23日(水)から秋学期がスタートします。コロナはまだ終息の兆しは見られませんが、政府は様々な経済活動の緩和を推し進め、街に賑わいが戻りつつあります。大学はクラスター発生の懸念から、相変わらず慎重姿勢が続いていますが、少人数クラスの授業は、教室での実施が認められるようになりました。好ましいことです。私の担当科目についても、ゼミと大学院の授業は通常形態に戻します。対面授業のメリットは、学生とのやりとりを通じ、理解度を確認しながら進めてゆけることです。春学期はキャンパスの全面閉鎖が続き、、精神衛生的にも大きなダメージを受けました。感染するかも知れないという不安と恐怖、学生との交流ができないことによる孤独に、どれだけ苦しんできたことでしょう。秋学期を迎え、不完全ながらも教室で授業が再開され、学生と話しができるようになったことを喜びたいと思います。
 昨日の続きを述べます。民主党政権が公約どおりの政策が実行できないことがわかってくると、国民は再び自民党が政権を担うべきだと考えるようになりました。何といっても戦後日本を与党として支えてきたのは自民党であり、政権交代に期待したものの、経験不足の民主党に国政を任せておくわけにはゆかないと感じるようになりました。こうした中、2012(平成24)年12月16日に行われた衆議院議員選挙で民主党は惨敗し、自民党が政権奪還を果たします。そして同年12月26日より、第2次安倍晋三内閣が発足したのです。第2次安倍晋三内閣に関しては詳細な検証と評価が必要ですが、先般2020(令和2)年9月16日まで2,822日続きました。第1次政権を含む通算の在任日数では3,188日となり、いずれも憲政史上最長となりました。持病悪化による8月末の突然の辞意表明には驚きましたが、新しく発足した菅義偉内閣のもとで、日本はどのような方向に進むのでしょうか。
 以上が私の講義受講生の同時代史です。同じように1世代遡り、ご両親が生まれた高度成長期(1950年代半ば〜1970年頃)はどのような時代だったのでしょうか。さらにもう1世代バックして、みなさんのご両親を育てた祖父母が生まれた戦後間もなくの時期の日本経済はどういった状況だったのかも興味深いところです。
 1945(昭和20)年の終戦から今年2020(令和2)年で75年の年月が経過しました。私の講義の受講生には、今後50年間、社会の中心メンバーとして活躍してもらわないといけません。その際道標となるのは、自身、ご両親、祖父母の3世代が経験してきた歴史=戦後史からの教訓ではないかと思います。名医の条件は、数多くの症例を経験していることです。これを経済の研究者に当てはめると、戦後史を丁寧に検証し、教訓を導きつつ、経済・社会の望ましい姿を描くことではないでしょうか。戦後史を扱う現代日本経済史の講義は、このような目標のもとに進めてゆきたいと考えています。