ブログをご覧のみなさん、いよいよ平成30年がスタートしました。早速研究室のカレンダーを掛け替え、気分を一新しました。
 振り返ってみろと、私が学部を卒業して大学院に入学したのは、平成2年(1990年)のことです。平成と同じ年数の30年間、研究生活を続けてきたことになります。時間ばかりが徒に経過し、さしたる成果を残せなかったことに忸怩たる思いです。せめて最終年くらいは、後悔のないよう過ごしたいものです。
 今年は新しいことに着手するよりは、30年間の研究生活を顧みて、不十分だったところを補強する年にしたいと考えています。最初に日本経済史ですが、これまで経済面、特に景気循環を軸に戦前期日本の歩みをたどってきました。しかし政治・国際関係・世相といった側面はまだまだ分析が必要です。総理大臣の移り変わりを中心に、あらためて明治維新以降、第二次世界大戦までを整理したいと思います。
 次に経済史は、経済史Bの講義を担当したおかげで、覇権国の推移、とりわけパックス・ブリターニカとパックス・アメリカーナの構造に強い関心がわきました。こうしたテーマを扱うには、経済力はもちろん、貿易、通貨体制、軍事力、国際関係など、幅広い観点が求められます。すなわち日本史を顕微鏡で追跡すると考えると、覇権国の推移は望遠鏡を使わなければよく見えません。今はまだ不慣れですが、望遠鏡がもっと上手に使えるよう、関連文献を当たりたいと思います。
 ライフワークである喫茶文化史研究は最近滞っており、遅れを挽回したいところです、平安時代における伝来から幕末までの喫茶文化史は、2000(平成12)年頃から茶業界や市民大学で何度も講演の機会をいただきました。そのおかげで、茶道や煎茶道の大まかな歴史、発展に貢献した人物の概略は把握しています。しかし両者は日本文化の象徴だけに奥が深く、図録などを読んでいると、次々に新しい発見があります。いくら時間があってもキリがありませんが、できるだけ多くのエピソードを盛り込んで原稿を書きたいと思います。またフィールドワークでは、佐賀県茶業史の研究に力を入れたいと考えています。
 最後に平成史のとりまとめも今年の目標にします。1998(平成10)年以降、毎年尼崎市などの市民大学で直近の政治・経済動向についてお話しする機会をいただいてきました。うまく原稿が書けず、講演日直前まで徹夜の連続で苦しい思いをしましたが、日々の新聞記事を念入りに読む習慣がつきました。毎回の講演記録(配付資料)を読み返してみると、その年、その年に何が起こり、どのような影響が生じたか、鮮明に浮かび上がってきました。多少の加筆修正は必要ですが、市民講座の原稿を繋ぎ合わせると、平成史ができそうです。平成最後の年に、平成とはどのような時代であったかを総括しておくことは極めて時宜にかなったテーマです。この作業はゼミ(研究演習)の学生と一緒に進めてゆきたいと考えています。
 今年は概ね上記のようなことに取り組んでゆきたいと思います。完成度の低い研究にもかかわらず、真剣にお聞きくださる聴衆(学生や市民講座の参加者)の存在が、私の研究生活の原動力になっています。本年もどうぞよろしくご支援くださいますようお願いいたします。