけることも必要というものです。軍事行動の可能性も排除しないというトランプ政権を支持しています。
 トランプ大統領はオバマ前政権が採った「戦略的忍耐」の政策を踏襲せず、「平和は力によってのみ初めて達成される」という考え方を持っています。なぜそのような強硬な姿勢をとるかというと、6者協議などの対話路線で北朝鮮の挑発行為を止められなかったからです。そして「すべての選択肢はテーブルの上にある」と、軍事力行使も辞さない強い態度を示しています。
 ところ先般、アメリカ軍はシリアのアサド政権の空軍施設やアフガニスタンにある過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点を攻撃しています。より直接的には、原子力空母カールビンソンを朝鮮半島近海に派遣しました。こうした軍事力の誇示も、北朝鮮に暴挙を思いとどまらさせる狙いがあります。そして訪日の前に立ち寄った韓国においてペンス副大統領は、「北朝鮮はこの地域の米軍の力を試すようなことはしない方がよい」と警告しています。
 以上のようにトランプ大統領は軍事行動をほのめかし、北朝鮮をおさえこもうとしていますが、北朝鮮に強い影響力を持つ中国の役割も重視しています。すなわち中国が北朝鮮に対し、援助や取引を行わないように働きかけているのです。そして北朝鮮との取引をやめない中国企業に対しては、アメリカとの取引をできなくする措置も検討中です。
 しかし中国はどこまでそうしたアメリカの要請に応じるかは不透明です。習近平主席は対話と協議による解決を主張しています。
 それにしても挑発を続ける北朝鮮の本音はどこにあるのでしょうか。核戦争も恐れないと強硬な発言を繰り返していますが、体制維持のために何をしてくるかわかりません。反面、アメリカの本格的な攻撃を受ければ、壊滅的な打撃を受けることはわかっているはずです。対話のタイミングをさがしているよう気もします。
 結局国際社会、とくに中国がより強力な経済制裁=経済的圧力をかけ、ます北朝鮮を協議の場につかせることが重要です。(ただしトランプ大統領の手法で、軍事的圧力を高めるのは、偶発的衝突につながる可能性があり、危険だと思います。)そして「対話」を始め、核やミサイル開発を諦めるよう粘り強く説得する以外ありません。