寺本益英の日記

 関西学院大学で日本経済史を担当する寺本益英の身辺雑記です。経済、歴史、お茶、フードシステムの話題を中心に、思い立ったことを綴ります。受講生の質問にも答えます。

講演・学会報告・シンポジウム・メディアへの出演予告

2017年度 尼崎市公民館市民大学のお知らせ

 今年度も尼崎市の3つの公民館において、4テーマで市民講座を実施します。8月、9月の夏休み期間中に3つの講演がありますので、定期試験の採点が終わり次第、早速資料作成にかからねばなりません。
 第1回目は8月24日、武庫公民館においてトランプ政権についてお話しします。1月20日、アメリカの第45代大統領に、共和党のドナルド・トランプ氏が就任しました。選挙キャンペーンのときから既成政治の打破を訴え、雇用創出、減税、大規模なインフラ投資など、様々な新規政策を打ち出して、アメリカ再建、アメリカ第一主義実現に強い決意を示しています。トランプ大統領の経済・外交政策を検証し、日米関係のあり方を考えたいと思います。
 園田公民館では、今年も2度機会をいただきました。8月29日は、市民大学では珍しいのですが、日本近代史を取り上げます。端的にいうと関学で1年かけて講義している日本経済史のダイジェスト版のお話しです。明治・大正・昭和戦前期の歩みを振り返り、経済面では成功したけれども、民主主義定着には失敗し、悲惨な戦争を招いてしまったことを述べるつもりです。
 さらに9月12日は、アジア、ヨーロッパ、アメリカの政治・経済動向を分析しながら、日本の経済政策と外交政策はどうあるべきかを考えます。中でもトランプ大統領は、強烈な個性を持ち、アメリカ第一主義の政策を次々と打ち出しています。しかしそれは、成果よりも混乱のほうが目立っているのではないでしょうか。アメリカは戦後一貫して国際秩序を安定させる役割を担ってきましたが、トランプ政権においてそれを期待するのは難しそうです。国際社会で日本がどういった貢献ができるのかも、合わせて検討します。
 少し間隔があきますが、年末12月7日は大庄公民館です。このところ年末には必ず大庄公民館にお招きいただき、その年の大きな政治・経済ニュースを振り返り、来年の動向を展望するというテーマでお話しさせていただいています。これまでの経験からいうと、1年365日のうちにビッグニュースのない年はありません。日ごろからしっかり新聞記事を収集しておきたいと思います。。

2017年8月24日(木)
尼崎市立武庫公民館市民大学講座 「トランプ大統領誕生の衝撃 どう変わる?今後の日米関係」
2017年8月29日(火)
尼崎市立園田公民館市民大学講座 「近代日本の歩み 〜豊かさ・幸福の視点からの再検討〜」
2017年9月12日(火)(公開講座(選挙・政治講座)
尼崎市立園田公民館市民大学講座 「不透明さを増す国際情勢と我が国の政治・経済動向 〜トランプ大統領の政策と日本の政治・経済・外交〜」
2017年12月7日(木)(公開講座(選挙・政治講座)
尼崎市立大庄公民館市民大学講座 「2018年 日本経済の展望」


※ 9月12日と12月7日は公開講座ですから、どなたでも聴講していただけます。

武庫市民大学案内
園田市民大学案内
大庄市民大学案内

2016年度 尼崎市公民館 市民大学のお知らせ

 今年度も尼崎市の3つの公民館において、4テーマで市民講座を実施します。
 まず8月25日は、武庫公民館です。「戦後70 年を経た今、日本のこれからを考える」という共通テーマのもと、私はバブル経済の発生と崩壊についてお話しします。振り返ってみると、バブル経済は私が学部生だった時期(1980年代後半)とぴったり重なります。学部卒業とともにバブルは崩壊し、大学院生を経て教員になってしばらくの間、経済は長期にわたり低迷しました。なぜバブルが発生し、どのようなメカニズムで崩壊したかは、私が経済の勉強を始めた当初から強く意識していた課題で、色々な文献も読んできました。その成果を、みなさんにできるだけわかりやすくお話しするつもりです。
 園田公民館では、毎年2度も機会を与えていただいています。1回目(8月30日)は、黒田・日銀総裁のの金融政策を検証します。とりわけ、2016年1月29日開催の金融政策決定会合において導入が決まったマイナス金利は、経済に強烈なインパクトを与えました。何といっても、「お金を預けると手数料を取られる」というこれまで我々が経験したことのない世界が出現したのです。マイナス金利導入が経済活性化、デフレ脱却につながるのか、世界経済の動向、特に原油価格の激動にも留意しながら考えます。
 2回目(9月13日)は、経済・社会の幸福の条件について検討します。従来の経済政策は、只管GDPの量的拡大を求めてきました。その結果我々は確かに物質的に豊かになりましたが、それに比例して幸福度も高まったとはいえません。幸福度を決める要因は、GDPとは別に存在しそうです。そしてそもそも日本のような成熟国において、GDPの量的拡大を目指すことが妥当かどうかも考察したいと思います。
 最後は12月16日大庄公民館です。ここ数年大庄公民館では、その年の政治・経済を総括し、来年の動向を展望するというテーマでお話しさせていただいています。今年はどんなビッグニュースが飛び出すでしょうか。日頃の新聞記事チェックが欠かせません。

2016年8月25日(木)
尼崎市立武庫公民館市民大学講座 「豊かさを求めて バブルとその崩壊 「失われた20 年」何が起きていたのか?」
2016年8月30日(火)
尼崎市立園田公民館市民大学講座 「世界経済の動向と黒田・日銀の金融政策 〜マイナス金利導入の衝撃〜」
2016年9月13日(火)(公開講座(選挙・政治講座)
尼崎市立園田公民館市民大学講座 「経済・社会の幸福の条件について考える 〜GDP至上主義の再検討〜」
2016年12月16日(金)(公開講座(選挙・政治講座)
尼崎市立大庄公民館市民大学講座 「2017年 日本経済の展望」


※ 9月13日と12月16日は公開講座ですから、どなたでも聴講していただけます。

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明和病院レストラン「無糖派ダイニング ひさ家」 第1回 いきいき・ワクワク雑学講座のご案内

 2月21日の記事で少し述べましたように、政治・経済と文化研究会会員の西村正美さんのご厚意と、ニチレクの田渕和彦社長、明和病院院長・理事長の山中若樹先生のご尽力で、3年ほど前、明和病院に素敵なレストランを開設していただきました。「無糖派ダイニング」というユニークなネーミングからも窺えるように、おいしさだけではなく、健康に配慮したメニューを提供するのが、一般のレストランにはない魅力です。とりわけ週替わりの「低糖質セット」は、食材、調味料に細心の注意を払ってカロリー上昇を抑え、味の面でも妥協を許さない人気メニューです。病院を訪ねる人は、一般的に健康に特別気を遣っていると思われます。診察に来た人、お見舞いや付き添いの人、それに病院の医師や職員に好評です。
 さて私と西村さんがお会いする際、いつも話題にしていたのがレストランの一段の有効活用です。レストランですから、もちろん食事ができるという機能は最も重要ですが、さらに欲張って、病院関係者相互ののコミュニケーションを深める場としても活用できないか、方策を検討してきました。つまり、健康的なメニューを楽しみながら、交際の輪を広げ、会話をエンジョイする機能です。病気で落ち込んでいる人や、ひとり暮らしの老人も、ここで親しくなった知り合いと話しているうちに気がまぎれ、少しは回復が早まるのではないでしょうか。病気の治療には、医学的な処置とともに、精神面でのサポートが重要です。
 以上の目的を実現するため、今春よりレストランで「いきいき・ワクワク雑学講座」を開講することになりました。その画期的な取組のトップバッターを、私が務めさせていただくはこびとなりました。色々考えましたが、まずは長年研究してきたお茶の話をいたします。なお今後年5〜6回の開催を目標に、セミナーを開催します。様々な分野の講師が様々なテーマで話題提供し、その後、ディスカッションをするというスタイルをとります。政治・経済と文化研究会と同じ雰囲気で進めてゆければと考えています。ブログをご覧のみなさんのご協力をお願いいたします。

第1回 「いきいき・ワクワク雑学講座」のご案内

● 講師:寺本益英(関西学院大学経済学部教授 )
● 日時:2016年 3月26日(土) 13:30〜15:30
● テーマ:日本人の心と緑茶文化
● 主催:ニチレク
● 会場:明和病院5F レストラン「無糖派ダイニング ひさ家」 Tel:0798-41-6882
● 会費
 低糖質セット+食後ドリンク+講演 2,000円 ← 該当者は12:30〜13:30 に食事をしてください。
 食後ドリンク+講演 1,200円
● お申し込み・お問い合わせ ← どなたでもご参加いただけます。(要事前申し込み)
「無糖派ダイニング ひさ家」


無糖派ダイニング ひさ家

西宮市明るい選挙推進協議会(明推協)講演会(今津公民館)のご案内

 12月18日(金)午後1時30分より、西宮市立今津公民館において、西宮市明るい選挙推進協議会(明推協)主催の講演会でお話しします。テーマは、「短期と中長期の視点で考える経済政策の課題」です。
 経済政策には、2〜3年の短期的視点で考えるべきものと、変化があらわれるのに10年、20年とかかり、長期的視点で見ていかなければならないものがあります。
 今から3年前の2012年12月に成立した安倍政権が打ち出した金融緩和政策と財政支出拡大政策は、短期的効果を狙ったものです。
 しかし両者はあくまでも応急処置的なもので、日本経済を根本から立て直すには、より長期の視点で、財政健全化促進、少子化対策、地域活性化策など展開しなければいけません。
 このように経済政策を考える場合、短期と長期の時間軸を用意し、優先順位や効果を慎重に考える必要があります。今回の講演では、日本経済が抱える重要課題を意識しながら、解決策として考えられる短期的、長期的政策について検討します。
 2015年最後の講演で、どなたでもご参加いただけます。是非今津公民館まで足をお運びくださいますようお願いいたします。

西宮市明るい選挙推進協議会(明推協)講演会(今津公民館)のご案内pdf

宇治市歴史資料館 特別展『宇治茶−トップブランドの成立と展開−』と記念講演会のご案内

 宇治市歴史資料館において、10月3日(土)〜平成27年11月22日(日)の間、特別展『宇治茶−トップブランドの成立と展開−』が開催されています。江戸時代から明治・大正・昭和に至るまでの宇治茶業界の移り変わりを、そのとき、そのときに貴重な史料を見ながら学ぶことができます。展示史料の解説が明快で、立派な図録も準備されています。ご都合のつく方は、是非足をお運びください。
 さて私は10月28日(水)午後2時より歴史資料館と同じ建物にある中央公民館・展示集会室で開催される特別展記念講演会において、「日本茶800年のあゆみ −宇治茶ブランドの確立・展開・未来展望−」というテーマでお話しさせていただきます。宇治茶800年の歴史を90分でとりまとめるのは至難の業で、私のような能力のない者には、はじめから務まる仕事ではありません。しかし歴史資料館の担当者のご厚意で、せっかく機会を授けていただきましたので、全力を尽くしたいと思っています。
 当日は概ね下記の組み立てでお話しする予定です。

はじめに
1.宇治茶の誕生まで
2.趣味的喫茶法の流行と宇治茶ブランドの成立
3.侘び茶の成立と発展 −村田珠光・武野紹鷗・千利休の時代−
4.徳川時代の宇治茶業
5.近世後半におけるイノベーション
6.近代の日本茶業と宇治
7.宇治茶の未来と消費拡大のための方策
おわりに


 ほぼ100%の確率で、お聞き苦しい話になりそうで申し訳ありませんが、宇治茶ファンとしての思いを少しでもみなさんにお伝えできればと思います。 多くの方のご参加をお待ちしております。

宇治市歴史資料館・特別展『宇治茶−トップブランドの成立と展開−』と記念講演会のご案内

宇治市歴史資料館・特別展『宇治茶−トップブランドの成立と展開−』と記念講演会のご案内・pdf版

宇治市歴史資料館・特別展『宇治茶−トップブランドの成立と展開−』と記念講演会のご案内(『洛南タイムス』)

伊丹市立中央公民館での市民講座のお知らせ

 9月になり、一時に比べるとずいぶん気温が下がり、過ごしやすくなりました。しかし天気が不安定で、少し晴れ間が見えたかと思えば、一気に暗くなって激しい雨が降り出し、安心して外出することができません。今夏は講演準備で忙しく、展覧会などをみにゆく余裕もなさそうです。
 さて来たる9月25日と10月2日(いずれも金曜日)2回にわたり、伊丹市立中央公民館、「安倍政権の検証〜今とこれから〜」というテーマで講演させていただきます。伊丹市の公民館は初デビューとなり、いささか緊張していますが、がんばって努めたいと思っております。
 講演の第1回目は経済に焦点を当て、アベノミクスを取り上げます。アベノミクスは果たして今後、うまくゆくのでしょうか。私はいくつかの不安を感じています。まず第一の矢である異次元緩和ですが、最近効果が薄れているように感じます。中国経済の減速懸念が高まり、日経平均株価が1日に500円以上下がる日が何日も見受けられるようになりました。為替相場も1ドル=120円のラインを越えて、円高に向かいつつあります。「株高・円安」を命綱としてきた安倍政権にとっては、大きな誤算に違いありません。株価は内閣支持率とも連動していますので、株価の下落は、安倍政権の基盤を揺るがしかねません。
 第二の矢である機動的な財政政策も、建設現場の人手不足で限界に達しています。景気刺激のためこれ以上公共事業を増やしても、供給制約のため消化しきれません。
 さらに8月17日に発表された4−6月期のGDP速報によると、企業業績が好調であるのに、GDPがマイナス成長を記録しました。これは日本企業が海外でよく稼いでも、現地で再投資してしまうため、日本国内の投資や賃金の増加につながっていないことを意味します。このような構造を放任しておくのは望ましくありません。これまでアベノミクスは円安・株高に支えられ、うまくいってきたように見えますが、そろそろ曲がり角にさしかかってきたことを述べます。
 第2回目は、外交・安全保障政策を検討します。野党は激しく抵抗していますが、今国会最大の焦点である安全保障関連法が、近々成立する見込みです。何といっても、これまで認めてこなかった集団的自衛権の行使が可能となり、自衛隊の任務も飛躍的に広がることになります。戦後70年の節目の年に、日本の安保政策は、大転換点を迎えることになります。これまでと何がどう変わるのか、しっかり検討してみたいと思っています。
 ご都合のつく方は、ご出席いただけましたらありがた存じます。

伊丹市立中央公民館・市民講座案内・PDF版

2015年後半の講演予定

 関学のキャンパスではセミが鳴き始めました。気温もどんどん上がり、盛夏到来という感じです。7月は学生にとっては定期試験が気になるシーズン、一方教員も大量の答案を採点して成績評価を行わなければならず、研究室から一歩も動けない苦しい生活を余儀なくされます。
 さて夏休みから秋学期にかけて、私はたくさんの講演予定が入っています。もっと分散したかったのですが、春学期の担当科目の休講をさけたかったので、かなりの数を夏休みに固めてしまいました。なお春学期の5時間目に開講していた「経済の歴史と思想」が秋学期にはなくなりますので、金・土・日と研究に専念できるのがありがたいです。長年の関学生活において、滅多にないラッキーな時間割です。
 8月以降の講演予定は下記のとおりです。余裕をもって資料が作成できるか、不安です。もしできなかったら、直前の1週間ほど「徹夜もどき」が続き、ふらふらになってしまいますので、早いめに準備を始めたいと思いました。今日の記事はその決意表明も込めて書きました。

【2015年後半の講演予定】

2015年8月25日 
尼崎市立園田公民館市民大学講座 「戦後日本の軌跡 〜 平和主義・経済発展・国際貢献を中心に 〜」
2015年8月27日
尼崎市立武庫公民館市民大学講座 「東アジアにおける日本外交の行方」
2015年9月2日 
尼崎市立小田公民館市民大学講座 「戦後70年 過去の総括と将来展望」
2015年9月8日
尼崎市立園田公民館市民大学講座◆ 岼打楡権の重要課題 〜デフレ脱却・地方創生・安全保障法制をめぐって〜」
2015年9月25日 
伊丹市立中央公民館市民大学講座 「安倍政権の検証 〜今とこれから〜 ^打楡権の経済・財政政策 ― 評価と展望 ―」
2015年10月2日
伊丹市立中央公民館市民大学講座 「安倍政権の検証 〜今とこれから〜◆〃稙阿垢觜餾歉霎と安倍政権の外交・安全保障政策をめぐって」
2015年10月9日
神戸市立神港高校市民専門講師(ビジネス経済応用) 「グローバル経済の進展と日本経済の今後」
2015年10月28日 
宇治市歴史資料館特別記念講演 「日本茶800年のあゆみ− 宇治茶ブランドの確立・展開・未来展望 −」← 確定しました
2015年12月4日
尼崎市立大庄公民館市民大学講座 「2016年 日本経済の展望」

2015年12月18日
西宮市明るい選挙推進協議会(明推協)主催講演会(西宮市立今津公民館) 「短期と中長期の視点で考える経済政策の課題」



西宮市明るい選挙推進協議会(明推協)講演会(鳴尾公民館)のご案内

 11月19日(水)午後1時30分より、西宮市立鳴尾公民館において、西宮市明るい選挙推進協議会(明推協)主催の講演会でお話しします。テーマは、「景気の現状とアベノミクスの今後」です。

西宮市明るい選挙推進協議会(明推協)講演会(鳴尾公民館)のご案内

堂松北地域ブロック研修会のお知らせ

 9月14日(金)の午後7時より、尼崎市のJR立花駅近くにある水堂総合センターにおいて、「お茶の心と人権思想 −豊かで幸福な生き方を求めて−」というテーマで講演します。詳細はチラシのとおりです。ご都合のつく方は参加してください。
 私は日ごろから人権問題を研究していませんので、お引き受けできるかどうか躊躇したのですが、2006年に尼崎市立城北公民館の人権推進講座で「茶文化にみる人権意識の変化」、「日本の食生活の変遷と家庭の崩壊」と題して2度お話しさせていただいたことがあります。主催者はこの記録をみて、講演を依頼してくださったようです。
 人権とは、人間の生まれながらに持っている権利だと思いますが、幅広く解釈すると、豊かに幸福に生きる権利と言ってよいと思います。茶道文化の中には、日本人特有の美意識、わび・さびの精神、相手を尊敬する気持ちや茶室における平等の思想などが凝縮され、人間らしく生きる上でのヒントがたくさん含まれています。
 また、江戸時代後期に活躍した煎茶文化の担い手たちが求めたのは、世俗を離れ、身を清貧に保ち、文雅を友とする生き方でした。彼らの生き方にも、私は何度も大きく心を動かされました。
 主催者のご期待にどこまで応えられるかわかりませんが、前回の人権講演会から6年半が経過しました。その間に少しは研究が前進しましたので、がんばって挑戦してみようと思います。

堂松北

東南アジア学会 2012年度春季大会のお知らせ

 6月2日(土)・3日(日)の2日間にわたり、京都文教大学において東南アジア学会 2012年度春季大会が開催されます。私は3日(日)の午後1時半より、宇治茶の魅力:おいしさと文化的価値の視点からというタイトルで報告します。(下記のリンク2つめをご参照ください。)
 私はこの学会のメンバーではありませんが、会場校が宇治市にある京都文教大学に決まり、それにふさわしい共通論題が「お茶する」人々の文化誌となりました。

東南アジア学会

東南アジア学会第87回研究大会プログラム

東南アジア学会 2012年度春季大会で報告します

 武庫川市民学会設立総会および研究発表会があさってに迫りました。今日は学会役員のみなさんが関学にみえ、会場の下見など最終点検を行いました。学会開催の記事は、昨日10日付の『読売新聞』(阪神版)にも掲載され、マスコミの注目度も高いようです。主催校として運営がきちんとできるか、それに自身の報告がうまくゆくか、気になることがいっぱいです。不完全ながら私の報告資料は印刷し終えました。観念し、目をつむって一気に本番を突破する覚悟です。
 武庫川市民学会の関門を乗り越えたあとは、6月3日(日)京都文教大学で開催される東南アジア学会2012年度春季大会での報告が待ち受けています。武庫川市民学会と同様、全く未知の学会に飛び込んで報告するので不安なのですが、いつもお世話になっている全茶連情報編集長の小林弘嗣さんが、主催校である京都文教大学の森正美先生に私がかねてから宇治茶の研究を行っていることをご紹介くださいました。そのおかげで、報告が実現したのです。学会員でもなく、学会の雰囲気や研究の手法を何も知らず乗り込むのはかなり気が引けたのですが、せっかくお2人から声をかけていただきましたので、恥をしのんで報告させていただくことにしました。ちなみに森先生のご専門は、法人類学でフィリピンでのフィールド調査を重ねていらっしゃるそうです。
 パネルの趣旨は、東南アジアのお茶文化の実態を明らかにすることで、現地でのフィールド調査を得意とされる先生方が報告されます。私は外国の状況をよく知りませんので、東南アジア諸国の飲料事情、喫茶事情がどうなっているか、報告をお聞きして色々学べればと思っています。同時に、東南アジア全体の中に日本茶(宇治茶)をどう位置付ければよいかも検討するつもりです。学会全体の報告要旨集は下記のリンクのとおりで、私の分はp.24に掲載されています。同じ文章を再掲しておきます。お読みいただけると幸甚です。

【寺本益英 「宇治茶の魅力:おいしさと文化的価値の視点から」 報告要旨】
 このところわが国の茶業と、平安時代以来連綿と継承されてきた喫茶文化が大きな曲がり角に直面している。緑茶市場は大幅な供給過剰に陥り、生産者は継続的な茶価低落に苦しんでいる。思ったように利益があがらないため後継者が育たず、担い手の高齢化も深刻である。
 一方需要サイドに目を向けると、食生活の洋風化・簡便化志向の高まり、多様な競合飲料の台頭などの影響で、リーフ緑茶離れに歯止めがかからない。
 歴史を振り返ると、茶はのどの渇きを潤す役割しか持たない単なる飲料ではないことに気づく。茶道と煎茶道は、日本を代表する芸術文化であり、茶の間における家族団欒のシンボルである生活文化としての茶は、コミュニケーションを深め、暮らしに潤いを与える役割を果たしてきた。茶のこうした飲料を超えた価値が、生活スタイルの激変によって失われつつあるのは残念であり、この傾向を何とか阻止しなければならない。
 さて上記のような茶に対する厳しい環境は、日本で最も古い歴史と伝統を持つ産地である京都(宇治)にも当てはまる。本報告では宇治茶業と、宇治茶と深く結びついた喫茶文化の展開過程をたどり、宇治茶の魅力について考えることにしたい。その際、茶の本質的価値であるおいしさと、文化的価値の両面に焦点を当てる。
 茶のおいしさは、自然条件(気温・土壌・降水量など)と茶園管理および製茶技術によって決まる。宇治の自然条件は茶栽培に好適であったし、覆下栽培による碾茶生産に力を入れてきたのも特徴である。煎茶・玉露の開発等、日本茶業史上特筆すべきイノベーションも生み出している。報告では、これら品質向上に貢献した様々な要因の整理を試みる。
 次に文化的価値は、権力者の保護を受けながら発展してきたという歴史的ストーリー性に見出すことができる。室町時代の足利氏、安土・桃山時代の織田信長・豊臣秀吉、そして江戸時代の徳川氏は宇治茶に特権を与え、庇護してきた。さしあたり、それぞれ時代の権力者と宇治茶とのかかわりを明らかにする。
 さらに日本の伝統文化の象徴である茶道と煎茶道の中心的舞台は京都であり、これを支えたのは宇治で生産された茶であったことにも注目する。茶道の場合、茶室・道具・点前・懐石・精神性など、様々な構成要素に磨きがかけられていったのは、主たる担い手たちが、京都で活躍していたからである。一方、世俗を離れ、身を清貧に保ち、文雅を友とする生き方を求めた煎茶道愛好者たちのサロンができたのもやはり京都であった。洗練された喫茶文化は、ユネスコ流にいう歴史上、芸術上、学術上顕著な普遍的価値を有する有形・無形文化の集積地京都でなければ発展しなかったであろう。
 本報告では以上のとおり宇治茶のおいしさの源泉をさぐり、京都で育まれた茶道・煎茶道の歴史をたどることによって、宇治茶業と喫茶文化振興の手がかりを示したい。

東南アジア学会第87回研究大会報告要旨集

第1回武庫川市民学会で報告します

 ゴールデンウイークの後半を迎えました。今年、連休がつぶれて手痛いのは、近々2つの学会で報告することになっているからです。まずひとつは、今月13日、関西学院大学で私が会場運営を引き受けて開催する第1回武庫川市民学会です。これまで武庫川について特に調べたこともなかったのですが、記念すべき第1回大会を関学で開いていただくことになりましたので、「市民参加型の「武庫川学」構築を目指して −新聞記事を参考に−」というテーマで報告することになりました。
 もうひとつは、6月3日、京都文教大学で行われる東南アジア学会において、「宇治茶の魅力 −おいしさと文化的価値の視点から−」と題して報告することになっています。
 学会にしても講演しても期日が迫ってくると色々考えることがあってどうも落ち着きません。今回の場合、武庫川市民学会が15分程度、東南アジア学会は25分程度と報告時間が短いのが悩みの種です。市民講座の2時間報告に慣れてしまっているため、どう濃縮しようかと苦労してきました。先日、書き換えに書き換えを繰り返した結果ようやく報告要旨がまとまり、期日ギリギリで事務局に提出しました。必死の思いでひとヤマ越えましたが、本番で無事報告し終えるまでは、プレッシャーと闘い続けなければなりません。
 今日はまず、武庫川市民学会についてふれたいと思います。ブログをご覧のみなさんは、武庫川はどんな川かご存じでしょうか。武庫川は兵庫県篠山市を源流に、宝塚、西宮などの住宅地を通って大阪湾に注ぐ県管理の二級河川です。本流は延長65.7kmで、流域圏に約100万人が暮らしています。この武庫川をめぐる様々な自然現象・社会現象について、市民の知恵を結集し、総合的に研究して提言を行ったり、実践活動を展開してゆくのがこの学会の目的です。
 私は関西学院大学入学以来25年以上西宮市で生活してきましたが、この学会の存在を知るまで武庫川に関し、ことさら意に介することはありませんでた。そこで私の報告では、最近20年ほどの新聞記事を「武庫川」をキーワードに検索し、どのような話題が取り上げられてきたか明らかにします。その後、「武庫川学」を構築する際の視角を提示してみたいと思っています。
 詳細は下記の案内をご参照ください。どなたでも参加していただけます。

第1回武庫川市民学会のご案内

尼崎市の4つの公民館で5講座担当します

 今日から5月です。今年度の講義担当は昨年度よりはるかに大変ですが、1ヶ月経過して何とか慣れてきた(というか観念した)感じです。ただ、 平日しか業務をしていない企業や役所へ調べに行くことは絶望的です。当面は、手持ちの文献や資料で研究を進めるほかありません。
 さて今年度も尼崎市の公民館でたくさん講演の機会をいただきました。以下のとおり、小田・武庫・園田・大庄の4公民館で、5テーマでお話しすることになっています。直前の徹夜はこりごりなので、早速日にちとタイトルだけ記入した報告資料のフォームだけは作ってしまいました。これから、10ページほどの本文を打ちこむ作業を始めます。各公民館の担当者の方は、TPP、日露戦争、食料・農業問題、日本の政治・経済、世界文化遺産と、関心のあるテーマばかりを選んで依頼してくださいました。主催者と受講生のみなさんのご期待にお応えできるよう、全力を尽くすつもりです。講座の詳細と参加申し込みは、下記のリンクをご参照ください。

2012年8月22日(水) 小田公民館
「あなたは賛成? 反対? もう待ったなし! よくわかるTPP参加問題

2012年9月27日(木) 武庫公民館
「戦争の経済学  − 戦争ほど儲かる商売は無い −」

2012年10月23日(火) 園田公民館
「飽食から食料危機へ 〜時代はどう応えるか〜」

2012年12月20日(木) 大庄公民館
「2013年 日本経済の展望」

2013年1月17日(木) 大庄公民館
「日本における近代、未来の世界文化遺産登録のゆくえは!」


小田公民館市民大学
武庫公民館市民大学
園田公民館市民大学
大庄公民館市民大学

尼崎市立大庄公民館 地域・現代学講座 「関西で生まれた喫茶文化 日本人の心に欠かせないお茶文化」のお知らせ

 2月23日(木)、尼崎市立大庄公民館主催の地域・現代学講座において、「関西で生まれた喫茶文化 日本人の心に欠かせないお茶文化」というテーマで講演いたします。詳細は下記の案内のとおりです。
 今回の講演は私の2011年度における最後の講演になります。サブタイトルに「日本人の心に欠かせないお茶文化」とあるように、当日は「お茶の心」に焦点を当ててお話しするつもりです。
 すなわち、栄西の時代の禅の精神、村田珠光、武野紹鷗、千利休と展開してきた茶道の精神性、そして、高遊外・売茶翁から出発し、上田秋成、田能村竹田らに受け継がれていった煎茶道の心です。これまでの研究の過程で強く心を動かされ、幾度となくバージョンアップしてきた(つもりの?)テーマを取り上げます。
 改めて述べるまでもありませんが、お茶はやはり単なる飲料ではなく、それを担ってきた茶人たちの奥深い「哲学」に感動を覚えます。そしてその精神性を吸収し、日々の生活の指針とすることで、私たちの心がどれだけ豊かになるかわかりません。
 「のどが渇いたときは水を、心が渇いたときはお茶を」の有名なキャッチフレーズの意味を、みなさんとともに考えたいと思います。本講座は、シリーズものではありませんので、どなたでもご参加いただけます。ご都合のつく方は、是非大庄公民館へご連絡くださいますようお願いいたします。

大庄公民館お茶チラシ

佐賀大学経済学会での講演のお知らせ

 1月17日(火)佐賀大学経済学部にお招きいただき、「佐賀県の茶業史と茶文化」というテーマで講演を行います。山本長次先生の経営史のご講義のゲスト・スピーカーでお話しさせていただきます。今年の初講演になりますが、大変緊張しています。
 2009(平成21)年の佐賀茶業の概況についてふれておくと、生産量は全国(8万6,000トン)中1,630トンで、シェア約1.8%です。静岡、鹿児島、三重、宮崎、京都、福岡、奈良に次いで全国第8位の産地です。
 一方栽培面積でみると、全国(4万7,300ha)中1,020haで、約2.2%の割合を占めています。静岡、鹿児島、三重、宮崎、熊本、福岡、京都、埼玉に次いで全国第9位です。
 生産されているお茶の種類に注目すると、蒸し製玉緑茶・77%、普通煎茶・22%、釜炒り製玉緑茶・1%といった状況です。室町時代前半まで遡り起源をさぐると、釜炒り製が嬉野茶の特徴ですが、500年あまりを経た現在では嗜好が一変したことに対応し、蒸し製が主流になっています。
 ただし、近畿・東海で一般的なのは針状の伸び煎茶であるのに対し、九州山間地では、勾玉状の玉緑茶が多く生産・飲用されています。「蒸し製玉緑茶」で差別化をはかり、勝負をかけることが嬉野茶業のPR戦略だろうと考えます。
 歴史的ストーリー性においても、十分消費者の関心を引きつけられます。臨済宗の開祖栄西(1141〜1215)は、1191(建久2)年、2度目の入宋を終えて長崎の平戸に帰り着きました。そのとき茶の苗木を持ち帰って平戸に茶園を開き、その後脊振山にも植栽したと言われています。、東脊振村・霊仙寺(りょうせんじ)を、茶栽培発祥の地としてもっともっとアピールすべきです。
 それからもうひとり忘れてはいけない人物が、宇治製法による煎茶の普及に大きな役割を果たした、売茶翁と呼ばれた柴山元昭こと高遊外(1675〜1763)です。彼は佐賀市蓮池町の出身で、33歳のとき長崎で中国人が茶を煮るのをみて、煎茶を修得したと言われています。私のまわりでは、千利休−茶道と結びつく人は多いのですが、売茶翁−煎茶道とイメージできる人は、まだまだ少数派です。売茶翁から出発する煎茶文化の展開、是非みなさんにお伝えしたいところです。

佐賀大学経済学会主催講演会のお知らせ

観光学・まちづくり研究センター主催講演会のお知らせ

 人間福祉学部の山泰幸先生がセンター長をなさっている観光学・まちづくり研究センター主催の講演会で報告の機会をいただきました。研究会は、12月20日(火)5限(16:50〜18:20)、G号館326号室で行われます。講演テーマは、「宇治茶のブランド力向上を目指す取組」です。
 山先生のゼミと私のゼミの共同開催になります。今年も残りわずかになりましたが、4月以降、私が一番精力を注いできた仕事は、「はなやか関西」と宇治茶の世界文化遺産登録を目指す取組において、お茶の魅力を再検討することです。「のどが渇いたときは水を、心が渇いたときはお茶を」と言われるのはなぜか。それはお茶が伝来から1200年の歴史の中で、文化性・精神性を育んできたからです。お茶には、のどの渇きを潤すことを超えたたくさんの魅力が備わっています。そうしたお茶の素晴らしさをお伝えし、みなさんの生活の中にお茶を取り入れていただきたいと願っています。
 どなたでも参加していただけます。年末の忙しい時期ですが、都合の着く方は、直接教室へお越しください。 

観光学・まちづくり研究センター主催講演会のお知らせ

関学食文化研究会主催 第3回 食文化フォーラムのご案内

 11月20日(日)、午後1時30分より関学食文化研究会主催 第3回 食文化フォーラムにおいて、「東日本大震災がフードシステムに与えた影響について」というテーマで講演します。詳細は下に掲載したチラシのとおりです。参加していただける方は、まとめて事務局へ連絡しますので、私のところにご一報ください。


食文化 チラシ

「はなやか関西〜文化首都年〜2011 『茶の文化』」フォーラム のお知らせ

 すでに予告しましたが、11月18日(金)「はなやか関西〜文化首都年〜2011」“茶の文化”総合イベント の一環として、大阪歴史博物館で行われる茶の文化フォーラムにパネリストとして参加します。詳細は下記のリンクをご参照ください。
 今年度私が一番エネルギーを注いでいるのは、「はなやか関西」関係のプロジェクトです。京都を中心に展開した喫茶文化に関する研究は、周辺文化をテーマとした優れた展覧会を鑑賞し、図録を熟読するうちに、理解が深まってきました。さらに関西各地には、喫茶文化と直結する見どころや美術館もがたくさんあり、方々へ出かけました。
 先月からは、「日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録可能性検討委員会調査研究部会」のメンバーの一員として、世界文化遺産の基準に照らし合わせて宇治茶の魅力を明らかにする取組を始めたことも、研究の前進につながりました。
 学会へ出かけると、時々報告者の自己満足としか思えないような報告に遭遇することがあります。その多くの特徴として、内容が細かすぎて、大きなストーリーが把握しづらいこと、誰に向かって発信したいのかわかりづらいことが挙げられます。「はなやか関西」と「宇治茶」のプロジェクトでは、そうならないよう注意を払いたいと考えています。すなわち、茶業関係者に対しては、茶業に生きがいを感じ、一層がんばらなければというメッセージを送り、一般市民に対しては喫茶文化の魅力を浸透させ、生活の中にお茶を取り入れ、お茶にゆかりの深い史跡や、美術館・博物館を頻繁に訪れるような動機付けとなることを目指しています。
 今回のパネルディスカッションでは、私がなぜお茶の世界に引き込まれていったのか、また関西の喫茶文化を一段と振興するためにどのような仕掛けづくりが求められるか、自身の体験もふまえながら、お話ししようと思います。11月18日(金)の午後からご都合のつく方は、是非ご参加ください。よろしくお願いいたします。

「はなやか関西〜文化首都年〜2011 『茶の文化』」フォーラム のお知らせ

目前の講演4つ 現在準備中です

 今日から7月に突入です。春学期の講義は大詰めで夏休みが近づいていますが、これから2ヶ月のうちに4つの講演が控えていて、資料作成に悪戦苦闘しています。
 一番早いのは7月12日(火)。関西経済連合会の都市創造・観光講演会 「関西ブランド『茶文化』の魅力を探る」において、「関西で育まれた喫茶文化 −『はなやか関西』からの提案−」というテーマで1時間ほどの話題提供を行います。みなさんもよくご存じのとおり、関経連は関西経済活性化のため、様々な部門をつくって取組を行っていますが、私が招いていただいたのは、「都市創造・観光」という分科会です。ホームページには下記のような案内が掲載されていますので引用しておきます。
 「国際的な地域間競争が激化するなか、関西が、人・モノ・情報を呼び込み、活力ある地域として成長し続け、さらに、世界にその存在感を示すためには、関西独自の個性と多様な資源を活用した戦略が必要です。魅力あるまちづくりの推進や文化・観光をはじめとした産業振興の観点から、総合的・先導的な提案を検討し、多くの主体と連携しながら実践活動を行っています」。
 関経連は「はなやか関西」のメンバーなので、お茶に焦点を合わせ上記の趣旨にそった講演をという依頼をゴールデンウィークの頃にいただきました。
 かねてから強調しているように、私たちが飲料を選ぶとき、最も重視するのは本質的な価値(味や嗜好が合致するか)です。当然お茶もそうですが、歴史的にみた場合、茶園管理技術でも製茶技術でも京都が先導的役割を果たしてきました。その結果、「味は濃厚であってしかも嫌味がなく、香気が芳しく豊かであってしかもやわらかい当たりである。ゆえに飲んで喉通しがよく、後口が爽やかであるから茶碗に濁りがなく、山吹色の透明であって滓が浮いたり底が濁りなどせぬ、見た眼が如何にも味覚をそそり、また煎がよく利き、4回目、5回目まで甘く飲める」(京都府商工会議所『宇治茶の調査』,1940年)というようなおいしいお茶が生産されるようになったのです。
 もうひとつ重要な基準は、ファッション性や話題性など、情報次元の価値です。現代社会においては、CMをしているタレントに対する印象や、パッケージのデザイン、抽選でオリジナル商品がもらえたり人気歌手のコンサートに参加できるキャンペーン等々、商品の本質的価値以外の面でも販売が左右されます。これをにリーフ緑茶にあてはめると、歴史上の有名人たちと彼らにまつわるエピソードでいくらでも話題づくりができます。しかもその舞台は、京都と堺を中心とする関西ですから、この優位性をもっとアピールすることによって、リーフ緑茶の消費拡大をはかる必要があります。
 ところでこの企画の第2部は、今月28日にK.G梅田ゼミをご担当いただく湯浅薫先生「喫茶を愉しむ」と題して、レクチャーと実演を行っていただきます。暑い季節ですから、あの究極の冷茶を淹れていただくことになりそうです。梅田ゼミと合わせ、2度賞味できるので楽しみです。
 湯浅先生は1ヶ月前から準備万端。完璧な資料をすでに見せていただいてあります。一方私のほうは、7月に入っても未完成。私の講演がまずければ、湯浅先生のプログラムも台無しです。残り時間がだんだん少なくなっていますが、がんばって早く資料を仕上げなければいけません。

はなやか関西〜文化首都年〜2011 「茶の文化」 キックオフ・ミーティングのお知らせ

 5月24日(火)の午後1時30分より、大阪迎賓館ではなやか関西〜文化首都年〜2011 「茶の文化」 キックオフ・ミーティングが行われ、私も15分程度登壇します。大阪迎賓館といえば、1995年のAPECが大阪で開催されるときにできた建物です。世界の首脳が集まったような会場で講演するのははじめてであり、また報道関係者にも参加を呼びかけるそうなので、体がガタガタ震えています。
 この企画は、3月29日に開催予定でしたが、東日本大震災で中止になったキックオフ・シンポジウムに代わるものです。そのとき述べようと思っていた内容を少しアレンジしてまとめてみるつもりです。
 福寿園の福井正憲社長は主として企業の立場から喫茶文化振興について語られますが、私は研究者としてこれまで勉強してきたことをふまえ、話題提供します。具体的には、茶のフードシステムに注目して各段階の現状と課題を明らかにし、問題の解決策を提案するとともに、リーフ緑茶離れを食い止めるための対策や喫茶文化の魅力などについて、参加者のみなさんによく理解していただけるよう、平易にお話しするつもりです。
 何度か予行演習をしてゆきますが、結局本番では緊張し、しどろもどろにしか話せないだろうと思います。それでも、なるべく多くの方にご参加いだきたいという気持ちです。詳細は下記のリンクをご参照ください。どうぞよろしくお願いいたします。

はなやか関西 「茶の文化」キックオフ・ミーティングのご案内

はなやか関西 「茶の文化」キックオフ・ミーティング応募フォームへのリンク

「eラーニングで学ぶ宇治茶の歩み その3 ~近世における宇治茶の隆盛~」配信中です

 京都eラーニング塾で昨年9月から始まった宇治茶の歴史をたどる講座、最終の第3弾「eラーニングで学ぶ宇治茶の歩み ~近世における宇治茶の隆盛~」を配信中です。今年いっぱいご覧いただくことができます。紅白歌合戦終了までに、下記のホームページへアクセスし、簡単な登録手続きを済ませた上で聴講してください。
 できの悪さを棚上げにお願いするのは心苦しいのですが、担当者としては何人登録してくださるかが大変気になります。宇治市の生涯学習センターのみなさんには、色々勿体ないお心遣いをいただき、映像作成に格別の尽力をしていただきましたので、登録者数があまりにも少ないと、合わせる顔がないのです。登録は12月31日午後11時59分まで可能ですから、みなさんのあたたかいご協力、よろしくお願いいたします。

京都eラーニング塾
宇治茶eラーニング講座案内・宇治市ホームページ

eラーニングで学ぶ 宇治茶の歩み 完結記念 スクーリング講座のお知らせ

 「eラーニングで学ぶ 宇治茶の歩み」の完結を記念して、下記のとおりスクーリング講座を行います。主催者の作成していただいた案内を下記へ転載します。
 eラーニング講座で十分お話できなかったお茶の文化的魅力について取り上げるつもりです。年末のお忙しい時期で大変申し訳ないのですが、たくさんのご参加をお待ちしています。

*場所: 宇治市生涯学習センター  
*日時: 12月1日(水)午後1時30分〜4時
*内容: 講座「喫茶文化とその周辺」と喫茶体験。
 eラーニング講座では3つのシリーズに分け、京都(宇治)を中心とした喫茶文化の展開をたどりました。今回のスクーリング講座では、関西学院大学教授の寺本益英先生をお迎えして、喫茶文化の魅力を高校日本史で学ぶ文化史の知識と重ね合わせながら再構築します。茶道・煎茶道の歴史を軸に、茶陶、絵画、建築など、関連文化の広がりにも注目します。喫茶体験では京都府茶協同組合の協力で宇治茶のおいしい入れ方を学び、体験します。
*対象:eラーニング受講者にかぎらず広く募集します。
*受講料:1,000円    
*定員:先着50人
*申込み:11月24日(水)までに電話、FAX、Eメールで々嶌駄勝↓∋疚勝↓住所、づ渡暖峭罎鮴験恭惱センターへ連絡。
*問い合わせ:宇治市生涯学習センター
(電話0774−39−9500/Fax0774−39−9501/
E-Mail:shogaigakushu@city.uji.kyoto.jp)

伊丹市消費者協会主催 第40回消費者大会記念講演会のお知らせ

 伊丹市消費者協会よりお招きいただき、第40回消費者大会記念講演会において、講演させていただくことになりました。テーマは、「喫茶史でたどる日本文化の魅力」です。構成は次のように考えました。

はじめに
1.鎌倉仏教と茶 ― 栄西と明恵 ― 
2.東山文化と侘び茶の成立・発展
3.桃山文化と茶の湯の完成 ― 信長・秀吉と利休 ―
4.煎茶・玉露の開発と文人社会への浸透
おわりに


 今回の講演はいつもと少しスタイルを変え、喫茶史のトピックスを日本史の教科書に出てくるエピソードと重ね合わせたり、展覧会を鑑賞したときの感激を紹介したりするつもりです。予約は必要ありません。ご都合のつく方は当日直接会場へおいでください。

「喫茶史でたどる日本文化の魅力」案内・広報伊丹

システム農学会 報告要旨が完成 

 3連休ですが、今日9日は校務、11日月曜日は授業実施日です。最後の『総研論集』の原稿を印刷屋さんに渡し、少しは楽になったのですが、まだまだ油断は禁物です。こういう焦っているときにかぎって、休みがなくなってしまうと、深刻なダメージを受けます。
 さて今日はまず自慢話をひとつ聞いてください。息抜きに検索エンジンで経済用語を入れ、どんなサイトがあるか調べていたときのエピソードです。みなさんもよくご存じと思いますが、先般日銀がゼロ金利政策を復活させ、上場投資信託や不動産投資信託などの資産も新たに買い取る金融緩和策を打ち出しました。特にゼロ金利政策は4年3ヶ月ぶりのことです。
 最近そんなビッグニュースがあったので、私は金融政策関係の用語をいくつか想起し、軽い気持ちで検索エンジンで調べていました。そして何気なく「時間軸政策」と入れてみると、何と何と私の「経済コラム」の2006年8月30日の記事が、一番トップに出てきたのです。グーグルでも、ヤフーでも!!!特別な話題ならともかく、こんなオーソドックスな経済用語を検索した結果、私が講義・講演のメモ的に作成しているブログの記事が一番上に出てきたのには驚きました。たとえ一瞬にせよ、「時間軸政策といえば寺本益英の経済コラム」という現象がインターネット上で起こったのです。本当に思いもかけない発見でした。何だか日銀総裁に就任したような気分になり、舞い上がってしまいました。
 しかし1分後、正気に戻りました。検索で出てくるサイトの順位は日々変動し、賞味期限は3日もないだろうと観念しています。それでもパッと出てパッと消える虹のような奇跡を、ブログをご覧くださっているみなさんに確かめていただきたくなりました。恐縮ですがもしお時間のある方は、賞味期限のうちに、グーグルかヤフーで「時間軸政策」と入力し、「経済コラム」の記事を読んでいただけるとありがたく思います。
 話は変わりますが、『総研論集』完成後の最大の懸案事項であったシステム農学会での報告要旨がやっと完成しました。総合政策学部の松村寛一郎先生の御高配で、11月6日、本学で開催される学会にお招きいただけることになったのです。報告テーマを決めるのも難航しましたが、一応「お茶のフードシステムをめぐる諸問題」としました。
 A4用紙2枚程度の短い文章なので、簡単にまとまるだろうと思っていたらとんでもない誤算でした。報告要旨とは当日の報告内容の簡易版であり、報告の見通しが完全に立ってからでないと書けません。8月、兵庫県茶業振興大会での講演準備をしていたときから構想を練っていたのですが、なかなか思うように整理できず、今日まで時間が経ってしまいました。もちろんまだまだ改善しなければいけませんが、連休明けが提出期限ですので、タイムリミットです。提出期限延期交渉の達人を自任する私も、今回ばかりは他の報告者に迷惑がかかるのであきらめることにしました。
 現時点では次のような構成で報告するつもりです。ずっと先だと悠長に構えていたら、本番はもう3週間後に迫ってきました。試練の日々はまだまだ続きそうです。

1. はじめに
2. 茶業経営の基礎 
3. 茶業経営活性化を考える2つの視点
4. 流通構造の変化と課題
5. 消費拡大のための方策
6 おわりに


システム農学会

大規模震災と私たちの危機管理を考える   − 過去の大震災、阪神・淡路大震災の教訓から −

 今日はこの夏休み最後の講演で、尼崎市連合婦人会人権研修にお招きいただき、「大規模震災と私たちの危機管理を考える − 過去の大震災、阪神・淡路大震災の教訓から −」というテーマで講演しました。
 はじめにもう一度阪神・淡路大震災を振り返っておきましょう。1995年1月17日午前5時46分、兵庫県の淡路島北部付近(深さ16km)を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生しました。神戸市と兵庫県西宮市、芦屋市、宝塚市、淡路島の一部で最大震度7を記録しています。
 総務省消防庁のまとめでは、兵庫県内を中心に6,434人が死亡し、4万3,792人が重軽傷を負いました。行方不明者は3人。住宅被害は全壊10万4,906棟など64万棟近くに及びました。火災も293件が発生、延べ83万平方キロ超を焼いたそうです。
 ライフラインなどの被害も大きく、停電は約260万戸、ガスの供給停止は約86万戸に達しました。神戸市内では阪神高速道路神戸線が倒壊しました。兵庫県の推計では、県内の直接被害額は約9兆9,268億円にのぼっています。
 以上のように兵庫県に甚大被害を与えた阪神・淡路大震災の発生から、今年で15年ですね。15年を経て街づくりや産業再生など都市全体の復興は進んだと思います。よく利用する阪急・西宮北口駅近辺は、大ショッピング施設や高層マンションが立ち並び、人通りも多く、とても賑やかです。災害医療の進化も目をみはります。しかし一見華やかに見える街の様子とは対照的に、高齢化する被災者へのケア、失業対策、地域コミュニティーの再構築など、解決されていない問題が山積していることを忘れてはいけません。
 今回の講演では、この震災から得られた教訓をとりまとめ、地域経済社会における防災・減災の方策について検討しました。会場いっぱい、約100名の主婦の方が熱心に耳を傾けてくださいました。とてもやりがいのあった講演会でした。

尼崎市での市民大学のお知らせ

 大型連休もあっという間に終わり、講義再開です。連休中、私は原稿作成と新聞記事の整理に追われていました。原稿は最後の『総研論集』(第23号)に執筆宣言をしてしまったので、苦しいのは自業自得ですが、昨年秋の政権交代以降の政治経済動向をたどろうと思っています。Webデータベースで集めた新聞記事に目を通していますが、政治とカネの問題、普天間基地問題、財源の裏付けのないバラマキ政策、ギリシャの財政不安など、取り上げなければいけない論点が山積しています。
 『総研論集』の原稿は、7月と12月に開催予定の市民大学の準備にもつながります。7月22日(木)には、尼崎市の武庫公民館で、「日本経済の今後 −日本経済の進む道−」というテーマで講演します。また年末12月16日(木)には、大庄公民館で「2011年日本経済の展望」というテーマでお話します。大庄公民館では、ここ数年連続で、1年間の政治経済動向を振り返り、翌年どうなりそうか展望することにしています。適当な間隔をあけて年何回か方々でホットな政治経済問題について講演の機会を与えていただいていますので、日頃から新聞記事のチェックする習慣がつきました。これは大変ありがたいことです。
 なお大庄公民館では9月2日(木)、「日本の食をめぐる諸問題」というテーマでも講演の機会をいただいています。これは先般刊行された『経済学論究』第63巻第3号に掲載した論文と同一テーマですが、総合コースや日本の食改革プロジェクトで取り組んできた食をめぐる問題について、聴講者のみなさんにわかりやすく伝えようと考えています。
 尼崎市の市民大学の詳細は、下記のリンクをご参照ください。申し込みが始まったばかりですので、都合のつく方はぜひ申し込んでください。
 別件ですが、生涯学習課の担当者よりKG梅田ゼミ第2弾のコーディネートも依頼されています。私のスケジュールの都合上、来年2・3月の開講になると思いますが、医療問題に挑戦する予定です。自信をもってお勧めできるBig企画です。こちらもご期待ください。

武庫公民館市民大学
大庄公民館市民大学

京都府茶生産協議会主催茶業講演会 「茶業を巡る現状」のお知らせ

 京都府茶生産協議会よりお招きいただき、下記の要領で講演会を行います。
 講演会に至るまでの経過を説明しておきます。茶業関係者の方は痛感しておられると思いますが、このところ茶業を取り巻く環境は大変厳しくなっています。それが最も顕著にあらわれているのは、茶価(特に茶農家の収益の7割以上を占める一番茶)の継続的な下落です。このように茶価が低迷している背景にあるのは、需給バランスの崩れです。つまり、食生活の洋風化、簡便化志向高まり、競合飲料の台頭などにより、需要が減退する中で、生産調整が進まず、市場が供給過剰状態に陥っているのです。
 問題解決のために重要な分析視角はフードシステムです。私は、茶の生産−流通−消費の過程をを連続したシステムととらえ、それぞれの段階の実態を把握し、問題解決をはかりたいと考えています。なお当日の聴講者は生産者が多いとお聞きしていますので、利潤最大化、費用最小化の2つの視点から、茶農家の経営のあり方について、特に詳細に点検するつもりです。
 主催者よりフードシステムの観点から京都の茶業の活性化策を検討してほしいという依頼をいただいたのは昨年の夏休み頃でした。これまで文化面と消費面の勉強はよくしてきましたが、農業経営に関してはほとんど蓄積がありませんでした。お引受けできるかどうか躊躇しましたが、当時(昨年8月)から見て現在(2月)はまだまだ先だという安心感から、チャレンジを決意しました。
 テーマにぴったりの文献は見当たらず、農業経営やフードシステムに関する一般書と新聞記事から茶業を類推せざるをえませんでした。そこに問題自体の複雑さも相まって、研究はかなり難航しました。そして研究が不十分な状態のまま、『京都茶生産情報』という広報紙に、「新しい茶業経営」と題して中間報告的に4回連載の機会を頂戴しました。(連載はこの1月で終わりました。)
 結局昨夏の楽観論はものの見事に打ち砕かれ、準備不足のまま本番に臨みますが、さしあたりまとめた私の考え方をみなさんに提示してみたいと思っています。一般の方も参加していただけます。ご都合のつく方は、どうぞよろしくお願いします。

講師:寺本益英
● 日時:2010年 2月19日(金) 13:00〜15:00
  (午前中の褒章授与式に続いて午後から開催)
● テーマ:「茶業を巡る現状」
● 主催:京都府茶生産協議会 (TEL:075−681−4325)
● 会場:宇治茶会館 (TEL:0774−23−7713)
 宇治市宇治折居25−2 (JR・京阪宇治駅からバス約10分)
● 報告の構成は下記のとおりです。
1.茶業経営の基礎
(1)農業経営の一般的特徴と課題
(2)フードシステムの視点
2.茶業経営の目標
(1)利潤最大化
(2)費用最小化
3.流通の課題
4.消費拡大のための方策

日本経済の現状と鳩山政権の課題(1)

「日本経済の現状と鳩山政権の課題」、どこかで見覚えのある表題かも知れません。そうですこれは、研究演習入門と兵庫医療大の経済学の受講生にも出したレポートの課題です。現在私が一番関心を持っているテーマであり、私の講義を受けている学生にも問題意識を共有してほしいと、レポートの提出を求めました。
 もちろん先生が学生に調べてこいと言った以上は、自分自身もこの問題に対し、ある程度のコメントができるようにしなければいけません。そこで今日、フレミラ宝塚いきいき学舎特別講座の講演で、このテーマでお話をすることにしました。
 入試と多人数のレポート評価で疲れ果てていて、最悪のタイミングでの講演となりました。不覚にも資料作成中に研究室でうたた寝をしてのどを痛め、風邪薬をのむと頭がぼーっとなってきて、コンディションはよくありませんでした。資料完成は当日午前7時。「今朝7時に完成したばかりのできたてほやほやの資料で報告します」と爆笑を誘ってから講演を始めました。
 2月、フレミラで日本経済の動向について講演するのは、4年目に当たると思います。毎年連続して聞きに来てくださる方も多く、50人くらい収容できる会場は、1席も空席がありませんでした。苦労して準備をしていっても、こうして熱心に足を運んでくださる聴衆がいるのは、本当に嬉しいことです。
 本日の講演では、「政権交代」から話を始めました。昨年8月30日に投開票が行われた第45回衆院選で、民主党が何を訴え国民の圧倒的支持を得ることができたのか、逆に自公政権のどこに問題があったのかを明らかにしました。
 その後、新政権誕生後の経済動向をたどりました。昨年11月の月例経済報告で政府が日本経済がデフレに陥っていることを認め、それに追い打ちをかけるようにドバイショックが日本経済を直撃して、1ドル=84円台の信じがたい円高が起こったことを述べました。
 ドバイショックに対する日銀の対応は迅速でした。12月1日、臨時で金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和措置を行うことを決定したのです。導入する新たな金融緩和策は、国債、社債などを担保に、貸出期間3ヶ月の資金を年0.1%の低利で10兆円規模で供給するというものでした。

「eラーニングで学ぶ宇治茶の歩み」 第2弾の収録が無事終了

 昨年12月から1ヶ月あまり、極限状態の毎日を過ごしてきました。年末・年始の休みも返上で取り組んでいた仕事のひとつが、宇治市の生涯学習センター提供のeラーニング講座「eラーニングで学ぶ宇治茶の歩み   〜茶の湯文化を支えた宇治茶〜 」の教材作成でした。何度も繰り返し調べてきた宇治茶の文化史がテーマですが、サンプル映像も含めて1時間弱にまとめるのは、なかなか大変な作業でした。多数の文献をあらためて読み直し、文章形式ではなくパワーポイント向きの要点整理にかなり手こずりました。
 さて今回の講座は、次のような構成で行います。
第1回 鎌倉〜南北朝時代における喫茶の広がり 
第2回 侘び茶の成立と発展
第3回 千利休の時代と宇治茶

 第1回目は、栄西が伝えた喫茶が禅僧たちの間に広がり、鎌倉時代の終わりには、武士や貴族の社交の手段として用いられるようになったこと、さらに南北朝時代には、佐々木道誉に代表されるバサラ大名たちの間で、ギャンブル性の強い闘茶が流行したことを述べました。
 第2回目の話題は、日本史の教科書でもおなじみですが、東山文化の展開と村田珠光による侘び茶の創始、武野紹鷗をはじめとする堺の町衆への継承などを取り上げました。
 第3回目には、信長・秀吉と茶の湯、千利休による侘び茶の完成、権力者の茶の湯を支えた宇治茶業ならびに上林家の動向について詳しくみました。
 一生懸命やったつもりでも、準備不足には違いありませんでしたので、撮影スタッフのみなさんには、「深夜までかかるので、今夜は生涯学習センターで1泊していただく覚悟でお願いします」とお断りしてから始めました。撮影がスタートすると、案の定緊張して、ぎこちない読み方になりましたが、前回の教訓を生かして、なるべく下を向かないようカメラに向かって話す努力をしました。
 普段学生の報告に色々ケチをつけているくせに、自分は全く模範演技を示せていませんが、ビデオ撮りは一応1時間あまりで終わりました。スタッフのみなさんには出来の悪さをお詫びし、「深夜までかからなかっただけマシだと思ってください」と、身勝手な言い訳をして赦しを得ました。
 講座の配信は3月からです。相変わらずの完成度の低さで見苦しいと思いますが、登録者が私1人という結果になればあまりにも惨めです。講座が始まればまたお知らせします。せめてこのブログをご覧のみなさんには、受講していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

お恥ずかしいのですが、インターネット講座にデビューします

 昨日、「日本の食改革プロジェクト」の掲示板に野沢久信さんが励ましの書き込みをしてくださってあり、その後英國屋の鍋島尚子さんから、心のこもるメッセージを頂戴しましたので、転載しました。試行錯誤で始めたプロジェクトですが、応援し、あたたかく見守ってくださる方が増えていっているのは、この上なく嬉しいことです。
 さて先週末から、京都eラーニング塾より私の担当講座の配信が始まりました。テーマは、「eラーニングで学ぶ宇治茶の歩み 〜お茶は大陸からやってきた〜」です。収録は8月5日に行われたのですが、運悪くこの日は定期テストの採点締切日。総合コースの700部のレポートに、ひとつひとつ目を通し、評価を出しているところでした。連日、2〜3時間の睡眠でしのぎ、いよいよとなった5日は一睡もせず、起き続けている時間の最長記録30時間を達成して収録に出かけました。阪急電車でつり革を握っていると、膝がガクッとなり、びっくりしてはっと気づくという有様でした。近くにいた乗客は、笑いをこらえていましたね。
 やっとの思いで宇治に到着したのですが、意識朦朧のまま収録が始まりました。その収録もなかなか難しい!手元の原稿、前のカメラ、パワーポイントのパソコンと、3つに注目しなければいけないのです。思わず、目が6つほしいと言いそうでした。
 あとで気づいたのですが、2つしかない目は、手元の原稿ばかりを気にしていました。カメラに向かって正確に話せるアナウンサーが、どれだけ訓練させているか、よくわかりました。ニュース番組を当たり前のように見ていますが、プロのまねはできません。
 普段から働きの悪い頭に睡眠ゼロが重なり、慣れない方式で話をしましたので、出来映えはお恥ずかしいかぎりです。しかし今のところ登録してあるのは、私と、今日のブログで登場した野沢さんと鍋島さんくらいだと思います。登録者が自分自身と、身内2人だけというのではあまりにも惨めなので、みなさん是非登録し、受講してくださいますようお願いします。
 最後になりますが、講座のパワーポイントを整えてくださったのは、聖和大学の入佐知世さんです。細かい点にまで気をつかい、わかりやすいパワーポイントを作成してくれました。入佐さんの支援なしに、私の講座は成立しませんでした。本当にありがとうございました。

京都eラーニング塾

「いきいき長寿セミナー」無事収録が終了!

 今日は「いきいき長寿セミナー」の収録日で、わざわざ福井から関学まで担当の方がお越しくださいました。
 以前ある留学生に「めっちゃ」という言葉を使って大好評だったのですが、あまり多用すると値打ちが下がるので、1年ほど安易に使わないよう自粛してきました。しかし、今日ばかりは我慢できず、使わせてもらいます。今日はこれまでの人生の中でも数えるほどしかない、「めっちゃ」緊張した1日でした。
 11日の記事でも書きましたように今回のテーマは、「日本茶の魅力と楽しみ方」です。実際の放送時間は23分前後。ここ10日ほど、この原稿を考えるのにかかりきりになっていました。それでも、満足のゆく文章にはなりませんでしたが、いよいよ期日が来てしまったので、観念して放送に臨むことにしました。
 番組を担当してくださるのは、ディレクター・アナウンサーの谷戸礼子さんです。最初は研究室で雑談から入り、カチカチに固まっていた私の緊張感を解きほぐしてくださいました。もちろん私も、自分で書いた原稿であり、何回も読む練習をしてあるのですが、それでもテープがまわると多分失敗するだろうと思ったので、「1回で終わる自信はありません。西宮で何泊かしていただかないといけないかも知れません」と言っておきました。そうすると谷戸さんは、「何回失敗しても大丈夫です。編集もできますから」とおっしゃってくださいました。これで相当気持ちが楽になり、「百回やり直せる」と開き直り、大きく深呼吸して原稿を読み始めました。
 「昨日は八十八夜。今年も茶摘の時期を迎えました。八十八夜というのは、立春から数えて88日目の日で、今年は5月2日です。」
 一番気にしていたのは上記の滑り出しの部分だったのですが、何とか無事クリアーすることができました。最初で引っかからなければ、あとはまあ何とかなるものです。用意してあった原稿を、無我夢中で読みました。途中で一度も時計を見ていませんが、気づいてみると、言い直しもなく、ほぼ時間どおり終わっていました。
 10回も20回もやり直しになったらどうしようかと、事前には真剣に悩んでいたのですが、30分ほどで何とか無事終了できたのは、谷戸さんがリラックスさせてくださったからです。とはいえ、41年あまりの人生で最も力の入った20分といっても過言ではありません。帰宅するなり蒲団に倒れこんでしまいました。

福井放送「いきいき長寿セミナー」に出演します

 6日月曜日から始まった2009年度の第1週が無事終了しました。ウォーミングアップ期間という感じの1週間でしたが、どの講義でも、具体的な内容と到達目標を話しました。早く切り上げるつもりが、あれもこれも言っているうちに、時間ギリギリまで使うことになりましたが、何事もはじめが大切です。目指すべき方向をはっきりと示しておかなければと思いました。
 さてひとつお知らせですが、5月3日(日)、福井放送の「いきいき長寿セミナー」というラジオ講座(放送時間は午前6時30分〜7時)で「日本茶の魅力と楽しみ方」というテーマで話をします。番組のコンセプトは、「(福井)県民の皆様方がより豊かな人生設計を立てていただくためにともに学び、ともに考える生きた教材をラジオを通してお届けするものです」ということです。
 5月2日の八十八夜に合わせお茶の話題を選んでくださり、私のような者に放送のチャンスを与えていただけたのは、本当にありがたいことです。しかしふだんの講義や講演と違い、話が電波に乗って流れるわけですから、まだ3週間ほど先のことですが、極度の緊張感と不安感で頭がいっぱいになっています。
 休日の今日、明日は放送での読み上げ用の原稿作成です。字数としては6,000〜7,000字程度ですが、タイトルにしたお茶の「魅力」と「楽しみ方」をどう盛り込めばよいか、苦戦しています。さらに難しいのは、時間内におさめる技術です。実際の放送時間は22〜23分だそうです。これも平素の訓練が足りないため、私にとっては厳しい条件です。
 講演をした後の一番の喜びは、聴衆に「いいお話でしたよ」と言っていただけることです。徹夜に近い毎日を重ね疲れ切っていても、嬉しい言葉をかけていただけると、元気がわいてきます。今回はラジオ放送ですが、仮に「講演」と考えると、何万人もの人を前にして話していることになります。よい評価をいただけるようにと文章を推敲していると、頭がヒートアップしてきました。

2月も講演3回

 早くも2月に突入しました。今日から入試もスタートです。今年度、関学の一般入学試験(F方式、A方式、関学独自方式)の志願者数は3万5,720人に確定したそうです。「大学入試センター試験を利用する入試」の1月出願分を合わせた志願者合計は、5万936人となり、はじめて5万人を突破しました。志願者が着実に増えているのはありがたいことです。学力の高いことも重要ですが、それ以上に、関学が好きで、関学で是非勉強したいという人が入学してくれることを願っています。
 採点をしたりレポートを読んだりの忙しい毎日が続いていますが、今月も12・13・20日に講演の予定があって、その準備も気になっています。12日は尼崎市の大庄公民館の市民大学で「喫茶文化の魅力」というテーマで講演します。その後13・20日は同一内容ですが、フレミラ宝塚いきいき学舎特別講座において「日本経済の現状と今後」という演題で話をすることになっています。1月はお茶のことばかり調べていて経済問題から遠ざかっていましたので、これからしばらくは、必死になって新聞記事のフォローをしなければいけません。
 それにしても最近の経済情勢の厳しさは異常と言うほかありません。相次ぎ発表される企業の業績は、何千億円の赤字で、同時に1万人、2万人規模の人員削減をともなっています。とにかく、生産と雇用の悪化が深刻です。いったん生産や雇用の規模を拡大してしまうと、逆境のときにはものすごく痛みをともなうリストラを行わざるをえなくなってしまいます。問題は、リストラされた人たちの受け皿をどうするかです。今総合コースの採点中ですが、およそ6割の学生は日本はもっと食料自給率を高めなければならないと解答してします。そして、製造業をリストラされた人々を、農業で吸収できないかというアイディアを出した人も結構見受けられました。私も個人的には、このピンチは、農業を再評価する好機ではないかと感じています。
 最近「食料危機」という報道は下火になっていますが、世界の食料問題が解決されたわけではありません。「食料の安定供給」という課題も、絶えず重要政策として位置づけるべきだと考えています。

1月の講演予定

 会社や官庁はいよい今日から仕事始めです。関学の講義開始は7日ですが、どの科目もあと1回で全日程が終了です。あっという間でした。
 昨日の記事の補足ですが、犬山城東の有楽苑にある如庵のほかの現存する国宝茶室は、京都山崎妙喜庵内の待庵、大徳寺塔頭龍光院内の密庵です。とりわけ妙喜庵茶室待庵は、秀吉の命を受けた利休の趣向によると言われていますが、日本史の教科書では、桃山文化のところで写真入りで紹介されています。密庵は教科書には出てきませんが、小堀遠州作です。
 さて2009年のスタートとなる今月は、シンポジウム・講演が3つ予定されていて、とても忙しい月になります。
 まず1月17日、久しぶりで宮崎を訪れます。18日は、宮崎市のJA・AZMホールにおいて、みやざき茶推進会議主催で、「みやざき茶の更なる躍進に向けて −茶生産者、茶市場、茶商の連携・融合−」というタイトルのパネルディスカッションが行われ、そのコーディネーターをつとめます。お世話になった宮崎の茶業界に少しでも貢献できるよう、宮崎茶の振興について、知恵をしぼっているところです。
 同じ週の24日には、武庫川女子大学で茶学術研究会主催のシンポジウムが行われます。私は、「お茶の魅力と賢い利用法」というタイトルで講演した後、他の講演者のみなさんとともに、パネルディスカッションのパネリストとしても参加します。一般的な喫茶史やお茶の飲み方ではなく、私の思いの中にあるお茶と、その楽しみ方についてお話できるよう準備を進めているところです。なおこのシンポジウムはどなたでも参加していただけます。1月24日の午後からお時間のある方は、下記のリンクより是非申し込んでください。
 さらに1週間も経ずして30日には、京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)で「変わる日本茶」というテーマで講演します。ここでは、食生活やライフスタイルの変化を多角的に検討し、日本茶を取り巻く環境が年々厳しくなっていることを指摘します。しかし私は、高度情報化社会の中で気忙しい生活を余儀なくされている現代人こそ、お茶を飲んで心にゆとりを持つべきだと考えています。現代人にマッチした「お茶のある暮らし」の提案を試みます。京都にお住まいの方はどうかご参加ください。
 以上のように、今月はかなりハードな日程なのですが、滝学園で鍛えられた「逆境対抗力」を信じて、何とか乗り切りたいところです。

1月18日みやざき茶シンポジウムのご案内
1月24日お茶シンポジウムのご案内
1月30日お茶講演会のご案内

みやざき茶シンポジウムのお知らせ(3)

 都城茶業の基礎は、宝暦年間(1751〜63)に薩摩藩医池田貞記が築きました。その後明治期に入ると、暗中模索を重ねながら果敢に直輸出を試みたり、紅茶製法伝習を行うなど、政府の貿易振興政策や農林行政と密接な関わりを持ち、日本近代化の一翼を担ってきました。さらに第一次世界大戦以降は、積極的に製茶機械の導入を進める一方、関西地方への販路拡張をはかり、産地としての地歩を確実に高め、今日に至っています。
 あらためて述べるまでもありませんが、お茶を取り巻く環境は年々厳しくなっています。生活や食生活のスタイル激変や、多様な競合飲料の台頭で、リーフ緑茶の消費は低迷しています。景気後退の影響もありますが、生産農家も茶商の経営も苦しくなってきています。しかしこういう逆境の時代であればこそ、積極的なアクションを起こさなければなければいけません。江戸時代中期以降の宮崎茶業の輝かしい歴史や、先人たちのお茶に対する情熱をご紹介するとともに、フードシステムの分析視角に基づき、生産−流通−消費の各方面から、宮崎茶業の発展戦略と、消費拡大の方策をさぐってみたいと張り切っています。
 思い起こしてみると、天川先生と共著で、宮崎産業経営大学『経済学論集』へ4つの論文を掲載しています。ドクター・コースのとき、必死になってまとめた懐かしものばかりです。ご参照いただけましたら嬉しく思います。
 「都城茶業史の数量的分析」(第2巻第2号,1994年3月)
 「戦後日本における紅茶飲料の動向」(第3巻第1号,1994年10月)
 「『家計調査からみた緑茶の消費動向:1980−90年 −クロスセクション構造とその推移−』(第3巻第2号,1995年3月)
 「都城茶業沿革史」(第4巻第1号,1995年10月)

みやざき茶シンポジウムのお知らせ(2)

 今日は穏やかなよいお天気でした。年賀状を書いたり、宮崎のお茶のことを調べたりしています。机の上は住所確認のため昨年の年賀状が広がっていて、カルタとりが行えるような雰囲気です。その上に何冊ものお茶関係を無造作に広げてあり、惨憺たる状況です。10cm四方のスペースをあけるのが至難の業です。研究室もちょっとはきれいにしてお正月を迎えたいところですが、残り日数あと2日では絶望的です。
 さて今日は宮崎茶との出会いについてふれてみたいと思います。私が宮崎茶業の研究を始めたのは、今からもう15年ほど前の1990年代前半です。かねてからご指導いただいてきた名誉教授の天川潤次郎先生が都城市の宮崎産業経営大学へ赴任されたのがきっかけで、古くからの茶産地である都城茶業史を調べてみないかと勧めてくださったのです。それまで私のお茶研究は静岡一辺倒だったため、南九州の茶産地の形成過程や特徴が調べられるのは、願ってもないチャンスで、嬉しく思いました。幸運にも「ウエルネス都城ひとづくり事業」に採択していただき、本格的な資料収集が始まりました。
 「見たか聞いたか都城は茶どこ米どこ繭どころ」と詠んだのは、民謡詩人野口雨情ですが、都城は天恵に富み、全国的に見ても最も古い茶産地のひとつということを、みなさんはご存知でしょうか。

みやざき茶シンポジウムのお知らせ(1)

 今年も残り3日になりました。ずいぶん冷え込みが厳しくなってきましたね。冬休み期間中なので助かっていますが、暖かい蒲団から出るのが億劫なシーズンです。
 さて今日は一気に年賀状を書いています。ふだんお世話になっているみなさんには、感謝の気持ちとともに新年のご挨拶をし、何年も会っていない方には、元気でがんばっていますとお知らせするのが年賀状の役割です。書くのも楽しいし、受け取るとやはり嬉しいですね。確かに年賀状は「贈り物」です。ただ大量の宛名書きで、右手中指のペンダコがカチカチになってしまいました。原稿の下書きと違ってしっかりと丁寧な字を書かなければいけないため、手が疲れます。
 宛名を書きながら感じましたが、年賀状のやり取りをしている人の8割くらいは兵庫県に住んでいます。関学関係者が多いので当然です。その次は、大阪、東京・神奈川・千葉・埼玉などで、主に学会や研究会で交流の深い方がお住まいです。さらに静岡・京都・宮崎は、大多数がお茶研究でお世話になったみなさんです。郷里の三重県と高校時代を過ごした愛知県にも、長い付き合いの知り合いがあります。そのほか、1〜2枚出す県は5つか6つほどありますが、考えてみると、北海道・東北・四国へは、これまでほとんど手紙を出した記憶がありません。まあ、行ったことも数えるほどしかないのでしかたありませんが、全県に親しい知人を作っておきたいものです。
 年賀状書きと並行で進めているのが、来年1月18日に開催されるみやざき茶推進会議主催のパネルディスカッションのストーリー作りです。2009年の私の初仕事は、宮崎市のJA・AZMホールで行われるパネルディスカッション「みやざき茶の更なる躍進に向けて −茶生産者、茶市場、茶商の連携・融合−」のコーディネートになる予定です。

シンポジウム「知って得する お茶の健康機能と愉しみ方」のご案内

 今年の講義も残り少なくなってきました。関学は22日が最終日ですが、兵庫医療大は25日まであります。講義期間中は、授業のほか、事務的な仕事や会議が続々と流れ込んでくるので、相当忙しいですね。もちろんこれが本職であり、最優先で時間配分するのは当然ですし、手抜きはしていません。したがって講演準備とか原稿執筆は夜の時間と休日に行うことになります。しかし結局どうがんばってみても、一気に押し寄せてきた仕事を一気に処理することはできず、事務室の皆さんや講演の主催者、出版社の担当者には只管「低姿勢」に接し、「ちょっとだけ?」締切日を延長してくれるようお願いしてきました。(「ちょっとだけ」は何日かを問われ、答えに窮したこともありましたが。)それにしてもこの1年、周囲の方々の寛容さに支えられてどうにか乗り切ってこられたという感じです。
 さて16日の城北公民館の講演で、今年の講演はすべて終了したのですが、これでめでたくクリスマス、正月を迎えられるわけではありません。来年1月は、18日、24日、30日と、立て続けに3つの講演が控えています。テーマは全部お茶なので取り組みやすいのですが、話の種類がそれぞれ異なるため、どのような組み立てにすればよいだろうかと、頭がいっぱいになっています。
 下記のリンクは来年1月24日、武庫川女子大で松浦寿喜先生が主催される茶学術研究会のシンポジウム案内です。私は、「お茶の魅力と賢い利用法」というタイトルで講演予定です。私にとってのお茶の魅力と利用法について述べるつもりです。私にとってのお茶の魅力は、もちろん文化性です。日本史の教科書の登場人物で、喫茶史を描いてみます。利用に関しては、私は「のどの渇きをいやす」効果をお茶に求めていません。私がお茶を飲むのは、「養生の仙薬」だからです。

お茶のシンポジウムのご案内

「わかるテレビ」モンドセレクションの監修をします

 11月21日の午後7時57分より、フジテレビで「わかるテレビ」という番組が放送されます。不定期の番組なのですが、テレビや新聞でよく耳にする用語を、専門家の監修によってわかりやすくまとめたVTRを使い、コンパクトに解説する番組です。
 全体的にどのような用語が扱われるのか知りませんが、食の世界のノーベル賞とか、食品のオリンピックとか言われている「モンドセレクション」が取り上げられ、その監修を私がお引き受けすることになりました。監修者として、ほんの短時間ですが、写真出演します。当日自宅にいらっしゃる方に見ていただけると嬉しいです。

モンドセレクション

「明治期のヨコハマ茶交易史」講演準備

 急に肌寒くなったかと思うと、今日から11月です。学内の配付物や街の光景を見ていると、クリスマスやお正月が近づいているのを実感します。今年もあと2ヶ月で終わりです。経済が大変なことになっていますが、少しはよくなって、新年を迎えることができるのでしょうか。
 私の毎日も相変わらず厳しい状況です。今月2つ、来月2つと、講演があと4つ残っていて、やはりその準備が気になります。もちろんそればかりではなく、学内の業務や学会の仕事など、複数の案件を抱えていると、どのように時間をひねり出せばよいかばかり思案しています。
 さていよいよ目前に迫ってきたのですが、9日は「現代喫茶人の会」からお招きいただき、横浜情報文化センターで「明治期のヨコハマ茶交易史」というテーマで講演することになっています。(下記のリンクでイベント案内をご参照ください。)みなさんもご存知だと思いますが、いわゆる安政の5ヶ国条約により、横浜が開港したのは1859(安政6)年のことです。つまり、来年2009年は横浜港開港150周年。それを記念して横浜では様々なイベントが開催されています。(下記の2つめのリンクをご覧ください。)
 最近は日本経済をテーマにした講演が多かったのですが、久しぶりでお茶に戻ります。しかも私の研究生活の出発点となった幕末・明治初期における茶貿易史なので、とても懐かしいです。昔必死に集めた資料を引っ張り出してきて、原稿を作成中です。赤線を引いた箇所や書き込みを見ると、当時どんなことを考えていたかが思い出されます。気づいてみると、修士課程入学から、早くも20年が経過していました。

現代喫茶人の会
横浜開港150周年

今月は講演3つ

 ウキウキした気分で連休を過ごしたいところですが、今月は講演2つと学会報告を1回しなければいけない予定なのでかなり焦っています。
 まずは15日、昨日ご紹介したイグザミナ主催のイグザミナフォーラムで、「日本人とお茶」というテーマでの講演があります。(於:リーガロイヤルホテル)主催者との打ち合わせで、伝来から幕末開港までの喫茶文化の展開についてお話しさせていただくということになりました。私にとっては一生かけて考えてゆきたい課題であり、先般完成した農文協の『茶大百科』で書いた私の原稿をバージョンアップしようと思っています。なお今回の対象者は、経済の第一線で活躍されているバリバリの企業人です。今までのお茶関係の講演は、茶業界と一般市民向けに行ってきましたので、ある意味ではじめての経験になります。ちょっと緊張しています。
 2回目は24日、龍谷大学で開催される経営史学会関西部会で報告する予定です。報告テーマはまだ思案しているところですが、宇治茶の歴史を題材に、農産物のブランド化や地域活性化の問題を取り上げようと考えています。それにしても今年度は代表幹事として学会運営の仕事をたっぷりいただいています。だから報告に関しては誰よりも安全地帯にいると油断していたら、とんでもないことになってしまいました。人生は甘くないということがよくわかりました。しかしこうなった以上は、捨て身の覚悟で臨むしかありません。
 最後の3回目ですが、31日、小笠原流煎茶道の日本なでしこ検定において「正しい食文化について」というテーマで講義します。これはすでに講義案を提出してあるので安心です。日本の文化・伝統について本格的に学びたいという熱意にあふれた受講生との出会いを楽しみにしています。

和束町のお茶教材ビデオの撮影

 京都府和束町が作成するお茶教材ビデオで少しコメントさせていただくことになり、今日池内記念館の雑誌室で撮影がありました。
 現在和束町では、茶産業とその周辺産業中心とした雇用創造推進事業に取り組んでいます。その一環として、お茶をめぐる様々なテーマでビデオも制作しているそうです。以前私は山城広域振興局の「宇治茶の郷づくり構想」にも関わっていましたので、お茶を核とした新しい産業の創出を通してこの地域の活性化が実現すればよいのにと思っていました。
 ビデオを作成をしてくださるのは、富士通エフ・オー・エムという専門企業のスタッフです。強い雨の中を大きな機材を持って関学まで来てくださいました。私にとってははじめて見る珍しい機械ばかりでした。セットが完了し、いよいよ撮影開始。事前に質問事項の打ち合わせはしてありましたが、メモ見ないで話さなければいけないのがつらいところです。それに文章の場合は、推敲のチャンスがありますが、映像の場合は一発勝負です。緊張もあって「立て板に水」で話せるわけがなく、最初に何回失敗してもやり直しさせてくださいとお願いしました。
 撮影が始まると案の定うまくゆきませんでした。つまってしまったり、舌がまわらなくなったり、話の順序を変えたりあのことも加えておけばよかったのにと思ったりして、後悔の連続でした。「すみません、もう1回だけ言わせてもらえますか」とお願いし、何回も撮りなおしてもらいました。「立て板に餅」あるいは「立て板にガム」の状態で、よく引っかかって、粘着力抜群のコメントになってしまいました。
 たどたどしい話し方の連続で、どんなビデオになるのかとても心配しています。あとは富士通の「編集力」に頼るしかありません。長時間快く付き合ってくださったスタッフのみなさんには大変感謝しています。
 和束町の担当の方も「学生さんと一緒に是非和束町へ」とおっしゃってくださっているそうです。一面に広がる茶畑の景観は素晴らしく、リフレッシュ効果も大きいと思います。近いうちに機会をつくり、訪ねるのを楽しみにしています。

和束町地域雇用創造推進事業

レイカディア大学+日本なでしこ検定の講演準備

 みるみるうちに日が経ち、2月も半ばを迎えようとしています。成績評価は峠を越えましたが、15日には滋賀県・瀬田の「レイカディア大学」で「日本のお茶文化」というテーマで講演予定で、まずその資料作成に追われていました。ところでレイカディアとは「レイク(湖)」と「アルカディア(古代ギリシャの理想郷とされた地名)」を組み合わせた造語で<湖の理想郷>の意味だそうです。資料は「芸術文化」としてのお茶の歴史をたどっていますが、作成者の私はとてもそんな風流な気持ちになれず、おそらく栄西もびっくりするような強烈なお茶を飲んで睡魔と闘い続け、どうにか準備が整いました。
 もうひとつ同時平行で進めていたのは、小笠原流煎茶道が今年からスタートさせる「日本なでしこ検定」の講座資料作成です。「日本なでしこ検定」の詳細は下記のリンクをご参照いただきたいのですが、「和の心」をできるだけ広く知ってもらおうという画期的な取組です。私は企画段階からお話をうかがっていましたが、現代人が忘れつつある日本文化の素晴らしさを再認識できる絶好のチャンスだと思いました。私は5月31日、「正しい食文化について」というテーマで1コマ講座を担当させていただくことになっています。その際の配付資料を『食育白書』はじめフードシステム関係の文献を丁寧に読み、作っていました。深く追求すればキリのないテーマですが、いよいよタイムリミットになったので、現時点での研究成果を15ページほどの論文にまとめ提出しました。
 大きな仕事を2つ済ませたのですが、まだ安心はできません。26日にフレミラ宝塚いきいき学舎特別講座で、「日本経済の現状と今後について」というテーマで講演があります。明日からはその準備が始まります。

滋賀県レイカディア大学
小笠原流煎茶道・日本なでしこ検定

日本茶鑑定士協会・研修会での講演準備

 今日は冷たく強い風が吹き、しかも嫌いな雨降りでした。土曜日で休日なので、こんなにひどい天候のときは「冬眠」したいところです。しかし9時から重要な会議があり、泣く泣く大学へ行きました。
 さて昨年、全国茶商工業協同組合連合会(全茶連)と全国茶生産団体連合会(全生連)運営による「日本茶鑑定士協会」が設立されました。設立の目的は、茶の品質を見極める指導者の育成で、茶審査技術競技の有段者らに鑑定技術を継承してゆきます。
 会長には前野菜茶業研究所茶業研究官の武田善行先生が就任されました。具体的な事業として、技術向上研修会や各地の茶品評会への審査員派遣、緑茶商品の品質調査などに取り組んでゆくことになっています。
 今月23日、静岡県菊川市で日本茶鑑定士の研修会が行われ、私も戦後日本茶業について講演する予定です。2006年あたりから、お茶の業界関係者の勉強会にたびたび招いていただき、そこで鍛えられたこともあって、ある程度要領がつかめてきました。しかし今回の研修会は、茶業界の「プロ中のプロ」を養成する講座だそうです。そんな中で、お茶が好きなだけの「アマ中のアマ」の私に講師が務まるのか、今から大きなプレッシャーがかかっています。
 年末から正月にかけて、どんな講演に組み立てようか、ずっと頭を悩ませています。あまり時間もないので、「私はお茶ファンの消費者だ!」と開き直って、リーフ緑茶の消費が拡大し、喫茶文化が一段と浸透するために行ってほしい取り組みを提案しようかと思っています。
 本を書いたり講演の準備をするとき、いつも感じるのは、ユニークな結論を出すことの難しさです。結局平凡な内容になってしまい、いつも反省していますが、せめて途中のストーリー展開で新しい視点を組み込んだり、データを取り入れた説得的な分析を行うといった工夫くらいはしたいものです。

シンポジウムの打ち合わせ

 夏休み中は原稿作成や講演の準備に忙殺されていましたが、秋学期が始まってみると、講義や様々な校務に追われるようになってきました。どちらがマシかと尋ねられたら、両方とも大変という返事にならざるをえません。今夏は原稿書きで相当なエネルギーを使い、へとへとになってしまったのでひと息入れたいなと思っていたところですが、今日はいきなり5時間ぶっ通しの会議がありました。長時間の会議は原稿を考える以上に疲れますね。来月1日は六甲アイランド高校で開催される「神戸学発表会」の審査委員として出張の予定があり、3日には淡路島の洲本高校で模擬授業をしなければなりません。弱音を吐いてはいけませんが、研究時間を捻出するのは至難の業です。
 さてこのような時間制約の中で、何としても成功させなければならないのが、10月14日の関学茶道部創部60周年記念シンポジウム「お茶と日本人 日本人の美意識と感性 〜四季の移ろい〜」です。私の重要な役割は、ひとりでも多くの参加者を得るための営業活動と、当日の司会をうまく進めることです。今日はパネリストのお一人でもある表千家編集長の大場豊彦さんがお見えになり、細かい打ち合わせをしました。
 立派なポスターも出来上がり、学内の方々へ掲示していただく手配も完了しました。ポスターのバックは、長谷川等伯の「松林図」です。とても「渋い」ポスターで、わび・さびの美意識がにじみ出ています。是非ご覧になってください。それから、関学のホームページへも案内が掲載されました。いよいよ本格的なPR開始です。豪華メンバーを揃えての講演・パネルディスカッションですから、たくさんの方のご参加をお待ちしております。

関学茶道部創部60周年記念シンポジウムのご案内

10月14日のシンポジウムのご案内

 このブログでも何度か話題にしてきましたが、10月14日にシンポジウム「お茶と日本人」(日本人の美意識と感性 〜 四季の移ろい 〜)を行います。企画書が出来上がりましたので、下記のとおりご案内いたします。私が事務責任者ですから、メールでお申込みください。たくさんの方々のご参加をお待ちしています。

シンポジウム「お茶と日本人」 (日本人の美意識と感性 〜 四季の移ろい 〜)

 中国より、茶が日本にもたらされておよそ1200年。茶は日本人の生活・文化に深くとけ込み、茶の湯や煎茶をはじめとする「茶の文化」として多くの人々に親しまれてきました。
 今回のシンポジウムでは、永い歳月をかけて日本人が育んできた「茶の文化」の源に流れる、日本の心や美意識・感性について考えることと致します。

日時:平成19年10月14日(日) 12:30〜17:00(受付は12:00から)
主催:関西学院大学 
企画・共催: 関西学院大学茶道部創部60周年記念事業実行委員会
後援:日本写真印刷
会場:関西学院大学上ヶ原キャンパス B号館101号教室(阪急電鉄今津線甲東園駅下車バス5分)
定員:300名(先着順、定員になり次第締め切ります)Faxまたはe-mailで「茶シンポジウム参加申し込み」と記入し、参加者の住所・氏名・連絡方法を記入のうえ、下記のあて先にお申し込みください。
参加料:無料

プログラム
ビデオメッセージ「茶の湯に親しむ若き人々へ」久田宗也宗匠
第一部 講演(13:00〜16:00)
(1)「日本人の心 − 文学と絵画をめぐって −」冷泉家時雨亭文庫理事長・同志社女子大学客員教授 冷泉為人
(2)「茶の湯を彩る−京の和菓子」京菓子司「末富」社長 山口富藏
(3)「やきものに季節を楽しむ」滋賀県立陶芸の森主任学芸員 大槻倫子
第二部 パネルディスカッション(16:00〜17:00)
○パネリスト:冷泉為人・山口富藏・大槻倫子・大場豊彦
○司会:寺本益英(経済学部教授)

★申し込み先・問い合わせ先
〒662-8501 西宮市上ヶ原一番町1-155 関西学院大学経済学部 寺本益英
研究室(Tel.0798-54-6469  e-mail: z96025@kwansei.ac.jp )学部事務室(Fax.0798-51-0944)

第21回 Cha Cha Cha サロンのお知らせ

 東京から戻って風邪をひいてしまいました。睡眠不足→遠方へ出張→風邪というパターンは今年2度目です。3月、寝不足続きの状態で方々へ資料収集に出かけ、4月2日に熱海で講演した後、ひどい風邪でダウンしてしまった教訓を生かせませんでした。4月1日、春なのに静岡では31.8℃まで気温が上がったのですが、汗をかいたまま涼しい冷房の部屋でいたのが原因だと思っています。今回も関東で40℃を超える猛暑を記録した週を東京で過ごし、暑い暑いと思ってホテルにたどりついたあと、思い切り冷房の温度を下げたまま、うたた寝をしてしまったのがいけなかったのだと反省しています。みなさんも温度調節には十分お気をつけください。
 このような事情でしばらくの間研究室をあけましたので、メールの返信なども遅くなってご迷惑をおかけしています。
 さて26日の日曜日、京都のラ・メランジェというお茶の専門店で講演させていただくことになりました。テーマは「戦前期の日本茶輸出」です。経営者の松宮さんとは、以前関学・産経新聞共催のシンポジウム「日本茶と台湾茶」に参加していただいたことを契機に知り合い、今回このような機会をいただきました。
 最近はお茶の文化史や消費動向について講演することが多くなりましたが、戦前期のお茶の輸出史は、博士学位論文のテーマで、私の日本経済史研究の出発点でもあります。大学院生時代の15年あまり前、静岡と東京の関係機関をまわり、(100年ほど前の埃だらけの文献なので)手を真っ黒にしながら1日中コピーとりをしていた頃をなつかしく思い出し、報告資料をまとめているところです。

ラ・メランジェ
第21回 Cha Cha Cha サロンのお知らせ

経営史学会関西部会大会でコメントの予定

 今日は大学のシステムのメンテナンスの日で、夜遅くまでインターネットが使えませんでした。毎日当たり前のように利用しているインターネットですが、使えないとなると、ちょっとした調べものをするのにも支障をきたし、ずいぶん作業効率が落ちますね。
 さて相変わらず仕事がたくさんあるのですが、あまり片付いていません。締切日が近い、かなり重量級の仕事が5つくらい並んでいるとき、みなさんならどうしますか。1つ1つ確実に片付けてゆくか、どれも少しずつ同時並行に進めてゆくか、どちらの方法をとりますか。私は後者の方で、全部に手をつけて、全部終わらないまま毎日が過ぎていっています。原稿ばかりではなく事務室からの書類提出の督促メールを見るのが怖く、パソコンのスイッチを入れるのも気がすすみません。たまに普通の事務連絡だけの日があると、「あー助かった」と胸をなでおろせますが、そうではないことの方が多く、綱渡り的な日々を送っています。
 ずっと気になっている重量級の仕事のひとつが、8月1日の経営史学会関西部会部会大会におけるコメントです。テーマは、「ものづくりの経営史 ――産地と国際化――」です。神戸大学の天野雅敏先生がオーガナイザーをなさいます。以下は天野先生による「ねらい」の引用です。
 「1960年代の日本経済の平均実質成長率は10.0%であったが、1973年秋の石油ショックによって翌年の成長率はマイナスを記録し、70年代の平均成長率は4.4%となり、80年代のそれは4.0%であった。70年代以降成長率が落ちたとはいえ、安定成長をとげたのは、日本企業が、長期的視野にたつ経営戦略を展開し、市場のニーズに合致した製品開発や生産工程の効率化・高度化に成果をあげたためといわれている。しかし、90年代にはいるとバブルの崩壊によって、日本経済は変調をきたし、90年代の平均成長率は1.2%となった。このような経済指標の不振にともない、日本の製造業にたいする見方も変化し、日本企業のものづくりシステムにたいする評価も低落した。しかし、1990年代後半にはいると、日本企業のものづくり現場では改善がみられるという(藤本隆宏氏)。業績変動にともなう評価の変化にも留意することが必要とはいえ、より長いタイム・スパンのなかから、ものづくり現場の変容をとらえなおしてみることもまた意味のあることではないかと思われる。ものづくり現場の歴史的考察を通じて、その到達点と今後の課題にせまってみたいと考える。
 そこで、近世・近代日本のものづくりとそれに関連する諸問題をまずとりあげ、しかるのちに産業の地政学を考慮して、欧米のものづくりについても考察する。分水嶺をなす1851年のロンドン万国博覧会とそこにおけるものづくりを検討する。そして、また、1980年代以降の東アジアの工業化と日本企業のものづくりについて考えることにしたい。」
 現代にも結びつくとても興味深い話題で、聴衆として聞きにゆきたかったところですが、当日報告を聞いて即興でコメントをまとめなければならなくなりました。私の能力を超えた大仕事が当たってしまったのです。一応「ものづくり」関係の本に目を通す努力はしているのですが、いよいよ本番が近づき、エライことになってきたと、焦りばかりが先行しています。

尼崎市立中央公民館一般教養講座の準備

 土曜日とはいえ、2週連続で長時間の会議がありました。7月いっぱいは結構たくさんの会合が予定されています。
 さてテスト期間はちょうど半分が終わったくらいでしょうか。私の担当する総合コースのテストは26日実施なので、今は採点で忙しいわけではないのですが、増えるばかりの原稿と講演の準備に追われ、毎度のことながら窮地に追い込まれています。中でも一番緊急性の高い仕事は、来週25日に行われる尼崎市立中央公民館一般教養講座での講演「日本の金融事情と経済動向」の準備です。
 ここ最近はお茶関係の論文ばかりを書いていて、新聞記事の整理が滞っていたのですが、取り返しのつかないほど遅れる前に、重要記事をファイルしておくよい機会となりました。今回のテーマは金融なので、不良債権処理や金融政策の経過、銀行業績の推移などに焦点を絞って勉強中です。
 5月26日付けの経済コラムの繰り返しになりますが、大手銀行6グループの2007年3月期連結決算で、連結純利益の合計が約2兆8000億円となりました。3兆1000億円を上回る過去最高益を記録した昨年と比べると、約1割の減益となっています。優良な貸付先をめぐって銀行間で競争が激化してきており、思ったように収益が伸びないという状況みたいです。収益源の多角化が、今後の銀行経営の重要なテーマです。
 インターネットで情報収集していたら、国会図書館がISSUE BRIEFというレポートを出していることを知りました。ホットな政治・経済・外交・社会・文化問題について要領よくまとめたよい資料です。みなさんが関心を持っているテーマも含まれているかも知れませんので、下記のリンクを参照してみてください。

国立国会図書館ISSUE BRIEF

参加者200名を目指したいところです

 シンポジウムがついにあさってに迫りました。もはや秒読み段階です。主催校の責任者として手抜かりのないように準備しなければいけませんが、何となく不安な気持ちで本番を迎えることになります。
 気になるのは天気と参加者数です。FAXとメールを整理してみたら直感よりも多く、170名超える方が申し込んでくださってあります。少数ですが、静岡、愛知、三重、岡山、香川など、かなり遠方から参加予定の方もいらっしゃるのは大変ありがたいことです。もちろん圧倒的に多いのは兵庫県にお住まいの方で全体の約6割を占め、大阪府が2割、京都府が1割という感じです。
 ところで広報ですが、今日の朝日新聞の夕刊にも案内が載りました。朝日新聞を見て来てくださる方も含めると、参加者は200名の大台に乗るのではと、期待しています。
 シンポジウム目的について、配付冊子では次のように述べられています。「日常の中にすっかり根付いているお茶について、より身近に感じ理解を深め、豊かな生活の一助に少しでもお役に立てばと考えてこのシンポジウムを企画いたしました」
 せっかくの休日を返上して参加してくださるみなさんに、喫茶文化の素晴らしさを伝え、普及させ、次世代に受け継いでいってもらうことが、私たち主催者の重要な使命だと考えています。
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