アジア歴訪中のトランプ米大統領は11月8日、ソウルの韓国国会において北朝鮮問題に関する演説を行いましたた。北朝鮮が核とミサイルの開発を続けることは絶対に容認できないとし、「アメリカを過小評価するな。我々に挑んではならない」と、強く警告を発しました。また北朝鮮がアメリカ本土を直接攻撃できる核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めるのは世界全体の脅威だと指摘し、その脅威に立ち向かうことは国際社会の責務であることを強調しました。そして北朝鮮が核兵器を放棄しないかぎり、経済、外交、軍事力を駆使し、圧力を加え続ける姿勢を示しました。
 トランプ大統領はアメリカは北朝鮮に対し、これまで何度も核兵器を放棄するよう求めてきたにもかかわらず、ことごとく裏切られてきたとも述べています。そして「北朝鮮は過去のアメリカの抑制を弱さだと理解している。しかし、それは致命的な間違いだ」と語り、アメリカに挑むのは過ちだとというメッセージを発信しました。
 トランプ大統領は北朝鮮と国境を接し、経済的にも強い影響力を持つ中国とロシアを名指した上で、北朝鮮に対する経済的、財政的な様々な支援をやめるよう訴えています。
 朝鮮半島近海に空母3隻を配備し、軍事力を全面に出して北朝鮮を威嚇する一方で、完全かつ検証可能な形で核開発を断念すれば未来への道は開かれているとも語っています。
 以上のトランプ大統領の演説に対し、北朝鮮はどのような反応を示しているのでしょうか。相変わらず強硬姿勢を崩していません。かねてから指摘されているように、北朝鮮の最大の目標は体制の維持です。最近ではとくにアメリカが朝鮮半島近海で空母による軍事演習を行っていることに危機感を示し、自主と正義のために核開発を継続し、アメリカとの力の均衡をとるということです。
 とはいえ、アメリカを本気で怒らせ、激しい攻撃を受ければ、体制維持どころではないことは金正恩委員長もよくわかっているはずです。当面は攻撃されない程度に、ギリギリのところで挑発を続けるものと思われます。