寺本益英の経済コラム

 関西学院大学で日本経済史を担当する寺本益英がお届けする経済コラムです。ホットな経済ニュースにコメントし、ゼミ生の研究テーマなども紹介します。

2018年4−6月期のGDP速報

 内閣府が2018年8月10日発表した4−6月期のGDP速報によると、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増となりました。前期は野菜価格の高騰の影響で個人消費がふるいませんでしたが、その影響が消え、設備投資も順調に伸びました。
 ここで需要項目別に動向を確認しておきます。個人消費は実質で前期比0.7%増でした。前期は寒波の影響で野菜価格の高騰が著しく、それが他の消費にも波及し、消費マインドを冷やしました。しかし今期は梅雨明けが早く、好天が続いたことが消費を刺激しました。自動車、エアコン、白物家電などが好調でした。
 企業の設備投資は1.3%増で、7四半期連続のプラス成長です。人手不足対策の省力化投資、ソフトウエア、訪日外国人向け飲食店や宿泊施設の建設なども活発です。
 住宅投資は2.7%減でした。新規の住宅着工戸数は増加したのですが、GDPには各戸の工事の進み具合に応じて投資額が計上されるため、マイナスのままであった。
 公共投資は0.1%減で、4四半期連続のマイナスでした。2017年4−6月期に補正予算の執行が集中したことの反動が続いています。
 財・サービスの輸出は0.2%増と、8四半期連続でプラスでした。プラスは維持したものの、スマートフォン用部品やコンサルティングサービスなどの輸出がふるいませんでした。
 輸入は航空機や衣類、原油などが伸び、1.0%増えました。
 以上が最新の景気動向ですが、次の7−9月期はどうなっているでしょうか。まず気になるのは「命に危険が及ぶ」と注意喚起されている猛暑の影響です。氷など「猛暑特需」もありますが、暑すぎて外出をひかえ、消費全体が落ち込む可能性があります。多発する豪雨や台風も消費を引き下げるでしょう。
 さらにトランプ大統領が次々に打ち出す保護主義色の強い政策に世界経済が揺さぶられています。関税引き上げの応酬は、世界貿易の縮小につながります。
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日銀、緩和政策を修正

 日銀は2018年7月31日の金融政策決定会合において、大規模な金融緩和策の修正を決めました。
 まず長期金利操作に関しては、これまで0%程度に誘導するとしていたのですが、上限を0.2%程度まで容認する考えを表明しました。また金利がこの水準でおさまるよう、国債購入を調節するということです。低金利政策の長期化で、年金や積み立て保険の運用難が深刻になり、老後資金への不安が高まっており、日銀はある程度金利を上向かせる政策に転換したといえます。
 次にマイナス金利政策によって金融機関の収益が悪化し、貸し出しの減少につながる懸念が出始めています。そこで現在、金融機関が日銀に預ける当座預金のうち約10兆円にマイナス0.1%の金利をかけていたのを、5兆円程度に減額することを決定しました。なおこの変更は市場の短期金利に影響がない範囲の調整であり、緩和効果の低下は起こらないと考えられています。
 以上のように低金利の副作用を考慮したものの、それが市場に「緩和姿勢の後退」というメッセージとなるのは不都合です。そこで日銀は同時に、「フォワードガイダンス(将来の指針)」と呼ばれる手法を導入しました。来年(2019年)10月には消費税率が10%に引き上げられることもあり、増税による景気減速を最小限に食い止めるためにも、当分の間は現在の超低金利を維持することを約束したのです。
 年6兆円買っている上場投資信託(ETF)は購入方法を見直します。日銀が間接的に一部企業の大株主になることや、特定の銘柄の値動きが大きくなるのは望ましくないので、比較的構成銘柄が少ない日経平均連動の投信の買い入れを減らし、上場企業に広く影響するTOPIX(東証株価指数)連動の投信の買い入れを増やすことになりました。
 日銀は2013年4月より大規模な金融緩和を開始し、経済に大量のお金を流し込んできましたが物価は思うように上がりませんでした。現在日銀は2020年度に至っても物価上昇率は1.6%にとどまると見ています。物価の伸びが鈍い理由として、ヾ覿箸猟其眄瀋螢好織鵐垢なお慎重であること、家計の値上げに対する許容度が明確には高まっておらず、本格的な値上げに時間がかかっていること、仕入れ価格や人件費が上昇しているにもかかわらず、企業が値上げに慎重な姿勢を示していること、ざチ莊祺修砲茲蟆然覆硫,珪紊恩果が働いていることを挙げています。
  銑い隆超のもとで5年以上金融緩和を続けても2%の物価上昇が実現できないのであれば、今までの手法が誤っていたと考えて修正するか、目標自体を見直すべきではないでしょうか。
 強力な緩和姿勢は継続すると言いながら、金利上昇を容認し、株価上昇にブレーキをかけるおそれがある政策を打ち出せば、いずれ市場に混乱を招くことになります。

2018年6月の日銀短観

 日銀が2018年7月2日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業で2四半期連続で悪化しました。なお業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業を差し引いた値です。大企業製造業の業況判断DIは2017年12月まで5四半期連続で改善していましたが、前回3月調査で悪化に転じました。前回からの悪化幅は3ポイントで、プラス21でした。原油高による原材料費の上昇が影響したようです。一方、大企業非製造業は4期ぶりに改善しています。国内需要は堅調ですが、原油高や貿易摩擦懸念など海外を中心に景気の先行きに不透明感が出ています。
 ここで大企業製造業の業種別に数値を確認しておきます。石油・石炭製品はプラス31となり前回調査から13ポイント悪化しました。自動車はプラス15で7ポイント悪化、業務用機械はプラス21と5ポイント悪化、化学はプラス22と4ポイント悪化という状況です。さらに電気機械は世界的なスマートフォン需要が一服し、4ポイント悪化のプラス20でした。造船・重機等は前回マイナス4、今回マイナス7と、水面下での動きが続いています。以上のように16業種中10業種で景況観は悪化し、上昇したのは、繊維、紙・パルプなど4業種にとどまった。(2業種は変わらず。)
 次に大企業非製造業はプラス24と1ポイント改善を示しました。インバウンド需要が好調な宿泊・飲食サービスが8ポイント改善してプラス11、運輸・郵便、卸売など幅広い業種で需要が好調です。
 中小企業に目を向けると、人手不足による人件費上昇が悪影響を及ぼしています。中小企業製造業の業況判断DIはプラス14と1ポイント悪化し、非製造業はプラス8で2ポイントの悪化です。両者とも8四半期ぶりの悪化となりました。

トランプ政権、2019会計年度予算教書を提出

 トランプ政権は2018年2月12日、2019会計年度(2018年10月〜19年9月)の予算教書を議会に提出しました。減税や国防費の増額で、財政赤字は昨年の想定の倍近くに膨らむ見通しです。政府は赤字をまかなうために国債を増発します。
 2019年度の予算総額は4.4兆ドル(約480兆円)で、2017年度と比較すると、1割増となります。そのうち全体の約3割を「裁量的経費」が占めていますが、国防費は2017年度から13%増の7,160億ドル(約78兆円)に達します。
 トランプ大統領がこうした大規模な財政出動を実施するのは、今秋の中間選挙を意識し、「目に見える効果」を示しておきたいからでしょう。大規模減税とともに注目されるのはインフラ投資であり、10年間で2,000億ドル(約22兆円)を提案しています。かねてからこだわっているメキシコ国境の壁建設費用は、2019年度までの2年間で180億ドル(約2兆円)を見込んでいます。国防総省や国土安全保障省の予算を増額しますが、環境対策費やメディケア(高齢者向け公的医療制度)」など社会保障費が削減されます。なお10年間の歳出削減額は約3兆ドルと見込まれています。
 国防費の増加や減税のため税収減が起こり、2019年度の財政赤字は昨年の想定の倍近い9,840億ドル(約107兆円)に達します。この数値をGDP比でみると4.7%となり、2012年以来7年ぶりの大きさに悪化します。
 ところでトランプ政権は昨年の予算教書で「10年間で財政赤字を解消する」と訴えていましたが、今回あっさり断念しました。今後10年間の累積の財政赤字は7.1兆ドル(約770兆円)と、昨年の想定の2倍以上に膨らみます。
 アメリカでは連邦政府の予算を議会が作るため、予算教書は大統領の「提案」という位置づけです。したがって議会の審議次第で内容がで大幅に変わる可能性があります。
 与党・共和党はオバマ政権下の野党時代、「小さな政府」を掲げ、歳出削減を強硬に求めてきました。ところが、トランプ政権下で議会の多数派を占めると、赤字拡大路線に転換し、「大きな政府」に歯止めがかからなくなっています。
 すでに指摘した巨額の赤字の穴埋めのため、政府は2018年度に約1兆ドル(約110兆円)の国債を発行します。その結果国債は前年より約8割増えることになります。FRB(米連邦準備制度理事会)は、「量的緩和」で買い上げた国債の保有を減らしていますが、市場の国債がだぶつき、財政赤字拡大懸念から信用度も下がると、金利上昇につながる危険もあります。これは株安など、金融市場の波乱要因になることを銘記すべきです。

NYダウ 1,175ドル安

 5日のNYダウは下げ幅が一時は1,597ドルに達し、終値でも前週末比1,175ドル21セント安の2万4,345ドル75セントと、約2カ月ぶりの安値をつけた。トランプ大統領による政策期待に起因する相場のユーフォリア(陶酔)が終わったとの見方が広がっています。
 急落のきっかけとなったのは、前週に発表された雇用統計において賃金の伸びが市場の予想を上回ったことです。その結果、FRBが予想されていたよりも速いペースで金利の引き上げを行うだろうという予測が広がったのです。
 トランプ大統領は即効性を求めて次々と拡張政策を打ち出し、アメリカ経済には過熱感が出始めています。規制緩和、大規模な減税とインフラ投資を行い、景気を抑制する要因が見当たりません。
 ところで昨年(2017年)10月〜12月におけるアメリカのGDP成長率は、年率換算で7月〜9月期と比較し、実質2.6%増となりました。、これは「適温経済」と呼ばれています。さらに雇用環境に注目すると、ほぼ完全雇用の状態になっています。
 こうした経済環境のもとでさらなる景気刺激策を打ち出せば、人手不足に陥り、賃金が高騰するでしょう。賃金高騰はやがて物価にも波及し、インフレにつながります。インフレで物価が高くなると、人々はモノを買わなくなり、景気が落ち込みます。
 金融当局はこうした事態を防ぐため金利を上げますが、企業からすると金利負担の増大は経営を圧迫し、やはり景気の落ち込みを招きます。
 金融政策の難しいところは、経済の過熱がおさまって、ちょうどよい状態で引き締め政策を終われるかという点です。1990年代における日本のバブル潰しの政策を顧みると、引き締め効果が強すぎて、著しく経済が落ち込みました。その落ち込みを食い止めるため、今度は財政支出を増加させ、財政赤字を一段と拡大させてしまいました。経済の温度を熱すぎず、冷たすぎず、ちょうどよい温度に保つ政策運営は、決して容易ではありません。

トランプ大統領、就任後初の一般教書演説

 トランプ米大統領は2018年1月30日、上下両院合同会議において今後1年のアメリカの内政・外交の施政方針を包括的に示す一般教書演説を行いました。トランプ氏にとっては就任後初の一般教書演説です。そこで「アメリカの新しい時代」の到来を宣言し、「安全で強く、誇り高きアメリカの建設にともに取り組む」と強調しました。インフラ投資や移民政策の実現に向けて超党派の協力を呼びかけました。ところで一般教書演説は今後の展望を示すという性格が強いのですが、今回の演説は過去の実績が重視されました。その理由は、11月の中間選挙で十分な支持を獲得するためなのでしょう。これまでどおりアメリカ第一主義政策を打ち出すとともに、「私たちは1つのチームであり、家族だ」として国民に結束を訴えました。
 経済政策で最も力を入れているのはインフラ投資です。アメリカのインフラは崩れつつあるため再建しなければならないと表明し、官民合わせて1兆5,00億ドル(約163兆円)以上にのぼる関連法案づくりを提唱しました。もっとも1年前の施政方針演説では1兆ドルと述べていたのですが、具体的に何が行われたのか明確ではありません。財源はどうするのか、どのように進めてゆくかに関してもよくわかりません。
 昨年(2017年)末に成立した今後10年間で差し引き1.5兆ドルに達する大型減税法についても、「中間層や小規模事業者に大きな安心を与える」と効果を力説しました。
 次に移民規制に関してはアメリカの労働者や家族の利益を最も重視した政策」の実現に超党派で取り組むことを提案しました。看板政策とされるメキシコとの国境の壁建設など不法入国対策を強化するかわりに、野党の民主党が求めてきた幼少期に親と不法入国した若者が市民権を取得できる制度をつくる考えを示した。「時代遅れの移民ルールを改革し、21世紀の移民制度にかえるときだ」と主張しました。
 通商政策では「悪い貿易協定をただし、再交渉して新しいものにする」として、2国間交渉を軸に公正で互恵的な貿易関係の実現をめざす方針を改めて強調しています。ダボス会議でほのめかした環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰には言及していません。
 外交・安全保障政策に注目すると、中国やロシアを意識し、アメリカの国益や経済、価値観に挑戦しようとしていると述べた。そして核戦力の近代化などを通じ、アメリカ軍を再建して対抗する姿勢を示しました。一方対北朝鮮政策では、「北朝鮮ほど市民を抑圧している残虐な独裁政権はない」と非難し、最大限の圧力で核・ミサイル問題の解決をめざすと改めて表明しました。これらは一言でいうと「力による外交」である。与野党には国防予算の増額を要請しています。
 テロ対策ではオバマ前政権が廃止を打ち出したテロ容疑者を収容するグアンタナモ収容所を維持する考えを示した。海外援助が米国民の利益にかなうようにする法律の制定を米議会に求めました。

2017年7−9月期のGDP速報

 内閣府が2017年11月16日発表した2017年7−9月期のGDP速報値によれば、物価の変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算で1.4%増となりました。
 ここで需要項目別に動向を確認しておきます。GDPの過半を占める個人消費は、0.5%減となり、7四半期ぶりにマイナスに転じました。これまで自動車や携帯電話といった耐久財は、ちょうどリーマン・ショック後の消費刺激策で購入した製品の買い替え時期と重なり、売れ行きがよかったのですが、小休止となりました。夏場の台風や長雨が響き、レストランなどの外食サービスや宿泊サービスの客足がふるいませんでした。加えて自動車の販売が4−6月期に伸びた反動が出て落ち込みました。
 設備投資は前期比0.2%増と4四半期連続でプラスを維持しものの、伸びは前期の0.5%増でしたから、鈍化したことになります。
 住宅投資0.9%減と7四半期ぶりのマイナスとなりました。相続税対策の一環で急増したアパートなど貸家の建設が一服し、持ち家の着工も鈍ってきています。
 公共投資は2.5%減を記録し、3四半期ぶりのマイナスとなりました。2016年度第2次補正予算の執行が進んだ前期と比べ、ペースが鈍化したようです。
 輸出は前期比1.5%増と2四半期ぶりにプラスとなりました。アジア向けの電子部品や半導体製造装置などが好調でした。加えてアメリカ向けの自動車や資本財の輸出も伸びました。なおGDP統計では輸出に含まれる訪日外国人(インバウンド)消費も堅調でした。
 輸入は1.6%減と、5四半期ぶりのマイナスとなっています。新型iPhoneの発売を控えてスマートフォンの購入を手控える動きが出て、中国などからの携帯電話機の輸入が減速しました。
 好景気持続に重要なのは、個人消費が活性化することです。しかし将来不安を持つ消費者が多く、節約志向は根強いままです。一番の問題は、企業業績が好調にもかかわらず、賃金上昇に結び付いていないのが気になります。

トランプ政権と与党・共和党が30年ぶりの大型税制改革を発表

 11月2日、トランプ政権と与党・共和党が30年ぶりの大型税制改革を発表しました。その骨子をまとめると、次のようになります。
<企業>
 ]∨法人税率を35%から20%に引き下げ。税率は恒久化する。 アメリカ企業は高率の課税を嫌い、事業拠点を国外に移す傾向が強い。トランプ大統領の公約は「アメリカに企業と雇用を取り戻す」ことであるから、どうしても実現したい政策といえる。
◆ヽこ偉永飮餠發砲錬渦鵑里滷機12%を課税。先行きは原則ゼロに。国内投資を後押しするため、企業が節税目的でため込んだ海外資金をアメリカに戻しやすくする狙いがある。これまでアメリカに資金を戻した段階で35%(海外での納税分を除く)を課税してきたが、今後は原則ゼロにする方針。なお既にため込んだ資金には1回限りで5〜12%課税する。ちなみにアメリカ企業はアップルなどIT企業を中心に、すでに2.5兆ドルもの資金を海外に留保しているとされそのうち20〜30%がアメリカに還流する見込みだという。さらに設備投資やM&A(合併・買収)が活発化し、株価押し上げ効果も期待される。
 グローバル比率の高い企業には10%の海外収益課税を残す。

<タックスヘイブン(租税回避地)対策>
 米国外に本社を置く企業が米国内で稼いだ資金を海外に持ち出す際、最大20%を課税する。とりわけ製薬大手などが、節税目的で本社を海外に移し、アメリカで課税できないという問題を解消する。

<個人> 
 仝朕予蠧誓任論芭┐鬘恵奮から4段階(12〜39.6%)に簡素化。
◆,海譴泙39.6%であった 最高税率の引き下げは見送る。

 ところで全体の減税規模をみると、10年間で1.5兆ドルにとどまっています。トランプ氏は選挙公約で4兆〜5兆ドル規模の減税を目指しましたが、結局財政不安に配慮し、て個人所得税の税控除を廃止するなど、部分的には増税要素も見受けられます。
 アメリカ下院は11月6日から議会審議に入り、11月下旬までに法案を通過させたいと考えています。トランプ大統領は12月中に上院でも可決して、年内に成立させると意気込んでいます。そして「小さな政府」を目指す共和党にとっても、大型減税の実現は悲願といえます。とはいえ党内調整に時間がかかり、急激な税収減を嫌う財政保守派による反発も払拭できていません。加えてトランプ政権は、ロシア疑惑を抱えていることを忘れてはなりません。さらに定数100のアメリカ議会上院に占める共和党の議席は52です。一部議員が離反すれば、法案が成立しない可能性も残ります。

第48回衆院選 再び安倍一強体制に

 10月22日、第48回衆院が行われ、即日開票されました。今回の選挙では「1票の格差」是正のため小選挙区で「0増6減」を実施し、比例代表を合わせた定数は475議席から465議席に減り、小選挙区289議席、比例代表176議席を争うことになりました。
 さて上述のとおり衆院定数は465議席ですから3分の2は310議席となります。ここで自民党が284議席、連立を組む公明党が29議席と計313議席を獲得し、憲法改正の国会発議に必要な3分の2を上回る圧勝をおさめました。ちなみに自公両党が衆院選で3分の2以上の議席を得るのは、政権交代前の2012年12月と2014年12月に続き3回連続のことです。衆院で3分の2以上の議席を確保していたら、参院で否決された法案を衆院で再可決できます。
 選挙戦で与党はまず安倍政権の継続を訴えました。消費税の増税分を財源とした全世代型社会保障制度の構築、働き方改革を柱とした経済政策、緊迫する北朝鮮情勢を念頭に安全保障政策の強化などを主張し、大きな支持を集めました。
 次に野党の動向を注目します。野党は安倍首相の森友学園、加計学園にまつわる疑惑への対応が不十分であると批判し「安倍1強」体制の切り崩しをはかったものの、全く歯が立ちませんでした。致命的であったのは、民進党の分裂です。自公政権批判票が、小池百合子東京都知事が立ち上げた希望の党と枝野幸男元官房長官が設立した立憲民主党に割れ、野党共闘(候補者の一本化)も行われなかったため、結果的に与党優勢の構図となったのです。
 ところで野党第一党に躍進したのは立憲民主党で、公示前の15 から55へと大きく議席を伸ばしました。無党派層の支持を集めた結果といえます。一方希望の党は安倍政権への批判を強めていたのですが苦戦し、公示前は57議席であったのが50議席にとどまりました。
 共産党は立憲民主の勢いに押され、公示前の12議席を大きく下回る12議席でした。日本維新の会は地盤である大阪の選挙区などで期待どおりの議席が得られず、公示前の14議席から11議席に減らしました。社民党は選挙区で1議席、比例区で1議席の計2議席にとどまり、日本のこころは議席を得られませんでした。

2017年4−6月期 GDP改定値

 内閣府が2017年9月8日発表した2017年4−6月期のGDP改定値によれば、物価の変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算で2.5%増となりました。8月14日発表された速報値では、年率4.0%増であったので、大幅な下方修正となりますが、6四半期連続のプラス成長です。
 ここで需要項目別に動向を確認しておきます。GDPの過半を占める個人消費は、実質で前期比0.8%増となり、6四半期連続のプラス成長を記録しました。レストランなど飲食サービスで客足が伸び、エアコンなど白物家電は新商品投入効果で売れ行き好調でした。さらに自動車の販売も増大したようです。
 設備投資は前期比0.5%増となり8四半期連続のプラス成長です。好調の要因は、建設関係、工作機械、ソフトウエアへの投資が伸びたことです。設備更新需要が増え、人手不足に対応するための省力化投資も活発になっています。
 住宅投資も前期比1.3%増でした。低金利を背景に、アパートやマンションなど貸し家の着工が順調です。
 公共投資は6.0%増と高い伸びを示しました。2016年度2次補正予算の執行が進んできた結果です。
 輸出は前期比0.5%減となり、4四半期ぶりのマイナス成長でした。中国市場においてスマートフォンの販売が減速し、電子部品の輸出が落ち込んだことが影響しています。もっとも欧米向けは堅調だったようです。
 輸入は1.4%増となりました。原油や天然ガスの増加が目立ち、公共事業や住宅投資の資材を海外から調達する傾向が高まったことが要因です。
 今回のGDP統計で明らかになったのは、外需主導の好景気が、外需(輸出)内需の両輪で牽引するようになったことです。世界景気は回復傾向にあり、輸出が堅調な上に、輸出増に対応するため、国内での生産や投資が刺激されるという好循環が生まれているのです。

日米経済対話 日本は自由貿易の原則を貫けるか

 18日、麻生太郎副総理兼財務相とペンス米副大統領による日米経済対話の初会合が1行われました。会談では、概ね次のようなテーマが話し合われました。
 まずこの会議で何が話し合われるかということですが、貿易・投資ルールの共通戦略、経済・構造政策での協力、分野別協力を3本柱にすることが決まりました。
 次に貿易問題では、両国の考えに大きな隔たりがあります。ペンス氏はアメリカの貿易赤字を問題視し、その解消のため、日米の二国間貿易交渉に意欲を示しました。そして将来は自由貿易協定(FTA)も選択肢であると強調しました。なお為替に関しては議論されていませんが、アメリカは貿易赤字の背後にあるドル高に不満を持っていることを念頭に置かなければなりません。
 これに対し麻生氏は、二国間の貿易交渉は避けたい立場です。日米の経済関係を「摩擦から協力の時代」とし、環太平洋経済連携協定(TPP)の枠組にこだわりました。日本は二国間交渉には応じず、アジア共通の貿易・投資ルールづくりに持ち込みたいという考えです。しかしペンス氏は「TPPは過去のもの」としてとりあいませんでした。
 マクロ経済政策については、ペンス氏は日本の構造改革の必要性を指摘しました。一方麻生氏は、日本の金融緩和に関し、通貨安誘導ではないことを主張しました。
 最後に中国を念頭に、貿易ルールで第三国への「懸念」を共有しています。
 トランプ大統領の貿易政策は、ひと言でいうなら、圧倒的な軍事力と経済力を背景に、二国間協議で圧力をかけ、アメリカ第一主義を実現しようとするものです。通常の経済協議では、「保護主義に対抗する」という文言を入れるのが定番でしたが、今回の日米経済対話では見送られました。
 これまで各国の国民は、自由貿易推進のおかげで様々なメリットを享受し、経済全体のパイを広げてきました。そしてそれを支えたのが、全世界にまたがる複雑な産業のサプライチェーンです。トランプ大統領が打ち出す政策は、こうした貴重なネットワークや相互依存関係を分断するものと言わざるをえません。

アメリカ軍、シリアを攻撃

 アメリカ軍は6日夜、シリア・アサド政権の空軍基地を、約50発の巡航ミサイルで攻撃しました。トランプ大統領はその理由について、シリアのアサド政権が罪もない市民を化学兵器で殺戮し、もはや放任できなくなったと主張します。シリアは化学兵器禁止条約の加盟国なので、使用が真実なら、このような残虐行為を許すことはできません。6年前の2011年にシリア内戦が始まって以来、アメリカ軍が直接アサド政権の軍事施設を攻撃するのははじめてです。
 しかしアメリカは、国連安全保障理事会などに明確な証拠を提示することもなく武力行使に踏み切ったのはのは、どうにも納得がゆきません。歴史を顧みるとアメリカは2003年、「大量破壊兵器を保有している」とみて2イラクを攻撃しましたが、結局発見できませんでした。
 こうした過去への反省からオバマ前大統領は、常に武力行使には消極的でした。トランプ大統領はオバマ前大統領との違いを出したかったのでしょうか。トランプ大統領は選挙公約で「アメリカは世界の警察官ではない」と言っていたはずですが、整合性がとれません。
 ロシアが今後どう動くのかも焦点です。ロシアは引き続きアサド政権を支援してゆくようです。アメリカはこれまでロシアと連携して中東を安定させるという方針でした。しかしこうして反アサドの姿勢を明確にし、米ロ関係が悪化すると、内戦は長期化するでしょう。そうすれば大量の難民が発生します。そしてその対応をEUに丸投げするのなら、無責任すぎます。
 加えてアジア情勢もますます不透明になってきます。「トランプ政権は武力行使をためらわない」という強い姿勢を示すことで、北朝鮮の暴走を抑えるという見方がある一方で、北朝鮮は一段と強硬手段を打ち出すという懸念もぬぐえません。
 それにしいてもトランプ政権はどういったスタンスで外交を進め、世界をどのような方向に導こうとしているのか、全く見通せません。安全保障政策の司令塔は誰なのでしょうか。言動に一貫性が見られず、今後混乱は一段と深まりそうな気がしてなりません。

トランプ大統領、オバマケア代替案を撤回

 トランプ大統領の目玉政策のひとつが、 医療保険制度改革(オバマケア)」の撤廃でした。しかし与党・共和党内で調整がつかず、24日、採決断念に追い込まれました。
 オバマケアは、国民に医療保険加入を義務付け、低所得者向けの公的保険の枠を広げるものです。導入後新たに約2,000万人が保険に入れるようになりました。しかしこれによって、一部で保険料の値上がりが生じ、財政負担も増大しました。米議会予算局(CBO)の試算によると、政府支出は2016年の6,600億ドルであったのが、2026年には1兆1,000億ドルに膨張するということです。
 トランプ大統領はこうした財政負担の増大を危惧し、オバマケアの撤回を目指しました。具体的には個人に保険加入を義務付ける規定や企業に従業員への保険提供を求める条項を撤廃する代替案を示しました。ただし急激な変化を避けるため、病気の人の保険加入を保険会社が拒否できない条項などは残しました。
 ところがその結果、完全撤廃」を求める保守強硬派と、無保険者の急増を避けたい穏健派の双方から反発があり、調整がつかなくなりました。
 オバマケア代替案が成立するかどうかは、今後トランプ政権の運営がうまくゆくかどうかの試金石でした。上下両院で与党共和党が多数を握っているという好条件にもかかわらず、成立させられなかったことは、政権に大きな痛手となりそうです。党内の分断や支持基盤の弱さが露呈され、政権運営が一段と難しくなるのではと懸念されます。

トランプ大統領、新入国禁止令に署名

 トランプ米大統領は6日、中東・アフリカ7カ国の国民を一時入国禁止にした米大統領令の一部を修正した新・大統領令に署名しました。
 ここで1月27日に署名された前の大統領令との違いを見ておきましょう。まず入国禁止対象国は、以前はシリア、イラク、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの中東・アフリカ7カ国の国民を90日間入国禁止としていましたが、今回はイラクを除外しています。(期間は同じく90日間。)イラクが除外された理由は、ビザ申請者の情報提供などで進展があったこと、激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦でイラク政府と共闘していることを挙げています。
 次にビザに関して前回は約6万人のビザが取り消され大きな混乱を招いたため、今回はすでに永住権があったり、ビザを持つている人は入国できると明記しました。
 シリア難民の扱いも変わりました。以前はアメリカの国益に有害と名指しし、無期限の受け入れ停止をいましたが、。今回は他国からの難民と同様の扱いに変更しています。なお難民について、すべての国からの受け入れを120日間停止するという方針は残しつつ、今回は受け入れが決まっている難民にかぎり入国を許可することとしました。
 最後に実施日ですが、前回は即時実施であったのに対し、今回は10日後の3月16日からということです。
 私はトランプ大統領の入国規制政策は、あまりにも身勝手な自国第一主義だと感じます。特定のイスラム教の国々を一律にテロ国家と位置付けているからです。トランプ氏は選挙キャンペーン中からイスラム教徒を嫌悪していましたが、根拠があるわけではなく、短絡的すぎます。
 いまひとつ看過できないのは、シリア、アフガニスタン、イラク、スーダンといった具合に、難民はアメリカが戦争を仕掛けた国から生まれている点です。これらの国々では飢饉が進行し、国土が荒廃して住めなくなり、他国へ避難せざるをえなくなったのです。難民問題の根源がアメリカの中東政策にあり、その国の国民には何の罪もありません。国際社会は人道的にも、こうした苦境にある人々に救いの手を差し伸べるべきです。
 トランプ大統領の政策は、キリスト教世界とイスラム教世界の憎悪の連鎖をさらに増幅させるように思えてなりません。テロを撲滅することとは重要ですが、特定の国や宗教をひとくくりに敵視する姿勢は許されるものではありません。、

トランプ大統領、国防費1割増強の方針

 トランプ大統領は27日、2018会計年度(2017年10月〜18年9月)の予算案で、国防費を1割近く増額要求する方針を明らかにしました。すなわち法律で決められた国防費の上限額(5,490億ドル)から、540億ドル(約6兆円)を増額し、6,030億ドル(約66兆円)にします。トランプ氏は、ホワイトハウスで知事らとの会合に出席し、「この予算は公共の安全、国家の安全保障の予算になる。米国の劣化した軍隊を再建するため、国防費の歴史的な増加が含まれる」と話しました。私は1980年代のレーガン政権のときの「強いアメリカ」政策を想起しました。
 トランプ氏は選挙キャンペーン中から、「力による平和」を主張し、軍事力増強の必要性を説いてきました。具体的には次のとおりです。
 仝縮鬚領Ψ格嫉里48万人から54万人に。
◆ヽな実發23大隊から36大隊へ。
 海軍の艦船や潜水艦を276隻から350隻に。
ぁ\鐔儿匐機を1,1000機から1,200機へ。
 トランプ大統領の国防政策は、オバマ前大統領の国際協調路線とは対照的です。オバマ前大統領はイラク戦争の終結を宣言した2011年以降、議会が定めた政府支出の強制削減で国防費を抑制してきたのに、180度方針を転換して、増額に方針転換したからです。なおこの政策の背景には、防衛産業の繁栄による雇用拡大の意図も窺えます。
 ところで上述のような国防費増額の影響で、削減される予算もあります。それらは、途上国援助や地球温暖化対策費です。トランンプ政権は、国務省や、海外援助を担う国際開発局の予算を28%減額する方向です。
  アメリカででは日本と異なり、政府に予算案提出の権限がなく、議会が予算案を決めます。つまりトランプ政権が示す予算教書は、政府による「提案」の性格が強く、その通り実現するかどうかはわかりません。また民主党はこうした「力の誇示」は、平和的外交手段や国内の弱者支援の軽視につながると、反発しています。加えて与党・共和党の財政再建派の議員たちは反対の意向を示しています。
 それにしてもアメリカの軍事力増強は、世界の平和と安定につながるのでしょうか。中国やロシアなどの大国を軍拡競争に巻き込み、北朝鮮やイスラム国を一層刺激することにならないでしょうか。加えてアメリカは世界の警察官ではないという主張や、同盟国に公平な負担を求めていたこととも矛盾します。
 途上国への援助削減は、格差拡大や腐敗の進行を助長し、テロの引き金となるかも知れません。短絡的に「力による平和」の方針を打ち出すだけでは、国際社会の安定にはつながらないでしょう。 

連日で最高値を更新するNYダウ

2016年12月9日のアメリカの株式市場において、ダウ工業株30種平均が前日比142ドル04セント高の1万9,756ドル85セントで取引を終えました。5日続伸し、5日連続で過去最高値を更新しました。またこの水準は、リーマン危機後の後の2009年3月に付けた安値(6,500ドル)から3倍の上昇で、7年半あまりで達成したことになります。
 堅調な株価の背景にあるのは、トランプ次期米大統領への政策期待です。すなわちトランプ氏の公約であった大規模なインフラ投資、減税、金融・エネルギーの規制緩和などが、アメリカ企業の成長につながるという期待が台頭し、中長期の運用資金がアメリカの株市場に流れ込んでいるのです。
 リーマン危機後、アメリカ経済は徐々に回復の道を歩み、NYダウは2014年12月に1万8,000ドルの大台に乗せました。この間の株価の押し上げ要因は、アメリカ連邦準備理事会(FRB)が金融危機対応として、大規模な金融緩和策を実施したことです。緩和マネーがアメリカ株に向かったのです。なお現在FRBは、金融引き締めへ政策転換のタイミングを模索しています。
 株式市場が期待しているのはトランプ氏の政策です。まずは高速道路、橋、トンネルなど、インフラへの投資である。10年間で1兆ドル(約110兆円)もの規模で、毎年のアメリカのGDPの押し上げ効果は、0.6%という試算もあります。さらに主要国で最高水準の法人税率を35%から15%に下げ、個人所得税も下げるといいます。 
 オバマ政権で厳しく縛られたエネルギーや金融の規制緩和の促進も目指しています。アメリカのエネルギー生産で雇用を奪う規制を取り消すと表明し、シェールガス・オイルの掘削技術への規制、石炭火力発電の二酸化炭素(CO2)排出規制を撤廃する予定です。
 以上のようなトランプ氏の政策は、金融市場にどのような影響を与えるでしょうか。大規模なインフラ投資や減税などで物価が上昇するとみられ、長期金利が上昇しました。金融業では利ざやの拡大が見込め、収益拡大期待が強まりました。さらに金融の規制緩和の実施が、利益拡大につながるとの見方も多くあります。
 ところでトランプ氏は「米国第一」をスローガンとし、保護主義的な政策も目指しています。環太平洋経済連携協定(TPP)からの撤退は中長期的にみれば、アメリカ経済にマイナスと言われています。加えてアメリカ連邦政府の債務はすでに20兆ドル近くに達しています。大規模な減税などでアメリカの長期金利が8%台に跳ね上がると懸念するエコノミストもいます。急速なドル高は、全世界で事業展開するアメリカ企業に好ましくないことにも留意が必要です。

進む円安・株高

 円安・株高が加速しています。2016年12月9日の外国為替市場において円相場は1ドル=115円台前半まで下落し、10ヶ月ぶりの安値をつけました。また日経平均株価は1年ぶりに1万9,000円の大台に迫りました。(終値は1万8,996円37銭)
 円安・株高の背景はトランプ次期米大統領が掲げる減税や公共事業拡大政策がアメリカの景気を刺激し、アメリカの長期金利が上昇して、投資マネーが国債から株式に流入していることです。この1カ月間で世界の株式時価総額は約230兆円(2兆ドル)拡大しました。また国債が売られ、アメリカの長期金利は2.4%台に上昇しました。一方で日本銀行は長期金利を低位に抑えています。日米金利差の拡大を受けてドルを買って円を売る「トランプ相場」の勢いが強まっているのです。
 大統領選前の11月8日に比べて10円以上進んだ円安は日本株に追い風です。9日の取引時間中、日経平均は一時1万9,000円を上回りました。欧州中央銀行(ECB)が前日、量的緩和策の終了時期を2017年12月まで延ばすと決定し、市場には緩和継続への安心感が広がりました。
 債券から株式に向かうマネーは世界の株式時価総額を押し上げています。とりわけアメリカと日本の時価総額増大が顕著です。ダウ平均は過去最高値圏にあり、トランプ氏が掲げる規制緩和への期待から金融株などが上昇しています。日本の東証1部の時価総額は571兆円と1割増えました。トヨタ自動車の時価総額は約3兆円増大しています。
 株高が景気回復につながるという期待が高まってきています。雇用環境の継続的な改善に株高が加われば、消費拡大に結びつくでしょう。
 ただ急ピッチで進む円安・株高は期待先行の側面が強く、先行きへの警戒感は高まっていることにも注意が必要です。想定外のニュースが飛び込むと、円高・株安に転換する可能性もあります。

2016年7−9月期 GDP改定値

 内閣府が2016年12月8日発表した2016年7−9月期のGDP改定値によれば、物価の変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算で1.3%増となりました。11月14日発表された速報値では、年率2.2%増であったので、下方修正です。
 需要項目別に動向を確認しておきます。
 GDPの6割近くを占める個人消費は、実質で前期比0.3%増でした。「iPhone7」など新型スマートフォンやテレビ、飲料の販売、宿泊施設の利用は好調でした。しかし台風など天候不順の影響で、ガソリンの消費が振るわなかったようです。
 設備投資は前期比0.4%減となりました。米欧の自動車市場が堅調な輸送機械は伸びたのですが、農業機械やソフトウエアの新規投資は不振でした。不動産業、鉄鋼業、化学工業でも減少しました。収益が伸びる見込みがないため、企業は設備投資に積極的になれない状況であす。
 反面住宅投資は前期比2.6%増でした。住宅ローン金利の低下が購買意欲を刺激したと考えられます。
 公共投資は0.1%増えました。4−6月期には2016年度当初予算の前倒し執行で2.3%増でしたが、今回はその反動で小幅増にとどまりました。
 在庫投資は在庫が一定期間にどれだけ増加したかを表します。期間内に在庫が増加すればプラス、減少すればマイナスの在庫投資となります。今回在庫投資は、0.3%減でした。食品の製品在庫のほか、基礎化学製品の原材料段階などで、企業が在庫を積むペースが鈍っています。
 輸出は前期比1.6%増でした。新型スマートフォン増産のため、半導体製造装置や電子部品の輸出が伸び、アジア経済の復調も輸出を押し上げました。訪日外国人(インバウンド)消費も堅調で、熊本地震で訪日を見送るケースが相次いだ4−6月期の落ち込みから回復したとみられます。
 輸入は0.4%減でした。

選挙期間中のトランプ氏の公約や発言の整理

 第45代アメリカ大統領に当選が確実となったトランプ氏は、9日未明、支持者を前に勝利宣言をしました。今日は、10日の『朝日新聞』の記事をもとに、選挙期間中のトランプ氏の公約や発言の整理しておきたいと思います。
 まず公約は次のようなものが挙げられます。軍事において「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言し、北大西洋条約機構(NATO)の一部加盟国への支援をやめると言っています。
 さらに通商面では、アメリカの貿易赤字を問題視しており、TPPからの離脱と北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を提唱しています。また中国やメキシコの製品には高い関税をかけると主張しています。
 入国管理政策も厳格に行います。メキシコとの国境に壁をつくり、その費用はメキシコに払わせる、イスラム教徒の入国を当面禁止する、不法な移民は強制退去させるなど、過激なものが目立ちます。
 日本に対しても様々な注文をつけています。日米同盟に関しては、同盟国として応分の負担をしなければ、日本を守らないと迫り、より一層の負担を求めています。また北朝鮮の脅威に対しては、日本の核武装もありえるとしています。経済面にも不満を持っており、中国、メキシコ、ベトナムとともに日本から仕事を取り戻すと圧力をかけています。日本がアメリカの牛肉に38.5%のかけていることに対し、アメリカも日本車に同率の関税をかけると強硬な姿勢です。日本の大胆な金融緩和に関しても円安誘導だと批判的です。
 その他、人工妊娠中絶、銃規制、地球温暖化対策にも反対です。
 アメリカはこれまで、自由、平等、民主主義、法の平等といった普遍的価値を体現することで世界に対し指導力を発揮してきたといえます。しかしやがて、国境を越えてヒト、モノ、カネが移動するグローバル化の波がアメリカにも押し寄せました。その結果、波にうまく乗れた人はより豊かになりましたが、取り残された人はますます貧しくなってゆきました。
 このような急激な環境変化に対し、既存の政治は何ら有効な手立てを講じることができず、弱者の不満は次第に大きくなってゆきました。トランプ氏は、治安悪化を引き起こしているのはイスラム教徒であるとか、アメリカ人の雇用を奪っているのは安い賃金で働く移民であるといった具合に敵をつくり、国を閉ざしアメリカの利益を最優先に考える政策を打ち出すことで、現状打破を求める人々の心をつかんだのでした。
 アメリカは反グローバリズムに対する最後の砦という期待もありましたが、トランプ大統領の誕生はアメリカ国民がこれまでの政治システムにNOの意思表示をしたことを意味しています。

JR九州が上場

 佐賀・茶学会設立以降、佐賀に出かけることが多くなり、JR九州をよく利用しています。特急「かもめ」や「みどり」は快適で、何度乗っても飽きません。
 さて今日25日、JR九州が東京証券取引所に上場しました。初値は3,100円と売り出し価格の2,600円を19%上回りました。終値は2,990円、時価総額は4,780億円と、今年の新規上場ではLINEに次ぐ規模でした。
 振り返ると、国鉄が分割民営化されたのは29年前の1987年のことです。その意義はひとことで言うと、巨額の借金を抱えた国鉄を地域ごとに分割して民間企業にすることで、経営を効率化することでした。国鉄の中でも本州3社(東日本・東海・西日本)の民営化は順調にゆきましたが、多くの赤字路線を抱える九州・四国・北海道の3社の上場は、難しいのではないかと考えられてきました。JR九州も鉄道事業は慢性的に赤字で、最近も毎年100億以上の赤字を出すという財務状況です。では鉄道事業の不振にもかかわらず、どうして上場が可能になったのでしょうか。
 まずは、「ななつ星」などでブランドイメージを高め、駅ビルとかマンションなどの関連事業に力を入れて、グループ全体で大きな黒字を出せるようになったことです。前期の駅ビル・不動産事業の売上高営業利益率は33%に達し、すでに上場しているJR3社の同様の事業の利益率(2割台)を上回ります。
 それから、民営化時に国から受け取った3,800億円の経営安定基金の貢献も見過ごせません。この運用益で鉄道の赤字を埋めてきました。なお上場にあたりこの基金はどうなるか議論になりましたが、返納せず鉄道ネットワークの維持に用いられることになりました。
 JR九州は上場により株主が国から一般の投資家に変わったことになります。今後はこれまで以上に利益をあげることが要請されます。赤字路線の運営は厳しいですが、アジアでの事業拡大を推進し、収益を高めてゆく戦略です。具体的には、アジアの中でマンションやホテル、レストランなどの事業展開を加速させます。
 株価見通しについては、年換算で2%超の配当利回りや、鉄道料金が半額になる株主優待などが個人投資家を惹きつけているようです。海外投資家も、不動産開発や訪日観光客の取り込みなど多角経営を評価しています。

衆院2つの補欠選挙 自民が2勝

 8月に第3次安倍再改造内閣が発足して以来初の国政選挙となった衆院の2つの補欠選挙の投票が23日に行われました。その結果、東京10区は自民党前職の若狭勝氏、福岡6区は自民党系無所属新人の鳩山二郎氏が当選しました。
 東京10区の補選は、都知事に就任した小池百合子氏の失職にともなうものです。若狭氏が民進党新人の鈴木庸介氏らを退ける結果となりました。若狭氏は都知事選において党の方針に反して小池氏を支援しました。そのため小池氏の全面的なバックアップを受け、無党派層の支持も取り込んだようです。
 不可解なのは、都知事選の際、自民党の方針に従わず立候補し、当選した小池百合子知事の応援団だった若狭勝氏を公認した点です。当初は除名処分だったはずなのに、融和に転じたのは驚きです。
 一方福岡6区補選は、自民党の鳩山邦夫元総務相の死去にともなうもので、保守分裂選挙となりました。前福岡県大川市長で次男の鳩山二郎氏が「弔い合戦」を掲げ、民進党新人の新井富美子氏や、麻生太郎副総理・財務相らが推した無所属新人の蔵内謙氏らを破り初当選を果たしました。
 こちらは自民党が分裂し、どちらの候補にも公認を与えず選挙が行われました。野党は民進・共産・自由・社民の4党が候補者を一本化したにもかかわらず、議席を得ることはできませんでした。
 安倍政権の支持率の高さと、野党のふがいなさが印象的な選挙でした。野党共闘はいいのですが、何のために共闘するのか、どのような政策を掲げて安倍政権と対峙するのかが見えてきません。野党はもっと政策を磨き、共闘の意義やあり方を再考して、政治に緊張感をもたらせてほしいものです。

長短金利操作付き量的・質的金融緩和

 日銀は2016年9月21日開いた金融政策決定会合で、長短金利を誘導目標とする新しい金融緩和の枠組み導入することを決めました。(長短金利操作付き量的・質的金融緩和)日銀の異次元緩和政策は導入から3年半が経ったが、次の理由で前年比2%上昇の物価目標を達成できなかったからです。
 仝玉価格の下落
◆‐暖饑覗税後の景気減速
 世界経済の停滞
 加えて過度の金利低下が金融機関の収益を圧迫したり、予想物価上昇率は過去の物価に引きずられやすく、引き上げに時間がかかることが明らかになりました。そこで緩和の枠組みが、従来は量重視であったのが、金利重視へと大きく転換することになったのです。変更点をふまえ、そのポイントをまとめると、次のようになります。
 …甲散睛操作付き量的・質的金融緩和を導入する。
◆…拘金利が年ゼロ%程度で推移するように国債を買い入れる。
 マイナス金利は年0.1%で据え置く。
ぁ。釘圍討硲劭釘稗圓稜磴てれ額は維持。 ETF−年6兆円、REIT−年900億円
ァ(価上昇率が安定的に2%を超えるまで緩和を継続する。
 ところで、長期金利の誘導方法はこれまでも実施してきた国債買い入れを軸とします。買い入れ額は当面現状の80兆円程度を目標とし、残存年限にこだわらず幅広い国債を買い入れます。
 日銀はさらに利回りを指定して国債を買い入れる新たな国債買い入れに乗り出します。加えて、最長10年の資金を固定金利で供給する新しい金融調節手段も導入します。
 日銀は以上のような政策を、2%の物価安定目標が実現し、安定するまで続ける。これまでは2%に達する前に金融緩和の手を緩めるのではないかとの見方があったが、2%を超えるまで緩和を続けることを明確にしました。
 日銀が金融政策の枠組みを変えたのは、市場に出回る国債が極端に少なくなり、資金供給量の拡大をこれまで通り続けていくことが困難になっているためです。長期金利を目標にし、資金供給量を柔軟に変えられるようにすることで、粘り強く緩和を続けられるようにします。
 またこれまでの金融緩和は、超長期の金利が下がりすぎて保険や年金の運用が難しくなるという副作用も目立っていた。長期金利目標は、10年債金利がマイナス圏に突入するなどの金利の下がりすぎを防ぎ、金融機関に配慮するという意味合いもあります。
 なお効果が不十分な場合の追加緩和手段については、次の項目を挙げています。
 .泪ぅ淵攻睛政策の強化
◆…拘金利操作目標の引き下げ
 資産買い入れの拡大
ぁ〇餠盒ゝ詢未粒搬腑據璽垢硫誕

日銀が追加金融緩和を決定

 日銀は本日29日の金融政策決定会合において追加金融緩和を決定しました。背景にあるのは、イギリスがEUを離脱することになり、世界経済の不透明感が強まっていることです。
 政策のポイントは、現在は年3兆円の上場投資信託(ETF)の買い入れ額の6兆円への増額です。そのほか、企業が海外事業を広げる際に必要なドルを日本の金融機関経由で供給する制度の強化も行います。これは2012年に始まった制度で、限度額を従来の120億ドルから240億ドルに倍増します。日銀が金融機関にドルを供給する別の制度でも、円を事実上の担保としてドルを引き出せるようです。
 日銀が世の中に供給するお金の総量に当たるマネタリーベース(資金供給量)の増加ペースは、年80兆円で据え置きます。年80兆円の国債、年900億円の不動産投資信託(REIT)の買い増しペースも現状のまま維持します。さらに銀行が日銀に預けるお金の一部にかけるマイナス金利は年マイナス0.1%で維持します。2%の物価目標達成時期も、2017年度中で変更なしです。
 なお黒田総裁は、次回の決定会合までに現行の金融緩和の総括的な検証実施も表明しました。この発表をめぐり、一部の投資家はマイナス金利の撤回があるのではと勘ぐっているようです。黒田総裁の方針かもしれませんが、金融政策の方向性が見えづらく、金融政策決定会合のたびごとに、株価が乱高下するのが気がかりです。サプライズ狙いよりも、安定的な金融政策を目指さないと、長期投資家が日本市場から離れてゆくような気がしてなりません。 
 最後今回の追加緩和決定には、アベノミクスを強化するため、政府と協調する狙いも見受けられます。政府は8月2日に事業規模28兆円の経済対策を閣議決定します。財政と金融政策の組み合わせで景気を押し上げ、家計、企業、市場に対する期待を高めようとしています。
 

2015年度 国民年金の納付率 63.4%

 今日7月1日付『日本経済新聞』によると、自営業者らが入る国民年金について、被保険者が納めるべき保険料のうち実際に払われた割合を示す納付率(月数ベース)が2015年度に63.4%となり、前年度から0.3ポイント上昇したということです。
 納付率は1996年度まで80%を超えていましたが、2011年度の58.6%を底に、4年連続で改善しています。その理由として考えられるのは、雇用の改善で所得が持ち直したことや、未納者への督促強化が行われたことです。それでも60%強の納付率ですから、低水準と言わざるをえません。
 なお低所得などで保険料を免除・猶予されている人は納付率の計算から除かれています。それらを含む被保険者全体で実際に納付された割合は40.7%でした。
 みなさんも記憶に新しいと思いますが、2015年5月、外部からの不正アクセスによって、日本年金機構の年金情報管理システムサーバより個人情報が流出した事件がありました。これ以降、厚労省・年金機構への不信感が高まっています。不信を抱く人が増えれば、再び納付率が下がる可能性もあります。、

長期金利 一時、マイナス0.165%を記録

 13日の債券市場において、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一段と低下し、過去最低を更新しました。一時、前週末比0.015%低下(価格は上昇)のマイナス0.165%となり、前週末につけたこれまでの最低であるマイナス0.155%をさらに下回りました。その大きな背景として、イギリスの欧州連合(EU)離脱懸念の高まりで、投資家たちがリスク回避姿勢を強めたことが考えられます。
 なお新発20年物と5年物国債の利回りも過去最低を更新しています。20年債利回りは、一時前週末比0.020%低い0.170%、5年債は0.005%低いマイナス0.270%まで下がっています。
 日銀が国債の大規模買い入れを継続しており、市場参加者は今後国債の利回りは低く(価格は高く)推移するだろうという見通しを持っています。前述のように、何らかの要因で投資家のリスク回避姿勢が高まると、国債の需要が増大し、価格上昇・利回り低下につながる傾向があります。

世界銀行が世界経済の成長率を2.4%に下方修正

 今日6月8日の『日本経済新聞・夕刊』で世界銀行が7日発表した最新の世界経済見通しの記事が載っていましたのでご紹介します。それによると、2016年の世界の実質GDP)成長率を、1月時点の予測2.9%から2.4%に下方修正しました。最大の原因は資源輸出国の大幅な成長鈍化ですが、先進国の景気減速も深刻です。
 成長率見通しは先進国が1.7%、新興・途上国は3.5%と、それぞれ前回予測から下方修正されています。下げ幅が大きいのは新興・途上国の資源輸出国で、成長率は0.4%と、前回予測から1.2ポイントも下方修正されました。
 先進国の減速も看過できません。日本は個人消費の低迷と輸出の伸び悩みで0.5%成長にとどまると見られています。また労働力人口の減少が成長の重荷になっていることも明らかです。日銀のマイナス金利政策については、効果は不確実と指摘されています。2017年も0.5%成長を見込んでいますが、現段階の見通しには、消費税増税の延期の影響を織り込まれていません。
 アメリカも大きな下げ幅です。輸出やエネルギー関連投資の不振で2016年の成長率は1.9%にとどまるとみられています。雇用改善によって2017年は2.2%に回復すると考えられていますが、世界経済の牽引役であるアメリカ経済の減速が、世界経済の下振れ要因といっても過言ではありません。
 中国の2016年の成長率は6.7%、インドは7.6%と、資源輸出に頼らない新興国は底堅い状況です。しかし政情不安のあるブラジルは2017年まで3年連続のマイナス成長と予測されています。ロシアも2016年は1.2%のマイナスです。
 今後の最も懸念されるリスクは、新興国や途上国の民間債務の急拡大と見られています。企業財務が悪化すれば、設備投資や雇用も下振れし、経済成長をさらに下押しする悪循環になることが心配されます。

WTI原油、1バレル=50ドル台をつける

 今日5月28日付の『日本経済新聞』に、原油価格(国際指標であるWTI・ウエスト・テキサス・インターミディエート)が26日、一時、約7ヶ月ぶりに1バレル50ドル台に乗せたという記事がありました。2月に付けた約13年ぶりの安値に比べ、約9割も上昇したことになります。日本の輸入価格の指標になるドバイ原油も同様に値上がり基調で推移します。
 原油高の影響が直接出ているのがガソリンです。全国平均店頭価格は1リットル119円台と、ほぼ5ヶ月ぶりの高水準となりました。トラックの燃料となる軽油も値上がりしており、運送会社では速度を落とした低燃費走行を心がけているといいます。
 漁船の燃料や農業のビニールハウスの暖房に使うA重油も上がっています。漁業団体は燃料費がコストに占める割合は3〜4割に達するので、これ以上上がると経営に悪影響が出ると懸念しています。冬場のビニールハウスでの野菜栽培への影響も心配です。
 石油化学製品の値上げに向けた動きも出ています。包装フィルムなどの製品に波及するには一定の時間がかかるようですが、夏以降に価格交渉が本格化する見込みです。電気やガス料金も秋以降に上昇に転じる可能性があります。
 27日発表の4月の生鮮を除く全国のコア消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.3%下落しています。エネルギー関連が1ポイント強物価を押し下げたということです。今後原油価格が高い状態が続くと、エネルギーによる押し下げ効果は小さくなってゆきそうです。

大手百貨店5社の2016年3月の売上高

 大手百貨店5社(三越・伊勢丹、大丸・松坂屋、高島屋、、そごう・西武、阪急・阪神)が今日4月1日発表した3月の売上高(既存店ベース、速報値)は、阪急・阪神以外の4社が減収でした。月の後半にかけて気温が下がり、この時期の主力商品である春物衣料の販売が婦人・紳士ともに振るわなかったためです。時計や宝飾品など高額品の売り上げも鈍っており、百貨店の売り上げを下支えしてきた富裕層の消費にも変化の兆しが見え始めています。
 個別に見てゆきましょう。まず三越伊勢丹は、前年同月比3.1%減でした。主力の婦人衣料が大きく落ち込んだためです。ブラウスやカットソーなどが不振だったため、旗艦3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の婦人衣料の売上高が約10%も減りました。加えて宝飾品や時計の売上高も旗艦3店で3%減少です。株式相場の低迷で資産効果が働かなくなってきています。
 大丸・松坂屋は7.2%減、そごう・西武は5.7%減と振るいませんでした。大丸・松坂屋は大丸心斎橋店の本館の建て替えや、松坂屋名古屋店の大規模改装に伴う売り場の営業休止が大きく影響しています。
 高島屋に注目すると、衣料品は低迷したものの、インバウンド(訪日外国人)需要が堅調で、全体の落ち込み幅は1.2%にとどまっています。
 最後に唯一増収だったのが阪急・阪神で、1.6%増を記録しました。とりわけ、阪急うめだ本店が2.8%増となりました。これは、3月2日に改装オープンした婦人服売り場の集客効果に加え、訪日客向けの化粧品の販売などが好調に推移したためです。阪神梅田本店も、建て替えに伴う売り場面積減少の影響が一巡し、3.7%増を記録しました。

日銀がマイナス金利を導入

 日銀は今日1月29日開いた金融政策決定会合において、マイナス金利政策の導入を5対4の賛成多数で決めました。今回の金融政策決定会合で決まったことの要点は、次のとおりです。
 屮泪ぅ淵攻睛付き量的・質的金融緩和」を導入。(量・質・金利の3つの面での緩和策。)
◆〔唄峩睛撒ヾ悗日銀当座預金に預けたお金に対して支払う金利(付利)を2月からマイナス0.1%に引き下げ、今後必要ならさらなる金利引き下げを行う。(銀行がすでに日銀に預けた当座預金の金利は、現在の0.1%のままで据え置く。)
 日銀当座預金を3段階に分割し、それぞれプラス・ゼロ・マイナス金利を適用する。
ぁ.泪優織蝓璽戞璽垢鯒80兆円増加させる金融市場調節方針を維持。
ァ。釘圍討筍劭釘稗圓覆匹了饂最磴てれ額は現状維持。(ETF−3兆円、REIT900億円)
 このような決定の背景として、原油価格の下落や中国経済への不安で世界経済の先行き懸念が強まったことが考えられます。その結果、国内の景気や物価に悪影響が及ぶリスクが高まっていました。2013年4月に導入した量的・質的金融緩和(異次元緩和)は、大きな転換点を迎えることになりました。


安倍首相、最低賃金1,000円を目標に

 24日、総理大臣官邸で開かれた経済財政諮問会議で、甘利経済再生担当大臣は、GDP600兆円の達成に向けた緊急対応策を示しました。その具体的内容は、法人税の実効税率に関し、来年度の引き下げ幅を確実に上乗せし、早期に20%台に引き下げることや、消費を拡大し今後5年程度で平均3%程度の名目成長率を実現できる賃上げや最低賃金の引き上げが重要だと述べました。
 この提言に基づき安倍首相は「名目GDPを2020年ごろに600兆円に増加させていくなかで、最低賃金も年率3%程度を目途として、引き上げていくことが必要で、全国平均が1,000円となることを目指す」と述べ、現在全国平均で時給798円の最低賃金を、来年以降、毎年3%程度引き上げ、1000円にすることを目指す考えを示しました。
 安倍首相はさらに、「最低賃金の引き上げに向けて、中小・小規模事業者の生産性向上などのための支援や取引条件の改善を図っていく」と述べました。そして関係閣僚に対し、最低賃金の引き上げに向けた中小企業などの支援策を検討するよう指示し、産業界に対しても取り引き価格の適正化に協力を要請しました。

2015年1−10月の訪日客1,631万人に

 日本政府観光局(JNTO)が2015年11月18日発表した10月の訪日客数は、前年同月比44%増の182万人と、単月で最高の7月(191万人)に次ぐ高水準となりました。国・地域別では中国が前年同月の倍となる44万5千人で首位です。10月1〜7日が国慶節の連休であったので訪日客が増加したようです。韓国や台湾など他のアジア各国からの訪日客も堅調に伸びました。背景にあるのは円安基調の継続と、消費税免税制度の拡充による買い物需要の増加、航空路線の拡大、これまでの査証(ビザ)の発給要件緩和などです。
 なお1〜10月の全体の訪日客数は1,631万人と年間で最高だった昨年(1,341万人)をすでに上回っています。
 訪日客数の動向は下記の日本政府観光局のホームページで確認することができます。

日本政府観光局

2015年7−9月期のGDP速報

 内閣府が2015年11月16日発表した7−9月期のGDP速報によると、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.2%減、年率換算で0.8%減となりました。4−6月期も年率0.7%減であったので、二四半期連続で、マイナス成長を記録しました。
 ここで需要項目別に動向を確認しておきます。個人消費は実質で前期比0.5%増と、2四半期ぶりのプラス成長でした。夏場の猛暑でエアコンや夏物衣料の販売が堅調であったことに加え、大型連休には好天に恵まれ、旅行や外食などサービス消費も活発だったようです。ただ、食料品の値上がりで、高齢者世帯を中心に節約志向が強まっています。そのため、前期の落ち込み(マイナス0.6%)の埋め合わせができるほどの力強さはありませんでした。
 企業の設備投資は1.3%減で、前期よりマイナス幅がやや拡大しています。8月に中国発の世界同時株安が起きたのが引き金で、企業心理が弱気に傾きました。計画中の設備投資の実行をいったん見送る動きも出ており、企業家は工場を新設したり、新たな機械の導入に慎重になっています。企業収益は高水準に達しているにもかかわらず、設備投資の増大につながっていません。
 住宅投資は1.9%増で3期連続のプラスを示しています。
 公共投資は0.3%減で、2期ぶりのマイナス成長です。2014年度の補正予算の効果が、徐々に低下しているようです。
 財・サービスの輸出は2.6%増と、2期ぶりのプラス値でした。中国やアジア向けが低迷する一方、欧米向けの輸出額が上向きました。とはいえ数量ベースではいずれの主要地域向けも減少しており、世界経済の減速の影響が及んでいます。訪日外国人客の増加でサービスの輸出は増え、訪日客の消費はGDPを0.1%分押し上げました。
 輸入は国内消費の持ち直しを背景に1.7%増えました。
 日本経済の先行きについて、いくつかの懸念材料があります。何よりも、中国経済の動向が気がかりです。中国の景気停滞は、中国向けの輸出や訪日中国人の消費低下につながります。さらにアメリカが利上げを行うと、新興国への投資が縮小し、新興国経済の悪化に結びつくでしょう。それは、日本の輸出や生産に影響を及ぼすに違いありません。パリで勃発した同時テロは、ヒトやモノの円滑な移動を妨げ、世界経済の停滞要因となるかも知れません。

安倍晋三首相、無投票で再選

 自民党の総裁選挙は、2015年9月8日告示され、安倍首相が無投票で総裁に再選されました。しかも、党内の7つの派閥(細田派・額賀派・岸田派・麻生派・二階派・石原派・山東派)全てが安倍氏の再選支持を表明したのです。
 目立った対抗馬もなく、簡単に無投票・再選が決まったのは、次の理由が考えられます。
  2012年の政権奪還後、2013年の参議院選挙、2014衆議院選挙と、国政選挙3回連続で勝利する実績をつくった。
 ◆‘盂奸党の支持率が高い。(安倍内閣約40%、自民党約35%)
  党内に安倍氏と強く対立するイデオロギーがない。
 これまでの自民党総裁選は、継続的な内閣支持率低下のもとで、党勢回復を目指して行われるケースが多かったのですが、今回の場合は、総裁選をアピールしたところで、現状と変わらない(変える必要がない)との判断が、党内で働いたものと思われます。
 さらに安倍氏の政策に対立する路線が打ち出せる候補者が現れなかったことにも注目すべきです。結局野田聖子前総務会長も、安倍首相との政策の違いを十分明確にできなかったといえます。
 タイミング的にも、安保関連法案の審議中であり、もし首相との対立軸を打ち出せば、野党に攻撃材料を与えることを危惧した面も否定できません。
 派閥の存在感がなくなり、派閥単位でリーダーを擁立しようとする動きは見られなくなりました。議員たち早く「勝ち馬」に乗り、人事で優遇されるよう振舞っています。
 今回の安倍首相の無投票・再選は、自民党が多様性と活力のない政党であることを印象付けたともいえます。国民は政策論争を聞く機会が得られず、政権の進むべき方向が見えづらいのは残念です。

2015年7月の実質賃金、前年同期比0.3%上昇

 本日5日付の『日本経済新聞』に、2015年7月の実質賃金が前年同月比0.3%増加したという記事が載っていました。増加は27ヶ月ぶりですが、小幅にとどまりました。
 その大きな原因として、7月の1人当たりの名目賃金(現金給与総額)は0.6%増の36万7,551円と市場予想の2%増を下回ったことが挙げられます。このうちボーナスなど「特別に支払われた給与」は10万7,092円と、わずか0.3%しか伸びませんでした。
 業種別に見た特別給与は、従業員500人以上の大手製造業では3.3%増えています。円安の恩恵を受けて業績好調で、ボーナスに反映されたといえます。その一方で、円安がコスト上昇要因になる小売りなど内需企業は、横ばいや減少した企業が多いとみられ、特別給与全体を抑える形になりました。従業員30人以上の企業の38%が6月にボーナスを支給していますが、た6月の特別給与は前年同月比6%も減りました。そして7月が0.3%の伸びしかありませんので、夏のボーナスによる実質賃金押し上げ効果は、マイナスになる可能性もあります。
 ここで気になるのは、近いうちに日銀が目指すデフレ脱却が実現できるかということです。日銀は2016年度前半頃には、企業収益を起点にした景気回復が順調に進み、物価上昇2%の目標を達成できると考えています。しかしそのシナリオは危うい気がします。日銀は今年は消費税増税の影響がなくなったといいますが、企業の生産は右肩下がりで、賃上げにもかかわらず、消費は伸びていません。原油価格が急落し、日経平均株価が1万8,000円を割り込む状況では、インフレ期待が高まりそうにありません。
 黒田総裁は果たして3度目の金融緩和に踏み切るのでしょうか。その際、まずアメリカの金融政策の動向に注意が必要です。FRBが利上げを決断し、同時期に日銀が追加緩和を行えば、一気に円安・ドル高が進むでしょう。そうすると、日用品の価格高騰を招き、消費に打撃を与えます。中小企業や家計が困るので、アメリカの利上げ先送りに確信が持てなければ、追加緩和はしづらいと思われます。
 一方中国経済の悪化が顕著なため、1ドル=120円前後の円安の水準訂正が必要となり、マーケットが円高芳香に動き出し、例えば1ドル=110円を超える円高局面に突入すれば、円安方向に戻すため、追加緩和を行っても不思議ではありません。
 

2015年7月の鉱工業生産指数

 経済産業省が今日31日発表した7月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は97.7となり、、前月に比べ0.6%下がりました。低下は2カ月ぶりです。低下は15業種中10業種でみられましたが、特に中国向けのスマートフォン部品(集積回路)など電子部品・デバイスの生産が3.7%低下と、顕著な落ち込みを示しました。もっとも電子部品の不振は、8月、9月には回復すると見込んでいます。アップルのスマホ「iPhoneの新製品向けの部品生産が本格化するからです。アルプス電気はスマホのカメラレンズを制御する部品などを増産するため、100億円の設備投資を実施します。
 自動車など輸送機械も不振に陥りました。特に軽自動車は、4月の増税の影響で販売不振となり、在庫が前年比2割増に積み上がっています。
 電子部品や自動車の生産が停滞すると、それらを作る工作機械の生産も連鎖的に減少します。
 今後の生産活動はどのように推移するでしょうか。前述のようにスマホ向けデバイスは改善が期待できます。しかし全般的には、厳しい状況が続きそうです。人民元切り下げを発端とする世界同時株安、天津の爆発事故の影響があらわれるのは、これからです。
 中国の景気停滞は、中国向けの輸出や訪日中国人の消費低下を引き起こすでしょう。そのような事態を想定して、各企業は生産を抑制すれば、日本の景気にも悪影響が及びます。

日銀の国債保有残高300兆円を突破

 昨日25日の『日本経済新聞』に、日銀の国債保有残高が初めて300兆円を突破したという記事があり、大変驚きました。
 日銀が24日発表した20日時点の国債保有額は301兆9,144億円に達します。そしてこのうち8割強を長期国債が占めています。国債保有額をGDPとの対比でみると、2013年4月の量的・質的金融緩和政策の導入時は3割弱でしたが、直近でで6割に達しています。欧米中央銀行は2割前後ですから、突出した大きさです。
 24日の債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは0.350%と、前営業日から0.010%低下(債券価格は上昇)しました。中国経済の減速リスクに端を発した世界的な株安の連鎖がマネーの安全志向を強め、金利を押し下げたといいます。
 長期金利が0.3%台半ばの低水準でずっと落ち着いているのは、日銀が大規模な金融緩和で長期国債を大量に購入しているためです。。ちなみに、市場に流通している国債のうち日銀が保有する比率は3割に達したそうです。一方で、3月末時点で53.5%だった民間金融機関は、1999年以来の5割割れが近づき、市場での取引は細ってきています。こうして債券市場での取引の厚みが損なわれると、長期金利が乱高下しやすくなるリスクがあります。
 日銀は長期国債の保有残額が年80兆円のペースで増えるよう、市場から買い入れています。日銀が国債を中心に資産を膨らませて金融緩和を強化した結果、金利低下が実現し、民間金融機関の貸し出しは伸びています。
 日銀が現在のペースで国債を買い続けると、2017〜18年の保有率は5割を超え、保有額はGDPを上回る可能性があります。流動性低下もますます顕著になるでしょう。財政再建観点からも望ましくありません。

2015年4−6月期のGDP速報

 内閣府が2015年8月17日発表した4-6月期のGDP速報によれば、実質の季節調整値で前期比0.4%減、年率換算で1.6%減となりました。1−3月期の実質GDPは4.5%増と高成長であったので、今回はその反動が出たという見方もあります。なおマイナスになるのは昨年7−9月期以来3四半期ぶりです。ちなみに生活実感に近い名目GDPは、前期比0.02%増、年率で0.1%増でした。
 ここで需要項目別に動向を確認しておきます。個人消費は実質で前期比0.8%減と4四半期ぶりにマイナスとなりました。円安や原材料高で食料品の値上げが相次ぐ中、賃金が伸び悩み、消費者が財布のひもを締めました。4月からの増税のため、軽自動車の販売が振るいませんでした。加えて6月に長雨・低温が続き、エアコンなどの家電や衣料品の販売が減ったのも影響しています。
 設備投資は0.1%減でした。企業収益が過去最高水準に達しているのに照らすと、投資は鈍いといわざるをえません。このことは後ほどふれます。また住宅投資は1.9%増と、前期(1.7%増)よりやや大きな伸びを示しました。消費増税後の反動減が一巡したことに加え、低金利が続いたことで、着工戸数の持ち直しが鮮明になっています。
 政府の物品・サービスの購入などの政府消費は0.4%増、公共投資は2.6%増でした。公共投資は前期1.2%減であったので、今回は改善したことになります。
 輸出は4.4%減と、6期ぶりのマイナスを示しました。中国景気の下振れがアジア全体に波及し、日本の輸出に響きました。一方輸入は国内消費の縮小で2.6%減となりました。輸出から輸入を差し引いた純輸出のGDPへの寄与度はマイナス0.3%でした。訪日外国人観光客による消費は6.1%増えていますが、GDPへの寄与度は0.03%分の押し上げにとどまっています。
 今後の景気はどうなるのか、いくつかの懸念材料があります。まず国内的には、円安で食料品など生活必需品の価格が上昇し、消費者が節約志向を高めているのが気がかりです。賃上げが行われても、消費者心理は悪化しています。
 次に対外的には、中国経済の減速が重荷です。中国の需要減少が原油など商品価格の下落につながると、資源国や新興国の景気悪化を引き起こすかも知れません。さらにアメリカの利上げ実施により、新興国から投資マネーが引き上げられると、景気にマイナスの影響を及ぼすでしょう。元安で中国人の購買力が低下すれば、訪日中国人による消費の落ち込みも避けることができません。
 企業業績が好調にもかかわらず、GDPの増大に結びついていないことにも注意が必要です。これは企業が海外で稼いだ利益が現地で再投資され、日本での投資や賃金にまわっていないことを意味します。
 日本経済は当面、以上のような課題を克服しなければなりません。

人民元切り下げと通貨安競争激化懸念

 中国人民銀行は今日12日、人民元売買の基準となる対ドルの為替レート「基準値」を、前日の基準値より1.6%引き下げ、1ドル=6.3306元となりました。ちなみに中国は、対ドルの人民元相場について、人民銀が毎日公表する基準値から上下2%の変動を認めています。人民元は前日も2%近く下げており、連日の元安誘導により、一時約4年ぶりの安値水準を記録しました。今後人民元の切り下げが続くと、各新興国も輸出競争力を維持するため、自国通貨の切り下げを行うでしょう。すなわち、アジア通貨の切り下げ競争が激化する可能性があります。とりわけインドネシアやベトナムは、対米輸出において中国と激しく競争しています。
 中国景気の減速懸念が高まったことにより、株式市場にも激震が走りました。日経平均株価は、前日比327円98銭安の2万392円77銭で取引を終えました。その背景には、中国で稼ぐ企業が好業績を持続できなくなるという懸念があります。加えて中国人富裕層の消費拡大にブレーキがかかり、これまで比較的堅調に推移してきたインバウンド(訪日外国人)需要が減退してゆくことも懸念されています。
 もっとも、中国経済は人民元安で景気の底割れを回避できるという可能性も残されています。人民元がいつ下げ止まるか、当面の間注視してゆく必要があります。

日銀の国債購入 札割れが起きる可能性も

 今日11日付『日本経済新聞』のエコノフォーカスという欄に、日銀が行っている異次元緩和に異変が生じているという記事がありました。国債購入にきしみが出始め、年80兆円ペースの買い増しで市場に出回る国債が減り、日銀が買おうとしても売り手がいない「札割れ」(ふだわれ)が起こるかも知れないというのです。
 政府が2015年度に発行する新規国債は37兆円弱です。日銀が金融政策決定会合で宣言したとおり、年80兆円買い増すなら、差額の43兆円余りは銀行などから集めなければなりません。ところが銀行は、金融取引の担保などに一定量持っておく必要があり、簡単にに手放すことはできないというのです。また、国債の売り手だった年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、株式や外債での運用比率を高める見直しに伴い、2014年度は約9兆円の国債を売りましたが、ほぼ目標を達成しましたので、今後は国債の売却が細るとみられています。このままいくと、2017年春にも日銀が計画通り国債を買えない札割れが起きるかも知れないと、懸念されています。
 日銀の木内登英審議委員は、日銀が年間80兆円の国債買い増しを行って経済に注ぎ込むお金の量を増やしても、効果はあまり出ていないと指摘しています。10年債の利回りはほぼゼロまで低下し、金利を通じた緩和効果は見込めない状況です。最大の目標である物価を2%押し上げる効果は認められません。(日銀は4月30日、2%の物価目標の達成時期を「2015年度を中心とする期間」から「2016年度前半」へ後ずれさせました。)そこで木内委員は、国債買い入れ額を年45兆円に縮小すべきだと主張したそうです。
 しかし木内委員以外の委員はこの提案に反対しました。「2%の物価目標は道半ばである」、「国債購入の急減は金融市場への影響が甚大だ」という見解です。目標を達成していない段階で当初の方針を撤回することは、プライドが許さないのでしょう。
 日銀の異次元緩和、私は何となく限界にきたような感じがしています。

日米防衛協力のための指針(ガイドライン)改定

 日米防衛協力のための指針(ガイドライン)が4月27日、18年ぶりに改定されました。自衛隊の米軍への協力内容が質量とも大きく拡大します。
 ガイドラインは、日本が他国に武力攻撃された時などの自衛隊と米軍の役割分担を定めた政策文書です。1978年、旧ソ連の日本侵攻を想定して作成され、冷戦後の1997年には朝鮮半島有事を想定して改定されました。
 今回の改定では、中国の軍備増強や、東シナ海、南シナ海への海洋進出に、日米でどう対抗するかが大きな課題となりました。2015年3月4日の全国人民代表大会(全人代)で公表された中国の軍事費は、約8,890億元(約17兆円)と10年前の4倍に達します。日本の懸念は軍事面で中国が日本より強くなることです。それを防ぐため、中国より日米が強くなれば、東アジアの安定は保たれると考えられます。緊密な日米同盟が抑止力となり、地域の勢力均衡につながることを目指しているのです。こうした考えに基づき、より緊密な連携機能を構築して、共同計画を策定。情報収集や警戒監視、重要影響事態、存立危機事態、宇宙やサイバー空間の協力など、日本ができるメニューをすべて出し切ったようにも感じられる。
 そのほか日本には、中国公船の領海侵入が相次ぐ尖閣諸島の防衛に、米国を巻き込みたいという思惑があります。新ガイドラインでは、日米共同で武力行使する具体例に「離島防衛」を明記するが、これは日本が強く求めたものです。
 他方アメリカの立場に立てば、財政難で軍事費の削減を余儀なくされている。米国は中国に対抗するため、自衛隊ができることや活動範囲を広げ、米軍の肩代わりを望んでいるのでしょう。
 ガイドラインの改定により、盛りだくさんのメニューが並んだのですが、日本はそれらを実行できるのでしょうか。何よりも国内合意のないままあまりにも重い負担を表明したことが気がかりです。約束が果たせなければ、同盟は揺らぐでしょう。加えて米国から強い要請を受けたとき、主体的な判断ができるかどうかも疑わしいです。

2014年の1人あたりの現金給与総額、前年比0.8%増

 今日4日付の『日本経済新聞・夕刊』に、厚生労働省の毎月勤労統計調査(速報値)の結果が載っていました。それによると、2014年の1人あたりの現金給与総額は、月額31万6,694円で、前年比0.8%増だったそうです。賃金が増加に転じたのは4年ぶりで、伸び率は17年ぶりの大きさといいます。
 5人以上の事業所を調べると、特別給与が5万5,647円と3.5%増えました。好業績企業が賞与の積み増しを行い、従業員に還元した結果です。残業代にあたる所定外給与も1万9,690円と3.1%増えています。
 もっとも基本給など所定内給与は、24万1,357円と増減ゼロだったようです。それでも、2014年の春季労使交渉で、賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)が広がり、9年ぶりにマイナスを脱しました。
 続いて現金給与総額を業種別にみると、郵便局など複合サービス業が4%増えています。日本郵政のベアなどが要因です。電気・ガス業(3.2%増)、不動産・物品賃貸業(2.9%増)のほか、製造業(2.5%増)など、様々な業種で伸びています。
 賃金増加の背景にあるのは、円安による企業業績の回復です。2013年の政労使会議において、賃上げの必要性で合意したことも後押しとなり、賃金水準を底上げするベアや一時金の積み増しを通じ、社員に還元する動きが企業に広がったといえます。
 ただし物価の伸び率を考慮した実質賃金は2.5%減です。名目の賃金は0.8%増えたものの、消費者物価が3.3%上昇しており、減少率はリーマン・ショック後の2009年の2.6%減に次いで過去2番目の大きさです。
 昨年4月に消費税率を5%から8%に引き上げられ、異次元の金融緩和政策によって円安が急激に進み、輸入品の価格が上昇しました。1997年に消費税率が3%から5%に引き上げられた際の実質賃金は増減ゼロの横ばいでした。2014年の増税のインパクトの大きさが窺えます。

「政労使会議」が行われる

 本日16日、政府、経済界、労働団体の代表らによる「政労使会議」が行われました。会議内容について、同日の『日本経済新聞・夕刊』の記事をもとにご紹介します。
 会議において安倍晋三首相は、「来年春の賃上げについて最大限の努力を図っていただけるよう要請したい」と強調したそうです。さらに「賃上げの流れを来年、再来年と続け、全国津々浦々にアベノミクスの効果を浸透させていきたい」と述べました。「円安のメリットを受けて高収益の企業は賃上げ、設備投資に加え、下請け企業に支払う価格についても配慮を求めたい」と取引価格への転嫁を促しています。
 これに対し、経団連の榊原定征会長は「賞与・手当を含めた賃金の引き上げについて最大限努力する」と表明しました。加えて中小企業に配慮した総合的な取り組みを進める考えも示しています。会議後、記者団に「経済界として積極的な対応をしていく。収益があがった企業は設備投資、雇用増、賃金の引き上げで対応しようと呼びかけていこうと思っている」と述べたそうです。
 一方、日本商工会議所の三村明夫会頭は記者団に「中小企業は賃上げに必要な条件がまだ整っていない」と指摘しました。三村氏によると、円安などによるコスト上昇はまだほとんど取引価格に転嫁されていないといいます。今後転嫁推進をはかっていくようです。
 政労使は合意文書もまとめました。文書では、「政府の環境整備の取り組みの下、経済界は賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図る」と明記しています。また、「仕入れ価格の上昇などを踏まえた価格転嫁や支援・協力に総合的に取り組む」と申し合わせました。賃金体系見直しにも触れ「個々の会社の労使が十分な話し合いのもとで見直しに取り組む」とし、「子育て世代への配分を高める方向へ賃金体系を見直すことが一案」と記しています。

新発2年物国債の利回りが0%に

 今日20日の『産経新聞』のインターネット記事に、19日、新発2年物国債の利回りが初めて0%になったという記事が載っていました。これは日銀が、大規模な金融緩和で大量の国債を市場から買い集めているからです。10月31日の追加金融緩和のインパクトが大きく、日ごとに金利の先安観が高まり、金利低下に歯止めがかからない状態です。通常なら株高で金利上昇が起きる場面でも、日銀による「異次元」国債買い入れのため、金利が低水準のままなのです。
 なお償還期限が1年以下の国庫短期証券(短期国債)ではすでに金利低下が常態化しており、マイナス金利が続いています。その流れが、2年物国債にも波及してきたわけです。市場では「2年物がマイナス金利になるのも時間の問題」という声が出ています。
 国債利回りの低下は、借り入れや住宅ローン金利の低下につながり、国民生活にはメリットがあります。また企業の投資が活発れば、景気回復が早まるかも知れません。
 とはいえ「国債の利回り0%」は、 財務省がほとんどコストをかけずに国債を発行できることを意味します。つまり財務省には、金利負担軽減のため、国債発行額を減そうというインセンティブが働かなくなります。これで財政規律は維持できるのでしょうか。加えて投機マネーにつけこまれ、円安が止まらなくなりそうな気がします。
 ところで10月31日の追加金融緩和決定の際、政策委員9人のうち賛成が5人、反対が4人だったそうです。日銀内でも評価が真っ二つに割れる異例の結果となりました。反対の意を示した委員は、市場の気が変わり「大胆すぎる金融緩和」を、日銀による政府債務の穴埋めと評価され、国債の大暴落につながることに強い懸念を持ったに違いありません。消費税率再引き上げの延期も相まって心配するのですが、デフレ脱却を、金融政策に対する過度の依存によって実現しようとするのは、あまりにも無謀ではないでしようか。

2014年7−9月期のGDP速報

 内閣府が今日11月17日発表した2014年7−9月期のGDP速報によれば、物価の変動の影響を除いた実質で前期比0.4%減、年率換算で1.6%減となりました。4月の消費増税後の消費低迷が長期化し、2四半期連続のマイナス成長でした。
 需要項目別に動向を確認しておきます。
 GDPの6割近くを占める個人消費は、実質で前期比0.4%増と2四半期ぶりにプラスを記録しました。もっとも前期(4−6月期)は5.0%減と大幅減であったことを考慮すると、反発力は弱いといわざるをえません。品目別では衣服やガソリンが伸びたものの、自動車や家電など耐久財が落ち込み、消費増税後の反動から立ち直っていません。天候不順の影響で、レジャー支出にもブレーキがかかりました。低所得者層の消費落ち込みも深刻です。
 設備投資は前期比0.2%減で2四半期連続のマイナスでした。今年春に米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズXP」のサポートが終わり、1−3月期にパソコンの駆け込み需要が大きかったのですが、その反動か長引いています。
 住宅投資は前期比6.7%減と2四半期連続のマイナスでした。
 在庫投資は在庫が一定期間にどれだけ増加したかを表します。期間内に在庫が増加すればプラス、減少すればマイナスの在庫投資となります。今回在庫投資は、増税後の消費落ち込みで企業が4−6月期に在庫を抱えた分、7−9月期は生産調整で在庫を取り崩す動きが出て、0.6%成長率を押し下げる結果を招きました。もっとも調整が進んだことで、来期以降に企業活動が再び活発になる可能性もあります。
 公共投資は2.2%増で2期連続のプラス成長であるが、伸び率は小幅にとどまっています。
 輸出は前期比1.3%増だった。円安が急速に進んでいるにもかかわらず、回復力が弱いようです。アメリカやEU向けは芳しくなかったのですが、アジア向けは持ち直しました。
 輸入は0.8%増でした。

国の借金、1,038兆円

 今日11日付の『日本経済新聞』の報道によると、国債や借入金、政府短期証券をあわせた「国の借金」の残高が9月末時点で1,038兆9,150億円になったそうです。今年10月1日時点の総務省の人口推計は1億2,709万人でしたから、単純計算すると、国民1人当たり約817万5,000円の借金を抱えている計算です。

日銀、サプライズの追加金融緩和

 日銀は10月31日の金融政策決定会合において、追加の金融緩和を決めました。周知のように日銀は、2015年度にかけ物価上昇率を2%に高める目標を掲げています。ところが10月31日に総務省が発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品・消費増税の影響除く)は、前年同月比1.0%となりました。今年5月以降は伸び率が鈍化しているのです。黒田総裁は、物価上昇の鈍化は、デフレマインドからの転換を遅らせると懸念しました。
 そこでこの懸念を払拭するため、2013年4月に導入した「量的・質的金融緩和」の量・質両面での拡充を決断します。まず、資金供給量(マネタリーベース)の増加額は、これまで年60兆〜70兆円であったのが、10兆〜20兆円増額し、年80兆円としました。その結果、資金供給量は2015年末には、355兆円まで膨張することになります。GDPの実に7割強に相当する水準です。長期国債の買い入れ額も年50兆円から80兆円へと拡充し、買い入れる国債の償還までの期間(平均残存期間)を「7年程度」から「7〜10年程度」へと延ばしています。長期金利の低下を促し、設備投資や住宅購入を支援する意図が込められています。さらに上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の購入量は3倍に増やします。つまり、ETFは従来年間1兆円購入していたものを、3兆円に増額し、REITはこれまで年300億円購入していましたが、今後は900億円に増やすということです。
 黒田総裁は今回の政策措置を、「デフレ脱却へ揺るぎない決意」と述べました。もっとも、政策委員9人のうち賛成が5人、反対が4人と日銀内でも評価が割れる異例の結果となりました。

連合、2015年の春闘でベア2%以上を要求へ

 今日12日付の『日本経済新聞』によると、労働組合の中央組織連合は、2015年の春闘で、ベア2%以上を求める検討に入ったそうです。物価の上昇が進んでいるため、今年の「1%以上」を上回る水準を求めることにしたといいます。 
 連合は2010年の春闘から4年間、統一のベア要求を見送っていました。いうまでもなく、景気が芳しくなかったからです。しかし2014年には、5年ぶりの統一要求として1%以上の水準を求めました。企業業績が回復し、政府も賃上げを強く促したことから、定期昇給分を含む賃上げ額の平均は5,928円となったそうです。率でみると、2.07%で、1999年以来15年ぶりの高水準を記録しました。
 もっとも、労働者の生活実感の改善は十分といえません。厚生労働省の毎月勤労統計調査では、物価の上昇を考慮した実質賃金は、8月はマイナス2.6%となり、14ヶ月連続で前年を下回っている状態です。4月の消費増税に加え、急激な円安による輸入品の値上りが響き、消費者物価も上昇傾向を示し、2%のベアが実現しても物価上昇には追いつかない見通しです。




 

2014年夏の賞与、大幅増

 本日24日付の『日経MJ』に、今夏の主要民間企業の夏のボ−ナスが、大幅に増えたという記事が載っていました。集計は資本金10億円以上、従業員1,000人以上で労組のある企業のうち、374社を対象に行われました。厚生労働省の発表によると、労働組合のある主な民間企業の2014年夏のボーナス(夏季一時金)平均妥結額は、前年比7.28%増の80万653円(平均38.8歳)だったということです。2年連続で増加し、伸び率は8.1%増だった1990年以来、24年ぶりの高さとなりました。
 1990年以降の動向を振り返ってみると、バブル崩壊、リーマン・ショックなどで、伸び率はたびたびマイナスを記録してきました。しかし今回はアベノミクス効果で、製造業を中心に多くの産業で増加がみられました。春闘で賃上げが実現したことも好影響を与えています。
 産業別の妥結額を確認すると、建設業・19.05%増の69万8,807円、金融・13.31%増の61万3,879円、。卸・小売業・3.79%増の56万5,795円、鉄鋼業・72万7,447円(29.44%増)、自動車・94万7,091円(11.38%増)、精密機器・93万8,428円(11.03%増)といった具合です。
 電力・ガスは24.26%減の59万4,402円と、前年より大きく落ち込んでいます。

2014年4−6月期のGDP速報

 内閣府が本日13日発表した2014年4−6月期のGDP速報によれば、物価の変動の影響を除いた実質で前期比1.7%減、年率換算で6.8%減となりました。2012年末より続いてきた「アベノミクス効果」に加え、今年4月の消費増税前の駆け込み需要で景気は概ね好調に推移してきましたが、4月以降はその反動があらわれ、円安と需給改善にともなう物価高が、消費を冷却したといえます。なお年率換算6.8%という落ち込み幅は、東日本大震災が発生して6.9%減となった2011年1−3月期以来の大きさです。前回消費増税が行われた1997年4−6月期の減少幅は、前期比年率で3.5%減にとどまっており、今回のインパクトの大きさが窺えます。
 ここで需要項目別に動向を確認しておきましょう。
 個人消費は前期比5.0%減と7四半期ぶりにマイナスとなりました。前述の1997年4−6月期でさえ、減少幅は3.5%にとどまっており、現在と同じ方法で計算を始めた1994年以降で最大となりました。自動車やパソコンといった耐久財も、日用品も振いませんでした。
 設備投資は2.5%減で5四半期ぶりのマイナスです。ウインドウズXPのサポート終了にともなう駆け込み需要の反動が出たと考えられます。住宅投資の減少は深刻で、前期比10.3%も落ち込んでいます。
 アベノミクス「第二の矢」である公共投資は前期比0.5%減でした。政府は増税後の景気失速を最小限に食い止めるため、公共事業の執行時期の前倒しをはかってきましたが、今期は顕著な下支え効果はみられませんでした。人手不足が常態化し、資材価格の高騰も相まって、工事がスムーズに進行していない可能性があります。
 輸出は0.4%減でした。円安にもかかわらず輸出が伸びないのは、一部企業が現地工場に生産を移しはじめているからです。製造業の空洞化に歯止めをかけることが日本経済の重要な課題といえまする。一方輸入は、5.6%の減少です。原油や石油製品の減少の影響が大きく出ています。
 今回のGDP統計をみると、消費税率が5%から8%へ引き上げられた影響は、顕著にあらわれたといます。今後はウクライナ・ロシア情勢、イラク問題、イスラエルとパレスチナの紛争など、「地政学リスク」が外需を引き下げる可能性があり、注意が必要です。

2014年上半期の貿易収支

 財務省が本日24日発表した2014年1〜6月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7兆5,983億円の赤字だったそうです。赤字額は前年同期と比べ57.9%増え、半期として過去最大となりました。 
 ちなみに、上半期の輸出額は前年同期比3.2%増の35兆498億円です。ドイツ向けの自動車や中国向けの液晶部品が伸びました。一方輸入額は前年同期比10.0%増の42兆6,481億円でした。LNGや原油など燃料のほか、太陽光発電向けの電子部品の輸入も多くありました。消費増税前の駆け込み需要のため、自動車の輸入が増えているのも特徴です。
 なお上半期の為替相場は、平均1ドル=102.70円で前年同期比8.5%の円安でした。
 国・地域別の動向に注目すると、欧州連合(EU)、中国との貿易収支が悪化が目立ちます。中国との貿易赤字は2兆9,211億円で過去最大、EUとの貿易赤字は3,580億円と、双方とも過去最大を記録しました。中国市場に関しては、パソコンやスマートフォンの輸入が増え、赤字が拡大しました。
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